タクシー運転手を辞めたい人へ=つらい職場を上手に辞める方法

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北野筆太

北野筆太

ブラック企業の取材などを主なテーマにしているライター。実際の転職経験者にインタビューをすることで、労働者が煮え湯を飲まされるその業界ならではの特殊事情やゆがみを探り当て、「就業する前に(転職する前に)知ってほしい体験談記事」を日々執筆中。




記事の目次

頑張ればすぐに稼げると思っていたタクシー業界。やりがい以上に大変なことばかりだった

野村龍一
今回は元タクシー運転手の梅村滋さん(仮名)からの退職体験談です
梅村滋 さん
離職が激しい業界の1つ、タクシー会社勤務ドライバーの悲しい現実を私がお話しいたします。

タクシー業界は、歩合制で稼げる仕事です。
いかに効率よく、お金を多く使ってくれるお客様に乗ってもらえるかを日々考えて行動しています。

日中はビジネスマン中心で、夕方過ぎからは街中メインに流しで走っていました。
給与は平均20万前後で、朝8時~翌日4時頃までの1日17時間勤務(休憩3時間)で5年間働きました。

そして、交通安全が第一です。
お客様の大事な命を預かるお仕事で、交通安全・交通ルールを守るのが当たり前ですので、運転には常に緊張感を持って取り組んでいます。

その緊張感にプラスして、道に詳しくないと難しいのがこの仕事です。
道に詳しくなることで、お客様との意思疎通もしやすく、クレームが防げることもあります。
安心して乗ってもらえることが気持ちよく仕事ができることにもつながります。

知らない土地で運転することは、自分にとってもストレスになりやすいので道を覚えるまでは特にストレスを感じやすかったように思えます。

1日の勤務時間は約17時間と少し特殊な仕事ですので、不規則で体調にも気を配らないといけません。
体調不良で休むと、その分給与がダイレクトに減るのでそういったところからも、肉体的にも精神的にも追い込まれることがあります。

もちろん中には安定して高収入を稼いでいるタクシー運転手もいますが、そこまで行きつくには、長年で培った知識と体調や仕事面での自己管理が必要なとても大変な仕事だったのです。

タクシー運転手ならではの、就業中の不満、大変さ、辛さと悩み

辞めたい理由と悩み1:歩合制の給与は変動が激しすぎる

給与は歩合制となるので、毎月安定しないことは精神的にもとてもつらいです。
1日の勤務時間は約17時間で不規則な生活になりがちなので体調管理もしっかりしなくてはなりません。
風邪や体調不良などで休んだらその分ダイレクトに給与に反映されます。

お金を多く使ってくれるお客様の場所に、効率よく立ち回ることが大事になってきますが、そういったお客様を定期的に乗車させることは簡単ではありませんので、短距離のお客様で数をこなして地道に稼ぐしかありません。

もう一つは、つり銭を自分で用意することが案外とても大変です。
つり銭は自腹で用意しなければならず、お客様にご迷惑が掛からないように、コンビニや銀行や営業所に戻って両替を多めに用意しているのですが、月末近くなると万札が続いて用意できず、両替に行くことによって時間のロスをしてしまうのもまたストレスになってしまいます。

辞めたい理由と悩み2:体調が悪いときや休憩したい時でもお客さんの手が挙がると休めない

勤務を開始するとタイミングを見計らっても、うまく休憩に時入れない時が多々あります。
なるべく早めの休憩を心がけるしかないのですが、具合が悪かったとしてもせっかく手を挙げてくれたお客様をスルーするわけにはいきません。

給与が安定しないタクシー運転手にとっては、少しでも多くお客様を乗せることが大事になりますので、手が挙がったら基本的には目的地までお連れすることが第一優先となります。

辞めたい理由と悩み3:一日中座りっぱなしで腰痛や膝足痛が悪化する

タクシー運転手の職業病といってもいいくらい、腰痛や膝足で悩む人が多くいます。
1日約17時間の長時間運転でとなりますので、いろんな手を尽くしても改善されないのが悩みです。

タクシー運転手にとって腰痛は永遠のテーマといえるでしょう。

では、タクシー会社に勤めるあなたはどうすればよいのでしょうか?
この先もつらい現実に耐えながら生きていかなけばならないのでしょうか?
いいえ、タクシー運転手の人生を変える解法」はきちんと存在していますので、それを今からご説明いたします。

