アルマイト処理工場等の設備産業工場を辞めたい人へ=つらい職場を上手に辞める方法

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野村 龍一

野村 龍一

医療系転職コンサルタント企業で700名以上の医師転職支援に関わる。近年は医療以外にも様々な業種からの「私も会社を辞めたい」という転職相談が相次ぎ、転職成功者のインタビューを敢行中。2016年12月より一般転職に関する情報提供、人生相談を当サイトにて開始。




記事の目次

進歩の速さについていけていない設備産業工場の現実に体と心が壊されていく…

野村龍一
今回は半導体や液晶パネル製造に必須のアルマイト処理工場で工場長として勤務していた戸田茂さん(仮名)からの退職体験談です
戸田茂 さん
私のような40代半ばでも、設備産業に勤務した経験をうまく活用すれば、十分に転職は成功しますので、同年代のみなさん、是非がんばりましょう。

私は、常に成長業界で働きたいと思う人間でした。これからの時代はコンピュータの時代だと思い、情報処理の専門学校を卒業後、OA機器の営業として、最初の就職をしました。

入社当時はまだWindowsもありませんでしたが、OA化が急速に進んでいる時代でした。物が面白いように売れていく。バブル後でもWindowsの出現により、売り上げが落ち込むことはありませんでした。

この頃から、品不足という問題が多発するようになってきました。メーカーが競うように新機種を開発することで、生産が追い付かなくなっていたのです。次第にパソコンの低価格化が進み、機械は家電量販店や通販で買うものというが常識になっていきました。

そんな時です、以前から付き合いのあった、印刷関係の仕事をしていた社長からパソコンなどを作る機械に携わる仕事を一緒にやらないか?と誘いを受けました。

最先端の機械を作る為の機械!!品不足を体験していた私は必ず、需要があると確信し、設備産業に転職する事にしました。

幸いにも地元では半導体ロボットメーカーや液晶製造装置メーカーが多くどの企業も急成長していました。

しかし、急成長した業界には必ず問題点があります、企業の設備投資が間に合わないのです。設備産業なのに自社の設備が間に合わないという矛盾が蔓延していました。企業はしかたなく外注を使うことでかろうじて生産を行っていたのです。

その中で全ての企業が必要としている技術がありました、それがアルマイト処理でした。

アルマイト処理とはアルミニウム製品に対して特殊表面処理を行う技術で、半導体装置や液晶装置に使われる部品の殆どがアルミで製造される為、需要は多くありました。

アルマイト処理を行う企業は数社、存在したのですが、元々はアルミサッシ等に使われていた為、半導体部品などの精密機械に対しての的確な処理を行える企業は近辺にありませんでした。

私は設備産業の一部である表面処理の分野で働いていく事になります。世界中でIT化が進み、パソコンやスマホなどは凄まじい勢いで進歩して行くのですがそれのスピードに追い付けていないのが設備産業なのです。

設備産業ならではの、就業中の不満、大変さ、辛さと悩み

モノ作りとはかけ離れた世界で目的を失っていく苦労

辞めたい理由と悩み1:短納期による長時間労働で疲弊しながら退職する社員が多い

「最先端のモノ作りに携わることが出来る」私も含め、他の従業員も多かれ少なかれ希望をもっていました。

もちろん、最初からうまく行くとは思っていなかったのですが、始めて製品が入荷した際、「明日には処理を終えて納品してください。」と依頼された時には正直、驚きました。それが、業界の常識となっていたのです。

当初は技術力不足と思い毎日、日付が変わるまで仕事をしていました。しかし、いつまで経っても労働時間が短くなることはりませんでした。

当然の事なのですが、「儲かる業種には企業が集中する」のです。

新規企業の参入で老舗のメーカーも新型の開発を進めていかなければ、後発メーカーに追い越されてしまうのです。それに伴い、アルマイト処理に関しても高度な技術が要求されるようになってきました。メーカーも表面処理の事まで考えている余裕が無くなってきたのです。

