複線的なキャリア構築とは? – 戦略的に会社を辞める転職技術

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越川正志

越川正志

有力な転職コーディネーターと協力する形で、某電力会社から某大手総合商社に転職を成功させました。商社へ転職希望の方は、私の転職成功例と方法論を、是非参考にしてみてください。




厳しい時代の転職キャリア構築法とは?

この10年くらいの間に東京電力、ソニー、東芝などの名だたる大企業でも、不祥事、業績不振などで大規模なリストラを行い、世間を騒がせ、社員、関係者を大いに不安にさせてきたこともあり、新卒で入社すれば、定年まで安泰と言われていた大企業の社員でも安穏としてはいられないシビアな時代になってきているのは、皆さんもひしひしとお感じになっているところかと思います。

こんな時代に一個人としては、どのようなスタンス、考え方でキャリア構築をしていけばいいものでしょうか。

米国ビジネススクール(MBA)留学での経験

少々、個人的な話ではありますが、私は30代前半に前職の社費留学制度で、米国のTop 20くらいのビジネススクールに2年間、留学する機会がありました。

私は社費での留学でしたが、周りは、ほとんど、私費留学(ほとんどが前職は退職しての留学)で、将来のキャリアアップを目指して、世界各国から集まってきていた20代後半から30代前半の留学生に囲まれ、帰国したら、会社に復職することを当たり前と考えていた自分も価値観を揺さぶられ、いろいろ刺激を受ける2年間でした。

クラスメートからは、「帰国して元の会社の戻るなら、幹部に登用されるのか?」とよく聞かれ、「休職扱いで2年間留学するので、昇進が同期から2年間遅れる(日本の会社の人事制度上はよくある話ですが)」と説明したら、信じられないし、ナンセンスだから、転職してキャリアアップを狙うべきだとお酒を飲みながら、こんこんと話をされたこともたびたび、ありました。(相手は私よりも5歳くらい下の仲の良い友人でしたが。)

そんなアドバイス?を受けたこともあり、留学2年目の夏休みは東京に戻り、某戦略系コンサルの東京オフィスで2週間ほど、インターンもしました。
今にして思うと、お客さん扱いでしたが、別の会社の内部に入り、社員の方と一緒に働く機会を得たのは、短い期間でしたが、貴重な体験で、転職という選択肢を考えるきっかけにもなりました。(コンサルの世界の激しい知的肉体労働ぶりを目の当たりにして、5年超の期間、働くのは厳しい職場だなとも感じました。

ビジネススクールのキャリアサポート

そんな留学生を世界中から集めて、キャリアアップのための知識と箔をつけて、実社会に送り出すビジネススクール側もキャリア構築を意識した授業内容を組んでいて、キャリア相談(卒業後のキャリア相談やインターン先の紹介なども)もかなり力を入れてやっていました。

これには、卒業生の入学前と卒業後の給与上昇額や転職成功率などが数値化されて、ビジネススクール間で比較されて、ランキングなども決まるので、ある意味、死活問題でもあり、学校も目の色を変えて、学生の就職先探しをサポートする構図になっているというのが背景にはありました。

ビジネススクールでの教え

そんなビジネススクールでは、学生に対して、ビジネスにおける様々な意思決定において、常に1.現状の維持、2.現状からの改善、3.Exit(現状から脱却し、新しい道へ)の3つの選択肢を比較検討しろとしつこく教えていました。

皆さんも聞かれたことがあると思いますが、ハーバードなどで有名ないわゆるケーススタディの問題は、ほとんどのビジネススクールで取りいれられていて、私の留学先でも各学期でいくつかはケーススタディの授業を受講しました。

ケーススタディは、日本の大学受験の問題のようにいわゆるこれという正解はなく、問題の条件設定、登場人物や会社の置かれている外部、内部環境分析を行いながら、ベストあるいは、ベターと思われる選択肢を各自が考えてきて、クラスメートと議論しながら、教授の助けも借りて、模索していくものでした。

(だいたい、各ケースの後日談があり、自分たちが考えた選択肢を選んでいた場合にどうなっていたのか、思いをめぐらせて、余韻を残しながら、授業が終わる感じでした。)

そして、ケーススタディでは、まさにこの3つの選択肢(1.現状の維持、2.現状からの改善、3.Exit)の長短比較を頭に汗をかきながら、ひたすら繰り返しして、考え続けている感じでした。

