ビル管理・メンテナス会社を辞めたい人へ=つらい職場を上手に辞める方法

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野村 龍一

野村 龍一

医療系転職コンサルタント企業で700名以上の医師転職支援に関わる。近年は医療以外にも様々な業種からの「私も会社を辞めたい」という転職相談が相次ぎ、転職成功者のインタビューを敢行中。2016年12月より一般転職に関する情報提供、人生相談を当サイトにて開始。




記事の目次

元祖3K(きつい・汚い・危険)の代表格、ビル管理・メンテナス業界

野村龍一
今回はビル管理会社に勤務していた滑川健さん(仮名)からの寄稿レポートです。
滑川健さん
ビル管理会社というと「暇そうでいいな」と勘違いされるのですが、実態はかなりハードで苦しい仕事です。結局、ビル管理、メンテナンス業界に私は見切りをつけて某中堅企業の総務部に転職しました。

ビル管理と言えば、清掃・設備・警備が主な仕事ですが、いずれも縁の下の力持ちとしてビルの環境衛生を支えています。
誰もやりたがらないような3Kの仕事を汗水流して行っていますが、何の問題もなく滞りなくやるのが当たり前で、ほとんど誰からも感謝されない影の存在です。

とは言え、元々対人関係が苦手だからこの職に就いたのだという人も多く、必要以上に目立たないのはありがたいとも言えます。
そんな無口な後ろ姿を稀に評価して下さるお客様がいたりすると、密かにガッツポーズを取るほど嬉しいもので、改めてこの仕事をやっていて良かったと思える瞬間です。

しかし、最近はビル管理業界にもホスピタリティ精神が持ち込まれるようになり、挨拶以上のコミュニケーション能力を求められる時代になってきました。
日頃から3Kを担っているだけでも大変なのに、何か役割が違うのではないかと違和感を覚える今日この頃です。

ビル管理・メンテナス業界ならではの、就業中の不満、大変さ、辛さと悩み

「ビルあるところに仕事あり」ということで、ビルがなくならない限り仕事もあるわけですから、ビル管理業界は昔から不況に強いと言われて来ました。
しかし、好不況にかかわらず、我々の待遇が世間相場と同じになることはなく、今も昔も変わらずどこまでも影の存在です。

辞めたい理由と悩み1:給与はいつまでも上がらない

特に現場に常駐する社員の給与は、会社に取ってはコストであるため、配属先管理物件の受注金額が値上げにならない限りは、常駐員の給与も上がるはずがありません。
利益率が悪くなるのですから、当然と言えば当然なのですが、それを頭では理解できても、苦労が報われないことに対する釈然としない気持ちは残ります。

そして、バブル崩壊後の不況では、お客様の経費削減のメスが我々業者との管理委託費削減に向けられるようになり、そのシワ寄せは現場を直撃しました。
さすがに減給にはならないものの、残業時間カットの暗黙の指示が出て、隠れブラックと化したのです。極め付けは「なんちゃって管理職」の乱発です。
会社は、給与ベースが比較的高めの責任者や副責任者クラスの現場スタッフを色々な大義名分で管理職扱いの役職に登用するようになります。

本質的には人材不足が原因なのですが、バリバリと仕事をこなす社員にばかり仕事が集中して、どうしても彼らの残業が増えてしまいます。
その結果として会社がやることは、残業代人件費削減の切り札として、彼らをサブマネージャー(副課長)級の役職に任命するわけです。
具体的なテクニックとしては、役職手当の他に「みなし残業手当」を30時間分程度含むというやり方になります。

本人には「高評価の証し」として将来を嘱望する一方、実際には何の権限も与えられないので、従来とやる仕事は変わらないまま、名誉と責任が増えて、実質的な収入は減る(青天井だった残業がカットされるので)というのが現実です。
部長職としても会社の方針に逆らうわけにもいきませんので、部下に対しては「中途半端が一番割に合わない」から、もっと上を目指すように叱咤激励するしかないという有様です。

辞めたい理由と悩み2:過重な労働条件

昔ならば、年中無休で営業しているのは病院やホテル・レジャー施設くらいだったのですが、近年では普通のビルでも休館日のないところが珍しくなくなりました。
顧客サービス向上は結構なのですが、その分だけ我々の労働環境はきつくなります。

