
越川正志

最新記事 by 越川正志 (全て見る)
- パワハラ系上司の撃退法、教えます - 2018年9月27日
- 中途採用試験のSPI試験と性格テストにどう対策するか?(新卒就職活動との違い) - 2017年12月15日
- Facebook、LinkedIn…SNSを活用した転職活動は有効的か否か? - 2017年12月15日
転職活動を進めるにあたり、重要なのは、”情報”なのですが、これは、求人票レベルの情報から、求人をかけている企業の会社戦略、現場の採用ニーズの背景、面接官に関しての情報転職など、多岐に渡ります。
もちろんより幅広く、深いレベルの情報が取れるにこしたことはありませんが、そうした転職関連する情報を収集するルートとして、いわゆる転職サイト、あと、これまでの記事でも触れてきた転職支援会社(転職エージェントさんの所属会社)の類型、それぞれの特徴、留意事項などについて、登録をお勧めする企業に絞ってご紹介していきたいと思います。
過去の記事を見て頂ければわかるように、これまで相当な数の転職サイト、転職支援サイトに登録してきた私だからおすすめできる、忌憚ない批評となっています。
記事の目次
実際私が利用して成功した企業1.大手転職支援会社の無料サイト
皆さんが、よく耳にされる転職サイトは、大手転職支援会社系のDODA、リクルートエージェント、パソナキャリアあたりでしょうか。
(JACリクルートメントあたりもご存知の方もいるかもしれません。)
私は上記の無料転職サイトをまずすべて登録することによって、有機的な転職情報を一気呵成に多数集めることから転職活動をスタートさせました。
こうした大手転職支援会社のサイトは、転職候補者が氏名、年齢、過去の職歴、希望する業界、業種などの個人情報や履歴書、あと、職務履歴書を登録すると、それを見たそれぞれのサイト運営をしている大手転職支援会社の所属の転職エージェントさんから、コンタクトがあり、求人がかかっているポジションの紹介を受けることになります
(もちろん、その転職候補者に紹介可能なポジションがあればですが)。
利用にあたっては、完全に無料で登録できます。
私が登録した経験を元に、上記各サイトを使い勝手、および所属エージェントの優秀性などから独自におすすめランキング化すると下記のようになります。
DODA(パーソナルキャリア株式会社)
リクルートエージェント(株式会社リクルートキャリア)
パソナキャリア(株式会社パソナ)
JACリクルートメント(株式会社JACリクルートメント)
最初に登録してしばらくは、新規の登録者という扱いで、転職エージェントさんも注意して見てくれるので、最初の1か月くらいはコンタクトがわりと多いのですが、それを過ぎるとコンタクトが減るので、時々、登録内容を更新するなどして、転職エージェントさんの目につくようなアクションを取った方がいいと思います。
(情報の更新があると積極的に転職活動をしている転職候補者なのだなとの印象を転職エージェントさんに与える効果もありますし、おそらく、更新するとサイトから、転職エージェントさん宛に通知が行くようになっているのではないかと思います。)
大手転職支援会社系以外の転職サイトでは、日経キャリアネットなども、無料で利用可能なので、登録してみてもいいと思います。
こうした無料の転職サイトは気軽に利用できるということで、転職を考え始めた転職候補者が、とっかかりとしてお金がかかるという抵抗感なく利用できるというメリットはあると思います。
転職を真剣に考えて行動している人ととりあえず無料なので登録はするが、たいして転職する気がない人が”玉石混交”状態となりがちで、厳しい言い方をすると、転職エージェントさん目線では、実際の転職成立に結びつく”確率”が低いサイトとも言えます。
(アクティブではない転職候補者を相手にしても効率が悪く、この手の転職支援サイトは”質”よりも”量”で、利用している感じのようです。)
逆に、転職者目線での留意点としては、大手転職支援会社の転職サイトは、基本的にその会社に所属している転職エージェントさんしか閲覧、利用できないということです。
(当たり前といえば、当たり前なのですが)つまり、大手転職支援会社各社のサービスを利用したい場合は、それぞれの転職サイト全てに登録するのが1つのやり方です。
実際私が利用して成功した企業2.ビズリーチ等の有料型転職支援会社
私自身が、利用して有用だったのは、有料サイトのビズリーチ(Bizreach)です。
ビズリーチは、他の無料で利用できる転職サイトとは違い、転職候補者側も、月額の利用料(6,000円くらい)を払う仕組みのため、有料でも厳選された情報を得たいと考える真剣に転職を考えて、転職活動している(活動しようとしている)転職候補者、それも年収1,000万円くらいの層が母集団になるので、明確に他のサイトと一線を画しています。
