特別養護老人ホームの職員を辞めたい人へ=つらい職場を上手に辞める方法

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北野筆太

北野筆太

ブラック企業の取材などを主なテーマにしているライター。実際の転職経験者にインタビューをすることで、労働者が煮え湯を飲まされるその業界ならではの特殊事情やゆがみを探り当て、「就業する前に(転職する前に)知ってほしい体験談記事」を日々執筆中。




記事の目次

「温かい雰囲気」どころか「女の社会」の厳しさにつぶされてしまう…。特別養護老人ホームで働くには「男も女もつらいよ」。

「特養の事務職なら、自分でもなんとか務まるんじゃないかって思ったんですよね」

特別養護老人ホーム、通称「特養」は、下の世話から看取りまでこなす「ザ介護」と呼ばれる施設です。超高齢社会を支える介護保険制度の中でも、最も有名なサービスといえるでしょう。

山口弘也さん(仮名、41歳)の職種は、実際にお年寄りと触れ合う介護職員ではなく、事務所に詰める事務職員でした。

山口さんは自称「内気な性格」かつ「人見知り」です。一浪して地元の私立大学の経済学部に入り、卒業と同時に地元の自動車部品メーカーに入社し、総務部に配属されました。

当時はまだ「IT」なんて言葉がなかった時代でしたので、Windowsを使いこなせて英語が少しできた山口さんは、入社してすぐに職場のヒーローになりました。山口さんはこのとき、「仕事って簡単、社会人って楽勝」と思ったそうです。

しかしその自動車部品メーカーは、中国への進出を決め、本物の英語スキルを持った社員を次々採用していきました。さらにシステムエンジニア部門を立ち上げ、「企業のIT化」にも力を入れ始めました。

山口さんの「付け焼刃のスキル」(本人談)は、みるみるうちにほころびをあらわにしていきました。

仕事の内容や役職でどんどん後輩に抜かれていった山口さんは、勤続15年の節目に、「定年まで勤めるのは無理だなあ」と感じ退社しました。転職先は国産カーディーラーの営業職でした。

しかし内気で人見知りの営業パーソンから新車を買おうなどという人は少なく、入社以来11カ月連続でノルマ未達となり、うつ病を発症して退職しました。

病院に通いながら自宅療養を半年間続けたのち、精神科医から「そろそろ働き始めてもいいよ」とゴーサインが出ました。それで山口さんは、ハローワークに通い始めました。

山口さんはハローワークの相談員にこれまでの仕事のことや自分の性格について、包み隠さず話ました。そうしてその相談員が見つけてきてくれたのが、特養の事務職員の求人票だったのです。

その求人票に出会えたときのことを山口さんは鮮明に覚えています。

「『求める人材』の欄に『当施設では時間が静かにゆっくり流れていますので、その流れに合せることができる方、そして、お年寄りにも同僚にも優しく接することができる方の応募をお待ちしております』ってあったんです。ハローワークの相談員さんに『私に向いている職場だと思います』と言ったら、その人も『そうでしょ、山口さんのための職場みたいでしょ』と言ってくれたんです」

採用面接は特養内の応接室で行われ、70代の上品な顔立ちの女性施設長と、50代のやはり女性の事務長が現れました。

山口さんはおばあちゃん子だったこともあり、「お年寄りを大切にしたい」という気持ちをストレートに伝えました。

20分の面接終了後、まだ山口さんがいるところで、施設長が事務長に「この方に決めてもいいでしょ」と言いました。事務長も「私もそう思います」と言いました。

そして施設長は、あらためて山口さんにこう言いました。

「経歴も立派ですし、何より優しそうですので、山口さんさえよければ、ここで内定を出してしまいたいんですが」

「本当ですか、ありがとうございます」

「ただ、うちの給料はご存じでしょ。それくらいしか出せないんですけど、大丈夫ですか」

「はい、問題ありません」

「そうですか、では総務の者に、山口さんの入職の手続きをするよう指示しておきます」

山口さんは立ち上がって、「ありがとうございます」と深々とお辞儀をしました。

特養や老健や有料老人ホームなどの介護施設の事務をやっているあなたなら、この雰囲気が伝わるのではないでしょうか。一般ビジネスのようなギスギスした感じはなく、優しさと慈しみがあふれています。

そして、そういうあなたなら、入職後の「山口さんの身に起きたこと」も大体想像がつくのではないでしょうか。

そうです、山口さんは、介護独特の「変なこだわり」と「長く居た者勝ち」が横行する職場につぶされたのです。

山口さんが勤めていた特養は、スキル・実績・知識という、良い仕事をするための3大要素とは縁遠い職場でした。その施設を支配していたのは、「経験と勘」という何の根拠もないモノだったのです。