また、ビル(テナント)の営業時間が長くなれば、多くのスタッフを投入して勤務シフトを作ることになりますが、ギリギリの人数で回しているため、誰かが病気やケガでもしたら大変なことになります。

24時間勤務の翌日に明け休みと公休が続く「宿明公」の繰り返しとたまに日勤が入るというのが一般的な勤務シフトのパターンですが、これが崩れると連続して宿直するハメになったり公休日に呼び出されたりという事態になります。

オーナー様と契約した仕様書に常駐人数が明記されていなければ、数日間は何とか誤魔化せますが、さすがに1週間以上の欠員は業務に支障が出ます。
大型現場で人員配置が決められているような場合には、1日たりとも無理な場合があります。

ところが、会社としては休日出勤の割増手当を節約するため、「振替で休め」と言う指示を出して来ます。
しかし、余剰人員がいない現場では、誰かが公休日を削らないと絶対にシフトが回りません。

ましてや有給休暇なんて、本人が結婚するとか身内に不幸でもない限りは消化できないという実態です。
最近では、微々たる手当よりも休暇が欲しいという若手スタッフも増えていますので、人材を定着させるのがより難しくなって来ています。

辞めたい理由と悩み3:難しい体調管理

24時間勤務の現場が増加するのに伴って、現場スタッフに取って体調を常に良好な状態に維持するのが難しくなりました。

若い人材がなかなか入社して来なくなって久しいので、高齢になると24時間勤務は結構厳しいものがあります。
表向きは5~6時間の仮眠があることになっていても、深夜に様々なトラブルで叩き起こされることもあり、慢性的な睡眠不足に陥ることとなります。

若いうちは多少の徹夜も平気ですし、「宿明公」の勤務シフトを最大限に活用して、資格試験の勉強をしたものですが、ベテランになると1回の徹夜の疲れが後々まで長く響きます。

やはり、人間は昼間に活動して夜は眠るという生活をするようにできているので、不規則生活にも限度があります。
但し、業界に入りたてのスタッフには、泊り明けの日は、できるだけ昼間は起きていた方が良いとアドバイスをします。
なるべく体内時計の昼夜が逆転しない方が体調管理をしやすいからです。

辞めたい理由と悩み4:クレームと言う名のイジメで病んでしまう人も

客先担当者の中には、日頃の不満のはけ口として我々に無理難題を吹っ掛けて来たり、言い掛かりのようなクレームを言ったりして追い詰めてくる人がいます。

ビル管理に従事する人は、元々根が真面目な人が多いですから、この手のクレーム処理が本当に苦手です。
何故なら、いくら無茶な要求とわかっていても、基本的に断ることができないからです。

客先から言われたことに対して何とかするのが自分の使命であり、更には、ここで変な断り方をしたら会社に迷惑を掛けると思い込んでいる人も多いです。
そういうスタッフに限って、本社担当者に相談をすることもしませんし、ともすれば、客先担当者がその辺を見越して「いちいち本社に報告するな」と釘を刺す場合もあるので困ります。

また、せっかく本社に報告した場合であっても、「そんなことは現場で対応してくれないと困る」と言う本社担当(上司)だったりすると、客先と会社の間に挟まってしまい、最悪の状況になります。

そのような状況を全く把握していない会社の上層部が現場に対して「マネジメント強化」などと称して色々と小難しい書類の作成を求めたりすると、文句を言いながらも頑張ってしまう傾向が強いため、本人すら気付かない間に心の病に掛かってしまい、ある日突然出勤できなくなると言うスタッフが出てきます。

そうなった時には既に手遅れで、優秀な人材を失うこととなります。

辞めたい理由と悩み5:責任者が職人気質だと最悪

配属された現場の責任者が昔ながらの職人気質の持ち主だと最悪です。
これは容易に想像が付くと思いますが、この様な責任者の元では、新人が技術的な指導を受けられることはほとんど期待できません。
日々単純なルーティン作業だけを与えられて、先輩がやっている高度な仕事を覚えるチャンスは巡って来ません。

もし同じ現場に面倒見の良い副責任者や教え魔の先輩がいれば、それは大変な幸運で、責任者から「余計なことするな」と言われても上手にかわしながら教えてもらうことができるでしょう。
でもそれは非常にレアなケースと言えます。
と言うのも、責任者の機嫌を損ねると自分自身の立場が悪くなるからで、その影響を受けないのは、知識・経験・技術力が拮抗しているスタッフだけというわけです。