転職エージェントさん側もこのサイト経由で見つけた転職候補者の転職を斡旋し、企業側から紹介料を得た場合は一定のfeeをビズリーチ側に支払うことになっているようなので、ビズリーチは、転職候補者と転職エージェントさんのマッチングの場を提供し、両方からお金を徴収するプラットフォームビジネスと言えるかと思います。
(転職者は、転職時にサイト運営者に報告すると、お祝いに金券などをもらえます。この転職者に報告のインセンティブを与えることで、転職支援会社の転職成立の報告漏れを防ぐ仕組みを作っているようです。いろいろ考えますね。)
前述の通り、大手転職支援会社のサイトは、その会社の所属の転職エージェントさんしか利用できない自社専用のデータベースと言えますが、このビズリーチは、そうした自社データベースを保有していない中小の転職支援会社所属の転職エージェントさんでも利用ができますので、一回、個人情報を登録し、たまに情報を更新しておけば、いろいろな転職支援会社所属の転職エージェントさんからコンタクトがあり便利です。
ビズリーチのお勧めの利用の仕方は、別途、記事で書きたいと思いますが、有料で利用することで、貧乏人根性も出るので、もとを取ろうと、積極的に転職エージェントさんとやりとりをすることにもつながり、結果として、現職への転職を仲介してくれた転職エージェントさんとも接点ができました。
3. 転職エージェントの3類型とは
転職エージェントに関しては、大手、個人系、老後の趣味系の3つに分類できるように感じました。それぞれの特徴は下記です。相性もありますので、うまく、組み合わせて、併用するといいかと思います。
転職エージェント類型1.大手転職支援会社系
このカテゴリーは、前述の転職サイトでも触れた、いわゆる大手転職支援会社にあたるDODA、リクルートエージェント、パソナ、インテリジェンス、JACあたりを含みます。
先にご説明しましたとおり、私は、DODA、リクルートエージェント、インテリジェンス、JACの転職エージェントさんとお会いし、ポジションの紹介も受け、内定をもらえたケースもかなりありました。
一般論としては、こうした大手転職支援会社は、看板の力もありますし、所属している転職エージェントさんの数も多いので、求人を考えている会社とのコネクションがたくさんあります。
(会社側も、中途採用を検討しようかと考えたら、まず、思い浮かぶのはこうした大手転職支援会社の名前となりがちです。)
ただし、求人票をベースに紹介してくれる案件数が多いのですが、いわゆる公開の求人情報になりますので、競争率も高く、書類選考の通過率は高くないというのが実情だと思います。
(ご想像いただければ、分かると思いますが、同じポジションの求人が他の大手転職支援会社も求人票で把握していて、それを複数の転職エージェントさんが該当しそうな転職候補者にばらまいたら、すぐに数十人、数百人の応募が集まってもおかしくないですよね、有望そうなポジションであればあるほど)
こうした大手転職支援会社の所属の転職エージェントさんは、会社として、蓄積しているデータやノウハウを活用して、求人情報を集めたり、アドバイスをしてくれるケースもあります。
特に転職活動初期にいろいろ分からないことが多い時に、面談した転職エージェントさんから転職活動の虎の巻のような簡単な小冊子を参考情報としてもらえたこともありましたし、転職に関する一般的な質問やキャリア相談にも会社としての知見を活かして回答してくれたこともあり、参考になった面はありました。
要は使いようで、過度に依存すると、情報過多(求人情報ベースでどんどん書類応募する方向に誘導されがちなので)となり振り回されるので、以下で触れる個人系と併用してうまく使い分けて、相互補完させながら、利用していくのが転職者目線では賢い利用の仕方かなと思います。
転職エージェントさんも一人に決める必要はないですし、むしろ、悩んだ時にセカンド、サードオピニオンを聞くという意味では、信頼できる転職エージェントさんを複数確保し、何かあったら、連絡を取り合えるようにしておくのがいいように思います。
転職エージェント類型2.中小系(含む個人)
前述の通り、大手転職支援会社の転職エージェントが紹介してくれる求人票ベースの公開求人ポジションは競争倍率も高く、書類選考を通過するのも一苦労するケースが多いです。
それに対して、大手転職支援会社を経験の上、独立起業して、10名くらいの規模でフットワーク軽く転職支援サービスを提供している中小、場合によっては、1人オフィスを構えて、個人で転職エージェント業をされている方がこのカテゴリーになります。