では山口さんが特別、運が悪かったのでしょうか。

あなたはこう言うはずです。

「それが普通の介護現場ですよ」と。

「介護の仕事はきつい」とはよく聞く。しかし特養事務職のつらい立場は意外にも外部にあまり知られていない。

辞めたい理由と悩み1:「事務処理だけできてもダメ」と厳しい指摘。認知症高齢者に臆していては仕事にならない。

山口弘也さん(仮名、41歳)の特別養護老人ホームでの主な仕事は、介護報酬の請求でした。

介護報酬とは、介護職員が行った業務に対する対価です。介護報酬は介護施設の売上であり、介護職員たちの給料の「源」になります。

そのおカネの出どころは国の介護保険制度で、その制度を支えているには、税金や介護保険料です。

つまり介護報酬の請求業務とは「うちの施設では今月、これだけの介護サービスをお年寄りに提供しましたので、その分の報酬をうちの銀行口座に振り込んでください」という事務手続きのことをいいます。

介護報酬の請求は、厚生労働省に対して行うのではなく、各都道府県にある「国民健康保険団体連合会」に対して行います。この団体のことを「国保連」と呼んでいます。

介護報酬の請求はパソコンにインストールした特殊なソフトを使って行うのですが、パソコンが得意な山口さんは難なく使いこなすことができました。

ところが、請求額は入居者の収入や障害の重さなどによって異なるため、入居者170人全員の名前や特徴を覚えなければならないのです。

もちろんそういったデータはパソコン内のエクセルに記載されているのですが、それを一件一件確認していては、書類は一向に片付きません。

実際、山口さんの職場の先輩事務職員たちは、入居者全員の氏名を、苗字と下の名前の両方で覚えていました。さらに「魚の煮物が好き」「娘と不仲」「肺がんの既往歴あり」といったことまで、事細かに頭に入っているのでした。

最初のうちは優しい口調で山口さんを指導していた事務所の先輩たちも、次第に厳しいことを言うようになっていきました。

「おじいちゃん、おばあちゃんのことを好きじゃないから覚えられないんだよ」

「分んないことは、私に聞くんじゃなくて、現場に行って確かめてきなよ」

「いまだにあなたの名前を知らないヘルパーさんがいるって、知ってた?」

そしてしまいには、「私たちはモノを扱ってるんじゃないんだよ、人の命を預かっているんだよ、それ分かってる?」とまで言われてしまいました。

山口さんは当時をこう振り返ります。

「お年寄りのことは嫌いじゃないんですが、認知症の方の暴言とかを目の当たりにすると、さすがに引きましたよね。モンスターというか、火星人というか、とても恐かったです。でも、急いでそれに慣れようとはしませんでしが、自分の心の病気を再発させたくなかったんで。だけど、それが許される職場じゃなかったですね。誰か1人が私を攻撃し始めると、『あいつはダメな奴だ』っていうレッテルを張られて、事務所の全員が攻めてくるんです。15歳以上年下の小娘同然の職員から『ヒロヤ、これやっといて』って言われたこともあります」

施設長は、この特養を運営している社会福祉法人の本部に机があったので、ここには週に1度しかやって来ません。

事務長は個室が与えられていたので、山口さんとその他の事務職員との間の確執に気付きませんでした。そして、山口さんと送迎バスの運転手以外、事務所の職員は全員女性でした。

あなたがもし、男性の介護施設事務職員でしたら、山口さんと同じ経験をしているのではないでしょうか。

男性職場に放り込まれた女性社員がセクハラに苦しめられるように、女性職場にぽつんと1人座らされた男性は「女の仕来たり」に困惑するでしょう。

それまでA派とB派に分かれて派閥争いをしていた女性職員たちは、おもちゃが手に入った途端に喧嘩をやめて、仲良くおもちゃをもてあそぶのでした。

おもちゃ扱いされた山口さんはたまったものではありません。

しかしこれは、山口さんをいびる女性職員たちが悪いのではないのです。悪いのは職場長です。

介護事業所の管理職には女性が多く、彼女たちは男性職員の保護の仕方をあまり知りません。なので、パソコンに強かったり、力仕事が得意だったり、論理的思考を持っていたりする優秀な男性職員を、短期間で離職に追い込んでしまうのです。