少々、専門的ですが、ファイナンス理論的には、上記の1、2、3の3つの選択肢の今後将来にわたり、どれくらいのお金がどれくらいの期間、どれくらいの確率で稼げそうかという定量的な観点(専門用語では、「現在価値評価」と言ったりします。
要は、今すぐ稼げる10万円と1年後に手にすることができる10万円は同じ10万円でも時間的な価値をかんがえると前者の方が価値が高いという考え方です。

すぐに10万円を入手出来たら、それを1年間運用したりする機会も得られるので、感覚的にも分かりますよね。)で評価し、常に比較して、ベストな選択肢が何か考え、機会を逃さないように行動しろという教えです。

自分自身の経験の振り返り

私自身、留学から帰国し、思ってもみない形で転職も経験し、子供も生まれるなど、この10年間でいろいろな環境の変化を経験しましたが、ビジネススクールで叩き込まれたこの3つの選択肢を常に比較検討せよという教えは、単にビジネスの一局面での意思決定だけでなく、一個人としてのキャリアの構築、ひいては、生きがいややりがい、家族、個人の生活と仕事のバランスなどの定性的な観点で、中長期で物事を考えていく上でも重要な考え方だと痛感しています。

常にPlan B,Cという「別の選択肢」を人生に持つこと

一個人のキャリアという切り口で考えた場合、「1.現状の維持」とは、今、所属している組織で、担当している業務を既定路線で行うこと。
「2.現状の改善」は、現状で不満を感じていることを今の所属のまま、上司に働きかけをして改善したり、社内異動でやりたい仕事ができるポジションに就いたり、或いは、やりたいことができる新組織を立ち上げることなどが考えられます。
そして「3.Exit」とは、今の仕事を辞めて、転職する、起業するなどの道を選択することと整理できます。

この考えを少し洒落た言い方をすると、「常にPlan B,Cを持て」ということです。(Plan Aは現在の仕事をそのまま続けていくことで、Plan B,Cはそれ以外のキャリアを意味します。)

少し前にホリエモンこと、堀江氏の「想定内」という言葉がはやりましたが、単に現在の仕事をしているだけというPlan Aしか選択肢がないと、冒頭でも書いたような企業の不祥事、業績不振でリストラというような話に直面した時に慌てふためいて、冷静な判断ができないということになりかねませんが、普段から、Plan B,Cも意識しながら、情報収集し、心の備えをしているといざという時に「想定内」のこととして、対応できる範囲が広がるように思います。

現職ありきの”一本足打法キャリア戦略”の危険性

私自身は、経験上も、安易に転職をすることがいいことだとは考えていません。

それなりの会社に勤めていれば、会社の看板、使える経営資源はいろいろありますし、たとえ、今、この時点で担当している仕事が自分のやりたいものでなかったとしても、あきらめずに自分のやりたいことができるように社内影響力のある人に働きかけをするなどして、仕事のやり方、仕事自体を変えたり、新組織を立ち上げるなどの経験を私も前職でも現職でも、何度もしてきました。

一方で、自分ではどうしようもないレベルで、所属している会社、業界が、不祥事、経営不振などで、リストラを始めたり、自分のやりたい仕事ができない環境となってしまうこともあるのが、現実社会です。

そうした会社レベルの話だけでなく、組織で働く以上は、上司や同僚との相性もありますし、いわゆるパワハラ上司に遭遇して、どうしようもないところまで追い込まれることもわりと起きると思います。

私も、転職後、パワハラ上司に数人、遭遇し、会社を辞めようと思うこともたびたびあり、実際に転職活動もして、他社から内定をもらい、辞める寸前までいったことも、この5年間で数回ありました。
そのたびに周りの上司や先輩が動いてくれて、異動したり、新組織ができてそちらで活躍の場が与えられたので、結果的に辞めずに今に至ります。

私の周りでも、年下の上司の非常識なレベルのプレッシャーでうつ病になり、会社に来られなくなる50代の人もいました。
見ていて、痛々しく、間に入ろうにも、守り切れる感じでもなく、無力感を感じました。

この50代の方も嫌なら辞めて他の会社に行くという選択肢があれば、そこまで追い込まれることもなかったと思いますし、そういう現職にしがみつくしかないという弱みにつけこまれていたように思います。

