カスタマーサポート業務を辞めたい人へ=つらい職場を上手に辞める方法

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北野筆太

北野筆太

ブラック企業の取材などを主なテーマにしているライター。実際の転職経験者にインタビューをすることで、労働者が煮え湯を飲まされるその業界ならではの特殊事情やゆがみを探り当て、「就業する前に(転職する前に)知ってほしい体験談記事」を日々執筆中。

カスタマーサポートを辞めたい人へ=つらい職場を上手に辞める方法




記事の目次

カスタマーサポートは困っているお客様を助ける仕事なのに、いつも社内では怒鳴られ、ビクビク。助けてほしいのはむしろ私の方…。

世の中のインターネット化が益々進み、テレビや自動車のIT化はもう珍しくないものの、最近は冷蔵庫、電灯、電子レンジといった家電から、肉牛や菜園などの一次産業も次々ネットとつながっています。

それだけではありません。世界中の出来事や知識のほとんどはインターネットに載っていて、いつでも気軽に知ることができます。

それでもコールセンターによるカスタマーサポートが存在し続けるのは「やっぱり人に聞くのが一番分かりやすいお客様が一定数以上存在している」からです。ネットでは実現できない「人ならでは」のサービスが、カスタマーサポートの強みです。そのため、転職サイトDODAで「コールセンター」「カスタマーサポート」を検索すると、約300件もの求人票が現れます。

クーラーと暖房が完備された部屋で仕事ができ、過酷な肉体労働を課せられることもなく、さらに短時間でも勤務できることから、女性にとって働きやすい職場といえるでしょう。

木内里子さん(仮名、40歳)も、そうした長所に魅かれ、2年前にコールセンター業務を請け負っているカスタマーサポート会社に、契約社員として就職しました。

ヘッドセットを頭に装着し、顧客からの相談業務にあたるオペレーターとして1年10カ月間、働きました。

木内さんが2年ももたずに退職したのは、「ダブルの苦痛」があったからです。「お客様は敵」と「正社員は無」。木内さんは、この2つのストレッサーをそのように表現しました。

「カスタマーサポートに電話をする人は、普通じゃないんです。だって、普通のことはホームページとかyahoo!知恵袋とかに書いてあるんですから。電話をしてくる人は大抵怒っていますので、まずは心を鎮めてもらわなければなりません。なだめた後に、何を知りたいのかを探り出さなきゃならないんです。私たちオペレーターは、カウンセラーみたいなものです。そして役に立たない正社員たちの存在が、私たちをさらにイラつかせるんです」

カスタマーサポートに長く勤めているあなたなら、「そんなの常識」と感じるでしょうか。それとも「それを我慢できないんなら、オペレーターなんて務まらない」と突き放すでしょうか。

そんなあなたでも、「もう少しやりようがあるはず」と感じているのではないでしょうか。

メーカーや商社の「サービスの最後の砦(とりで)」であるカスタマーサポートは、もっと大切に扱われていいはずです。なのに企業が、カスタマーサポートのオペレーターを大事に扱っているようには見えません。

また、消費者にとっても、カスタマーサポートを経由しなければ、企業に直接接触できません。しかし実際の現場では、単純なクレームの域を超えるような、オペレーターへの辛辣な暴言や八つ当たりのような言動は日常茶飯事となっています。

あなたをはじめとするカスタマーサポートのオペレーターは、日本経済の潤滑油といえます。あなたたちが仕事を放り出せば、企業は顧客を失い、顧客は商品を使いこなせません。

木内さんのお話を中心に、カスタマーサポートビジネスの現状を見てみましょう。あなたが「いつまでもこの仕事にしがみついていてもいいのだろうか」と感じていたとしたら、この記事は「次の一手」のヒントになるかもしれません。

カスタマーサポート業務ならではの、就業中の不満、大変さ、辛さと悩み

辞めたい理由と悩み1:強い口調の顧客クレームに対して出来ることは、ただひたすら嵐が過ぎるのを待つことだけ。

木内里子さんの元の勤務先は、ありとあらゆる業界のカスタマーサポート業務を請け負っていました。金融、保険、製造業、流通、IT、公共機関、学校などの企業や組織に代わって、彼らが提供する商品やサービスへの問い合わせについて回答するのです。