高度な技術を要する作業にはその分、余分な時間が掛かります。時間は掛かるが納期は変わらず、更なる長時間労働が課せられます。長時間労働が蔓延化する事で、他の従業員は辞めて行ってしまいます。

技術力のある人間が居なくなり、新入社員が入る。結果、生産能力は落ちこみ労働時間が長くなるという悪循環の繰り返しです。

メーカーは企業競争を勝ち抜くために、受注後の短納期を売りにするようになります。

設備産業は受注→設計→部品製造→表面処理→組立→プログラミング→動作確認→納品

事務処理や検査は除いていますがこのような工程で進みます。

部品製造と表面処理は外注を使うメーカーが多いのですがメーカーを含めた設備産業全体が長時間労働を余儀なくされています。

短納期が常識化してしまうと元に戻すことは出来ません。

モノ作りをしている感覚はなくなり、日々納期に追われて、終わりの見えない仕事をこなさなければなりません。

また、昔と違い今は製造業に人が集まらない時代です。

ベテランが1人抜ければ、新人を2人雇う事が出来たのは10年前の話で募集をして、半年間も新入社員が入らないことがよくあり、人手不足が長時間労働に拍車をかけています。

本来であれば、仕事が増えれば人も増えるという常識が通用しない業界なのです。

辞めたい理由と悩み2:精密機械なのに慎重に扱う時間がないが不良に非常に厳しい

設備産業は受注生産が多いだけでなく、パソコンやスマホなど新機種が多く出る為、たえず違う製品を扱うこととなります。

同じ製品を扱うのであれば全ての作業が早いのですが、新製品は設計から始まり、部品加工時に切削機のプログラムから入力しなければならない為、時間もかかります。

その為、不良が出た時点で納期が間に合わなくなってしまいます。

通常であれば、余裕をもった作業工程が必要なのですが表面処理業者は自社で製品を加工できるわけではないので、かなり気を使って作業を行わなくてはなりません。

同じ製品が数年続くことが少なくオートメーション化をする事が出来ない為、全て手作業で行うことになります。

手作業で行うという事はそれだけ不良のリスクも高くなってしまいます。

軽量化や加工しやすい為に製品の多くはアルミニウムで出来ています。

金属とはいえ、1円玉を爪でこすってみてください。傷が付くと思います。

「自分が購入した新車に少しでも傷があったら、クレームにするでしょう。」と例え話をよくされたものです。

精密部品の為、1/1000㎜の誤差が不良に繋がってしまします。

全く同じ処理を行っても夏と冬では製品の出来が違ってきます。

湿度にもよって違いが出る場合も多くあるのです。

その中で、安定した製品を短納期で生産するという過酷な業界でした。

不良が発生した場合の謝罪が必ず、「納期が・・・」から始まっていたことを覚えています。

私は納期が、交差がと口癖になってしまいました。

1つ数万円もする部品が多く存在していたにも関わらず、金額よりも納期の優先を気にしているのはおかしな話です。

時間が無い為、慎重に扱う事も出来ない。更に不良が出れば表面処理以降の工程担当者に迷惑がかかる。

最終工程の組立などは、更に追い詰められていました。

業界全体がピリピリしているので、不良を出した場合には酷い怒られ方をします。

メーカーに誤り、部品製造業者に誤り、遅れた時間は労働時間外に取り戻さなくてはならないのです。

管理者だった私はその重圧から「うつ病」になり、数か月、休職していた事もありました。

当然、従業員に対しても厳しくなり、罵声を浴びせたことも多くあったと思います。

自分にも余裕が無かったので、矛盾した事を言っていた反省しています。

設備産業とは肉体だけでなく精神的にも苦痛を伴う業種なのです。

辞めたい理由と悩み3:谷が大きすぎる為、最終的に自分の首をしめる

主に半導体や液晶装置の設備産業は中国や台湾、ヨーロッパ諸国などの輸出が多く占めていることも特徴の一つです。

日本のメーカーでさえ海外に工場を構え、国内で生産している企業は1割もありません。その為、海外で何か起こった時には仕事がゼロになる可能性があるのです。