経験上、このカテゴリーの転職エージェントさんは、組織というよりは、個人の人脈や知見で転職支援をしている印象が強く、それぞれ、得意業界、業種などもあり、うまくはまれば、企業側の公開前の求人情報を掘り起こして、紹介してくれたりします。
紹介されたポジションの目利きが自分である程度できれば(所属業界であれば、できないと困るのですが)、書類選考の通過率も高く、ほぼ面接には呼んでもらえる印象で、大手が質よりも量で勝負しているのに対し、エージェントの数も限られ、広告宣伝費などのリソースの制約もある中小の転職支援会社は、質で勝負していると言えるかと思います。
(勝負できなければ、淘汰されていくということかと思います。)
例えば、前職からの転職活動を開始して、一番、最初にコンタクトがあり、六本木のアークヒルズの貸し会議室で面談したA社の代表は、転職関連の著作がいくつかもある業界の著名人でもありますが、ご自身が新卒で入社して、勤務していた会社の人事の方と今でも良好な関係を維持されていました。
私との面談後、すぐに動いてくれて、その会社が、新規事業開発を計画していて、人の採用を考えているとの話を聞き出してくれて、部長、課長の方との面接をすぐにアレンジしてくれ、なんと面接にも同席してくれました。
(後にも先にも転職エージェントさんが、面接に同席してくれたのはこの方だけでした。残念ながら、この会社とはご縁がなく、選考は途中で辞退しましたが)
それ以外には、現職を紹介してくれたB社は、たまたま、人材交流の一環で、定期的に現職の人事部に人を派遣し、人事関連業務を担当していて、私の担当の女性転職エージェントさんも、数年前に現職の人事部に出向していたご縁で、人事部長と懇意にされていました。
その人事部長の方のところにご挨拶がてら、御用聞きで顔を出したところ、その時点では、求人がかかっていなかった現職のポジションに関しての中途採用の相談があり、たまたま、その直前にその転職エージェントさんとコンタクトしていた私の経歴などを頭出ししてもらったところ、先方が強い関心を示し、面接をしましょうと話になりました。
以前に同じような形で、現職の中途採用のサポートをその方がされていた経緯もあり、毎回の面接時に、先方の面接官の名前が判明すると、以前に転職サポートした方に連絡して、面接官の経歴や性格などを聞き出して、事前に参考情報として教えてくれたので、面接間にいろいろ想定問答のシュミレーションなどもできて、有用でした。
ただ、A社もB社も求人ポジションの紹介が可能な業界、業種、会社は限定的に感じたので(少なくとも私に対しては)、選択肢の幅を広げるためには、大手転職支援会社と併用するなどの工夫が必要ではないかと思います。
転職エージェント類型3.老後の趣味系
番外編ですが、前述のBizreach経由で、個人情報を登録したところ、15名ほどの転職エージェントさんからコンタクトを受けたのですが、その中で、4-5名ほど、年配の転職エージェントさんがいらっしゃいました。
想像ですが、退職後に時間もあるので、現役時代の人脈、知見も活かして、悩める若い世代のキャリア相談でも受けてやりながら、お小遣い稼ぎをしようというノリで、転職支援をしているご年配のエージェントに会いました。
(家にいても、奥さんに邪魔にされるのかもしれませんしね、仕事人間で退職までやってきた方は)
こうしたシニアの転職エージェントさんは、お会いしてみると、自分の父親世代で、いろいろご苦労もされていて、現役時代の人脈などを活用して、個別に求人ニーズがないか聞いてくれたりするので…条件がはまれば強いのも事実でしょう。
しかしというか、やはりご本人のご経験、人脈の範囲での話になるので、紹介可能な範囲が狭いですし、ITに弱かったり(メールが使えないので、やりとりは日中に電話にしてくれと言われたり)思い込みが激しく、こうすべきだという押し付け感も強い方が散見され、私には、あまり有用ではありませんでした。
こういうシニアの人脈、知見は貴重だと思うのですが、やはり、転職支援会社として、ITのサポートをしたり、組織として収集している求人情報を併用させるなどしていかないと宝の持ち腐れ感は感じました。
転職エージェントのビジネスモデルとは
転職活動の重要なパートナーになる転職エージェントのビジネスモデル(どういう立ち位置で誰からお金をもらっているかという話ですが)とそれを踏まえた留意事項などを整理していきたいと思います。
懇意にしている転職エージェントさんから聞いた転職成立時に企業からもらう紹介料の料率などの裏話的な情報にも触れていきたいと思います。
転職エージェントの位置づけ
転職エージェントのお仕事は、簡単に言うと、情報を扱う仲介業と言え、求人ニーズのある企業側と転職候補者をマッチングし、転職させて、企業側から紹介料をもらっていく仕事です。