あなたの「会社を辞めたくなる悩み」への対応策

1.日々の記録簿を見直して走るコースを組み立てる

歩合制で稼げないと精神的にも追い込まれてやる気もどんどんなくなってきます。
しかしある程度稼がなくてはならないので、日々の乗車記録を見直して、いかに効率よくお金を使ってくれるお客様に乗っていただけるかを研究することが大事です。

どんな仕事でも、追及することでスキルアップが見込めることが多いはずですので、チャレンジする価値は大いにあるといえます。

2.早めの休憩を心がけ、入念に腰痛対策を心掛ける

自由に休憩が取れるようで取れないのが現実ですので、早めの休憩を心がけます。

  • 駐車違反にならない場所
  • トイレが近い場所
  • 効率よく立ち回れる場所

などを考慮した場所でしっかりと休憩を取ることで、仕事とのメリハリをつけて働くことができます。お客様の大事な命を預かるのですから、しっかりと休憩を取ることも仕事のうちです。

休憩時は、車から降りてストレッチなどで身体を伸ばすことや、休日には多少でも運動不足の解消に散歩もよいです。

腰痛対策のクッションなども利用している方が多くオススメですが、勤務時間が長いので改善とまではなかなかいかないのが現状です。
腰痛持ちにならないためには、正しい姿勢を保つことを意識することも大事です。

3.タクシー運転手を辞めて他業界に転職する

それでもタクシーに乗るのがもう耐えられないというのならば、何も心身を壊してまでこの業界にしがみつく必要もありません。

その場合はスッパリと退職して他業界に転職するのも手と言えます。
むしろ、どうせやめるのならばできるだけ早い方が「被害」は小さくて済むといえるでしょう。

他業種への転職…不安はよくわかります。

しかし、まくタクシー会社勤務を抜け出して、人生の立て直しに成功した人の多くは、タクシー運転手以外への道を選択した人々なのです
この件について、以下でより詳しく説明いたします。

タクシー会社の辞め方とタイミング

辞め方とタイミング1:身体の不調を抱えたまま、乗車を続けられるかどうかを見極める

健康・安全面で仕事に支障をきたす場合は、すぐに会社に相談することが必須です。
問題がない場合は、在職中に転職活動をするのがオススメです。

辞め方とタイミング2:感情的になって喧嘩別れしない

どの職種でも意外と耳にしますが、感情的になって仕事を辞めていいことってありますか?

  • 対立してしまった上司と顔を合わさなくて済む
  • 仕事のプレッシャーから解放される

など、ほんの一瞬だけのことが多いはずです。

そのあとに待っているのは転職への焦りや、仕事をしている時以上に心の余裕がなくなってしまいます。タクシー業界はいろんな企業や職種とのつながりもありますので、転職にも響く可能性がありますので注意しましょう。

辞め方とタイミング3:計画的に転職活動をおこなう

約8割の方が在職中に転職活動を成功させています。

確かに働きながらの活動は大変ですが、時間・期間を決めて活動することにより、効率的に転職につなげることが大事です。
うまくいかなかったとしても、焦ることなく転職活動ができるのがメリットです。

◆求人検索はスマホを活用

朝・昼・夜などの空いた時間で求人検索や、企業のリサーチなどができます。
今まではパソコンや求人情報誌・職業相談所などで探していたものが、スマホで簡単に検索できるようになりました。

しかし、その一方で携帯電話やスマホの普及により便利なツールが増えたことにより、面接や仕事のキャンセルなどをメールでする人が増えてきています。
電話対応が苦手という人が増えたのもその傾向のうちの一つといえます。