そのような管理スキルがない管理職たちは、自分の統率力を疑うことなく、ただただ辞めていった男性職員のことを「男のくせに根性がない」と非難するだけです。

参考資料

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000051840.pdf

はじめての介護請求①|介護システム、介護ソフト、健診システムなら「ほのぼの」 NDソフトウェア株式会社
初めてづくしの時にはみなさん少なからず不安をお持ちですよね。はじめて事業所を開設されたり、はじめて運営をまかされたり、はじめて利用者さんと接したり・・・。中でも国保連への請求は、煩雑で重要な作業ですので、慣れるまでは時間
揺れ動く介護の現場(その1)特養入居待ちなど今は昔の物語か?
「低料金」「お看取りも可能」ということで、特養は介護保険制度の中でもずば抜けて人気が高いサービスです。1つの特養で入居を待つ待機高齢者が数百人に達することは珍しくなく、「順番が回ってくるころには亡くなっている」といった、笑えない冗談さえ聞かれました。しかし毎日新聞の報道によると、その状況は一変しているそうです。東京都青梅市の特養は、最盛期には300人もの待機高齢者がいましたが、2016年には100人にまで激減しました。しかも部屋に空きが出て、待機者に声をかけても「いまは結構です」と断られるケースがあるそうです。それは、「特養はなかなか入れない」というイメージが先行しているので、将来のためにとりあえず登録しておくことが多く、特養から入居可能と言われても「いまはまだ自宅で暮らせる」という回答になるためです。こうしたことから、特養の職員が「営業」に回ることが増えてきました。病院や他の介護施設を回って「いまなら入居できます。介護高齢者を紹介してください」とやるのです。https://mainichi.jp/articles/20160701/k00/00m/040/092000c

辞めたい理由と悩み2:「介護業務はマニュアルで対応できない」というマヤカシ。特定の職員が仕事を無駄に囲い込む悪習が絶えない。

職を転々としてきた山口弘也さんは、「新しい職場に順応する力が身に付いた」という自負がありました。しかし、特養の同僚たちの仕事の進め方には、衝撃を受けたといいます。

「業務マニュアルを見せてくださいと言ったら『ない』と言うんです。それで自分で業務マニュアルをつくり始めたら『そんなことするな』と言われたんです。じゃあどうやって仕事を覚えたらいいのか尋ねたら『体で覚えろ』ですって」

山口さんはかつて、勤務先の自動車部品メーカーで、上司から「マニュアルに書いてあること以外する必要はない」と教わりました。

また「必要な仕事が新たに見つかったら、マニュアルを書いて上司の許可をもらえ」とも言われました。

これは決して極端なマニュアル主義ではなく、業務の効率化と顧客満足度の向上を両立させる「ビジネスの鉄則」なのです。

例えば、無印良品の株式会社良品計画には「仕組みが9割」という言葉があり、すべての仕事を「仕組み化」し、マニュアルという文書に落とし込むことで好業績を叩き出しています。ファッションセンスから出店の可否までマニュアルにしているのです。

また、株式会社セブン&アイホールディングスは、コンビニの運営を徹底的にマニュアル化したことで6兆円企業にまで成長しました。しっかりしたマニュアルが存在し、しかも全従業員がマニュアルに従うことに慣れているからこそ、例えば急遽「淹れたてコーヒーの販売を始めるぞ」と決めても、すぐに全国2万店で実施することができるのです。

「人と人との関わり合いが大切な介護の仕事には、冷淡なマニュアルはそぐわない」と考える人もいると思いますが、介護の専門家は次のように述べています。

「介護事業では、何か仕事をするたびに書類の作成が求められる。書類は、利用者ごと、ケアマネごとに作成するので、記録と伝達にかかる時間と手間は、小規模な事業所であってもかなりの量になる。書類の作成に追われて残業が続いたり、肝心の介護に十分な時間を割けなかったりといった問題が起きることも少なくない。」

つまり、介護の仕事こそ、書類作成業務をマニュアル化して時短し、「優しさ」を醸成する時間をつくった方がいいのです。

山口さんが「マニュアル化されていない仕事はやりづらい」と感じたのは、「介護の仕事に不慣れだから」ではなく、「仕事の仕方を熟知していたから」なのです。

また、業務のマニュアル化を拒否する介護職員たちは、自分の仕事を奪われたくないと考えている、との指摘もあります。

もし、先輩職員が「マニュアルができあがってしまうと、新人介護職員や新人事務職員がすぐに仕事ができるようになってしまい、自分たちのアドバンテージが失われてしまう」と考えているとしたら、それは仕事を放棄しているようなものです。

参考資料

視察殺到!無印良品「マニュアル」の中身 | すごい現場はこう作る!
前回に続き、無印良品ブランドを運営する松井忠三(ただみつ)良品計画前会長との対談後半を掲載します(対談は会長時代に行われました)。 同社が作り上げた「誰でも一定の成果が出せる」2つのマニュアルが、今も&
業績ハイライト | IR情報 | セブン&アイ・ホールディングス

辞めたい理由と悩み3:未来を考えることができない激安の給料。識者が言う「介護の将来は明るい」は本当なのか?