また、そのような責任者に限って客先の評価が非常に高く、「彼がいないとこの現場は成り立たない」と言う状況になってしまっています。

不幸にもそんな現場に配属されてしまったら、長くいるだけ時間が無駄と割り切った方が得策かも知れません。
下手をすると、そんな責任者から「あいつは使えない」と本社に報告されかねないのです。

では、ビル管理・メンテナンス会社に勤めるあなたはどうすればよいのでしょうか?この先もつらい現実に耐えながら生きていかなけばならないのでしょうか?
いいえ、ビル管理・メンテナス会社務めの方の人生を変える解法」はきちんと存在していますので、それを今からご説明いたします。

あなたの「会社を辞めたくなる悩み」への対応策

1.本社の管理職に気に入られる

色々と嫌な思いをすることが多いビル管理業界の現場ですが、折角入社した会社ですから、できれば辞めたくはないというのが本音だと思います。

そんな方に是非やって頂きたいのは、本社の管理職それも部長職に気に入られるような言動を重ねることです。

何も依怙贔屓されるということではなく、少なくともいつも気に掛けてもらえる存在になるということです。
従って、変なゴマすりをしたりするのは逆効果で、正攻法に自分の仕事振りを知ってもらうことが大切です。

何故部長職なのかと言うと、今まで述べて来たように、現場責任者や本社担当者を経由したのでは、現場で起きていることが正確に会社に伝わらないことが多いからです。

但し、相手は部長職ですから、めったに直接話をする機会はないでしょう。
会社に提案制度のようなものがあれば、積極的に活用をしたいところです。
その上での注意点は、決してネガティブな愚痴や会社批判と受け取られるような記述をしないことです。

ポイントは、現場の課題や問題を冷静に分析して、これを放置するとどんなリスクがあるかを指摘し、具体的な改善方法と効果を示して提案をすること。
そうすると管理職の目に留まり易いので、そこから発展する作戦(抜擢される)が良いと思います。

その為には、いつでもそれができるように日頃からネタを仕込んでおく必要があります。但し、そういったことを嫌う責任者がいる場合は、悟られないようにすることが大切です。

2.必要とされる資格を取得する

ビル管理業界には、公的資格が数多くありますので、確実に取得すべきです。
それも、業界で保有者が不足している電験3種やビル管理技術者などの資格から優先してチャレンジした方が良いです。

一般的に、ボイラー技士2級や危険物乙4類などの難易度の低い資格から順番に取ろうと考えがちですが、受験資格をクリアしていなくても、難易度が高い資格に挑戦すべく、早めに勉強に着手するのです。

何故なら、多くの資格が年1回しか受験チャンスがありませんので、優先順位の低い資格の勉強をするのは時間の無駄だからです。
難関試験であっても、3年掛けてでも合格するつもりでいた方が余計な回り道をするよりも色々な意味で有効です。

3.同業他社から認められる仕事をする

現場には電気や空調を初めとした色々な専門業者が出入りします。
点検や工事の立ち合いをすることも多いと思いますので、積極的に根掘り葉掘り聞いて知識を深め、手伝いをすることで実務レベルの技術力を高めましょう。

そうすると、業者さんの間で徐々に噂が広まり、色々な現場を出入りしている彼らを通じて同業他社にも名前が知れ渡るようになるかも知れません。
外部の人から客観的に評価されると、自信が付くことに繋がりますので、仮に社内での評価が上がらなくても、モチベーションの維持に役に立つことでしょう。

4.ビル管理・メンテナス会社を辞めて他業界に転職する

それでも「もうこの業界には我慢できない」というほどに追い込まれた状況であるならば、心身を壊してまで今の職にしがみつく必要はないと思います。

ビル管理・メンテナンス業界で頑張ってきたあなたには、他にもさまざまな適職が世の中にあることを是非知ってもらいたいと思います。
会社よりも自分と家族の人生をまずは優先して、人生の舵取りをするべきです。

他業種への転職…不安はよくわかります。

しかし、まくビル管理・メンテナンス会社勤務を抜け出して、人生の立て直しに成功した人の多くは、ビル管理以外への道を選択した人々なのです
この件について、以下でより詳しく説明いたします。