パソコンなどが売れなくなれば、減産になることは当然なのですが、設備産業においては減産だけではなくゼロになるのです。

2001年のアメリカの同時多発テロが起こった時などは他業種もかなりのダメージがありましたが、輸出が制限されたことにより、全く仕事が無くなりました。

その為、設備産業に携わっていた企業は国内に目を向け、医療機器などに向けた製品の開発を行う事となります。

当然、私たちも、成長中には考えなかった、他業者への介入を考えるようになります。

医療業界や自動車業界など、ありとあらゆる業種に営業を行いました。

設備産業に携わって本当に仕事がないと感じたのはこの時だけでした。(リーマンショックの時にはスマホが爆発的普及を遂げていた最中だったので、仕事に困る事はありませんでした。)

今までに手を出していなかった業種に手を出したことで、倒産だけは免れたのですが、景気が戻り始め、設備産業が従来の活気を取り戻してきた時、大きな問題が発覚します。

仕事量が業界のキャパを大きく超えてしまっていたのです!!

設備的にも人材的にも抱えている仕事に対応できるものではありませんでした。

無理やりにでも取ってきた仕事です。こちらから断るわけにはいきませんでした。

以前にも増して、仕事は増えていきましたが人材不足は解消する事が出来ませんでした。

メーカーは設備産業が好景気になれば、ゆっくりと医療など専門外の業務から撤退していきましたが、外注先はそうはいきません。

医療業界は人の命を扱う仕事なので決まり事が多く、業者の変更も簡単に行えるものではありませんでした。

結局は難しい仕事を設備産業と同時に行う事になってしまうのですが、1度でも深い谷を経験をしてしまうと、断る事は出来ませんでした。

辞めたい理由と悩み4:仕事が増えた分の給与は上がらない

新規参入業者が増えたことで短納期に加え、価格競争が激しくなります。

この業界の特徴でもあるのですが、パソコンやスマホなどはメーカー独自の機能などがあり、差別化を図ることが出来ます。

しかし、設備産業は特殊能力をもたせた機械は必要ないのです。

どの機械も殆ど差がないとなると、値引きをするしかなくなってしまいます。

メーカーが値引きをすれば、当然外注先にも値引き要請が発生します。

スマホなどはどんどん進歩し、生産数も増えていきます。

結果、以前より多くの仕事をこなしても、会社の売り上げを伸ばすことは出来ても利益を増やすことが出来ないのです。

この業界の特徴に「サービス残業が当たり前」という考え方が未だにあります。

出社時にタイムカードを押して、退社時にタイムカードを押す。そして帰宅というわけではいかないのです。

もちろん、会社が強要するわけではありません。

しかし、自分で出してしまった不良の処理や翌日の納期の事など考えると、残業するしかないのです。昨今、導入されたプレミアムフライデーなどは、異国のお話でしかありませんでした。

人材不足という事もあり、この業界の初任給は同年代の製造業と比べても高額です。

高給でないと人材確保が難しいのです。

会社の利益率は下がってきていますが、賞与やベースアップも毎年あります。

ベースアップに関しては某大手自動車メーカー並みにあります。

何が不満?と思うかもしれませんが、年を負うごとに責任が重くのしかかってきます。

担当物件が増えれば、納期を間に合わせる為に、進んでサービス残業をしなくてはならなくなってくるのです。

会社にいるからには当たり前の事なのですが、あまりにも度を越しているのです。

私は最終的には工場長という立場だったのですが、休日出勤や残業をサービスで行う事は当たり前になっていました。

入社後、2,3年も経つと高額だった給与も、労働時間が追い越してしまう為、高額とは言えなくなってしまうのです。

時給に直せば某牛丼屋でアルバイトしたほうがいい位です。

では、設備産業の工場勤務あなたはどうすればよいのでしょうか?
この先もつらい現実に耐えながら生きていかなけばならないのでしょうか?
いいえ、設備産業工場勤務の人生を変える解法」はきちんと存在していますので、それを今からご説明いたします。