木内さんが配属されたのは、某大手ゲームメーカーのカスタマーサポート業務でした。採用面接のときに「ファミコンとかプレステとかやりますか」と聞かれ、つい「大好きです」と答えてしまったのが運の尽きでした。

「ゲーマーたちは、本当はカスタマーサポートになんか電話をしたくないんです。そんな時間があったらプレイをしていたいんですから。それでも電話をするっていうことは、大きな不具合があったときなんです。だから9割以上は強いクレームでした」

しかも、コアなファンが多かったので、質問内容はとても細かかったそうです。木内さんが説明を始めても「だからそんなのは分かってるよ!」と言われてしまいます。ゲーマーたち思考の先の先を読んで受け答えしなければなりませんでした。

オペレーターは、クライアント企業の社員よりも詳しく製品やサービスについて知らなければなりません。

木内さんが入社してすぐに感じたことは「こりゃやばいぞ」でした。同僚たちの電話対応を聞いていて、「生半可な知識じゃ務まらない」と身震いしました。

木内さんは生真面目な性格なので、上司から受け取ったマニュアルや取扱説明書など関連資料を、何度も読み返しました。

同僚は木内さんの努力に感服し、すぐに「仲間」として迎え入れてくれました。その仲間たちも仕事の鬼で、ある人は先月まで電力自由化の問い合わせ専門オペレーターだったのに、すでにゲーム製作者ばりに問い合わせ電話を「いなして」いくのでした。

しかし、木内さんがどうしてもクリアできない問題がいました。経験が浅い木内さんはもちろんのこと、オペレーターの鬼たちもそれを「いなす」ことはできません。

それは「情報量の壁」です。

カスタマーサポートへの問い合わせでは、「どうやったらこのステージをクリアできるのか」という内容のものもあります。オペレーターたちがそれに答えられないのは、知らないからではなく、教えてもらってないからです。

クライアントのゲームメーカーとしては、発売から間もないゲームの攻略法が流出してしまっては、関連ビジネスにも影響が出て大きな損失をこうむります。

木内さんたちは、クライアントにとっては外注先に過ぎないため、クライアントからの対応方針に沿った案内しかできません。

オンラインゲームでは頻繁にアップデートが行われますが、その情報がカスタマーサポートに届くまでにタイムラグがあります。

そこで仕方なく、オペレーターたちは「その件につきましては、メーカーから直接回答させますので、ご連絡先を教えてください」と言わなければなりません。

「仕方なく」というのは、オペレーターには「できれば自分で完結したい」という矜持(きょうじ)があるからです。

しかしこれが木内さんの「大きなストレス」に成長するのでした。

「メーカー直接対応」の案件は、その日のうちにメーカーに送っているのに、メーカーがいつになっても顧客に電話をしないのです。

そうなれば当然ながら、顧客は再びカスタマーサポートに電話をかけて「いつになったら回答が来るんだ!」と怒鳴ります。

あなたはいま「はいはいはい」と独り言を言ったのではないでしょうか。そうです「顧客の怒りは時間の経過とともに増幅する」の法則です。

オペレーターたちは「後日対応」となってしまった案件については、半日でも1時間でも早く顧客にコールバックして回答したいのです。

「私たちにその気持ちがあっても、クライアントが動いてくれなければ、仕事の成果としてはゼロです。また、そういうクライアントに限って『機会損失だ』『顧客満足度だ』って偉そうに言うんですから腹が立ちます」

カスタマーサポートの基礎知識
カスタマーサポート かつては商品やサービスを提供する企業自身が顧客や消費者からの電話対応を行っていたが、現在はアウトソーシング(外注化)がほとんど。

商品やサービスへの問い合わせやクレーム対応だけでなく、氾濫する情報を整理して提供する役割も担う。

カスタマーサポートに集まった「声」は、分析を経て企業活動に反映する。「声」によって新たな価値の創造も可能だ。

カスタマーサービスセンター カスタマーセンターと短く呼ばれることも。カスタマーサポートと同義で使用させる。
テレマーケティング 新規顧客の獲得、顧客満足の向上、顧客の保持といったマーケティングを、様々な通信メディアを使って実現する仕事。
CCAJ 一般社団法人 日本コールセンター協会