ビル管理・メンテナンス会社の辞め方とタイミング

辞め方とタイミング1:繁忙期の退職は避ける

業界の繁忙期は、年末年始と年度末のほか、年中無休の現場であれば、大型連休や夏期休暇シーズンがそれに当たります。

この時期に退職されると、単に現場が忙しいと言うだけでなく、後任の採用が難しいため、会社に迷惑をかけること必至です。
基本的には円満退職を目指すべきなので、最低限の配慮は必要でしょう。

辞め方とタイミング2:最低3ヶ月前に願い出る

円満退職をするためには、補充要員が配属されて、業務の引き継ぎをしてからと言うのが常識ですし理想的です。その為には、最低3ヶ月前に退職の意思表示をして、会社側に猶予を与えるようにしましょう。
もし同業他社に転職するつもりでしたら、狭い業界のことですからどこでまた会わないとも限りません。

辞め方とタイミング3:引き止めに合わない退職理由を

そもそも条件交渉で退職を思い留まる可能性があるなら、ストレートにその旨を伝えた方が良くて、翻意の可能性がないなら、会社側に引き留め工作が無意味であると思わせる退職理由を考えましょう。

そうでないと、慰留に粘られてしまって、退職までに自分が描いていたスケジュールが狂ってしまうからです。
応じるつもりのない交渉に無駄な時間を費やす必要はないでしょう。

辞め方とタイミング4:転職を考え始めた時から引継ぎ資料を

もしあなたが重要な業務を担当しているのであれば、会社としては引き継ぎが終わらない限り退職させたくないと考えますので、できるだけ早めに引き継ぎ資料の作成に着手しましょう。

資料の完成度が高ければ、後任との直接の引き継ぎ時間を短縮することができます。

ビル管理・メンテナンス会社の勤務経験が優遇される、より就労条件のよい「おすすめ転職先」の例

1.業界大手のビル管理会社に転職する

最も無難なのは、業界大手の管理会社に転職することです。
大手であれば、コンプライアンスには厳しいので、残業代不払いなどというブラックである可能性は低いと考えて良いでしょう。

また、管理物件数も多く、定期的に現場異動があれば、その分だけ知識・経験も含めた技術力に磨きをかけることができます。

2.ビルオーナー企業に転職する

テナントビルを複数所有しているオーナー企業は、ビル管理業務の発注者側です。
その規模にもよりますが、自社で管理要員を抱えている場合もありますし、専門業者に外注している場合でも、業務内容に精通した担当者が必要です。
今までの経験を活かすには持って来いですね。

3.大企業の総務部に転職する

自社ビルをテナントに賃貸せず自社使用している企業の場合は、施設管理の部署が単独に若しくは総務部内にありますので、そこに就職することは、今までの知識・経験を充分に活かすことができます。

そのためには書類に強くなっておく必要があります
具体的には、委託業務に関する仕様書を作り、複数の業者見積を取得し、それを比較検討できる資料を作成したり、売上が絡むのであれば、収支計算書などの資料作成をしたりとパソコンを駆使した資料作成ができると強いですね。

今まで客先から求められていたことを今度は自分が求める側になるというわけです。
また、業者や現場社員が気持ち良く仕事ができるように、細かな配慮ができるのは、現場経験があってこその能力の一部と言えます。

人生の選択肢は常にあなた自身が持っている

ビル管理・メンテナンス会社勤務のあなたの人生を変えるために、まず一番注目すべきことは「ビル管理以外の職場もあることを知る」ということです。
案外、外部と交流がないビル管理・メンテナス業界人は井の中の蛙になることが多いです。
自分の会社以外のことを全く知らないというケースも非常に多いようで、勇気を出して一歩外に踏み出せば大きな海が広がっているということを、改めて考えてみてはどうでしょうか。

兎に角、どうしても今の悩みが解決できなければ「別に辞めればいい」「辞めたっていいんだ」「自分は自由に人生を選択できるんだ」と割り切ること。

周囲からの目を気にしたり、あなたの人生と無関係な上司のメンツを立てて、自分の人生を後回しにしてします思考こそが「今の職場を辞められなくなってしまう」ことの最大原因であり、悩みをより深くして人生を間違えてしまう事につながります。

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