あなたの「会社を辞めたくなる悩み」への対応策

1.将来的な金銭面で計画を在籍中から立てておく

設備産業が衰えることはありません。

「パソコンが無くなる、スマホが無くなる」と考える方はいないと思います。

大げさな表現ですが「ITの衰退は人類の衰退」と言っても過言ではない位、劇的な進歩を遂げています。

半導体や液晶を含めた大手企業の上場廃止や倒産の危機はよく耳にすると思いますが、需要が無くなった訳ではなく、他社との競争に敗れたからです。

今まで作られていたものを他社が作るようになったというだけの事です。

設備産業の約80%が「made in Japan」と言われています。

パソコンやスマホの開発では国外にシェアを奪われているのですが、製品を安定して量産する技術は日本に勝てる他国企業はないのです。

あまりにも差が付きすぎている為、海外からの追従もありません。

国内IT分野の大手企業よりも設備産業のほうが衰退する事がないという事なのです。

金銭的に目標があった場合、リストラに怯えることなく、安定した収入を得たい方には向いている業種です。

確かに仕事はハードですがこの先、何十年も安定した収入を得たいのであれば、この業界で働いていく価値はあると思います。

2.自分がどんな製品のどこの部品を扱っているかを理解する

日頃、処理に追われて自分が何を作っているのかを忘れることが多くあります。

そんな時は少し冷静になり、完成した製品の事を思い浮かべるのです。

この業種から短納期が無くなる事はないでしょう。

メーカーは当然、製品1台分の発注をしてきます。

そんな時に完成品を理解していれば、部品によっては納期が1日伸ばせる可能性がある事が見えてきます。

仮に車を2日で組上げようと思った場合、エンジンが出来ていないのにボディーは必要ないという事なのです。

また、エンドユーザーには絶対に見えない部分があります。

製品に傷があれば通常であれば不良になってしまう部分も短納期の為、メーカーは見逃してくれる場合も多いのです。

もちろん、機械の全体図が見えなければ、メーカーに提案すら出来ません。

謝罪→怒られる→作り直す→残業という悪循環を少しでも減らすことが出来るようになります。

担当者とも技術面で話が出来るようになるので、今後、何かと助けて貰えるようにもなります。

実際、私も担当者と親しくなり、不良を出してしまった際でも納期の組みなおしの協議を出来るまでになりました。

全てが解決できるわけではありませんが、10回のトラブルが9回になるだけでも楽になっていきます。

肉体面は休めば元に戻りますが精神面はずっと積み重なっていくものです。。

少しでも苦痛から解放され、長く働いていくには必須なのです。

3.作図能力を身につける

「図面を読む事が出来る。」これは、精密部品を扱っている以上は当たり前の事です。

従業員に「図面位は理解出来るようになろう!!」と話をしていたのですが実際に「図面が読める」と「理解する」は違うのです。

設計出来るようになれと言っているわけではありません。

設計する為には構造や強度を始め、電気配線などいくつもの知識が必要となってきます。仕事をしながら、勉強していくにはあまりにも時間がないのです。