「当然のことながら、給料の額は事前に知っていました。採用面接のときにも、施設長から『給料は安いよ』と言われていましたしね。そういう覚悟があったにも関わらず、いざ給料をもらってみると、この安さには参りました。働き続けることは困難でしたね」

山口さんの給料の手取りは月額19万円でした。カーディーラーに勤めていたころは、ノルマ未達でインセンティブがゼロ円のときですら、手取り金額は23万円でした。

独身で両親と同居している山口さんは、月額19万円でもやっていくことはできましたが、それでも特養を辞めてしまいました。

「40歳を超えていますからね。私たちの年代って、あと25年は働かないとならないじゃないですか。この職場でこの給料で、って考えたら無理だなと。親には退職が決まってから言いました。怒られましたよ。『精神病のお前を雇ってくれたんだぞ』って言われたんですが、親の言うことですかね。でもまあ、職場の状況を説明しても聞いてくれませんから、おとなしく説教を聞いていました」

山口さんはさらにこう付け加えました。

「介護の仕事って、本当に将来性があるんですかね。就職サイトには『高齢者が増える介護業界は未来がある』って書いてありますけど、少なくとも私がいた職場は、全然薔薇色じゃなかったですよ。色でいえば、完全に灰色でしたね」

厚生労働省によると、正社員の介護職員の平均給与額は、勤続7年、41.3歳で月額28万7420円でした。これは基本給、各種手当、ボーナスを含んだ金額です。これに単純に12をかけると、年収345万円となります。

また、「介護職員の年収は全職種の平均年収より200万円安い」と指摘する専門家もいます。介護職員の中には、介護の仕事が終わった後にビル清掃などの「副業」をする人もいますし、「夜の仕事」に手を染める人も珍しくありません。

山口さんを不安にさせたのは、給料だけではありませんでした。実は山口さんは、事務長から「介護の資格を取るつもりはない?」と打診されていたのです。

そのころ職場内に「事務職員がリストラされるらしい」という噂が流れていました。さらに現場からは、いつも「介護職員が足りない」という声が漏れていました。

こうしたことから山口さんは「自分は事務職員をお払い箱になって、現場に回されるんだな」と推測したのでした。

山口さんには「有名大学を出たわけじゃないけど、自分は経済学士だ」というプライドがありました。パソコンを使った業務は誰よりも得意でしたし、最近は介護保険制度の仕組みにも詳しくなり、市役所や県庁の役人と同レベルで話すこともできます。

しかし、福祉系の大学を出たわけでない山口さんは、社会福祉士などのいわゆる「介護、福祉、医療の世界で食べていける資格」は1つも持っていませんでした。

山口さんは「プライド」についてこう話していました。

「介護業界には『上がる』『落ちる』っていう、とても嫌な言葉があるんです。オムツ交換や入浴介助をしていた現場の介護職員が、出世して事務所の机を与えられることを『事務所に上がる』っていうんです。逆が『落ちる』です。

私は、誰かに落とされるのがたまらなく嫌だったので、自分で抜け出すことにしたんです」

参考資料

介護職員の平均年収は全職種平均より200万円以上も少ない!?「介護職員=低賃金」という一般常識を裏付ける各種データの衝撃!|みんなの介護ニュース
介護職員のなり手が少ない。この傾向が今後も続けば、確実に介護難民を生み、家族による介護の必要性がさらに高まって介護離職を余儀なくされる人が増える&というなんとも由々しき問題です。厚生労働省によれば、介

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/16/dl/27kekka.pdf

揺れ動く介護の現場(その2)営業ができる介護事務職こそが必要

国内の高齢者の人数が最も多くなるのは2025年とされています。その後も「高齢化率」は高まりますが、「高齢者の人数」は減り続けます。すなわち、その年を境に「介護人材不足」が次第に解消され、「介護人材余り」の状態になるということです。

「待っていれば客が来る」時代の終焉は、もう始まっています。東京商工リサーチによると、2016年の介護関連倒産は過去最多の108件で、2015年の76件の1.4倍となりました。

日本はいま好景気にあり、介護以外の業種は好調に推移しています。つまり介護だけがピンチなのです。

こうしたことから、これからの介護関係者には「客を獲りに行く」という姿勢が必要になります。「介護営業」時代の幕開けといっていいでしょう。

従来の介護事業者は「お困りでしょう。お手伝いしましょう」という態度でした。しかしこれからは、介護の質の高さや接遇の良さ、料金メリット、状態改善の実績、病院とのパイプの強さなどで勝負することになります。ズバリ、2025年以降も生き残ることができるのは、次の3項目をクリアした介護会社です。

