出版社の電子書籍担当者を辞めたい人へ=つらい職場を上手に辞める方法

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北野筆太

北野筆太

ブラック企業の取材などを主なテーマにしているライター。実際の転職経験者にインタビューをすることで、労働者が煮え湯を飲まされるその業界ならではの特殊事情やゆがみを探り当て、「就業する前に(転職する前に)知ってほしい体験談記事」を日々執筆中。

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出版社の電子書籍担当者にも「編集」の仕事はあるが、新興産業につきものの苦労が絶えず、結局は耐え切れずに退社の憂き目を見るケースも…

記事の目次

「本のにおいが好き」「本のたたずまいが好き」という畠山里美さん(仮名、42歳)は長年、編集の仕事を探していました。大学時代の就活で20社以上の出版社に落ち、仕方なく商社に入社しましたが、こっそり出版社に履歴書を送り続けました。

その成果が出ないまま結婚を機に退社、すぐに出産、そして子育てを経て、39歳のときにリベンジ就活に着手しましたが、出版社から届くのは不採用通知だけでした。

早く収入を得たかったので、止むを得ず派遣会社に登録しました。

しかし派遣先のIT企業では、意外にも充実したビジネスライフを送ることができました。

「長い間仕事から離れていたので、ここまで時代が進んでいたのかと、驚きの連続でした。自分よりはるかに若い正社員からタメ口で指示されるとイラッとしましたが、でも仕事を覚えることが楽しくて作業に没頭しました」

そんなときに、「夢の仕事」が畠山さんに舞い込んできたのでした。

派遣先のIT企業の社長に会議室に呼び出され、「畠山さんが編集の仕事を探しているって聞いたので声をかけさせてもらったんだけど、電子書籍の仕事に興味がありますか」と言われました。

このIT企業の社長は、取引先の電子書籍の会社から「未経験者でもいいので、とにかく誰かいい人がいたら紹介して」と頼まれたのだそうです。

畠山さんが登録していた派遣会社には、IT企業の社長から話をしてくれることになり、畠山さんは晴れて――とはいえ本当は紙の本を出している出版社に行きたかったのですが、しかし、電子書籍も出版ですのでとにかく――憧れの職をゲットすることができたのでした。

ところが、わずか1年半で、畠山さんはその会社を辞めてしまいました。畠山さんは退職理由についてこう語っています。

「活字と写真を使って『書籍』をつくる過程は『紙の本』と同じだったんですが、どうしても『電子』になじむことができませんでした。新しい業界に独特な雰囲気にも溶け込むことができなかったですね。電子書籍の仕事に携わってしまったことで、『やっぱり本物の本をつくりたい』っていう気持ちが強まってしまいました」

電子書籍関連の仕事をしているあなたに質問です。いま、充実した職業生活を送っていますか。「読まれる本をつくっている」という実がありますか?

NOと答えた方は、「こんなはずじゃなかったのに」と感じているのではないでしょうか。

というのも、紙の本を溺愛している人は、電子書籍が「バーチャルなもの」「無味乾燥なもの」に感じられ、どうしても仕事に没頭できない傾向にあるからです。

あなたもいま、作業の9割以上を占めるパソコン操作にやりがいを感じられず、日に何度も「辞めたい」と思うのではないでしょうか。

もしそうなら、この機会に「転職」を視野に入れた次の道を一緒に考えてみるのも、ご自身のキャリアをつぶさないために必須の選択肢となるケースがあります。

電子書籍担当者ならではの、就業中の不満、大変さ、辛さと悩み

辞めたい理由と悩み1:結局は「紙の本」をつくっていた人が「本物の編集者」。電子デビュー組はしょせん二軍扱い。

STAP細胞騒動の内幕を、その主人公である小保方晴子氏がつづった「あの日」(講談社)は、本に書かれた内容だけでなく、「あること」も話題になりました。

それは、アマゾンが電子書籍Kindle版の「あの日」を、紙の本と同額の1512円で発売したことです。

紙もインクも在庫も要らない電子書籍は、紙の本よりコストがかからないので、販売価格も安くするのが一般的です。Kindle版「あの日」はしばらくしてから1242円に値下げされましたが、発売当初に紙の本と同額にしたことは、出版社の電子書籍ビジネスへの本気度を示しています。

畠山里美さんは、IT企業から電子書籍に転身する際、この業界について徹底的に調べました。長年にわたって出版業界をウォッチしていただけあって、畠山さんが考えた「電子書籍の勝算」には、鋭い洞察力が見えます。