辞めたい理由と悩み2:私たちに求められる業務は、ただひたすら同じことを繰り返すこと。人員整理で淘汰されないよう決められたノルマをこなすしかない…

木内さんはカスタマーサポートの職場を「鶏舎のようだ」と思ったことがあります。ニワトリたちは広い空間に整然と、しかしぎゅうぎゅう詰めに並べられ、ほとんど移動することなく、ただ食事と産卵を繰り返します。

オペレーターたちの机の配置や、同じ作業の繰り返しは、確かに非人間的なところがあります。

卵を産まなくなったニワトリは処分されます。一方、オペレーターたちにはノルマがあり、ノルマが達成できないと、処分(=解雇)されるわけではありませんが、会社に居づらい状況に追い込まれます。ノルマ未達が3カ月続いてその会社に残っていた人は、木内さんは見たことがないそうです。

カスタマーサポートのオペレーターのノルマとは、「後処理時間」「保留回数」「自己完結率」の3つです。

後処理とは、電話対応が終ってから、対応内容をまとめたり、クライアントに渡す「メーカー対応」報告書をつくったりする仕事のことです。

要領のいいオペレーターは、ヘッドセットのインカムに向かって顧客と話ながら、手元でパソコンを打って報告書をつくってしまいます。だから残業をほとんどしないで帰宅します。

後処理時間は1秒単位で記録され、業務改善が厳しく指導されます。保留回数は、電話をかけてきた顧客に対し「少々お待ちください」と言って電話を一時保留にする回数のことです。

オペレーターは保留の間にマニュアルを読み返したり、同僚や上司に助けを求めます。保留回数が多いと「できないオペレーター」という烙印が押されます。

自己完結率とは「1人のオペレーターだけで回答し、顧客が納得して電話を切った」割合のことです。木内さんの同僚には自己完結率100%の人がゴロゴロいて、良い刺激になっていました。

「後処理時間」「保留回数」「自己完結率」が目標値に達しないと、管理職はオペレーターの対話記録を調べます。オペレーターと顧客の会話はすべて録音されているのです。

対話記録を調べられると、ノルマとは直接関係しない「言葉づかい」や「愛想」も評価されてしまいます。ここまでやられると、泣き出すオペレーターもいます。

あなたはこうした「淘汰の波」にあらがい続けることで、現在の地位を得たはずです。自己完結率の高さから、新人指導を任されたこともあるのではないでしょうか。

しかしあなたは最近、「私は自分のスキルを無駄づかいしているんじゃないか」と感じ始めていませんか。あなたが属している「電話ビジネス」は順調に成長していて、あなたは間違いなく、その好業績を支えている1人です。

ところがあなたは、それに見合った報酬をもらっていません。あなただけではありません、あなたの同僚も、そして木内里子さんも同じです。「スキルの無駄づかいかも」というあなたの懸念は、残念ながら当たっているのです。

堅調に推移しているカスタマーサポート市場
2013年度 2014年度 2015年度 2016年度(予測) 2017年度(予測) 2018年度(予測)
8,037億円 8,196億円 8,390億円 8,524億円 8,670億円 8,831億円
前年度比

101.8 %

102.0% 102.4% 101.6% 101.7% 101.9%

※カスタマーサポート市場規模は「インバウンド、アウトバウンドの電話応対」や「WEB・FAX等の顧客対応」といった業務を請け負うアウトソーシング事業者(テレマーケティング・エージェンシー)の売上高ベースで算出

http://www.yanoict.com/report/12968.html?gclid=CjwKEAjwl9DIBRCG_e3DwsKsizsSJADMmJ11Tg-MUrAOhTVMdPdVGsCQ5hYQhAPLshmleDDjdmqxERoCFHHw_wcB

辞めたい理由と悩み3:商品知識もないが、部下のコントロール術も知らない上、顧客からは猛烈に逃げ回る無能上司。

「やりがいを感じられる仕事に就ける人って、そんなにいないと思うんです。小学生の女の子が、カスタマーサポートのオペレーターになりたいとは思わないように、この仕事が好きでたまらないっていう大人の女の人はいないと思います」