1.スケールメリットが活かせる大規模化

2.認知症対応・お看取り・医療との連携――の3本柱がしっかりしている

3.ずば抜けた営業力

社内の業務改善と、社外へのアピール力が欠かせません。ただこれは、一般ビジネスでは当然の話なのですが。

介護サービスに関連するアーカイブ一覧 - Yahoo!ニュース
Yahoo!ニュースに掲載された介護サービスに関する記事を、過去にさかのぼって閲覧可能。重要なニュースを記録する日本最大級のアーカイブです。

あなたの「会社を辞めたくなる悩み」への対応策

1.衛生管理者になって介護職員をフォローできるマネージメント能力を身に着ける

特別養護老人ホームに勤めていた山口弘也さんは「事務所に上がる」「現場に落ちる」という表現を使いましたが、それは正しい認識とはいえないでしょう。

介護の仕事には、確かに肉体労働と事務仕事の2つがあり、それぞれ別の職員が配属されています。

しかし「評判の良い介護施設」では、事務職員の方々がレクリエーションを主催したり、遠足を引率したりしています。

つまり、事務職と介護職の垣根が低い施設ほど、高齢者やその家族から高く評価されるのです。なので、特養または老健(介護老人保健施設)または有料老人ホームの事務職のあなたは、可能な限り現場の仕事に参加すべきでしょう。

そうすることによって、事務職員としてのリスペクトを得ることができます。

現場の介護職員のために働いてください。事務職員は常に、介護職員に対し「他人のウンチとオシッコを処理するすごい人たち」という尊敬の念を持っておくべきでしょう。

介護職員が「働きやすい施設だな」と感じるような職場環境をつくることが、介護事務職の仕事のすべてです。

そこで、衛生管理者の資格に挑戦することをおすすめします。「衛生的な職場」とは「病人を出さない職場」という意味です。労働安全衛生法は、50人以上のスタッフがいる職場に衛生管理者を置くことを義務付けています。

衛生管理者は、職場の危険や健康障害を防止したり、健康診断を実施したりして、スタッフの健康保持に努めます。

衛生管理者になるには、試験に合格しなければなりませんが、それほど難しくはありません。問題集と参考書を1冊ずつ買い、3カ月ほど勉強しただけで受かる人もいます。

2.施設設備に強い人材となることで、会社、上司、同僚からの信頼が飛躍的に向上する

介護施設の事務職員のスキルの中で、施設長からとても喜ばれるのに、意外に知られていない能力があります。それは、施設設備に強いことです。

介護施設は、病院ほどではありませんが、電気が止まると死者が出る建物です。よって、電気関係に明るい事務職員は、とても重宝されます。

また、介護は「びっくりするほど儲かる商売」ではないので、介護企業や法人は、介護施設を長期間にわたって使おうとします。そうなると設備は老朽化し、雨漏りや自動ドアの不具合など、様々なトラブルが発生します。それをいちいち工務店に修理依頼していては、費用がかさみ、ひいては職員たちの給料に影響してきます。

なので、ドライバーやペンチを使い慣れた事務職員は、施設のヒーロー、ヒロインになることができます。

介護施設は、すべてのスタッフが本来業務のほかに「ちょっとしたボランティア精神」を発揮することでうまく回っているところがあります。

本来、「サービス残業」はあってはならないことですが、「30分くらいは残業にならない」と感じている職員が多い施設の方が、雰囲気が良かったりします。

施設設備を補修できる技術もそのひとつで、もしあなたにその能力があれば、「ちょっと私が直してみましょうか」と声をかけてみてください。あなたにつられる形で、ほかの職員たちも「本業以外の一芸」を披露するようになるでしょう。

3.特養老人ホームの職員勤務を辞めて他業界に転職する

もしあなたが、「介護の事務職はもう嫌だ」と感じている場合、その世界から飛び出すことをおすすめします。というのも「飛び出すなら今」だからです。

日本の景気は、「悪い悪い」と言われながら、「デフレからなかなか脱却できない」と嘆きながら、それでも好調を維持しています。

多くの企業が過去最高益を記録して、株価も堅調に推移しています。

「企業が調子良い」=「求人がたくさん出てくる」という構図が成り立ち、そして実際に失業率は2.8%(2017年4月)と「ほとんど失業者がいない」状態になっています。

つまり、いまのあなたの転職活動には、多くの可能性があるということなのです。今を置いて転職すべきときはない、といっても言い過ぎではないでしょう。

2017年4月の完全失業率

2014年平均 2015年平均 2016年平均
3.6% 3.4% 3.1%

2017年1月 2017年2月 2017年3月 2017年4月
3.0% 2.8% 2.8% 2.8%

参考資料

統計局ホームページ/労働力調査(基本集計) 平成30年(2018年)8月分結果
総務省統計局、統計研究研修所の共同運営によるサイトです。国勢の基本に関する統計の企画・作成・提供、国及び地方公共団体の統計職員に専門的な研修を行っています。