畠山さんが考えた電子書籍ビジネスの勝算
  • 電子書籍は、とにかく便利。一度端末で活字を読んでしまったら、紙の本の「ページをめくる」作業がわずらわしい。
  • 電子書籍は材料と工程が大幅に削減されている。紙の本づくりに欠かせない「紙、インク、印刷、裁断、製本、運送、書店での配置、対面販売」はすべて不要。
  • 電子書籍は、だから速い。著者と編集と校閲がOKを出せば数日で読者の手に渡る。
  • 電子書籍は、だから安い。現代ビジネスの必須要件「低価格」を実現できる。
  • 電子書籍は、ニッチな本も出せる。コストが安いから、少数の読者層向けの企画も通りやすい。電子書籍は読者ニーズに応えることができ、活字文化復興の起爆剤になる。

電子書籍のつくり方は、A:1から全て創り上げる場合と、B:紙の本を電子書籍化する場合――の大きく2パターンあります。

いちから電子書籍をつくる方法(A)は、紙の本のつくり方と同じです。

まずは編集者がつくりたい本を提案します。その企画が通ると、その内容にふさわしい作家と打ち合わせをして、必要があれば取材を敢行します。取材は原則、筆者が行いますが、編集者がアシストすることもあります。

必要な情報がすべて集まった段階で作家は執筆を開始し、編集者はそれを見守ります。ここでも編集者は、公私ともども作家を助けます。編集者としての仕事の達成感の量は、この段階で活躍できるかどうかにかかっています。

原稿が書きあがっても編集者の仕事は完了しません。誤字、脱字、事実誤認などの校閲を行い、編集長から最終確認をもらい、完成原稿となります。

紙の本ですと、ここから印刷会社と調整することになりますが、電子書籍では完成原稿をオペレーターに渡した時点で、編集者の仕事は終了します。

ただ、国内の電子書籍では「いちからつくる」パターンはまだ少なく、一般的なのは②の紙の本を電子書籍化する方法です。

まずは編集部内で「どの本を電子書籍にするか」という打ち合わせを行います。ベストセラー本であればすんなりゴーサインが出ますが、マニアックな本の取り扱いは綿密な検討が必要になります。

紙の本でそれほどヒットしなかった場合でも、電子書籍はその気軽さから意外に売れることがあります。それは、紙の本と電子書籍では読者層が異なるからです。

「やっぱり本は紙製に限るよ」と言って購入するのは中高年ばかりで、本当は若者の関心を集めることができるキャッチーな内容なのに、紙の本だから無視されることもあります。マンガですら紙の本が敬遠される時代です。

そのような優れた文章や記事やマンガを若者に届けられるのが、電子書籍の真骨頂です。

電子書籍化する紙の本が決まると、次は著作権の調整を行います。ここで問題になるのは、電子書籍の販売価格です。著作権者の収入に直結する話なので、シビアなやりとりが展開されます。

著作権交渉がまとまると、電子化の作業が始まります。それぞれの端末で読めるようにデータを加工して、電子書店に納品します。

仕事はこれで終わりません。

プロモーション、つまり販売促進では電子書店に働きかけたり、自社媒体を使ってPRしたり、時には広告を打つこともあります。

これも「自分が育てた子供」を成長させる仕事なので、とてもやりがいがあります。

以上が「電子書籍の仕事」ですが、しかし「畠山さんの仕事」ではありませんでした。畠山さんは、このようなやりがいを感じられる仕事をやらせてもらえなかったのです。

畠山さんに与えられた仕事は、営業事務、検証作業、サイトに掲載するバナー広告のデザインでした。

日別の売上日誌をつくったり、配信済みの電子書籍が各電子書店や各端末ごとにきちんと読める状態にあるかチェックしたりする日々を過ごしました。

畠山さんはこの会社にいた1年半を次のように振り返りました。

「電子書籍づくりには、私が希望していた編集の仕事が確かに存在しました。でも会社は、そういう『本当の仕事』は、かつて紙の本の編集をしていた『本物の編集者』にしかやらせないんですよね。

私みたいに、紙の本つくりに携わったことがない『なんちゃって編集者』は、完全に素人扱いでしたよ。『畠山さんは二軍だから口をはさまないで』って言われたこともあります」

仕事が慣れてきた畠山さんが、編集方針に意見したときに、その「本物の編集者」から、「俺たちは、インターネットに散乱している『まとめ記事』をつくってるんじゃないんだよね。本という本物の情報源をつくっているんだよ。申し訳ないけど、ここでは畠山さんは単なる二軍だから、口をはさまないでね」と言われたそうです。

