
野村 龍一

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記事の目次
中小企業では未だ全システムが前近代的。新設システム管理部への配置、アフターの勉強必須とサービス残業の日々
1.新設システム部への配置、ゼロからの立ち上げ
私が大学を卒業したのは1998年のことです。この頃は就職氷河期と言われる時代で就職が大変厳しい時代でもありました。就職試験を受けては落ち、受けては落ちの繰り返しで一体いつまでこんなことが続くんだろう?と不安を抱えつつ就職活動した時代です。
そんな私にも運命の女神がほほ笑んでくれ、某ケーブルメーカーに入社することができました。できれば条件がいい上場している企業を狙いたかったのでこの時期は上場企業に絞って就職試験を受けていました。
ケーブルメーカーに入社し、私の所属先となったのがシステム部です。システム部はこの年新しく設定された部署です。この頃業務でパソコンを使うことも多くなった時期ですが、まだ日本の企業全体がパソコンに不慣れで運営についても手探りで行っている時期でした。私の入社した会社でも工場の製造ラインやディスクワークの現場でシステムは重要であり力を入れていきたいということで立ち上げられた部署です。
私は新入社員であると同時にシステム部は立ち上げたばかりであり、まさしくゼロからのスタートとなりました。
私は理系学部だったことから大学時代プログラミングをやった経験があります。しかしなんとか単位が取れた程度でパソコンを触れる人のレベルでしかなく、まずはタッチタイピングの取得からスタートしました。私もそうですが、この頃はまだローマ字入力ではなく、ひらがな入力者が多い時代でもありました。
入社して初期の段階はパソコンを知ることからスタートしました。全部で上司を含めて7名ほどいた部署ですが、プログラムができる上司を先頭に各々が勉強するといった形からスタートしました。
この当時工場のラインではパソコンも5台未満といった状態で手書き作業なども多い時代でした。工場にも今のようにLANケーブルが配置されていなく、LANケーブルが配置の配置からスタートといった状態でした。
LANケーブルが配置ですがこれも業者を介さずシステム部がやることになりました。これは研修の一環でもありました。まだISDNやADSLでのインターネット接続の時代でルーターなども含めて社内LANの組み方を勉強する場でもありました。
工場での配置作業は配置図を作成し、ルーターの購入やケーブル作りといった形で作業を進め、全員総出で配置しました。この作業を複数の工場で行いました。
そして工場の業務を覚えることも仕事の1つでした。工場のラインはどういう風な形で仕事をしているのか、またシステム導入で効率性をアップさせることが可能か、コスト削減はどうしたらいいのか?など提案をし、会議で承諾が出れば導入に踏み切るといった形でスタートしました。
最初に行ったのは手書きをパソコンに置き換える仕事です。この導入にはバーコードリーダーを活用しました。一度にデーター管理ができること、そして手書きのミスを減らすことができるなど利点がありました。今でこそ多くの企業で実践していますが、当時はこうした作業の効率性を上げていく作業からスタートしました。
2.過酷なシステム現場の実情
そしてその後ITバブルがやってきます。元首相である森喜朗氏の時代のことです。当時のニュースでは連日のように「IT革命」が連呼されていた時代であり各社ケーブルメーカーも非常に潤っていた時代です。この頃はちょうど海外へ工場移転するかどうかの時代でもありました。国内のケーブルメーカーはフル活動でケーブル作りに励んでいた時代です。
景気も良く業務も順調、そしてシステム部は社内でも注目の部署でありキーマンでもあるといった自覚を持って業務に取り組んでいました。ただし日々勉強でもありました。システム部といっても知らないことは山ほどあります。システム導入でトラブルも多数ありました。
パソコンの操作に慣れていないユーザーの誤動作、プログラミングのバグ、人為的ミス、システムの不具合、ウイルス感染などさまざまなトラブルがありました。これらを解決しないといけないのがシステム部の仕事でもあります。先輩の中にはうつ病になった人もいます。