他業種への転職…不安はよくわかります。

しかし、まく特別養護老人ホーム勤務を抜け出して、人生の立て直しに成功した人の多くは、特養以外への道を選択した人々なのです
この件について、以下でより詳しく説明いたします。

特別養護老人ホーム職員の辞め方とタイミング

1:持ち上げてから落とす…退職希望者の慰留策に注意

山口弘也さんが「辞める」と決心したとき、同時に「簡単に辞められるだろう」と思っていました。それくらい同僚から冷たくされていましたし、重要な仕事を任されているという感触もありませんでした。

山口さんは同僚の誰にも告げずに、ある日の終業後に、いきなり事務長の部屋を訪れました。事務長も帰り支度をしているところでしたが、珍しい訪問客に「どうぞどうぞ」と愛想を振りまいてくれました。

事務長がお茶を入れようとしたので、山口さんは「すぐに済みますので、大丈夫ですよ。私、今月末で辞めます」と切り出しました。

事務長は「えっ、どうして」と言いました。

「どうしてもです。それでは失礼します」

「ちょっちょっ。とにかくお茶をいれますので、そこに座ってちょうだい」

山口さんはこのまま立ち去ろうとも思いましたが、事務長がとても心配そうな顔をしているので、考え直して指示通りソファに腰掛けました。

事務長は「うちは女職場だから、最初は男性職員はとてもつらいの。でも、それを耐え抜くと、今度は女職場の良いところが出てきて、みんなとても親身になってくれるわよ」と山口さんを慰めましたが、山口さんはただ「はあ」と返しました。

事務長の説得は1時間を超え、山口さんはお茶を3杯飲まされました。それで山口さんは仕方なく「もう一度考えてみます」と言って、ようやく解放されました。

山口さんは翌日も同時刻に事務長の部屋に入り、「もう一度考えて、やっぱり辞めることにしました」と言いました。このときは退職届も添えました。

事務長は「本気なんですね」と言って、卓上の電話の受話器を取りました。電話の相手は施設長で、事務長は「はい、やっぱり山口さんは決心が変わらないそうです。はい、撤回してくれませんでした」と報告しました。

電話が終ると、事務長は「あのね山口さん、施設長もやっぱり『男性職員がいなくなるのはとても困る』と言っているんだけど」と言いました。

続けて事務長は、辞めないための条件があれば、それを率直に言うよう促しました。

山口さんには意外な展開でした。「それって給料を上げてくれるってこと?」という期待も湧いてきました。それで昨日同様、「もう一度考えてみます」と答えて事務長室を出ました。

山口さんは施設長とも面談しました。その中で、主任に昇格して、主任手当を月5000円出すという提示を受けました。

2:「アメと鞭」とわかりきっているのに…慰留のための甘いアメには目をくれず、退職意思は固辞すべき

山口さんは「慰留」を受け、さらに「高い評価」をしてもらい、「昇格と昇給」を勝ち取りました。人生初の出来事が、3つまとまってやってきたのです。山口さんの口からは「はい、頑張ります」という率直な気持ちが出てきました。

ところが、変なことが起きたのです。

それから数日後の朝、山口さんが出勤するとすぐに先輩事務職員から「山口さんは今日は現場の日だよ」と言われました。

山口さんは「はい?」と聞き返すと、先輩は山口さんに現場の介護スタッフが着るポロシャツを渡し、「事務長から『山口さんに渡しといて』って言われたんだよね」と言いました。

「これを着て、現場に出ろということですか」

「そう聞いているよ」

山口さんはそのポロシャツを握りしめ、事務長の部屋にノックもしないで入りました。

事務長が「わあ、驚いたあ」と言うのを無視して、山口さんは「どういうことですか」と詰め寄りました。

「どういうことって?」

「私は今日から、これを着て介護をするんですか?」

「え? どういうこと? 山口さんは主任になったんでしょ。そういうふうに施設長に聞いているけど」

「主任にしてもらえるとは聞きましたが、事務室を追い出されるとは聞いていません」

「追い出すって…そんな言い方はないんじゃない?」

両者の行き違いは、このように発生しました。

施設長としては「もっと活躍してほしい」という気持ちで山口さんを昇格させたわけですが、その「もっと」の中には「実際の介護業務も」という意味を含ませていたのです。

もちろん施設長や事務長に悪気があったわけではなく、この特養では、役職者に現場を経験させることは珍しくなかったのです。

ただ、山口さんはその「風習」を知らなかったので、「主任にして喜ばせておいて、5千円ぽっちの手当で事務と介護の2つの仕事をさせる気か」と受け取ってしまったのです。

山口さんはこの日はそれで帰宅してしまいました。

すると、翌日の職場は険悪ムードが漂っていました。誰も山口さんと口をきこうとしません。事務長も事務長室にいません。山口さんも意地になり、無言で仕事をしました。

そして終業時刻になるとすぐに事務所を出て、徒歩10分の場所にある法人本部に行き、総務部に退職届を提出しました。

総務部の職員から「退職届は職場長に渡してください」と言われましたが、山口さんはそれを無視して法人本部を後にしました。

「とても後味が悪い辞め方でしたね。私も反省していますが、施設長や事務長にも猛省を促したいです。女職場に男がいることに息苦しさを、2人は知っていたわけですからね。でも、あのまま施設長たちを信じて、事務と介護の両方をやらされていたら、メンタルをやられていたと思いますよ。だからちょうど潮時だったんです」