電子書籍の仕事をしているあなたの職場にも、こういう鼻持ちならない人間がいませんか。こうした人たちは自分の学歴や職歴を誇示するばかりで、読者目線を持つスタッフたちの意見を封じ込めます。

電子書籍という21世紀の商品を扱っているのに、それをつくり出している人の脳は20世紀のまま、ということも珍しくないのが実態です。

電子書籍の種類と特徴
名称 特徴
Kindle アマゾンが運営。Android、iOS、Windowsなど、ほとんどの端末で読むことができる。ビジネス、新書に強い。紙の本も購入したい人向け。
iBook アップルが運営。iOSの端末でしか読めない。
楽天kobo 楽天が運営。ビジネス、新書、マンガ、小説など幅広い。楽天ポイントがたまるので、紙の本も購入したい人向け。
honto 大日本印刷、NTTドコモ、丸善が共同で運営。マンガに強い。
BookLive! 凸版印刷が運営。Tポイントが付くので、TSUTAYAとの相性が良い。操作性への評価が高い。

辞めたい理由と悩み2:市場は成長しているが海外と比較して電子書籍のシェアはまだ未熟。電子書籍には価格破壊の危険性も。

畠山里美さんはそのころ既に40代に突入していました。30代であれば我慢できた地味な仕事も「このまま下積み生活で終わってしまうのではないか」と不安を感じるようになっていました。

とはいえ、電子書籍はいま花盛りです。日本経済新聞が電子書籍について以下のようにまとめています。

世界規模で伸びる電子書籍 電子書籍:2011年40億ドル(4400億円)→2015年99億ドル(1兆890億円):2.5倍に拡大

紙の本:2011年506億ドル(5兆5660億円)→2015年463億ドル(5兆930億円):8%縮小

日本の市場規模は世界2位 1位:アメリカ49.4億ドル(5434億円)

2位:日本13.1億ドル(1441億円)

3位:イギリス10.1億ドル(1111億円)

4位:ドイツ4.27億ドル(470億円)

5位:韓国4.09億ドル(450億円)

日本はまだまだ「紙」が主流だが、電子書籍は勢いがすごい 電子書籍:2011年600億円→2015年1584億円:2.6倍

紙の本:2011年1兆7500億円→2015年1兆5220億円:13%縮小

*日経の記事にはドル表示の円換算がなかったので、参考のため1ドル=110円で計算し( )に円表記した
資料「電子書籍が変える読書、世界市場4年で急成長」(日本経済新聞)

これだけ薔薇色の数字が並んでいる電子書籍業界ですが、畠山さんは、電子書籍の最大のメリットである価格の安さに不安を禁じ得ませんでした。

安さは、読者にとってはありがたいことなのですが、つくり手としては不安定な収入にさらされるリスク要因となります。

「紙の本はいまだに再販制度による価格拘束があるから、『活字離れ』だ、『発行部数の激減』だ、といっても、売上は確保できるわけです。

しかし電子書籍はいつ価格破壊に襲われるか分からない状況にあります。価格破壊に見舞われた外食産業や家電業界みたいになっちゃうってことですよね」

畠山さんの指摘をまとめると、こうなります。

畠山さんが不安に覚えた、電子書籍担当者の最悪シナリオ
  1. 価格破壊
  2. 売り上げダウン
  3. 業績悪化
  4. 会社のコストダウン指示が激しくなる
  5. 人件費にコストダウンが及ぶ
  6. 退職、賃金カットの選択
  7. 生き残っても長時間労働とサービス残業が酷くなる
  8. 唯でさえブラックな出版社勤務がよりブラックに

「ブラック企業にしたくてブラックにしている社長っていないと思うんです。むしろ、業績悪化でやむを得ずブラック運営しなければならないんだと思います。だから自分が勤めていた電子書籍の会社も、自ずとブラックホールに飲み込まれるんだろうなって心配するようになりました」

畠山さんは、本当にやりたい編集の仕事をやらせてもらえず、なおかつ、将来への不安を抱えるという二重苦にありました。だからわずか1年半で辞めてしまったのです。

電子書籍に長く関わっているあなたも「畠山さんは賢いかも」と感じたのではないでしょうか。

新しい業界は、いつも光り輝いて見えますが、中に入ってみるとハリボテが多いのも事実です。ソフトバンクや楽天といった成功事例は何度もマスコミに取り上げられるので、IT業界に夢を抱く人は少なくありませんが、その影に無数の「倒産企業の墓石」が存在することを忘れないでください。