わからないことがあっても他にわかる人がいない状態でさらに「独学は当たり前」といったスタンスの世界なので、孤独とプレッシャーの中、コツコツ作業しなければなりません。
私も含めて自宅持ち帰りで勉強するのは当たり前、そしてトラブル時は残業も多かったです。勤怠管理についてもアバウトな面があり残業はほとんどサービス残業でした。それも当たり前という空気です。
翌年には後輩が2名ほど入ってきました。ちょうど先輩2名がパソコンに詳しい人が必要な部署に転属になったのでその補充でした。しかしそのうちの1人は物覚えが悪く、またうつ病気味になり翌年工場に転属されました。このようにシステム部は過酷な現場でもありました。
社内でもパソコン研修がスタートし、システム部がパソコン指導を率先して行いました。仕事の需要はとても多く、大変ではありましたが充実していた時期だったと思います。
システム管理担当者ならではの、就業中の不満、大変さ、辛さと悩み
辞めたい理由と悩み1:絶え間なく進化し続けるシステム管理業界
システム部は容赦なく転属になる部署でもありました。パソコンが得意レベルでは話にならず、ネットワークやプログラミングを理解しているレベルでないといけない状態でした。
またシステムは絶えず変わり続けます。例えばウィンドウズについてもある程度の周期で新しいものが発売されます。Dosなどのパソコンは入れ替えも必要です。絶えず新しい知識を付けて、そして覚えていかなくてはならない状況でした。
通信業者と手を組みシステムを導入したり、ネットワーク導入をすることもありますが、大手通信業者であっても技術的な知識を持った人は少なく、自分たちが知識を持った上で会社にとって効率よく導入できる方法を提案していかなくてはならない時代でもありました。通信業者の担当者も新しいものがどんどん出て、もうお手上げといった状態だったようです。
このように絶えず勉強しなければならないのもシステム部の任務でもありました。これは今も変わらないことではありますが、例えば書籍代もバカになりません。システムの書籍は高額なものが多いのも特徴です。5千円や1万円といった本も珍しくありません。
プログラムと一言で言っても、1種類だけではなく3種類使われているとしたら、3種類のさわりの部分はわかるようにしないといけないからです。
辞めたい理由と悩み2:高額書籍は基本的に自腹購入
システム部では書籍購入が経費になることもありますが、基本は自腹で月1万前後はシステムの書籍代でした。本を読むのはそれこそアフターの時間が主だったのでシステム部当時はシステムの実用書しかほぼ読んでいない状態です。
中小企業のシステム管理担当者という、決して高給与ではない私のような身分のものには、こういった小さな自腹出費が重なると、生活に大きなダメージを負ってしまうのです。
辞めたい理由と悩み3:資格取得へのプレッシャーが厳しい
また上司から暗黙で資格取得の圧力がありました。資格取得をした方がいいというのは誰にでもわかることですが、資格取得にはそれこそ勉強時間、そしてお金もかかります。実用書で勉強が必要な上に資格まで取れとはなんともつらい話です。
このころはまだ20代で遊びたい盛りでもあります。他の部署の同僚から「飲みに行こうよ」と言われても、自宅で勉強しないといけないので断ることも多かったです。またドラマについても見るのを我慢しました。ドラマを見ている暇があったらシステムの勉強をしろ!というのが暗黙の了解でもあったのです。
業務外なので従わないことも可能ですが、そうなると転属といういわゆる「放り出し」にあいます。私だけではなくみんなそれを恐れていたと思います。
このように資格取得についても不満の1つだったわけですが、こうした状況でプレッシャーがあったのでまず1つ習得しましたとします。
これでようやく資格取得に開放された!と思ったのですが、そんなことはなく次から次へと資格を求めてくるといった感じで結局年中、資格取得に向けて勉強する羽目になりました。確かに自分の身にはなっています。