もし今すぐに、それが出来るなら設計士をお勧めします。

実際、私が実行した方法があります。

家にパソコンがあれば誰でも出来る事なのです。

この業界では「AUTO CAD」という三次元CADが使用されることが多いのですが、購入すると、40万円以上もするとても高価なものです。

しかし、無料体験版があって1か月間は無料で使用する事が出来るのです。

更に最近では月額払いがあり、1か月単位からの使用が可能になっています。

有名なソフトウェアなので使い方の説明も充実しているのでインターネットで調べれば、ある程度は使えるようになります。

ここで必要なのはある程度の知識でいいのです。

長く仕事を続けようと思えば、少しでも楽に作業していくしかありません。

納期が延ばせないのなら処理時間を短縮するしかないのです。

作図の知識が少しでもあると設計者と話をする事が出来るようになります。

設計者もプライドをもっています。「この設計が悪い!!」など言える訳もありません。

あくまで、設計の話をするのでは無く「ネジ穴1か所のサイズを変更してください。」とか、「穴を1か所増やしてください。」など小さなお願いをするのです。

1つ穴が増えるだけでも、かなりの処理時間を短縮する事ができます。

設計者も短納期で苦労しています。

お願いした図面が変更になる事は、過去に数えるほどしかなかったのですが、次回の設計の時に採用してもらえるケースはよくありました。

1つの手間が将来的に自分を楽にしてくれます。

また、設計が変更になった時には喜びもあります。

製造業には「営業で契約を取った。」などの喜びは少ない仕事です。

私は単純なのでメーカーの設計を動かしたとなると大きな喜びを得ることができました。

4.忙しい中でも喜んで貰える資格を取っておく

仕事内容はブラック企業に近いのですが、取得させて貰える資格が多いということが上げられます。

本当の理由は資格を持った人間が辞める可能性があるという事なのですが、資格を取る為には金と時間を惜しまないという風潮があるのです。

一般的なフォークリフトや玉掛といった工場内作業での資格はもちろん、危険物取扱者やボイラー技士、溶接技士といった高度な資格も会社が負担してくれます。

資格取得後も液晶画面の大型化などで、設備機械も大型化しているので1部品1t以上もある製品を扱う為、技術も上達します。

1部品がベンツより高いので精神的に苦痛なのですが、どこに行っても恥ずかしくないくらいの技術は身につきます。

その以外でも私はCADの国際資格であるオートデスク認証資格を取得する事ができました。

5.設備産業工場会社を辞めて他業界へ転職する

あなたを取り巻くストレスから解放されるもっとも効果的な方法は、スッパリと設備産業業界から抜け出して他業界に転職をすることでしょう。厳しい設備産業業界で培ったビジネススキルを生かせる職場は、あなたが自分で思っている以上にたくさん存在しています。

他業種への転職…不安はよくわかります。

しかし、まく設備産業工場の勤務を抜け出して、人生の立て直しに成功した人の多くは、設備産業業界以外への道を選択した人々なのです
この件について、以下でより詳しく説明いたします。