中途採用に慣れた会社は、自分たちで、過去に仕事で接点のあった人の中で優秀な人にうちに来ないかと声をかけたりして自分たち候補人材を探す自助努力もしますし、求める人材がなかなか見つけられないようなハイスペックだったり、特殊な求人ニーズで自分たちのネットワークだけでは十分な候補者が探せない求人の場合は、転職支援会社(ヘッドハンティング会社のケースもあります)をリテイナー契約で併用したりするなど、いろいろ工夫して、最適な中途採用戦略を取っています。
当たり前ですが、企業側が自分で求人ニーズを満たす人材を自社で探すことができ、条件交渉などもスムーズにできれば、転職エージェントさんの出番はないのですが、日本の企業の場合、新卒一括採用がまだまだ多く、中途採用に慣れていない会社も多く、転職支援会社、転職エージェントの活躍余地はまだまだあると状況だと思います。
転職エージェントは企業から報酬を貰う
例えば不動産仲介の場合、自分で物件を探してきて、物件の買手、借り手も探すことで、売主買主/借手の双方から紹介料をもらうケースもあり、利益相反が問題になるケースもあるようですが、転職支援業の場合、転職エージェントさんがお金をもらうのは、企業側からなので、立ち位置はクリアです。
企業側との契約はリテイナーという毎月定額の支払いを受け、一定期間で候補者を探す形と成功報酬型で転職成立時に紹介料をもらい受ける形があります。(リテイナー型は、年収数千万円クラスの探すのが難しい求人の場合に適用されるケースが散見されるようですが、私がお付き合いしている転職エージェントは、後者の成功報酬型の契約がほとんどでした。)
基本的にはお金の出し手の意向を優先するのが、ビジネスにおける仲介者の常なので、このことを念頭において、転職エージェントとはお付き合いするというのを転職者としての基本姿勢とすべきだと思います。
転職エージェントには相談したり、いろいろ動いてもらったりするので、感謝はしつつも、転職エージェントさんもお金をもらってなんぼ、つまり自分が転職して、企業側から紹介料をもらって初めて、ビジネスになるので、自分はある意味、”商品”という位置づけだと意識すべきということです。
成功報酬型の転職エージェント:デメリットの見極め方
成功報酬型の場合、転職が成立した初めて、転職エージェントは企業から紹介料がもらえる形なので、いくら努力しても、最終的に転職が成立しなければ、収入はゼロです。
このことから、目先の転職成立が最優先で、かなり無理をしてでも、押し込んで、紹介料をもらってしまおうというモラルハザード的な要素は常に起きえます。
特に転職活動開始時からいろいろお世話になり、個人情報も共有している転職エージェントには相談もしながら、選考プロセスを進めていくので、途中から、この会社は自分には合わないなと思い始めていても、転職エージェントが何とか押し込もうとし始めると、関係を悪化させるのではと憚られるところもあり、言いたいことがストレートに言えないケースも出てきます。
あと、経験上、内定受領後に企業側と給与や福利厚生(社宅など)の条件交渉をする余地はあるのですが、相手先が大手企業の場合は融通が利きにくいといういい方で、転職エージェントが、企業側との条件交渉を積極的にしてくれないケースも散見されます。
これなども、せっかく内定が出たのに条件交渉でこじれて、入社してくれないとこれまでの努力が水の泡になるので、ことを荒立てずに入社させて、紹介料をもらいたいという転職エージェントのスタンスもあるのではないかと思います。
転職者の立場では、家族への説明、自分の納得感という意味で、現職からと飛び出す最後の後押しが欲しいわけですが、なかなか、そういうひと押しはしてもらえないものです。
(私が数回、内定を見送ったケースは最後の条件交渉が進まず、踏み切れなかったことが原因でした。)
ただ、転職エージェントも期待されたほど、活躍できない、転職後に長期間定着できない人材を企業側に紹介しても、長い目で見れば、企業側との信頼関係が損なわれるわけですし、転職候補者とも目の前の転職が成立しなかったら、関係がこじれるようなお付き合いの仕方だとこちらも長い目で見て、お互いに損なので、そのあたりを経験上も理解している転職エージェントは、こちらの意向を極力、尊重しようとしてくれます。
転職エージェントが受け取る紹介料のレベル感
では、転職エージェントが、企業側に我々、転職者候補者を紹介して、最終的に転職が成立した時にもらう紹介料はどれくらいのレベル感なのでしょうか。
転職エージェントは、転職成立時に企業側から、転職者の年収の○%という料率で、紹介料をもらい受けることになります。
この料率は、会社によっても違い、仕事がたくさんあり、求人ニーズがあるにも関わらず、中途採用者がすぐに辞めてしまうようないわゆる”回転率”の早いITやコンサルなどの業界だと、会社によっては、料率を年収の50%、ものすごく求人ニーズが強い場合は、年収の100%の料率(或いは、100%超のケースも)の条件で、転職エージェントさんに求人の依頼をするケースもあるようです。