しかし「一体いつまで勉強しつづけないといけないのだろう。エンドはあるんだろうか?」という疑問が生まれます。他の部署や大学時代の同期はアフターまで勉強をしているようには見えず青春をエンジョイしているように見えました。
今となっては答えが見え、システム担当者である以上勉強し続けないと技術的についていけないですし、勉強にエンドはないということです。システム希望の方はこの点を頭に入れて覚悟して勉強する必要があるかと思います。
辞めたい理由と悩み4:システムトラブルはすべてシステム担当者の責任?社内同僚の目が厳しく注がれる
システムに不具合があったり、トラブルがあると「システム部は何をしているのか」といった目線で見られます。現場の作業者は自分たちは製造するためにラインを稼働しているのに、こういう作業(システムトラブル)で時間を取られるのは迷惑だ、といったことを言います。
確かにその通りですがシステムトラブルはそれこそ工程が50あるとすれば、2くらいはみておかなくてはないものです。システムの良い部分が10あるとして、その10のみが生かされればいいのですが、トラブルもつきものであり、10あっても8であれば合格といった知識は根付いていないことから、感謝もされますがトラブル時は逆恨みに近い形の言動をとられることもありました。
日々勉強し、実費で本を購入し、資格も暗黙の了解で強制され、さらに現場では生産性がない部署といった目を向けられる・・・そんな辛さもありました。生産性がないというのは本当は異なる話なのですが、営業や製造ラインに比べると確かにそう見えるのも仕方がないことではあります。
辞めたい理由と悩み5:もはや当たり前の黙認事項となってしまった、サービス残業のむごさ
システム調整やトラブル対処には膨大な作業時間がかかります。夜中12時過ぎまで残業することもありました。ただ私の部署では残業はつけてはいけないというのが暗黙の了解であり、残業を付けることなく「自主的な作業」のような形で作業を進めていました。これも不満は多いにありました。
これは全部の部署ではなく、それこそ私たちの部署を入れて5つくらいの部署くらいなものです。その他の社員は「残業でけっこう稼げる」というくらい残業代をもらっていました。ちょうど景気が良く工場もフル稼働だった時代なのでそうした状況でした。休日出勤もしていた時代なので、確かに残業代はかなり良かったのだと思います。
同期は残業もしっかりつけて、アフターまで仕事を持ち込まずに済むのにどうして自分はこうしたことをしなければならないのか、と不満もありました。システムをわかっていれば将来的にも有利であることはわかるのですが、その点は不満でした。
あなたの「会社を辞めたくなる悩み」への対応策
1.会社の給料体系の確認することが必須
私が就職したのは上場企業ではありますが、実質子会社である中小企業です。もともとは親会社と同等の位置づけだったのですが、利益が出るようになり会社の切り離しが行われました。
最初は私も気が付かず、そういうものだと思って勤務していたのですが、いわゆる大手企業とはいえ、親会社と子会社では扱いがまるで違うケースがあります。
会社によっては同じ場合もありますが、例えば親会社と子会社では給料体系も異なります。そして出張旅費や残業などを含めた管理体制も異なることもあります。
この点は入社してみないとわかりません。私もしばらくわかりませんでした。そのため事前に確認することをおすすめします。
2.残業代支払い体制がしっかり整っているかどうかを確認する
システムの世界では残業が当たり前で1か月100時間超えなんてことも珍しくありません。見た目以上に過酷で体力、気力ともに消耗する世界なのです。またうつ病になる人が多いのもシステム関連の部署です。このような作業と精神状態だとそれも非常にうなずけます。しかし会社としてはこのように多い残業を認めるわけにはいかないケースが多くみられます。
まずは残業代の問題です。システムはそれこそエンドレスの作業です。作業しようと思えばどこまでも続く状態です。またシステムに詳しい人ならこうしたことを理解してくれますが、わからない人からみると「一体何をしているんだ」という目を向けるのが当然です。孤独の中の作業は作業者もいつ終わるかわからない状態が続くことも少なくありません。