あなたも、簡単には辞められないと覚悟しておきましょう。覚悟があれば、いろいろな準備に取り掛かることができます。

例えば、「給料をもう少し上げてもらえるなら、辞めたくないんだけど」と考えている場合、信頼できる上司に率直に相談するのも悪くありません。

というのは、上司もあなたが薄給に苦しんでいることを知っているからです。何しろその上司も、あなたと同じ年齢のころは安い給料を経験しているのですから。

また、もし人間関係で悩んでいたら、人事異動を希望するという手段もあります。複数の特養を経営している法人は珍しくなく、その場合、施設を変えるだけで働きやすくなることがあります。

しかし本当は、一度でも「辞める」と決心したら、ブレずに退職のことだけを考える方がベターです。山口さんは「昇格」と「月5000円の手当」に決心が揺らいでしまい、それが不幸を招いたともいえます。

特別養護老人ホームの勤務経験が優遇される、より就労条件のよい「おすすめ転職先」の例

1.運営の知識と経験はついた…ならば介護の現場職の経験もキャリアとして積んでおく

特養の事務の仕事に嫌気をさしている人は、意外に「本物の介護」が向いているかもしれません。介護職員は口々に「世の中にこんなに感謝される仕事があるとは知らなかった」と言います。

例えば、ものすごくお腹が減っているときにコンビニに飛び込み「極上シャケおにぎり」を買ったとします。レンジで温めてもらう時間も惜しいので、そのままコンビニ内のイートインでフィルムをはがして食らいつきます。「極上」という名称と、1個250円という価格に嘘はなく、ご飯も海苔もシャケも絶品です。

しかしこの感激を、誰に伝えたらいいでしょうか。コンビニの店員伝えるのも変ですし、米農家やシャケ漁師にお礼の手紙を送ることもできません。おにぎり工場に電話をしても、誰がつくったのか分からないでしょう。

しかし介護の仕事は、車いすを押しただけで、おばあちゃんから「ありがとうね」と言われます。オムツ交換は介護職員の当然の仕事ですが、「娘たちだってこんなことをしてくれないよ」と泣いて感謝してくれるおじいちゃんもいます。

この「感謝のダイレクト感」は、同じ介護施設内にいても、事務職員には遠い出来事になってしまいます。手を汚して、全身に汗をかいて、ようやく得られる喜びなのです。

介護事務職員が、本物の介護に転身するメリットはまだあります。それは資格を取得できることです。

介護の最初の資格は「介護職員初任者研修」といい、「研修」と付いていますが資格名です。この資格を取得するのに10万円前後かかりますが、最近は介護施設側がこの受講料を負担してくれることがあるのです。

また、介護の実務を3年間積むと、次のステップに進むことができます。「介護福祉士実務者研修」という資格を取得すると、「介護福祉士試験」の受験資格をゲットできます。

介護福祉士は国家資格で、日本中どこでも通用します。

特養や老健などの介護施設の中には、「介護福祉士を取得していないと施設長にしない」と決めているところもあり、つまりこの資格は「出世の条件」になるのです。

しかも、介護事務の経験者が介護の現場の経験を積むと、この業界ではほぼ「無敵」状態になります。介護職員の心理が理解できるので、労務管理がスムーズにできるようになるからです。

介護は大儲けできる仕事ではありませんが、介護保険の予算は10兆円以上にのぼり、「安定した公共事業」でもあるのです。この世界で活躍することは、安定した生活を約束されたようなものです。

介護職員のステップアップ方法
ステップ1 「介護職員初任者研修修了」の資格を取る 受講料は10万円前後だが、勤務先の介護企業が費用を肩代わりしてくれることもある
ステップ2 「介護福祉士実務者研修修了」の資格を取る 20万円前後するが、これも勤務先施設が負担してくれることもがある。この資格は「介護福祉士」試験の条件だが、この資格だけでも管理業務を行うことができる。
ステップ3 「介護福祉士」の資格を取る 国家資格。受験するには3年の実務経験が必要
ステップ4 「ケアマネ」の資格を取る 現場の介護職員から「介護の司令塔」に転身できる