メールが絶対に悪いというわけではありませんが、先方の企業担当者がメールを見られない状況になっていることも考え、急な連絡事項などは電話ですることをオススメします。

企業との連絡が発生した場合には、自分の都合ばかりではなく相手(企業)の都合なども考えながら面接の日程などを決めていくことが大事です。

◆転職活動のバランス

転職するには具体的に「求人探し」「面接に行く」「現在の会社を退職する」などさまざまなエネルギーと時間が必要になります。

前に進むためのエネルギーと時間なのですが、転職を決めて最初からハイペースで活動するとエネルギーが一気に減ってしまいます。

自分なりに転職活動にあてる時間や転職時期などを決めて行動すると、ペース配分が管理できて、活動しやすくなります。

仕事をしながら転職活動をして、次の仕事を見つけている人が8割もいることから、在職中に転職活動することは可能といえます。転職活動の期間は職種にもよる為、1ヶ月~1年など幅はありますし、やはり時間が足りない・・・ということはあると思います。

そんなときは有給休暇を使うのがオススメです。

せっかく与えられた権利なのですから、面接の日や求人探しをするために出向く時間などにあてたりするのに使用しても問題ありません。しかし、常識の範囲内で忙しい時期を避けるなどの配慮は最低限のマナーといえますので要注意です。

転職活動がうまくいかないと、「そのままでいい」と流されがちになりますが、自分を責めずに「転職の理由をもう一度振り返ってみる」「できない自分を許す」「転職活動を休んでみる」のもよいかもしれません。

そうすることによって少しエネルギーの充電ができるので、仕事と転職活動のバランスを考えながら、しっかり時間をかけた転職活動をおこなう事でキャリアプランが固まり、成果が出てくるはずです。

就職状況の把握

現在の就職業況は、就職売り手市場(就職希望者が優位)の状況にありますので、職業訓練校での資格取得制度もあることから、いろんな職種への転職の幅が広くなっています。

だからといって簡単に転職先を決めていいのでしょうか?

大手企業に関しては企業への応募が多いため、採用をもらうのが厳しいことは変わらないので狭き門を通らなければなりません。

そしてこの売り手市場により企業の人材獲得が難しいことから一部の企業では求人内容を偽り、誇張する求人詐欺も増えてきています。

「入社してみたら業務内容が違う」という問題が近年増えてきています。

そうならないための対策としては、面接で「社内の雰囲気」などを質問するのもよいかもしれません。しかし、残業や有給などを詳しく聞くとあまりよく思われない場合もありますので要注意です。

そして、現在需要のある業界は「IT業界」「医療・介護業界」「建設業界」などが注目されています。そういった転職時期の業界需要なども把握することが大事です。

◆転職には資格取得が有利?

最近では、資格を取得することが就職・キャリアアップにつながるといわれており、<資格取得=自分の自信>にもつながり、自分の財産になります。

しかし、<資格を取得する=就職できる>とは違います。

資格を取得したとしても、求人が少ないものや需要が少ないものだと就職につながりにくいので、仕事をするための資格取得を考えている場合は、求人や現在の需要があるかどうかも踏まえて資格えらびをすることが大事だといえます。

資格への意欲がある人は、仕事へ対する真面目さが伝わりやすいのも事実です。
資格・転職先の選定は、今後のキャリアプランへ大きく影響しますので、5年後、10年後を見据えて慎重に決めた方がよいでしょう。

転職活動の一環として、自己分析は外せないポイントとなります。

◆自分の長所は?

履歴書や面接でありがちなのが「コミュニケーション能力が強み」という内容です。確かに企業側は、コミュニケーション能力がある人だと尚良いかもしれません。しかし、それを決めるのは自分じゃなく企業側なのです。そして、具体的なエピソードを交えながら伝えないと、「どのようにコミュニケーション能力があるのか」が伝わりません。

上記の内容は職種によって使い分けが必要ですが、基本的には自分とは全く違う自分を履歴書や面接で出しても良さが伝わらないですし、面接では偽りのない自分でチャレンジすることも大事です。

最近では、人柄重視採用などの求人が増えてきていますので、転職したい会社の求人内容から「どんな人に向いているのか」などを客観的に考えて、自分と照らし合わせながら企業選定をすることも大事だといえます。

◆自分の短所は?