(金額的には、例えば、年収1,000万円の人を転職させたら、50%なら500万円、100%なら1,000万円が紹介料として,企業側から、転職エージェントがもらえることになります。考えたら、人ひとりの移籍で動くお金なので、すごい金額ですよね。)
私が懇意にしている複数の転職エージェントの話を総合して考えると、おおよそ、転職者の年収の30%程度を紹介料として、受け取るケースが多いようです。
このため、一般的な30%程度の料率の紹介料と比べて、50-100%という料率の求人案件は2-3倍のレベルと言え、この条件で転職を成立させると、30%程度の料率で、2-3人の転職を成立させた時と同じだけの紹介料をもらえる計算になります。
これは、経営的な観点でも非常に効率が良く(収入が2,3倍になっても在庫を抱えたり、多額の設備投資が必要なわけではない紹介業ではコストは2,3倍になりませんので)、こうした高料率の案件には、転職支援会社も複数の専任の担当者を張り付けて対応するケースが多いようです。
(ただし、100%超の高料率の条件で求人をかけ、どんどん中途採用していた会社が、景気悪化で経営が傾き、逆に、社員のリストラを転職支援会社に依頼するという笑うに笑えない話もありますが、転職支援会社の立場では、仕事がどんどん来るので、いいですよね。転職した人はたまりませんが。)
逆に、外資系等で海外の本社側で採用予算や採用方針を決めているような場合、紹介料は20%まで等、日本の実情は無視した渋めのレベルとなることもあるようです。
相手が大手企業の場合、紹介件数を稼ぐことを期待できるのでそれでもビジネスアカウントは開設したいと転職エージェントは思うので、20%の紹介料の条件でも受けるケースはあるようです。
所属している転職支援会社にもよりますが、転職エージェントは、転職成立時に転職支援会社が企業側から受け取る紹介料の1/6~1/5くらいをボーナスでもらう感じみたいです。
少し立ち位置が違いますが、転職エージェントと転職候補者をマッチングさせるプラットフォームを提供しているビズリーチの場合、同サイトを使用して転職が成立した場合、転職支援会社が企業から受け取る紹介料の20%程度をサイト使用料として、転職支援会社から受け取るビジネスモデルのようです。
(料率自体は、年間の転職成立数が増えるに従い、下がっていき、10%未満になるケースもあるようですが)
転職エージェントと転職候補者の出会いの”場”を提供して、あとは”自由恋愛”をさせ、最終的に結婚(=転職)”に至ったら、20%の手数料をもらい、さらに転職候補者からもサイト使用料を徴収するというというのは、なかなかうまいビジネスモデルのプラットフォームビジネスですね、
企業側と転職支援会社が紹介料の料率でもめることも
この紹介料の料率は、事前に企業と転職支援会社の間で契約ベースで取り決めしているのですが、大手企業は通常、コンプライアンスの問題もあるので、契約条件を遵守するとしても、中小企業やベンチャー企業の中には、コンプライアンス意識の弱いところもあり、紹介を受けて、転職が決まった後で、「紹介された転職者のスペックが期待していたほど高くないので、30%の料率は高すぎるから、20%にしろ」と言い出したり、ひどいと、紹介料そのものを支払おうとしないケースもあるようです。
転職支援会社は、転職者の転職意思が既に固まっているのに、企業側と自社の紹介料率の問題で、転職者に転職はなかったことにしてくれというわけにもいかず、泣く泣く、紹介料の料率引き下げに応じるケースもあるようです。
(こじれると、訴訟にまでなるケースもあるようですが)コンプライアンス、あと、転職支援会社との信頼関係という意味で、こういう紹介料率に難癖をつけるような会社はどうかとは思いますが、実態としてはこういう会社はあるようです。
転職者の立場で考えても、自分の転職に際して、会社が、転職エージェントと「自分のスペックが想定したいたよりも低いから、紹介料の料率を安くしろ等」との交渉をしているというのは、転職後のその会社での自分のキャリアが心配にもなりますし、そもそも、そういうコンプライアンス違反をなんとも思わないような会社に転職すると、自分も同じようなことを普段からさせられる可能性もあるので、本当にその会社に転職するのか、よくよく考えた方がいいと思います。
転職者が退職してしまうケースの扱い
これはたまに起きるのですが、転職支援会社が企業側に紹介した人材が、転職後、数か月等ですぐに辞めてしまった場合、企業側は転職支援会社にせっかく紹介料を払ったのに払い損になるので、転職成立後、一定の期間内に転職者が退職したような場合は、受領した紹介料の一部を返還することを契約でしているケースも多いようです。