木内里子さんはこのように前置きしてから、次のような仕事論を展開しました。

「自分の仕事にやりがいを感じられない人が100人いたとしたら、その半分以上は『でも楽しい職場だよ』って言うと思うんです。やりがいがない上に職場も楽しくないっていう不幸な人は、そんなに多数じゃありません。私にとって重要なのは、仕事の中身ではなく働く環境なんですよね。そして働く環境を左右するのが上司です。だから、良い上司の職場は『当り』だし、前の職場のように役に立たない上司の下で働かされると『あーあ、ハズレを引いちゃった』って思っちゃいます」

木内さんが勤めていた某大手ゲームメーカー向けのカスタマーサポートには、上司と呼ばれる人が1名しかいませんでした。彼以外は全員女性のオペレーターでした。

木内さんも入社半年の割にはその会社のゲームに詳しくなりましたが、先輩オペレーターはゲーム製作者並みの知識を持っていました。

しかしその上司だけが、ゲームについてほとんど何も知りませんでした。

ゲームメーカーは事業戦略上わざと、オペレーターたちにゲーム情報の一部を提供していませんでした。しかしコアなゲームファンは、その情報を手に入れようと、カスタマーサポートに電話をかけるのでした。

木内さんが「それはお答えできません」と何度言っても、電話の相手は「こっちは客だぞ」の一点張りです。

「お前じゃ話にならない、上司を出せ」と言われても、木内さんは「上司も同じ回答をします。上司から、お答えするなと言われていますので」と説明するしかありません。

その職場では、客との会話が3分をすぎると、机のライトが青く光ります。7分をすぎると黄色になり、15分をすぎると赤くなります。

他のチームでは青ライトが付いた段階で、上司がそのオペレーターの席に行って様子をうかがうのですが、木内さんたちの上司は、赤く光ってもフォローに来てくれません。

「まあ、彼が来たところでなんの助けにもならないんですけど、でも、クレーマーの中には、上司をとっちめれば気が晴れる人もいるんです。そういう『サンドバック』役もしてくれない上司でしたね」

その上司の仕事といえば、週1回の「後処理時間」「保留回数」「自己完結率」のノルマのチャックだけです。目標に達していないと、全員朝礼中にそのオペレーターに嫌味を言います。

「出来の悪い上司は部下を育てる」と言いますが、木内さんたちは「誰も助けてくれない」という危機感からゲームのことを必死になって学ばなければならず、お陰でゲーム班は他部署より優秀な成績を出し続けました。

「生活必需品のカスタマーサポート業務なら、これまでの経験が働くじゃないですか。だから人気なんですよね。でもゲームユーザーとの会話って、ものすごく特殊だから誰もやりたがらないんです。それでも業績を上げ続けたのに、給料は生活班や公共料金班と同じ水準です。本当に割に合わないって思いました」

あなたもいつも「私の仕事は暇なクレーマーの話相手じゃない」と思っているはずです。困っている顧客に親切の手を差し伸べることが、この仕事の本質のはずです。

オペレーターより多くの給料をもらっている上司が、部下であるオペレーターをクレーマーの刃(やいば)から守らないなら、単なる給料泥棒ではないでしょうか。

そんな上司しかいない会社に長居は無用です。転身を考えましょう。

では、カスタマーサポートに勤めるあなたはどうすればよいのでしょうか?
この先もつらい現実に耐えながら生きていかなけばならないのでしょうか?
いいえ、カスタマーサポートオペレーターの人生を変える解法」はきちんと存在していますので、それを今からご説明いたします。

あなたの「会社を辞めたくなる悩み」への対応策

1.ご高齢の顧客に対する対応に磨きをかけ、社内随一を目指してみる。

あなたが、カスタマーサポートの仕事に嫌気をさしながら、「でももう少し頑張ってみようかな」と考えるのは、周囲から「逃げた」と思われるのが嫌だからでしょう。

それは分かります。

スキルを磨いて頼られる存在になって、そして「退職します」と宣言したときに猛烈に引き止められる――これはサラリーパーソンの快感のひとつです。

あなたも職場に「爪痕(つめあと)」を残しましょう。

いまのカスタマーサポートに求められるスキルは、高齢者対応です。教育大手のベネッセグループが2015年に、カスタマーサポートのオペレーターを対象にした「高齢者対応研修」を開始しました。