短所のない人はいません。その短所を「いかに克服しようとしているか」ということが大事になってきますので、短所+克服方法を考えておくとよいでしょう。

◆徹底的に履歴書・職務経歴書の作成には時間をかける

職務経歴書は特に作成に力を入れてください。
今までの職歴でどんな業務に取り組んでいたのかを実績など詳しく作成するのがよいですが、

  • 転職先に活かせる経験・資格を強調
  • 詳しい業務内容の説明
  • 数字表記でわかりやすく実績の紹介
  • 要約や見出しなどを使用して読みやすいかどうか

工夫しなくては見てもらえませんので、求人検索と同時に職務経歴書の作成にはゆっくり時間をかけるべきです。
それにより、自分の今までの職歴を見直す良いきっかけになります。

◆辞めるには最低限のマナーが必要

基本的には14日前に退職の意思を伝えて、会社が承諾すれば辞めることはできます。
しかし、繁忙期を避けて1ヶ月前には退職の意思を伝えた方がよいでしょう。ただし、転職活動を在職中におこなう場合は目途が立ったらすぐに伝えるべきです。

◆困ったらキャリアカウンセラーや職業相談所に相談

履歴書や職務経歴書の記載方法も丁寧に教えてもらえますし、面接の練習などもしてくれるところがありますので活用する人も少なくありません。

タクシー運転手の勤務経験が優遇される、より就労条件のよい「おすすめ転職先」の例

タクシー運転手は、効率よくお金を多く使ってくれるお客様に乗ってもらうことができないと給与が少なくなってしまう歩合制が主流です。すべての行動は自分で組み立てるチームワークは不要のお仕事となりますので、転職先はそういったことも踏まえて自分が譲れない条件を考えていきましょう。

5年後、10年後の将来の自分を考えた時、「長く勤めていける」「キャリアアップできる」仕事で、<コミュニケーションが苦手なのでもくもくと作業したい><とにかく稼げるインセンティブがある仕事をしたい>という極端な2点を考えました。

1.一人で黙々と仕事がしたいなら、清掃員に転職

覚えることはたくさんあるけど覚えてしまえばある程度一人でもくもくと作業することができます。必ず仕事の需要あり、理不尽なお客様とコミュニケーションをとることがほとんどないのも理由のひとつです。

ビルクリーニング技能士という国家資格もありますし、資格取得制度のある企業も多いことと、職業訓練校で学ぶことも可能(地域による)となりますので、未経験から勉強して就職できるという点でははじめやすいといえるでしょう。

2.警備員への転職も、やはり一人で黙々と仕事が可能

警備員の中でも「施設警備員」は一番安定しているといえます。毎日同じ場所で天候により仕事が休みになることがありません。

さらに国家資格もあるので、長く安定して勤めたいので、警備員指導教育責任者という国家資格を取得すれば責任者の立場としてスキルアップすることもできます。

3.歩合制営業マンに転職して高給与獲得に挑戦

営業マンといっても、完全歩合制と固定給+インセンティブのお仕事があります。営業に自信がある方は<完全歩合制>の方が稼げますが、大抵の人は<固定給+インセンティブ>でのお仕事が安定した給与が得られるのでよいと思います。

営業マンの仕事は、「不動産関連」「エネルギー関連」「IT関連」など、企業によって内容の濃さも違いますし、資格を取得した方がスキルアップにつながります。

まずは営業の基礎となる資格で営業士検定(メーカーと販売先の双方の視点を学べる資格)やセールスレップ検定(営業のプロとしての能力を認定する)などを取得し、転職する企業で必要な資格があればチャレンジしていくのもよいでしょう。

人生の選択肢は常にあなた自身が持っている

タクシー会社勤務のあなたの人生を変えるために、まず一番注目すべきことは「タクシー運転手以外の職場もあることを知る」ということです。
案外、外部と交流がないタクシー業界人は井の中の蛙になることが多いです。
自分の会社以外のことを全く知らないというケースも非常に多いようで、勇気を出して一歩外に踏み出せば大きな海が広がっているということを、改めて考えてみてはどうでしょうか。

兎に角、どうしても今の悩みが解決できなければ「別に辞めればいい」「辞めたっていいんだ」「自分は自由に人生を選択できるんだ」と割り切ること。

周囲からの目を気にしたり、あなたの人生と無関係な上司のメンツを立てて、自分の人生を後回しにしてします思考こそが「今の職場を辞められなくなってしまう」ことの最大原因であり、悩みをより深くして人生を間違えてしまう事につながります。

転職コーディネーターに無料相談することから始める

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