また「利益にならないのに、いつも残って作業をしていておそらく残業代欲しさだろう」なんて目を向けられることもあります。そもそも残業はいいイメージがないものです。日本では「残業は奉仕でやるのが当然」みたいな風潮が残っているのも事実です。
労働法的にも問題になってきます。内部告発がもとでサービス残業が判明したという例もありますが、それはごく一部だと思います。私自身もかなりサービス残業をしましたが内部告発する勇気なんて微塵もなかったです。
残業代については全くつかなかったのか?というとそういうわけではありません。10年以上在籍していて2割程度といったところでしょうか。
工場はというとタイムカードで勤怠管理となっていたので残業はしっかりつけている状態でした。勤怠管理でも工場と事務方は異なっていました。これが他の会社で多いかどうかは正直わかりませんが、ある程度のランクの会社だとサービス残業はないといったところも多かったので体質が古かったのかもしれません。
サービス残業が多かったのは私たちと他の5か所位の部署だけで、その他はきっちり残業を受けても問題ない状態でした。これも不満がありました。なぜこのことがわかったかというとのちにシステム部で勤怠管理も携わることになったためです。
勤怠管理についてはあいまいな点もあります。退職前にはパソコンの電源で管理という形になりました。パソコンの電源を入れれば出勤しましたの合図、オフにすれば退社しましたの合図といった感じです。これはサービス残業防止と遅刻者へのペナルティ向けに設置されたのですが、遅刻者の仲間が遅刻者のパソコンの電源を入れ遅刻状態なのに、通常に出勤している状態にするなど尻ぬぐいをするケースもありました。
残業をする際もサービス残業にならないように、勤怠管理しているパソコンを切って他のマシンで操作することもありました。
このような形で自分のサービス残業だけではなく、会社の勤怠管理に嫌気もさしていました。本来はこうしたことは上司が指導しなくてはなりません。しかし上司は見て見ぬふり。特に態度が悪い社員については野放しといったケースも見られました。
サービス残業は暗黙、そして遅刻する社員は放置といった状態でした。なぜ上司が注意しないのかというと、注意すると労働組合に訴えられるのを恐れているといった話もあります。本当のところはよくわかりませんが。
サービス残業が当たり前になっているのは会社経営状況もありますが上司の判断でもあります。サービス残業があるかどうか?はしっかり確認しておくといいと思います。
3.事務方も工場勤務のように勤怠管理がきちんとされているか確認する
結論からいうと、私の会社(製造業)で残業や遅刻についてもしっかり管理されていたのは工場勤務の人たちでした。
工場は事務方と管理が違うこと、また労働者として保護および監視されているんだと思います。工場での作業は大変です。肉体労働であり、地道な作業の繰り返しです。
作業者といったイメージがあるかと思いますが、ディスクワークもありました。工場の業務管理などです。ペーパーでの作業も当然にあるわけです。彼女たちも残業などはしっかりつけても良い状態でした。これもまたうらやましかったです。ある特定の時期は忙しく、残業が必ず付きます。そうなると給料も2万円くらいプラスになります。
基本的にサービス残業の私たちの部署は2万円なんてつくことはほとんどありません。そして実用書購入の費用もかかります。同期と同じ給料体系であっても出費は多く、給料面で見たら割のあわない部署だと思います。
たぶん希望すれば工場の事務勤務も可能だったと思います。購買部や庶務などもあるわけです。しかしシステム部でありたいという誇りもありました。システム部のポジションから抜けるのも嫌だったので、会社の体制に不満があってももくもくと作業していたのが現状です。
このように同じ会社でも工場と事務方では勤怠管理が異なることが少なくありません。その点もしっかり確認することをおすすめします。
4.中小企業のシステム管理担当者を辞めて他業界へ転職する