いまいちど、日経新聞のデータを見てください。

国内の電子書籍は伸び率で紙の本を圧倒していますが、絶対値を見ると、国内の2015年の電子書籍の売上は1584億円で、紙の本は1兆5220億円です。

これが現状の日本市場における「IT業界のニューカマー」(電子書籍)と、「数百年間生き残っている文化」(紙の本)の実力差です。

辞めたい理由と悩み3:マンガが支える電子書籍業界に、文芸好きな本の虫たちは耐えられなくなる。

高校時代から文芸部に所属し、自他ともに求める「本の虫」である畠山里美さんには、電子書籍の仕事の中で「これだけは我慢できなかった」という業務がありました。

それは成人向けアダルトコミックに関わる仕事です。

「私、性に関する表現には潔癖症なんです。ああいうのは『好きな人たちだけでやって』って思っちゃうんです。それを仕事にするなんて、考えられませんでした」

畠山さんは眉間にしわを寄せながら、本当に嫌そうに話しました。

畠山さんが勤めていた会社でも、マンガはドル箱でした。特にアダルトやBL(ボーイズラブ)の分野は、ギャランティが安い無名のマンガ家を使うことができるので、会社の利益率が高い「おいしいコンテンツ」です。

日本の電子書籍は、マンガが主流です。日経新聞によると、2015年の電子書籍の年間売上1584億円のうち、マンガは81%を占め、小説などその他のジャンルは19%にすぎません。

マンガに興味がない畠山さんが、1年半で電子書籍の世界から足を洗ったのは正解でした。

紙の本と電子書籍を合せた国内の2015年のマンガの年間売上は4437億円でした。その内訳は紙3268億円(74%)、電子書籍1169億円(26%)と、紙が7割以上を占めているのですが、伸び率で見ると、紙のマンガが前年より8%減ったのに対し、電子書籍マンガは前年より32%も増えたのです。

日本が世界2位の電子書籍社会になったのは、日本がマンガ大国だからです。マンガファンが電子書籍を後押ししているのです。

一方、畠山さんのような活字ファンは、「やっぱり本は紙製に限る」と思い続けている方がまだまだ多いのが実情です。

あなたがマンガ大好き人間であれば、電子書籍業界にとどまることをおすすめしますが、「小説が好き」「文芸が好き」というタイプの方だと、いま現在感じているこの業界への苦痛は、今後ますます強くなるでしょう。次の道を探し始めた方が得策かもしれません。

では、出版社で電子書籍担当者としてに勤めるあなたはどうすればよいのでしょうか?この先もつらい現実に耐えながら生きていかなけばならないのでしょうか?いいえ、電子書籍担当者の人生を変える解法」はきちんと存在していますので、それを今からご説明いたします。

あなたの「会社を辞めたくなる悩み」への対応策

1.誰もが心をモヤモヤさせている中、あなただけは電子書籍担当者として突き抜けることを目指す。

今の日本の現状ですと、出版社に就職する方の多くが紙の書籍を取り扱うことを前提イメージとして入社してきます。従って先にも触れましたが、出版社の電子書籍担当者の殆ど全員が、多かれ少なかれのモヤモヤを抱えて日々仕事をしています。

そんな中、あなただけは電子書籍担当者として突き抜けて生きていくことを決意し、誰よりも市場動向や最新技術に応対できる担当として研鑽してみるのはどうでしょうか。

例えば、電子書籍の限界と将来性を同時に感じているあなたには、「次の電子書籍」の業務知識収集をおすすめします。それは「オーディオブック」です。

まだ知名度が低い媒体ですが、電子書籍の進化形と考えてください。昔の「朗読カセットテープ」を、電子化してネット化したものです。

オーディオブックのサイトに登録すると、「聴きたい本」を選ぶことができます。それをスマホなどにダウンロードして、ヘッドホンで聞きます。

例えば「FeBe」は現在15,000「冊」のオーディオブックがあります。ベストセラー「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」や、人気ジャーナリスト池上彰氏の新書、芥川賞受賞で注目を集めたお笑い芸人又吉直樹氏の「火花」、さらに「星の王子さま」といった名著までラインナップされています。

電子書籍を扱う会社の中には、すでにオーディオブックに進出しているところもあります。「リスク分散した利口なビジネスモデル」といえ、働く人にとっても安心できます。

電子書籍の世界に残ると決心したあなたは、次々に新しい「本の楽しみ方」を提案していく必要があります。そのためには新しいスキルを身に付ける必要がありますが、「紙の本を電子データにしてこれまで以上に手軽に楽しむ」という点では、電子書籍もオーディオブックも同じです。