消費者がカスタマーサポートを使うには「聞こえ」と「話し」の能力が必要ですが、高齢者はどちらも苦手です。

ベネッセグループが提供する高齢者対応研修では、加齢による心身の変化を学べるほか、聴覚心理の専門家が「高齢者の聞こえ」を解説します。またお年寄りが聞き取りやすい「話し方」も教わることができます。

受講者が高齢者の「衰え」を体感できるシミュレーションも行うそうです。高齢者対応スキルは、カスタマーサポート以外の職場でも今後の人生において十分活用することができます。

高齢者に評判のオペレーターの地位を確立したら、堂々とカスタマーサポートを退職し、次の道に進む――かなり深い爪痕が残ることでしょう。

各分野で迫られる超高齢社会対応 コールセンターの「高齢者対応研修」が登場
 「平成26年版 高齢社会白書」によると、日本の高齢化率は2013年時点で25.1%まで上昇している。このため、医療をはじめとして世の中の様々な分野で高齢化対応が迫られている。今回、ベネッセグループの

2.ただのオペレーターから脱し、自分もスーパーバイザー職を目指すことで業界で生き延びる道を選ぶ。

カスタマーサポートという職場において、スーパーバイザー(SV)という称号は、格別な響きがあります。あなたも一度は「SVを目指してみようかな」と思ったことがあるはずです。

SVの最大の仕事は、オペレーターたち「電話部隊」を仕切る司令塔の役割です。オペレーターに求められる資質は、一般的に「クオリティ」「パフォーマンス」「プロフィット」と言われています。3つのスキルは次のような特徴があります。

  1. クオリティ(質)…電話をかけてきた顧客に「良い対応をしてもらった」と満足してもらうことを目指す。
  2. パフォーマンス(生産性)…費用対効果に見合う相談業務を処理していく。
  3. プロフィット(収益性)…売上への具体的な貢献度合を高める。オペレーターの回答の仕方いかんで、リピーターになるかどうかが決まることも。

もちろん三拍子そろったオペレーターが理想ですが、すべてを完璧にこなせる人はそう多くはありません。また、3つのスキルを同時に追い求めることは効率的ではありません。

そこで、SVの司令塔としての機能が必要になるのです。

カスタマーサポート業務は様々な業種で必要とされていますが、クオリティよりパフォーマンスを重視する業種があれば、プロフィットを度外視してもクオリティを追求してほしいというクライアントもいます。

SVは、オペレーターたちに対し、求められているスキルを明示して、そのスキルを獲得できるよう支援します。

例えば高級化粧品メーカーがクライアントのときは、オペレーターは効率性より丁寧な話し方が求められます。1件1件の電話対応が長くなってもまったく問題ありません。

一方、パソコン操作を案内するカスタマーサポートであれば、丁寧さは「回りくどい」というクレームにつながるので、オペレーターはサクサク手順を説明しなければなりません。

あなた程の経験のあるスタッフが、カスタマーサポート業務の醍醐味であるSVに就任することもなくこの業界を去ってしまうのならば、企業や業界にとっては大きな損失といえるかもしれません。

3.カスタマーサポート業界を辞めて他業界に転職する

上記で説明したように、業界内で生き残るという道もあるにはありますが、本当はこの方法が最もあなたの人生を好転させる可能性が高いといえます。カスタマーサポート職には見切りをつけて、より好条件で就業できる業界にできるだけ早急に転職をするという道です。

接客業でありながら、顔の表情も手振りも見せることができないカスタマーサポート業務は、極めて特殊な仕事といえるでしょう。

電話をかけてくる顧客も、オペレーターの人柄になんて1 ミリも関心ありません。消費活動中のフラストレーションを解消してくれる「解」のみを求めています。

あなたはいつも、すべての説明を終えて顧客が納得したとき、最後に「ありがとうございます」と言うはずです。

しかし、あなたが「ありが」と言ったあたりで電話を切られることも多々あります。あなたはとても不快な気持ちになるはずです。

だから、「もうカスタマーサポートの仕事は嫌だ」と思うあなたの気持ちは、本当によく分かりますしし、スッキリと他業界に転職するという道をお勧めいたします。

優秀なカスタマーサポート・オペレーターには、次のような長所があります。

  • 勉強熱心
  • 商品やサービスの知識
  • はきはきした喋り方
  • 顧客のウォンツの把握スピード
  • 課題発見能力
  • 顧客心理の分析

これらはどの業界でも十分武器となるビジネススキルです。

そして、あなたがカスタマーサポートで培ったスキルのなかで最大最強のものは、ピンチをチャンスに変える力です。怒声で会話を始めるクレーマーに、わずか10分の語りで「なるほど、よく分かった。怒鳴って悪かった。ありがとう」と言わしめる力です。