あなたを取り巻くストレスから解放されるもっとも効果的な方法は、スッパリと中小企業のシステム管理担当から抜け出して他業界、他社に転職をすることでしょう。厳しいシステム管理業界で培ったビジネススキルを生かせる職場は、あなたが自分で思っている以上にたくさん存在しています。
他業種への転職…不安はよくわかります。
しかし、うまく中小企業のシステム管理担当の勤務を抜け出して、人生の立て直しに成功した人の多くは、システム管理担当以外への道を選択した人々なのです。この件について、以下でより詳しく説明いたします。
中小企業のシステム管理担当者、辞め方とタイミング
辞め方とタイミング:転職活動はこっそりと、しかし、引き継ぎ書はしっかり作成しておく
突然身の上の降りかかる会社の閉鎖劇
私は10年足らず勤務し退職しました。理由は私が工場閉鎖に伴う、事業縮小の動きからです。最初は景気が良かったのですがだんだん景気が悪くなってきました。理由は商品の普及が成長期に入ったこと、そして海外進出をする同業他社が増えたことです。私たちの会社も海外進出を果たしました。
これは喜ばしいことに思えますが、海外進出が増えるということはコスト競争に突入し、国内の工場が閉鎖に追い込まれるということでもあります。ケーブルメーカーだけではなく、電機メーカーなども同じような状況であり、これもまた時代の流れだと思います。
景気が悪いといってもある程度の基盤の会社なので最初はそんなに心配はしていませんでした。これはみんな同じだと思います。
しかしあっという間に工場閉鎖が決まりました。工場閉鎖に伴い、ほとんどの社員が解雇です。一部の優秀な社員が転勤付などの条件で勤続できる状況でした。
ボーナス・減給になったら黄色信号
私は工場勤務ではなかったので最初は関係がない話でした。その後ボーナスが減り、減給の話まで出ました。さらに縮小の話が出てから部署の場所移動の話も出ました。
減給などが始まった時点で「これは先が長くない」と覚悟していました。そのためひそかに転職活動をしていました。私は誰にも言わないでこっそり転職活動をしていました。
会社ではすでに先行き暗い雰囲気が出ていました。早々に転職した人もいました。また転職をあきらめている人の中には「どうせ自分は転職先もない」といったなげやりな態度の人も出始めていました。
工場閉鎖についても上司の誰かが漏らしたと思うのですが、正式通知の前に社員はすでに知っていました。このように良くないことは重なり、会社全体が良くないムードの時期が続きました。
一方、海外への進出は順調のようでした。海外転勤になった人は優秀な技術者や将来有望ないわゆるエリートコースの社員です。そうした人は国内の工場閉鎖のムードなんて知ることもなく、楽しく仕事をしていたんだと思います。もちろん家族持ちの人は単身で転勤ということもあります。家族と離れて暮らすのはストレスも多かったことでしょう。
転職の準備は着々と
さてこの時期には退職もカウントダウン状態に入ります。私は幸い残って継続という選択肢もありました。この選択肢があるのは非常にありがたい話でした。すでに30代に入っていた私にとって次の転職先を探すのは大変ですし、年齢的にももう上場企業で事務職正社員は無理だろうと思っていました。
とは言っても危機感もあったので内緒で転職活動をしていたわけです。内緒にしていた理由ですが、社内でも「いつ辞めてもいい」といった社員がいました。
この社員は実家が会社を経営しており、ゆくゆくは実家を継ぐため花婿修行ではありませんが、そんな感じで会社勤めている社員でした。「あいつはいずれやめるだろう」と誰もが思っており、本人もそうした態度を出し続けていたので有給なども平気でとっていました。
そこに工場閉鎖が襲いかかったのです。工場閉鎖は彼の身に襲いかかりました。リストラについて候補が挙げられたのですが、真っ先に候補になってしまったのです。
これは私だけではなく他の社員にも刺激となりました。当然といえば当然ですが、年齢やスキルで考えると彼はリストラ対象者ではなかったと思います。しかし態度が良くない、また次の就職先があるだろうといった理由で選定されたのではないでしょうか。真実はわかりませんが、リストラされる人には特徴がありました。
うつ病を患った人、50歳以上、女性が多いといった形です。たぶん経済面なども考えリストラに踏み切ったのだと思います。