つまり、電子書籍づくりで見に付けた能力は、新しい媒体づくりでも活かされるのです。

2.紙書籍の電子化だけでなく、オリジナル原稿の電子書籍プロデュースしヒット作を生み出してみる。

電子書籍がこれまで以上に普及すると、個人がより簡単に本をつくれるようになります。

そこで、「なんとか電子書籍で食べていきたい」と考えるあなたには、電子書籍プロデューサーにステップアップしてみてはいかがでしょうか。

東京生活に見切りをつけ、故郷でフリー電子書籍プロデューサーとして独立したAさんのケースを紹介します。

独立前のAさんが持っていたスキルは、IT関連、スマホアプリ制作、そして電子書籍づくりでした。

Aさんはありとあらゆる電子書籍に目を通し、独自に、最適なフォントや快適なページめくり、ぐいぐい読み進められる行間スペースを編み出しました。

また、電車やバスに乗ったり、人が集まる場所に出掛けて行き、人々がどうやってスマホやタブレットを操るかを観察し、マーケティングやブランディングの勉強も重ねました。

フリーになったAさんが最初に着手したのは、セミナーの開催でした。個人向けだけでなく、企業に向けても「電子書籍の便利さと手軽さ」を訴え、受注につなげていきました。

また、動画や音声を盛り込んだ電子書籍づくりにもチャレンジしています。電子書籍と動画の融合は技術的には難しくないのですが、大手電子書籍企業が扱う「本」だと著作権の問題が複雑に絡むので、それほど一般的ではありません。

しかし、フリーの電子書籍プロデューサーが地方で作る作品であれば、著作権や利益配分の調整は、比較的スムーズに進みます。

電子書籍のノウハウを持っているあなたは、フリーランスになるチャンスを握っているようなものなのです。

3.出版社の電子書籍担当者を辞めて他業界に転職する

電子書籍の仕事にやりがいを感じることができず、電子書籍業界の将来にも期待できないあなたには、他業界への転身をおすすめします。

電子書籍からの撤退は、「逃げ」ではなく「前進」であるととらえてください。電子書籍は確かに業績を伸ばしていますが、それでもまだ、海のモノとも山のモノともつかない存在であり、アマゾン等の外部企業の胸先三寸一つで全てがひっくり返る可能性もあるわけです。

そこに対して、あなた個人が職業人生をかける必要はありません。

電子書籍に携わってきたあなたは、「活字」も「文章」も「本」も「IT」も持っているはずです。こうしたスキル群を一度ばらばらにして、再構築してみてください。これは「スキルの棚卸」という、転職活動の基本作業のひとつです。

スキルが見える化されると、「自分には無理」と考えていた仕事が、「なんだ、私向きの仕事じゃないか!」と思えるようになります。

転職活動で重要なのは、企業探しだけではありません。自分探しができるのも、転職することの大きなメリットなのです。

他業種への転職…不安はよくわかります。

しかし、まく出版社の電子書籍担当勤務を抜け出して、人生の立て直しに成功した人の多くは、電子書籍業界以外への道を選択した人々なのです
この件について、以下でより詳しく説明いたします。

出版社の電子書籍担当者の辞め方とタイミング

辞め方1:最初に職場で「退職」を口にするときは用心に用心を重ねる。

電子書籍の会社で1年半働いた畠山里美さん(仮名、42歳)は「この業界は私向きではない」との結論にたどり着きました。

それで転職活動を始めようと、直属の上司に、1日も使っていなかった有給休暇の申請をしました。すると上司は「辞めるの?」と畠山さんに聞きました。

「いやあ、びっくりしましたよ。有休申請しただけで、退職の意向を見破られたんですから」と畠山さんは当時を振り返ります。

「辞めるの?」と尋ねられた畠山さんは、「実はそうです。就活をしたいので、有給休暇を取らせてください」と正直に言いました。

上司は「あっそう」と言って、畠山さんから受け取った有給休暇申請書に押印しました。

ところが、有給休暇を取った日の翌日に出勤すると、職場の同僚全員が、畠山さんが退職しようとしていることを知っていました。

「管理職って普通、スタッフが退職するときは、退職日が決まってから職場内に周知しますよね。なのに私は、退職日すら決まっていない段階で言いふらされたんです。

退職するまでは給料をいただかないと困りますし、そのためには仕事をさせてもらわなければなりません。

だけど、誰だって辞める人となんか仕事をしたくないですよね。私のことを露骨に無視する人も出てきて、仕事がやりにくいったらありませんでした」

退職、そして転職活動の開始を決意したあなたは、畠山さんの失敗から学んでください。

畠山さんの失敗
  • 上司の性質を見抜けていなかった
  • 信頼できるか分からない人に最初に退職の意向を伝えてしまった
  • 退職日を決めていないのに職場で「退職」を口に出してしまった

この失敗を繰り返さないためにはどうしたらいいのでしょうか。

辞め方2:「もしも”給料を上げるから”と言われても辞める」という断固とした決心はありますか?