顧客のいない企業は1社もありませんが、顧客を100%満足させられる企業も1社もありません。満足している客にさらなる満足を与えることができる人も企業には必要ですが、不満を抱いている客をファンにすることができる、あなたのようなカスタマーサポート人材は、他の業界でも最も必要とされています。

他業種への転職…不安はよくわかります。

しかし、まくカスタマーサポート勤務を抜け出して、人生の立て直しに成功した人の多くは、カスタマーサポート業界以外への道を選択した人々なのです
この件について、以下でより詳しく説明いたします。

カスタマーサポートの辞め方とタイミング

1:会社は「辞める人に遠慮がない」ことを覚えておこう。無茶ぶりを断る勇気を持とう。

カスタマーサポートのオペレーターをしているあなたは、「退職するのはいいけど、会社はすんなりOKしてくれるだろうか」という不安を持っているのではありませんか。

残念ながら、その不安は的中するでしょう。オペレーターとして輝かしい実績を残した木内里子さん(仮名、40歳)も退職では苦労をさせられました。

木内さんが上司に退職の意向を告げると、上司は「困る困る、いやあ、それは困るよ、困ったなあ」と、何度も「困る」を連発したそうです。

しかし人事部社員に間に入ってもらい、退職は3カ月後に決まりました。

木内さんが「残りの時間も通常通りの仕事をしよう」と思った矢先に、上司から呼び出されました。木内さんの後任としてゲーム班に入ってくる新人社員の教育をせよ、と言うのです。

木内さんが「私、辞めるんですよ」と言うと、上司は「ゲーム班の人たちから『木内さんは人に教えるのがうまい』って聞いたんだよね」と答えました。

木内さんは、辞める人間に雑務を押し付けたんだなと理解して、渋々引き受けました。

ところがこの新人は物覚えが悪く、まったく独り立ちできる目途が立ちません。指導に悪戦苦闘しているうちに3カ月が過ぎ、退職日を迎えてしまいました。

「上司から頼まれていた引き継ぎ資料の作成がなかなか進まなくて、しかも会社が入っていたビル全体が22時に電気を落としてしまうため残業もできず、自宅で作業するハメになりました。それでも間に合わなかったので、退職後も作業を続けなければなりませんでした」

木内さんの恨み節はしばらく止まりませんでした。

2:有給休暇はあなたの権利。取得計画を上司と相談しよう。と同時に仕事に責任を持とう。

あなたがもし「すんなり辞められないかも」と感じていたとしたら、それは「転職活動の時間が取れない」ことを意味しています。

無給期間が長くなると生活が不安定になりかねません。また、仕事の空白が長引けば、就活先の企業から「企業に必要とされない人物なのでは?」と疑われてしまうでしょう。

だから転職を考えている人は、元の会社に在籍している間に次の職を探すのです。

転職を考えている人の中には「今の会社をすんなり辞められそうにない」とか「強く引き止められた」ということを、会社に評価されたと勘違いして悦に浸る人がいますが、それは愚行です。

退職する会社にいくら褒められても、ビジネスパーソンとしてのキャリアの輝きが増すことはありません。

退職を宣言した以上、その職場で新しい仕事を引き受けるべきではないでしょう。そして、有給休暇を無駄にしないでください。きちんと休暇申請を出し、転職活動に充ててください。

退職を決意した人が取るべき行動は次の通りです。

  • 有給休暇を消化する計画を立て、上司に相談する
  • 上司から「有給を全て消化する気か!?」と脅されても動じない
  • 引き継ぎ書を完璧につくる
  • 引き継ぎ書をUSBメモリに入れ、それを上司または後任者に渡す

この4つの行動は、「次の仕事を探す」「キャリアの切れ目をつくらない」「ビジネスパーソンとしての責務はしっかり果たす」という3つの目標を達成するためのものです。優秀なオペレーターのあなたは、ぜひこのことを実行してみてください。

会社を辞める前(在職中)と退職日当日に準備すべき事項
会社を辞める前(在職中)と退職当日にすべきこと 退職前にはやることが多数ありますが、どれれ円満退社を目指すためには欠かせない項目ばかり...