こうした様子を見ていて、いい加減会社に嫌気がさしてきました。入社したときは景気が良く、そしてシステムも時代の走りだったので期待と希望を胸に頑張ってきました。そこれこそサービス残業など不満があっても、です。状況が悪くなると先細りの路線しか見えなくなってきました。
システムについても投資なんてとんでもない状況になってきます。今あるシステムで最低限をまわす、トラブル回避そして最低限の経費といった補修が対象となりましたい。以前のようにコスト削減のための工夫といった分野ではなくなってきました。
引き継ぎ書は万全に準備しておく
私もチャンスがあれば転職と思っていたので引き継ぎ書をコツコツと作っていました。引き継ぎ書を作るにあたり、引き継ぎ書を見ればしっかり引き続きできるようにと考えていました。なぜなら引き継ぎ書についても不備が多く、見てもよくわからないものが少なくありませんでした。システムの仕事の関係で、他の部署の引き継ぎ書を見たときに感じた経験です。
システムについては通常の業務よりも難易度が高い世界だと思っています。通常の業務はもちろん、さらにシステムの知識がないと業務にならないためです。
最終的に私の知人経由で他の就職先を紹介してもらえることになりました。条件も悪くありません。これで退職する決意ができ退職しましたが、このタイミングで退職し本当に良かったと思っています。
中小企業システム管理担当の勤務経験が優遇される、より就労条件のよい「おすすめ転職先」の例
1.銀行を含む金融機関のシステム担当者に転職する
退職後の進路ですが、私はとある大手企業のシステム担当者として再就職を果たします。IT企業へのエントリなどもしたのですが、知人経由でいわゆる縁故入社です。ちょうどシステム担当者のポジションが空いていること、できれば女性で補充したいというのが決め手だったようです。
転職活動については意外と声がかかったりもしました。ITベンチャー企業などもありました。年齢、そして事務職は難しいだろうと思っていましたがシステムのようなある意味専門職は転職についてもそこそこあるんだなと思いました。
IT企業やIT関係といってもジャンルも数も実に多く自分の適性についても考えなくてはなりません。また条件重視派の私としては安定や休暇、お給料など待遇面も非常に気になります。
転職するにあたりランクダウンかランクアップかも重要な要素です。できればランクアップがいいですが、ランクアップが無理でも前の会社と同等かあるいはそれなりに納得した上で転職したいと思う人は多いのではないでしょうか。
今回の転職活動にあたりシステム担当者としての活躍を希望されるのであれば銀行関連のシステム担当者も良いかと思います。銀行関連のシステム担当者についてもけっこう求人がありました。銀行員の友人に聞いたところ、銀行のシステムやatmに関するシステム担当の人材を増やしているとのことでした。
銀行でもシステム導入を積極的に行っており、その人材補充を新卒ではなく中途採用で賄っているケースが増えているようです。システムの人材は育成に時間がかかります。新卒だと大学でシステムを勉強してきた人材でもなかなかすぐに使い物にはなりません。
銀行の場合は待遇面がしっかりしています。地方でもそこそこの条件でまたあまりつぶれる心配などもなく安定しているのではないかと思います。
私も銀行関連のシステム担当を若干検討しました。理由は会社の安定性です。結果的に転職後しばらくして結婚のため退職に至るわけですが、転職の時点では結婚するかどうかもわからない状態でしたし、結婚後も可能であれば仕事をしつつ生活するという選択もあるわけです。
生活のために仕事は生涯続けると思っていたのでこれが最後の転職と思い、仕事を探したいたふしもあります。
個人的に経理関係のシステムはあまり好きではなかったため、銀行関連の転職は魅力的ではありましたが、躊躇していた部分があります。
2.光回線関連企業のIT担当に転職する
光回線関連企業IT担当についても求人がありました。これは実際に知人が大手通信会社で勤務しており、応募してみては?という話もありました。会社の知名度についても申し分ないですし、文句なしなのですがまずは「契約社員での採用」という形でその後よければ正社員に移行の可能性もあり、といった状態でした。