あなたが退職によって不利を被らないようにするには、畠山さんの逆の行動を取る必要があります。

まずは上司の人間性をよく観察することです。ビジネス上の秘密は守れても、スタッフのプライベート情報を軽くみている管理職もいます。

そういう管理職は、普段からスタッフの陰口を言うので、そういう人に最初に退職の相談をしてはいけません。

しかし、あなたが優秀であれば、会社は強く引き留めるでしょうから、退職は難航します。なので、「退職の意向を早めに職場に認知させること」自体は間違っていません。

そこで、もしあなたがダメ上司の下で働いていたら、信頼できる人を探しましょう。

理想は「ダメ上司の上司」です。ダメ係長なら課長に、ダメ課長なら部長に退職の意向を伝えましょう。

ダメ上司を飛び越えて、その上の上司に相談すると、意外な「副産物」が得られます。

あなたが最初に部長に退職の意向を伝えると、部長はあなたに「なぜ課長に最初に言わなかったんですか?」と尋ねるでしょう。

そのときあなたは、「うちの課長は、こういった機微に触れる相談をしにくい人なんです」と正直に伝えてみてください。このとき、感情的になってはいけません。事実を淡々と伝えましょう。

こうすることで、あなたがいなくなった職場が、ちょっぴり良くなる可能性があります。

スタッフが退職の相談を敬遠するような管理職は、職場の管理能力に疑問符が付きます。ダメ管理職があぶり出されることで、職場のカイゼンが進みます。これが「副産物」です。

そして、畠山さんの3つめの失敗は、自分の中ですら退職日が決まっていなかったのに、職場で軽々しく「退職」を口に出してしまったことでした。

「辞める」と決めたら、必ず辞めましょう。というより、必ず辞めると覚悟してから、退職の手続きを踏んでください。

もしあなたが、「給料を上げるから辞めないで」と言われたら心が揺らぐかも、と感じていたら、退職の手続きに着手しないでください。

給料アップを提示されて退職を撤回すると、上司は喜んでも、同僚は「退職をちらつかせて給料アップを狙った」と思われかねません。

その状態で会社に残っても、いいことはありません。

本当は辞めたくないけど給料が安すぎるから退職を検討している、という人は、正々堂々と賃金アップを要求してください。

出版社の電子書籍担当者 勤務経験が優遇される、より就労条件のよい「おすすめ転職先」の例

1.ホームページ制作会社のライター兼編集者に転職

「本づくりへの憧れ」と「電子書籍づくりの知識」の両方を持っているあなたにおすすめする転職先は、ホームページ制作会社のライター兼編集者です。

大手IT企業が2016年に引き起こした、ずさんな医療記事サイト問題を覚えていますでしょうか。

「肩こりは霊のせい?」といった記事が、胃癌や心筋梗塞といった深刻な病気に関する記事と一緒に掲載されていたことでバッシングを受け、この医療記事サイトが閉鎖に追い込まれたばかりか、社長の謝罪会見はすべてのテレビニュースが取り上げました。

この問題は「いち企業の失態」で済む話ではありません。ネットには無数の文章が存在し、そのほとんどは何の根拠にも基づかないいい加減な内容です。

社会的信頼を得ている大企業のホームページにすら、間違った情報が掲載されているのです。

いい加減な記事が生まれるのは、「ホームページを出す企業」と「ホームページ制作会社」が異なるからです。

そして、文章を書く能力も、記事を編集するスキルも、取材手法も持ち合わせていないホームページ制作会社が少なくないのです。

そういう会社がどうやって文章や記事、写真、動画をつくっているかというと、外注です。しかも制作費が少ないために実績がほとんどないフリーランスに発注してしまい、粗雑な文章、記事、写真、動画をつかまされています。

こうした事態を受け、危機感を持ち始めたホームページ制作会社も現れています。そういう会社は自前でライターや編集者、企画担当者を育成しています。

転職支援サイトのDODAには、そういう優良ホームページ制作会社の求人票が多数紹介されています。その一部を転載しました。

ホームページのライティングや編集の主な求人票
会社 給与 仕事の内容 その他
Web制作会社 月給23万~45万円 メルマガやホームページのライティングと編集 「心に引っかかるコピー」「そうそう、それ!と言われる文章」が書ける方。
Web集客会社 年収480万~700万円 Web講座のコンテンツ制作 マネージャー業務ができる方。
メディア運営企業 月給23万~35万円 クライアントへの取材とライティング。サイトコンテンツの構成やディレクション。 「文章を書くのが好き」大歓迎!
資料「Web編集・ライター求人検索結果」(DODA)