設備産業工場の辞め方とタイミング

辞め方とタイミング1:退職には時間が必要、準備は1年前からしておくべき

私の場合、工場長という立場もあり、退職を決意してから1年以上かかりました。

製造業の退職が難しい理由はここ数年、国内製造業での労働力不足が深刻な問題になっているということです。

「担当者が変わります。」だけでは済まないのが製造業で、技術の引継ぎが必須となります。

多種多様な製品を扱う事が多い業種の為、担当者単位で作業する工程が非常に多く、引継ぎが必ず必要になるのですが、引き継ぐ人間がいない場合が多いのです。

その為、引継ぎの分散化が発生してしまうのです。

1人の人間に引継ぎを行う事は流れで教えることが出来るのですが、複数の人間に分散して引き継ぐとなると倍以上の時間がかかってしまいます。

勤務期間が長ければ長いほど、引継ぎにかかる時間が多くなってしまうのです。

量産製品が少ない為、マニュアル化された引継ぎ出来ない事も多く、半年以上かかる場合もあります。

また、極端に忙しい時には全く引継ぎが出来ない期間もあり、退職を決意してからの時間がかかる理由の一つでもあります。

私の場合、退職して半年以上もなるのですが未だに以前の顧客よりクレームの電話があり、結局は週に2日程、アルバイトとして会社に通っています。

人材による難しさがある為、余裕をもって1年前から退職準備する事をお勧めします。

辞め方とタイミング2:同業種や関係会社への転職はしてはならない

この業種の退職理由の多くは短納期による精神的な苦痛によるものだと思います。

私の場合でも、給与面や福利厚生は問題ありませんでしたが精神的苦痛により退職を決意しました。

設備産業に関わる全ての企業は常に人材不足です。

業界の経験者であれば同業種への転職先はいくらでもあります。

しかし、作業が変わっても短納期から逃れる事が出来る訳ではありません。

私の知り合いにもこの業種を点々としている方が多くいます。

外部からの付き合いだと良く見える会社も内部的には全く変わらないのです。

せっかく身に着けた仕事だからと思って同業種に転職するのであれば、退職せずに元の会社にいた方が職歴にも傷が付かないので我慢して務めたほうがいいのです

設備産業の特徴として、他業種と比べて外注先が異常に多いことが上げられます。

営業から設計や納品はもちろんメーカーが行うのですが、企業によっては組み立てや検査までも外注で行っているのです。

1つの機械を完成する為には他業種との繋がりも深い為、よく調べてからの転職を考えるべきとだと思います。

繋がりが深い為、同業種への転職が発覚した場合、個人に対してよくない噂が立つ事も多いのです。

私もハローワークからの紹介で4社程、面接を受けたのですが3社が設備産業と繋がりがあり驚きました。

繋がりがあった会社は「設計事務所、印刷会社、化学工業」です。

辞め方とタイミング3:絶対に辞める事の出来ない時期がある

少し変わった表現なのですが、設備産業では「辞めてはいけない時期」ではなく「辞める事の出来ない時期」があります。

退職の準備期間を調整しなければ、1か月位は退職時期が延びてしまうという事が起こるのです。

IT製造産業にも設備投資の時期というものがあります。

しかし、難しいのは時期が読めないことです。

公共の道路工事などは期末の3月に増えるなど分かりやすいのですが、IT業界は進歩が早い業界です。

他社が有機ELを導入すれば、即座に追いかけなくてはならない。

開発から試作までは早いスパンで行われます。

設備産業に発注が出るのは量産計画が出来た後になるのです。

製品の発売時期が遅れればIT企業へのダメージは致命的なものになります。

他社が良い製品を発表すればどの企業も揃って追従してしまうので、一斉に設備投資が始まってしまいます。

その時期に退職が重なった場合はなかなか辞める事ができません。

忙しい時期に無理やり退職すれば、退職金にも影響を及ぼしかねないのです。

私はそれで、2か月程退職日が延びる事になりました。

  • 新製品が出ていない期間が長い
  • 新技術が開発された
  • 中国のGDPが上がった

などは設備産業が忙しくなる前触れなので退職時期を考える時期です。

理想は忙しくなる前に辞めるという事なのです。

設備産業工場の勤務経験が優遇される、より就労条件のよい「おすすめ転職先」の例

1.自動車業界の製造現場に転職する

日本の製造業の中で最も安定している業種は?と尋ねられた際、自動車産業と答える方は多いと思います。

給与面では、2017年は下がったと言われていますがベアは1,500円以上。

業種によってはベアがあるだけマシと言うところも多いのではないでしょうか?