カスタマーサポートの勤務経験が優遇される、より就労条件のよい「おすすめ転職先」の例

1.ホテルのコンシェルジュに転職

カスタマーサポートのオペレーターは、いわば「声だけの案内人」です。つまりあなたは、声だけでそれだけのパフォーマンスを出してきたのです。

そんなあなたが、全身を使って、五感を使って人々をもてなしたら、どれだけ質の高い仕事ができるでしょうか。

だからあなたに、ホテルコンシェルジュへの転身をおすすめするのです。コンシェルジュに求められる資質は、次の通りとされています。

職務知識 語学、館内情報、地域情報、一般教養、常識、パソコンスキル
コミュニケーション力 気遣い、人脈
ヒューマンスキル 意欲、熱意、好奇心、愛嬌

人によって語学力は大きな壁となるかもしれませんが、しかしそれ以外は「なんとかなりそう」と感じたのではないでしょうか。

特に「館内情報」と「地域情報」と「好奇心」については、カスタマーサポートのオペレーターの得意技といっても過言ではありません。

それでは次に、ある名門ホテルのベテランコンシェルジュの仕事について見てみましょう。

  • 宿泊者からの「宿題」の回答
  • VIP客への対応
  • セールスを含む宿泊予約の管理
  • ドアパーソンたちと一緒にフロントやロビーでの業務

こうした日常業務に加えて、突発案件への対応も必要です。

このコンシェルジュが、宿泊していたインドの大富豪の客からこんな依頼を受けました。

「赤ちゃんに食べさせる離乳食をつくりたいからホテルのキッチンを貸してほしい」

もちろん、ホテルの運営方針上も、衛生管理の観点からも、客にキッチンを貸すわけにはいきません。それは上司に相談するまでもないことです。

そこでこのコンシェルジュは、インド人客から離乳食のレシピを聞きだし、それをホテルのシェフにつくらせたのです。客もホテルも満足できる解決法です。

このエピソードから分かることは、コンシェルジュの仕事の目的は、カスタマーサポートのオペレーターと同様に「客の困った」を「円満に解決する」こと、ではないでしょうか。

参考資料「日本におけるホテルコンシェルジュの現状と育成について」(富山情報ビジネス専門学校、2013年度)

http://www.bit.urayama.ac.jp/monka-itaku/pdf/h25-kankou-shokuiki02.pdf

それでは次にホテルコンシェルジュの求人票を見てみましょう。転職サイト大手のDODAから引用しました。

ホテルの種類 業務 収入 その他
ミシュランに紹介された和テイストの高級ホテル コンシェルジュ業務、ホテルオペレーショの課題発見、社内連携 年収300万~350万円 残業月20時間程度、英会話スクール、スポーツクラブ補助も
都内のラグジュアリーホテル 顧客のロイヤリティ向上、他部署連携、コンシェルジュまたはコンシェルジュ管理 年収284万~312万円 マーケティング業務も
参考資料「DODA」

この求人からうかがえるのは、コンシェルジュは「対顧客」業務だけではなく、ホテル内の連携役も任されるということです。

それはある意味当然で、ホテル客のおもてなしは、ホテルの全部署、全従業員が行うものであり、コンシェルジュはスタッフ全員の能力を整理、統合して、客に示さなければならないのです。

総支配人と同じくらい「うちのホテルの機能」を知り、それを動かす力がなければコンシェルジュは勤まらないのです。

いかがでしょうか、カスタマーサポートで鍛えたあなたの腕が鳴りませんか?ホテルコンシェルジュはあなたが持つすべての能力を注ぐことができる、やりがいのある仕事の1つであることは間違いありません。

2.地域FMのパーソナリティ、ナレーション職といった「声の仕事」に転職

あなたが携わっているカスタマーサポートのオペレーターの仕事には2つの面があります。

  1. 顧客への無料サービス
  2. 声の仕事

これまで1について注目してきましたが、ここでは2にフォーカスしてみましょう。

あなたのカスタマーサポートの職場には、「知識量や説明力で負けてないけど、どうしても越えられない人」がいませんか。あなたが「越えられない」と感じるのは、その人の「声」のせいではないでそうか。声が良い人は、天性のオペレーターです。