ホームページには「生きているホームページ」と「死んでいるホームページ」があります。「死んでいるホームページ」には、社名と連絡先と数年前に書かれた記事しか載っていません。

一方で、毎日更新し有用な情報を発信し続けているホームページに対しては、閲覧者は「生きているな」と感じます。ホームページを生き生きさせるにはコンテンツを作り続けなければならず、そのために、あなたの力が必要なのです。

「一冊」の電子書籍を完成させるまでに踏まなければならない数百の工程を、あなたはほとんど本能的に進めることができますよね。

その工程はそのまま、ホームページのコンテンツづくりと重なります。あなたほどの力があれば、この業界ですぐにリーダー的な存在になれるでしょう。

2.「本以外も売る」話題の書店に転職する

あなたがいまの電子書籍の会社にたどりついたのは、「純粋に本をつくりたい」という気持ちがあったからではないでしょうし、そもそも本の虫であろうあなたは、書籍に囲まれて暮らすことに心底幸せを覚える方なのではないでしょうか。

そこで、本への強い思いを存分に活かすことができる、書店に転職してみてはいかがでしょうか。

もしあなたが「ネットの波に飲み込まれた書店は衰退の一途ではないか」と感じたら、それはこの業界の一面しか見ていません。

確かに国内の書店の数は減少傾向にありますが、それは「売れ筋の本とちょっとした文房具しか売っていない書店」が減っているだけです。

「本以外のモノを売る」書店は好調な業績を叩き出しています。

2017年3月、あのTSUTAYAが、出版社の徳間書店を買収しました。徳間は、宮崎駿監督の代表作「風の谷のナウシカ」のマンガを出版したことでも有名です。

書籍業界では出版社を「上流」、書店を「下流」と呼び、出版社は「本をつくるすごい存在」で、書店は「本を並べるスペース」と認識されてきました。

TSUTAYAの徳間買収は、その常識を覆し、下が上を飲み込んだのです。

TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は現在、総合エンターテイメント企業を目指しています。

CDやDVDレンタルから始まった同社は、書店を手掛け、家電も売ります。生活インフラにまで成長した「Tポイントカード」もCCCが運営しています。

コンテンツ分野では、動画ビジネスにも着手していて、そして出版業にも乗り出したのです。

書店をめぐる大きな流れは、他にもあります。

ネット書店で世界を席捲した、アメリカの通販大手アマゾン・ドット・コムが、リアルの書店の出店を始めたのです。リアルの書店とは、いわゆる「普通の本屋」のことです。

アメリカの老舗書店「ボーダーズ」を経営破綻に追い込んだアマゾンが、リアルの書店に目を付けたのは、意外にもネットへの危機感であるといわれています。

アマゾンは、「人々はいまだに本屋で立ち読みすることが好き」ということに気が付いたのです。しかしそういった人々も、利便性と経済性を兼ね備えたネット社会から離脱することはできません。

そこで、ネットの王者がリアルの書店をつくることで、「リアルを完全に捨てきれないネット住民」を取り込もうと考えたわけです。

「売りながらつくる」のTSUTAYAも、「リアルへの回帰」のアマゾンも、目指すものはネットとITと紙の本のいいトコ取りです。

つまり、電子書籍のビジネスモデルとまったく一緒なのです。

だからあなたに「いまの書店」への転職をおすすめするのです。

「いまの書店」はこんなにすごい
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 資本金270億円、連結売上2392億円(2015年) 1983年開業の書籍とレコードとビデオ販売の「蔦屋書店枚方店」がTSUTAYA1号店となる。2003年に書店と喫茶店を融合した「BOOK&CAFE」を渋谷で展開。2011年に「文化の化学反応」をテーマにした「代官山蔦屋書店」を出店した。
アマゾンジャパン合同会社 2016年に株式会社から合同会社に組織変更。

2015年度に年間売上高1兆円を達成。

書籍、DVD、生活用品など、扱う商品は2億種超。全世界での売上高約1359億円(1ドル110円で15兆円、2016年)のうち、日本での売上は8%の108億ドル(同1.2兆円)(2016年)。

3.純粋に「紙の書籍発行」に拘る、気骨のある中小出版社に転職する

もしあなたが「やっぱりどうしても本物の本の編集者になりたい!」という気持ちを拭い去ることができなければ、正攻法で臨むしかないでしょう。

ただ、就職先としての出版社は、ご存じのとおり転職先候補業界としては難関中の難関です。講談社や集英社といった超有名企業への正社員での入社は、有名大学の新卒者に限られる状況ですし、