例えば、大手の転職支援会社の場合、紹介した転職者が転職後1か月未満に辞めた場合は、もらい受けた紹介料の80%を企業側に返還、3か月以内に退職した場合は、紹介料の50%を返還、その後は、契約によっては、6か月以内の退職で10%返還という取り決めをしているケースもあるようです。
感覚的には、転職から半年もてば、その後、転職者が定着するかは、紹介した転職支援会社の問題ではなく、企業側の問題という整理ですね。
そうすると、転職エージェントの立場では、まず、紹介した転職候補者が無事に選考プロセスを通過して、内定をもらい、その後、入社の意思を固めて、さらに入社後、半年間はやめずに定着してくれて初めて、満額の紹介料をもらうことができるということになりますので、各ステップ、ステップでひやひやしながら、無事に先に進むことを祈りながら、転職支援活動を続けている弱い立場にいるとも言えます。
つまるところは、転職エージェントは、最終的に紹介料をもらう企業側の意向で動く要素がかなりあるのは間違いありません。
転職エージェントがどのような立場に置かれているか等の基本的なところはきちんと理解したうえで、彼らとの中長期の信頼関係をいかに構築していくか、試行錯誤しながら転職活動をしていくことが鍵だと思います1つの正解がある世界でもありませんので。
優秀な転職エージェントの見つけ方
経験上も40才以上になると、以前にお仕事で接点のあった社内外の人からうちに来ないかとのお誘いがかかり、転職の検討をするケースも増えますが、やはり、30代までの転職は、転職エージェントと連携して、転職活動をするケースがほとんどだと思います。
これまでの記事でも書いてきたように転職活動にあたっては、キャリア相談から始まり、具体的な求人情報の紹介、書類選考への応募、面接の日程調整等のアレンジ、内定受領後の条件交渉や入社までの諸調整などをしてくれる転職エージェントは、我々の転職活動の水先案内人であり、パートナーと呼べる大切な存在です。
そういう意味で、自分にあった信頼でき、優秀な転職エージェントを見つけることが非常に重要なのは、お分かりになると思います。
それも、できれば、複数の転職エージェントといろいろ相談できる関係を構築できるのが望ましいです。
セカンドオピニオンやサードオピニオンを聞きたいケースはいろいろ出てきますので。
当たり前の話ですが、転職エージェントも所属している転職支援会社も違えば、それぞれの得意業界、業種も違い、さらには転職エージェントも一人の人間なので、それぞれ個性の違いもいろいろあります。
そんなある意味、玉石混交の転職エージェントさんの中から、自分に合う人をどのような基準、チェックポイントで、見分けていけばいいか、私の経験や周りの知人が転職活動を通じて経験した成功、失敗の経験談にも基づいて、少し、整理してみたいと思います。
駄目な転職エージェント/転職支援会社の特徴や具体的な事例
転職候補者と面談をしようとしない転職エージェントは問題外です!
転職エージェントの中には、対応する転職候補者の数を増やすために転職候補者と一度も面談すらせずに、メールや電話のやり取りだけで済ませて、求人票の出ている会社への書類応募などを勧めてくるところもあります。
現職での仕事をしながら、転職活動をしている我々、転職候補者も多忙ではあるので、ついつち、転職エージェントとの面談はしなくてもいいかなと思ってしまうのですが、よくよく考えてみて下さい。
転職候補者はある意味、”商品”なのですが、その肝心の商品を自分で見ることなく、仲介して紹介しようとしている転職エージェントは、一番、肝心な省略してはいけないことを省略しようとしていないでしょうか。
採用する企業側の立場に立てば、自分で会ったこともない人を紹介してくる転職エージェントは不誠実で、信頼できる存在ではないですよね。
そんなマッチングで、もし、選考が進んでも、入社したとして、転職者が定着しないリスクも高いような気がします。
(企業側は、転職エージェントがある程度、目利きをして紹介してくれているという前提で、選考を進めているケースもあると思いますので)
あと、我々、転職候補者の立場でも、水先案内人であり、パートナーとして一緒に転職活動を共にしていく転職エージェントに一度も会わずにやり取りをしていくのは、リスクが高いと思います。
メールよりは、電話のやり取りの方が情報量も多いですし、電話よりは、やはり、直接会うことで、相手の素振りや話しぶり、性格なども見えてくるところがお互いにあります。