何よりも生産管理がしっかりしていて、工程管理に至っては右に出る業種はないでしょう。

社員になるには難しいと思われていますが、設備産業を経験されていれば、さほど難しい事ではありません。

自動車産業といえば、まず組み立て工場を連想する事と思いますが、設備産業でも最初は簡単な作業からスタートします。

最初は組み立てからでも十分です。

その中で品質管理など多くの部署が存在している中で、1/1000mmの世界を経験している人であれば必ず評価を得る事ができます。

主原料は鉄が多く使われている事は多くの方がご存知の事と思いますが、アルミを主体に扱ってきた業界からすると、かなり楽なのです。

ましてや、超精密製品を高速で扱っていたのですから、どの部署に行っても作業をこなすことが出来ます。

フォークリフトや玉掛の作業も多く存在しているので即戦力として、実力を発揮する場は多くあります。

実務においては非常に近い作業が多いので、慣れる事も困難ではないのです。

2.食品加工業界に転職する

設備産業に携わる前、私は数か月なのですが食品加工会社に勤めたことがあります。

食品関係でも設備産業と似たところがあます。

常に新商品の開発が行われているという事と短納期という事です。

IT業界程は早くはありませんが、常に新しいヒット商品の開発が行われており、製造ラインもそれに伴い、変更が行われていました。

最も、設備産業と違っていた点は賞味期限があり、1日の生産数が決まっているという事でした。

確かに短納期という事になるのですが決まっている工程内で本日生産した製品は1週間で賞味期限を迎える事が分かるなど、生産計画が立てやすいのです。

もちろん、食品によっては異なりますが年末や連休前など、忙しい時期はあるのですが年間を通して決まっています。

精神的に苦痛を感じ、退職に至った方にとっては非常に働きやすい職場です。

3.設計技師に転職する

設計技士と言っても、建築設計士、機械設計士などさまざまな設計があります。

設計など、やった事がなくても実は基礎は出来ているのです。

図面を読む技術がそうです。

設計図を書くという事はまず、図面の書き方から学ぶのですが、「△△△」や「4-3M」といった表記だけでなく、交差や三角法といった言葉も分かるはずです。

それが分からなければ、仕事にならなかったと思います。

当たり前のように行っていた行動で設計の基礎にあたる部分は出来上がっています。

疑問に思われるかもしれませんが、素人さんに図面を見ても何が書いてあるか理解することは出来ません。

私がオートデスク認証資格を2か月で取得する事が出来たのも、基礎が出来上がっていたからなのです。

建築設計と聞くと分野が全く違う印象を持つと思います。

もちろん、建築設計となると一級建築士・二級建築士の他、構造設計一級建築士、設備設計一級建築士、木造建築士など様々な資格が必要となるのですが、資格を持っていなくても、図面を書く作業は出来ます。

建築設計事務所でアシスタントとして働きながら構造計算など学んでいく。

意外とこの経緯で今に至っている建築設計士さんが多くいるのです。

私は退職後、IT総合科の職業訓練を受けたのですが、その中で建築図面についても学ぶ機会があったのですが最初から理解する事が出来ました。

せっかく身に着けた知識なので活用しない手はありません。

人生の選択肢は常にあなた自身が持っている

設備産業工場勤務のあなたの人生を変えるために、まず一番注目すべきことは「設備産業以外の職場もあることを知る」ということです。
案外、外部と交流がない設備産業の業界人は井の中の蛙になることが多いです。
自分の会社以外のことを全く知らないというケースも非常に多いようで、勇気を出して一歩外に踏み出せば大きな海が広がっているということを、改めて考えてみてはどうでしょうか。

兎に角、どうしても今の悩みが解決できなければ「別に辞めればいい」「辞めたっていいんだ」「自分は自由に人生を選択できるんだ」と割り切ること。

周囲からの目を気にしたり、あなたの人生と無関係な上司のメンツを立てて、自分の人生を後回しにしてします思考こそが「今の職場を辞められなくなってしまう」ことの最大原因であり、悩みをより深くして人生を間違えてしまう事につながります。

転職コーディネーターに無料相談することから始める

自分自身でまず何をしてよいかわからないならば、人材紹介会社に登録するのも手。
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尚、転職コーディネーターはA:これまでと同じ工場を職場として転職する場合B:他の業界に転職する場合、のそれぞれで登録会社を使い分けるか、同時に登録で転職を進めるべきでしょう。

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今までとと同じく工場での就業知識を活用して転職をする場合は、製造業専門の転職コーディネーターに支援をしてもらうべきでしょう。特に、正社員、契約社員、アルバイト全てに対応できる上、製造業専門の転職支援を手掛けている企業ならば、より一層高い密度の転職支援力が期待できます。

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