2.介護施設経験と視点を生かし…医療事務職に転職する

「介護の給料は安い」というのは、残念ながら事実です。能力があり、仕事にやりがいを感じていても、収入の低さから介護事務を辞めていく人もいます。

ではなぜ介護の給料は安いのでしょうか。それは国が介護保険制度をそのようにデザインしたからです。

介護保険制度は2000年に誕生したばかりの新しい仕組みです。それ以前の日本には、「老人福祉」と「老人医療」がありました。しかし老人福祉は、所得調査が必要だったり、中高所得層の負担が重いという欠点がありました。一方の老人医療には、コスト高と医療費の増大という欠点がありました。

国は「従来の老人福祉・老人医療制度による対応には限界がある」と考え、介護保険制度をつくったわけです。

つまり、医療費のコストと予算を減らすために、介護保険制度が生まれたのです。だから、介護関係者の給料はずっと安いままなのです。

給料の安さに悩む介護事務職員にうってつけの転職先は病院の事務職員です。いわゆる「医療事務」です。

医療事務は、キャリアを積めば積むほど収入が増えていきます。医療事務なら、年収1千万円も夢ではありません。なぜなら、医療事務経験者は、病院事務長の道が開けるからです。

病院事務長は医療法人の「金庫番」といわれ、病院経営者の右腕になります。

また、「介護を知っている」ことは医療業界で有利に働きます。100床以上の病院を持つ医療法人は、老健や老人ホームなどの介護施設を持つことが多いからです。

介護事務出身の医療事務は、医療も介護も知っている人になれるので、頼られる存在になるのです。

参考資料

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/201602kaigohokenntoha_2.pdf

3.介護ビジネスコンサルタントに転職する

「介護ビジネス」と聞くと、「お年寄りに群がる人たち」というイメージがあるかもしれませんが、それは間違っています。

介護の仕事は、人と人とのかかわりが濃厚になるため、介護会社の経営者はともすれば情に走りがちです。精神論でスタッフを引っ張ろうとしたり、おカネよりも感謝を尊ぶ風潮もあります。

しかし現代の介護は、善意だけではすぐに倒産してしまいます。介護経営者には、ビジネス感覚が必要なのです。

そこで介護事務職員の経験があるあなたにおすすめしたいのが、介護コンサルタントへの転身です。

あなたは「現場の大変さ」も「介護経営の大変さ」も知っています。日本中のあらゆる介護施設、介護会社が、その大変さを抱えているのです。あなたの経験こそが、悩み多き介護経営者のソリューションなのです。

主な介護コンサルティング会社の特徴
本社所在地 コンサル内容 その他業務 企業の特色
A社
東京都中央区
老人ホーム開設支援、ショートステイ経営改善、入居者集め支援 病院や診療所、薬局への支援も実施 親会社は東証1部上場企業
B社
東京都世田谷区
経営アドバイス、介護職員募集支援、ヘルパー養成 家政婦紹介事業も 資本金1千万円
C社
東京都港区
特養や老健などの開設支援、営業ツール制作、集客コンサル、出張経営診断 人事制度や商圏調査も 中国への進出支援も

人生の選択肢は常にあなた自身が持っている

特別養護老人ホーム勤務のあなたの人生を変えるために、まず一番注目すべきことは「特養以外の職場もあることを知る」ということです。
案外、外部と交流がない特別養護老人ホーム業界人は井の中の蛙になることが多いです。
自分の会社以外のことを全く知らないというケースも非常に多いようで、勇気を出して一歩外に踏み出せば大きな海が広がっているということを、改めて考えてみてはどうでしょうか。

兎に角、どうしても今の悩みが解決できなければ「別に辞めればいい」「辞めたっていいんだ」「自分は自由に人生を選択できるんだ」と割り切ること。

周囲からの目を気にしたり、あなたの人生と無関係な上司のメンツを立てて、自分の人生を後回しにしてします思考こそが「今の職場を辞められなくなってしまう」ことの最大原因であり、悩みをより深くして人生を間違えてしまう事につながります。

転職コーディネーターに無料相談することから始める

自分自身でまず何をしてよいかわからないならば、人材紹介会社に登録するのも手。
転職コーディネーター経由で他の業界、企業の内情を知ることができますし、冷静な第三者の目で、あなたのスキルと経験を活かせる新しい職場を用意してくれます。

また、辞めづらい今の職場で(転職先を紹介してもらった後に)スムーズに次の職場に移動するための方法やタイミングなどもしっかり教えてくれますよ。

いきなり仕事を辞めたりはせず、まずはじっくり転職エージェントと無料のアポイントを取って、今後の動き方を相談しつつ、あなたの希望に沿った新天地候補をじっくりと紹介してもらうべきでしょう。

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