時間がないとは言っても、平日のお昼に会社そばのレストランなどで、ランチも兼ねて、面談するくらいの時間は取れると思いますので、一度、対面で会って、ざっくばらんにこれまでのキャリア、現職の状況、今後の転職活動の予定などをざっくばらんに話をしてみて、転職エージェントさんが、自分のペースに合わせつつ、言うべきことはびしっと言ってくれるような信頼できる人か見極めることを強くお勧めします。
入口で、転職エージェントと会って、腹を割って、やり取りして、お互いの人となりを理解して、転職活動を始めるという手間暇を惜しむと後から、企業側、転職エージェント側、そして、我々、転職者側もこんなはずではなかった…という話になりかねませんので、しっかりと時間をかけて、直接会うべきだと思います。
(逆に直接会って、この人とは合わないなと思ったら、その後はやり取りをしなければいいので、時間の無駄をむしろ省けると思います。)
内部での情報共有不足の転職支援会社はNG
考えてみれば、組織的な対応がなっていないのですが、ある転職支援会社のオフィスで面談し、履歴書や職務履歴書も提出し、求人票ベースでポジションの紹介も受け始めているのに同じ会社の別の転職エージェントから、メールや酷い時は夜に突然、携帯に電話で連絡があったりします。
こちらからすれば、既に必要な情報提供はして、面談等で、キャリア志向や希望ポジションまで伝えているにも関わらず、先方の転職支援会社内で情報共有がきちんとされていないので、同じ話を何度も聞かれたり、こちらから伝えている希望とはほど遠いポジションの紹介を別のエージェントがばらばらとしてきたりするケースがあります。
(さらにひどい時は、同じ会社の複数の転職エージェントが相互で連携も取らずにばらばらに連絡してきたりします。)
こういう会社は、携帯に連絡してこないようにしてくれとクレームを伝えても、また、しばらくすると連絡してきたりしますし、話をしてみると、そもそも、企業側受領している求人票の内容すらも十分に理解していない(例えば、技術系の求人なのか、事務系のもの? 勤務地が海外なのか、国内なのか?等々)こともあるので、組織内部での情報共有レベルがお粗末なだけでなく、そもそも情報を扱う仲介業者としての資質の問題だとも思います。
こういう会社とお付き合いしても、時間の無駄で不快な思いをするだけなので、運悪くこういう転職支援会社と接触してしまったら、きっぱりと自分の登録情報を削除して、二度と連絡してこないように徹底してもらうように依頼した方がいいと思います。
(中途半端にしておくと、個人情報の取り扱いすらも心配ですので)
無理なマッチングをしようとする転職エージェントは要注意!
詳細は、別の回で個別に記事でご紹介予定ですが、某大手転職支援会社の転職エージェントでいい意味でも悪い意味でも強引な方がいました。
どんな強引さだったかと言いますと、私が国内のポジションを希望していたにも関わらず、ある会社が海外のポジションの求人を出しているのを見つけ、私に応募を勧めてきました。
私は、国内のポジションを希望しているので、海外のポジションの求人に応募しても希望がかなわないのでと、辞退しようとしたのですが、とりあえず、面接を受けて、選考が進み、役員面接まで行ったら、面接の場で、国内の仕事をしたいことをPRして、出たとこ勝負で行けばなんとかなると繰り返し、説得して来て、私も当時は、面接をそれほど受けたこともなかったので、そんなものかなと思い、その会社の海外ポジションに応募しました。
結果的に書類選考を通過して、面接に呼ばれ、一次面接では、海外のポジションを担当する課長さんが3名くらい出てきて、高評価を受け、別の日にセットされた部長級の二次面接で、国内に仕事をしたいことを話したところ、先方の部長さんが今回は、海外のポジションの募集と分かっていて、応募して来ているのか?と少々、怒り気味に質問してきて、後味の悪い面接となり、結局、二次面接で終了となりました。
この選考のためにSPI試験も受験し、面接のために会社を二日間、休み、新幹線で片道2h半ほどかけて面接に出向く羽目にあい、結局、時間もお金もいろいろ浪費しました。
今にして思うと、いい経験ではありましたが、やはり、強引な進め方をしようとする転職エージェントさんとは距離感を考えながら、お付き合いした方がいいと思います。
優良な転職エージェント、転職支援会社の見分け方
これは、経験則に基づく話で、上述のような優秀でない転職エージェントさんや転職支援会社とはある意味、逆の資質や性格、スタンスを持っているところが優秀で、信頼できるところということになりますが、おおよそ、下記のような特徴があるかと思います。
プロフェッショナルなビジネスマンに共通の傾向、資質といえますが、根本的に研究熱心で、相手とのやり取りにおけるコミュニケーション能力に長けています。
その上で、守秘義務やコンプライアンスはきちんと遵守しながら、企業側の現場や人材の担当者には、気持ち良く話をさせていくことで求人ニーズの背景や留意事項などを的確に把握して、転職候補者に有用な関連情報を適宜、提供してくれます。