声質、間(ま)、ボキャブラリー選択、語尾、そして「声の笑顔」が優れているのです。

もしあなたが、電話の向こうの顧客から「声が良いですね」と褒められたら、それらの素質を持っているはずです。

そういうあなたには、地域FMのパーソナリティやナレーター職といった、「声を使う仕事」への転身をすすめます。

地域FMを運営しているコミュニティ放送局は、2017年4月現在、国内に306局もあります。地域FMやコミュニティ放送は、超短波放送用の周波数を使用する、放送エリアが狭いFMラジオです。

とても小さなマスメディアですが、中には聴取率で大手ラジオ局を上回る強者も存在します。また人気お笑いコンビのサンドウィッチマンは、全国区の芸能人になった今も、仙台の「fmいずみ」にノーギャラで出演し続けています。

地域FMのパーソナリティは、いわば「地域の顔の顔」といえるでしょう。マチのホットな話題を提供するだけでなく、制作や広告営業にも携わることができます。

会社の歯車として回転するだけでなく、会社の歯車を回す原動力になることができるのが、この仕事の醍醐味といえるでしょう。

3.成果報酬制度を持った「テレアポ」業界に転職。今まで培った技術をそのまま活用して、収入だけ2倍、3倍にアップさせる。

カスタマーサポートのオペレーターの仕事をしているあなたは、少なくとも一度はテレアポを意識したことがあるのではないでしょうか。

同じ電話ビジネスですが、テレアポの魅力はその収入です。成果報酬制度を導入している企業も数多く転職市場では見つけることができるので、これまでのカスタマーサポート技術をそのまま生かして営業成績を上げれば、収入は青天井といえます。

もちろん、給料が良ければ仕事の内容が濃厚なのは当然です。しかし、あなたのいまの不満は「顧客満足度をいくら上げても給料に反映されない」ことです。だとしたら、実績がそのまま収入になるテレアポに挑戦する意義は大きいでしょう。

また「稼げるテレアポ」は、将来も有望です。なぜなら企業は、電話で契約を取れる「超高効率な営業手法」を喉から手が出るほど欲しているからです。

有能なテレアポパーソンは、コンサルタントとして独立できます。企業のテレアポスタッフを指導して「稼げる」ようにする仕事です。

転職は自分を高く売るビジネスです。転職活動では「安定重視」も重要な視点ですが、転職の仕方いかんでは、スキルアップ、収入アップ、キャリアアップの「3アップ」を達成することが可能です。

人生の選択肢は常にあなた自身が持っている

カスタマーサポート勤務のあなたの人生を変えるために、まず一番注目すべきことは「カスタマーサポート以外の職場もあることを知る」ということです。
案外、外部と交流がないカスタマーサポート業界人は井の中の蛙になることが多いです。
自分の会社以外のことを全く知らないというケースも非常に多いようで、勇気を出して一歩外に踏み出せば大きな海が広がっているということを、改めて考えてみてはどうでしょうか。

兎に角、どうしても今の悩みが解決できなければ「別に辞めればいい」「辞めたっていいんだ」「自分は自由に人生を選択できるんだ」と割り切ること。

周囲からの目を気にしたり、あなたの人生と無関係な上司のメンツを立てて、自分の人生を後回しにしてします思考こそが「今の職場を辞められなくなってしまう」ことの最大原因であり、悩みをより深くして人生を間違えてしまう事につながります。

転職コーディネーターに無料相談することから始める

自分自身でまず何をしてよいかわからないならば、人材紹介会社に登録するのも手。
転職コーディネーター経由で他の業界、企業の内情を知ることができますし、冷静な第三者の目で、あなたのスキルと経験を活かせる新しい職場を用意してくれます。

また、辞めづらい今の職場で、(転職先を紹介してもらった後に)スムーズに次の職場に移動するための方法やタイミングなどもしっかり教えてくれますよ。

いきなり仕事を辞めたりはせず、まずはじっくり転職エージェントと無料のアポイントを取って、今後の動き方を相談しつつ、あなたの希望に沿った新天地候補をじっくりと紹介してもらうべきでしょう。

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