私は、いざとなったら、辞めて他社に行くという選択肢を持っていたので、精神的な安定は保てましたが、他に行くところがないという状態で、自分に合わない仕事を続けないといけなかったり、パワハラ上司に遭遇して追い込まれていたら、逃げ場のない感じがより深刻だったと思いますので、いわゆる辞表を胸に行動できるというのは、とかく組織の歯車になりがちで立場の弱い個人を組織と同等のレベルに引き上げる強さを与えることにつながるように思います。

上記で書いてきたような厳しい現実を冷静に見つめた時に中長期的な観点で仕事、家族、プライベートの生活の理想と現実のバランスをいかにとっていくかということを考えると、やはり、今の仕事しか選択肢がないPlan Aの状態は、”危うい一本足打法”に感じられます。
(逃げ場がなく、いざという時に強いことも言えず、組織にしがみつくしかなくなりますので

一本足打法キャリア戦略を脱却するには

その次の選択肢の今の仕事の改善というPlan Bは、普段から意識して行うべきだと思いますが、現在の所属組織自体が想定外の事態に巻き込まれる可能性が高まっていることを考えると(今の会社が、20年後、30年後も今のまま、安泰と自信をもって言える人はいるものでしょうか?)

それだけでは十分とは言えず、やはり、アンテナを立てて、業界情報を把握し、人脈形成も行いながら、社外のポジション、起業の機会なども探していくPlan Cを持つように意識して行動することが大切だと痛感しています。
(もちろん、Plan Cにとどまらず、Plan D,E,F…とたくさん選択肢を持てるようにすることがよりベターなのは言うまでもありません。)

最近は、年金の受給開始年齢の引き上げの話もでてきていますし、超高齢化社会を迎え、65歳の定年は70歳、75歳の引き上げられていくでしょうし、働ける人は生涯現役で働く(働かないといけない)時代となっていくでしょうから、1つの組織で働き続けるということはレアケースになるでしょうし、やはり、たくさんの選択を持つことがますます重要になっていくと思います。

これまでの仕事や人脈を棚卸しする

では、複数の選択肢を考えていく上で、どんなアクションから始めればいいかということですが、まずは、これまで経験してきた仕事や人脈の棚卸しをしてみることをお勧めします。

棚卸の具体的な方法としては、転職活動でも、必要となる職務履歴書を書いて、過去のキャリアを自分で振り返りながら、自分のキャリアに関して整理した上で、転職エージェントさんにキャリア相談をしてみるといいのではないかと思います。

職務履歴書を書きながら、過去のキャリアを振り返ると、どんな仕事をしていた時がやりがいを感じていたかとか、「昔、仕事をご一緒して以来、ご無沙汰しているあの人は今はどうしているのだろうか?」と思いだしたりします。
今は、SNSもありますので、久しぶりにそういう知人の方にコンタクトしてみるのも、今後の選択肢を考えていくきっかけになったりもします。

転職エージェントとの付き合い方

転職エージェントさんに関しては、また、別の回の記事でも書きたいと思いますが、転職が成立した場合に企業側から、年収の20-30%くらいを紹介料としてもらうビジネスモデルなので、転職候補者の立場では無料で相談できますし、平日のお昼に会社のそばでランチを取りながら、カジュアルな形でも相談できます。
(お昼をご馳走してもらえるケースもわりとあります。)

海外では、ホームドクターなどと並んで、個人のキャリアのサポートをするキャリアコンサルタントは、重要な位置づけとなっていますし、とかく人材の流動性の低かった日本でもこれからは、キャリアコンサルタントとしての転職エージェントさんの活躍の場は広がっていくのではないかと思います。

とはいえ、人と人の話なので、相性の合う、合わないもありますので、複数の転職エージェントさんに会って、ざっくばらんにキャリア相談をしてみてはいかがでしょうか。
経験上は、今すぐに転職しなさそうだと感じると、やる気をなくしてしまう転職エージェントさんよりは、今すぐに転職するわけでなくても、自分のことをきちんと理解してくれて、数年くらいのスパンで腰を据えて、相談に乗ってくれる転職エージェントさんを複数、見つけられると非常に心強いと思います。

(私は、この5年でかれこれ、100名くらいの転職エージェントさんとメールでやり取りし、30名くらいは面談もし、その中で3名の転職エージェントさんとは、数か月に一度、お昼をご一緒して、業界の情報交換などもしながら、キャリア相談もしています。)

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