つまり最初から正社員雇用ではなく契約社員からのスタートであり、正社員になれるかどうかはわからない状況でした。友人も契約社員でした。
正社員になれればいいのですがなれなかった場合、将来どうするのかなという不安がありました。こうしたルートの採用はわりと少なくないと思いますが、私の場合年齢などもあるので正社員にこだわって転職活動を進めていました。
やはり契約社員や派遣社員は正社員になれるという保証がないのが実情です。なれるかもしれませんが、なれない場合はその後どうするのかという不安がぬぐいきれません。
光回線関連企業IT担当については仕事が魅力的でした。仕事の内容としては1番魅力的だったといっても過言ではありません。光回線の製品を勉強してそれを顧客にprしたり社内調整をするといった仕事です。システム営業にも興味があったこと、またノルマがあるわけではないのでこの点もいいなと思っていました。
これが正社員募集ならここにしたと思います。
3.中小企業と異なり、業務内容が定型化されている「大手企業のシステム管理担当者」に転職する
最終的に私はとある大手企業のシステム担当者として転職します。これはラッキーなことにたまたま大手企業のシステム担当者のポジションが空いていたこと、そして知人が声をかけてくれたことです。この上ない良い条件で採用してもらうことができました。
結果的に縁故だっただめ入社後も「〇〇さんの縁故だって」という風潮はありましたが、周りの目を気にしている余裕もなく仕事に打ち込みました。
縁故については絶対に嫌だという人もいるかもしれませんが、入社してしまえばこっちのものです。これも何かのご縁と思って活用してみてはどうでしょうか?
キャリアについては人それぞれだと思います。私も新卒の段階では「そのうち結婚するだろうし、普通に働いて土日休みであればいい」なんてあまい考えがありました。たまたまシステム部に配属されたのでシステムの勉強をしキャリアとしてもプラスになったわけですが、普通の事務職がどれほどうらやましかったか。残業をしっかりつけて、アフターも自由で、当たり前のことかもしれませんが、当時の私にはとてもうらやましいことでした。
しかしそうした生活をしていたら、転職という道もなかったと思います。システムの勉強をしてきたからこそ、転職の道が開けたことでしょう。
幸い転職についてもいいご縁がでました。みなさんも辛い状況でもあきらめることなく、理想を掲げて頑張ってみてください。
人生の選択肢は常にあなた自身が持っている
中小企業のシステム管理担当勤務のあなたの人生を変えるために、まず一番注目すべきことは「中小企業のシステム管理以外の職場もあることを知る」ということです。
案外、外部と交流がない中小企業のシステム管理担当者は井の中の蛙になることが多いです。自分の会社以外のことを全く知らないというケースも非常に多いようで、勇気を出して一歩外に踏み出せば大きな海が広がっているということを、改めて考えてみてはどうでしょうか。
兎に角、どうしても今の悩みが解決できなければ「別に辞めればいい」「辞めたっていいんだ」「自分は自由に人生を選択できるんだ」と割り切ること。
周囲からの目を気にしたり、あなたの人生と無関係な上司のメンツを立てて、自分の人生を後回しにしてします思考こそが「今の職場を辞められなくなってしまう」ことの最大原因であり、悩みをより深くして人生を間違えてしまう事につながります。
転職コーディネーターに無料相談することから始める
自分自身でまず何をしてよいかわからないならば、人材紹介会社に登録するのも手。
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また、辞めづらい今の職場で、(転職先を紹介してもらった後に)スムーズに次の職場に移動するための方法やタイミングなどもしっかり教えてくれますよ。
いきなり仕事を辞めたりはせず、まずはじっくり転職エージェントと無料のアポイントを取って、今後の動き方を相談しつつ、あなたの希望に沿った新天地候補をじっくりと紹介してもらうべきでしょう。