過去に当該企業に紹介して、転職した人の経歴などのプロファイルや企業側の選考プロセス(面接の回数やSPI試験の有無、面接官や選考プロセスのスケジュール感等)も把握した上で、応募にあたっての実践的なアドバイスをしてくれるなど、かゆいところに手が届く対応をしてくれる転職エージェントを見つけられると本当に心強いものです。
これは、大手転職支援会社の所属の転職エージェントというよりは、中小、場合によっては、社長が一人オフィスでやっているような転職支援会社のやり手の転職エージェントさんにたまにいるタイプですが、企業側の経営陣(社長、採用部署の部長など)や採用の決定権限を持つ人事部長と個人的なパイプを保有したりします、
こうしたパイプを適宜、活用して、必要な場合は、経営層の知り合いに直接話を聞いたり、経営層の紹介で、採用部署のキーマンに話を聞くなど、より深いレベルで求人情報を収集の上、転職候補者に話をつないでくれるので、書類選考の通過率も高く、経験上、すべて面接には呼ばれました。
それ以外には、新卒採用の仕事から企業側との信頼関係を構築しつつ、中長期でその会社のカルチュアや採用の特徴、傾向もふまえ、試行錯誤しながら、よりマッチング度の高い中途人材の紹介を目指して、紹介を何度も行っていき、少しずつ、企業側の採用担当者の”ストライクゾーン”を把握しながら、転職候補者を紹介しているような転職エージェントも地に足がついていて、優秀で信頼できると思います。
自分にあった信頼できる転職エージェントを探す方法
では、そんな優良かつ信頼でき、自分に合った転職エージェントはどのように探せばいいものでしょうか。
私は経験上、転職支援会社の名前で選ぶよりも、転職エージェント個人で判断してお付き合いする人を選んだ方がいいと感じています。
これは、1つの方法ですが、ビズリーチのような有料(月ベースで6,000円くらい)で求人情報を探す真剣に転職活動をしている転職候補者と転職エージェントさんを結びつけるマッチングのためのサイトがあります。
このビズリーチを使う場合、転職活動をしている我々は、職務履歴書や転職を希望する業界、職種などを登録し、その後、登録情報を見た転職エージェントからコンタクトを受け、コンタクトしてきた転職エージェントとやりとりをし、求人ポジションへの応募、面接など、転職活動をしていくのが、通常の流れです。
私のお勧めのビズリーチの使い方は、職務履歴書などの自分の最低限の個人情報は登録した上で、ビズリーチのエージェント検索機能を使って、転職を希望する業界、職種でキーワード検索し、あとは、サイト内で、5段階の過去の利用者からの評価も確認できるので、評価の高い転職エージェントに絞り、メッセージを20-30人くらいに送り、個別に相談したいので、個人メアドに連絡をもらうように依頼します。
こうして個別にメッセージを送ると、2/3くらいは何らかは反応がありますので、その中で求人ポジションを紹介できそうな転職エージェントとさらに個人メアドでやり取りし、平日の昼にランチも兼ねて、会社近くのレストランやカフェで面談し、いろいろ話を聞いた上で、信頼できる転職エージェントを選別してお付き合いしていくといいのではないかと思います。
リクルートやインテリジェンスなど、大手の転職支援会社にコンタクトすると、その会社に所属している転職エージェントの中で、転職を希望する業界、業種の担当の人を紹介される形になりますが、ビズリーチの転職エージェント検索機能を使えば、所属会社に関係なく、自分で転職エージェントさんを探し、コンタクトできるところが非常に有用だと感じていますので、双方を同時に利用して、状況によってうまく使い分ける力が必要だと思います。
まとめ 転職サイト複数を組み合わせる「技」で勝つ
ここまで、私が実際に自分自身で登録し、直接面会しておつきあいすることでわかった各転職サイト(転職支援会社、転職エージェント)の掛け値ない評価になります。
基本は大手無料転職サイト複数に同時登録し、更に、有力な転職支援企業や個人エージェントを複数掛け合わせて、総合的な情報入手ルートを確保するということにつきるでしょう。
1度でも転職サービスを利用して、自身の転職を成功させてことがある方ならば、このやり方についてはほぼ異論がないのではないでしょうか?
転職サイト複数登録の組み合わせも、考えれば考えるほど色々あるので深みにはまっていきがちですが、あれこれ考えすぎると返って転職そのものが面倒になってしまうというもの。
ここは、私の経験(大手電力インフラから商社へ転職成功)を信頼してもらって、当頁上段でおすすめさせていただいた企業に登録してみてはいかがでしょうか?
かならず、今の暗闇を照らす新たな光が得られることだと思います。