そこで、電子書籍よりも紙での展開にこだわる気骨をもった、中小の出版社に挑戦することをおすすめします。中小の出版社は「1本足経営」をしているところがほとんどです。専門分野を1つに絞り、その世界を徹底的に掘り下げて本をつくります。

なのであなたは「この分野のこうした本をつくりたい」という、明確なビジョンをもっておく必要があるでしょう。

しかし中小の出版社といえども「編集者になりたい!」という人たちが殺到するので、簡単には中途入社はできません。

そこで、まずは編集プロダクションに入社して実力を身に付け、出版社からのヘッドハンティングを待つ、という手法もあります。

編集プロダクションでは、編集スキルの獲得だけでなく、この業界のルールを知ることができます。

出版不況は続いていますが、それでも2015年度の出版社全体の売上高は1.2兆円ほどあります。出版業は日本の情報産業の要ですので、この世界に挑戦することはとても意義あることといえます。

資料「書店は増収、出版・取次は減収で明暗~大手書店は電子書籍、ネット販売が押し上げ~」(帝国データバンク2016年11月29日)

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p161106.pdf

人生の選択肢は常にあなた自身が持っている

出版社の電子書籍担当勤務のあなたの人生を変えるために、まず一番注目すべきことは「電子書籍担当以外の職場もあることを知る」ということです。
案外、外部と交流がない出版業界人は井の中の蛙になることが多いです。
自分の会社以外のことを全く知らないというケースも非常に多いようで、勇気を出して一歩外に踏み出せば大きな海が広がっているということを、改めて考えてみてはどうでしょうか。

兎に角、どうしても今の悩みが解決できなければ「別に辞めればいい」「辞めたっていいんだ」「自分は自由に人生を選択できるんだ」と割り切ること。

周囲からの目を気にしたり、あなたの人生と無関係な上司のメンツを立てて、自分の人生を後回しにしてします思考こそが「今の職場を辞められなくなってしまう」ことの最大原因であり、悩みをより深くして人生を間違えてしまう事につながります。

転職コーディネーターに無料相談することから始める

自分自身でまず何をしてよいかわからないならば、人材紹介会社に登録するのも手。
転職コーディネーター経由で他の業界、企業の内情を知ることができますし、冷静な第三者の目で、あなたのスキルと経験を活かせる新しい職場を用意してくれます。

また、辞めづらい今の職場で、(転職先を紹介してもらった後に)スムーズに次の職場に移動するための方法やタイミングなどもしっかり教えてくれますよ。

いきなり仕事を辞めたりはせず、まずはじっくり転職エージェントと無料のアポイントを取って、今後の動き方を相談しつつ、あなたの希望に沿った新天地候補をじっくりと紹介してもらうべきでしょう。

出版社の電子書籍担当者を辞めたい人は、業界内でも「優秀なコンサル」が揃う転職エージェントのDODA(デューダ)を利用すべき

出版社の電子書籍担当者を辞めたい人には、転職を支援してくれるプロフェッショナル、転職エージェントのDODA(デューダ)の利用がおすすめです。

他業種にしても同業種にしても、「今の仕事を辞めて転職したい」と考えている方をプロが徹底的にサポートしてくれます。

DODA(デューダ)の転職エージェントサービスにどんな特徴があるのか見ていきましょう。

DODAが他社と比較して優れている評価ポイント

非公開求人を含む多数の求人からマッチングして紹介してくれる
・人事担当者を惹き付ける履歴書や職務経歴書の書き方を指導してくれる
内定獲得率を高くするために徹底した面接対策が可能
・自分を最大限にアピールするためのノウハウを提供してくれる
人材紹介利用者層にもアプローチできる

これらのサポートをプロのキャリアアドバイザーと分野別に特化したコンサルタントの2人が行ってくれるので、効率良く転職活動を進められるのです。

同業種への転職とは異なり、電子書籍担当社員が他業種へと転職するに当たって多少なりともハードルが高くなります。

そんな時に一人で取り組むのではなく、DODA(デューダ)の転職エージェントサービスを利用すれば内定獲得率を上げられるのです。

転職サイトも転職エージェントも完全に利用料金は無料なので、希望の職種に就きたいと考えている方はDODA(デューダ)へと無料登録してみてください。

今すぐに転職する気がなくとも、いつか来る転職の日のための情報入手目的での「お試し登録」もOKです。DODAの担当エージェントは、無理に転職を急かさずに、じっくりとあなたの話に耳を傾けてくれますよ。