効果的な転職面接の事前準備方法 – 戦略的に会社を辞める転職技術

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越川正志

越川正志

有力な転職コーディネーターと協力する形で、某電力会社から某大手総合商社に転職を成功させました。商社へ転職希望の方は、私の転職成功例と方法論を、是非参考にしてみてください。

信頼できる転職エージェントを探し、キャリア相談などをしながら、紹介を受けた求人ポジションに応募して、ようやく書類選考を通過してたどり着く企業の面接…思えば、長い道のりです。

面接に呼ばれたとの連絡を受けて、ようやく勝負の舞台に立てるとうれしくなる反面、はたして、きちんと自分のことを伝えられるだろうか、相手に響くようなPRが適切にできるだろうかと不安にも感じるものです。

面接で必要以上に緊張することなく、ありのままの自分を出しながらも、内定をもらえる確率を高めていけるようにするには、どのような事前準備を行い、面接に臨むといいのでしょうか?

私の実体験、試行錯誤に基づき面接対策や面接の実況中継的な記事をご参考まで書いていこうと思います。
まず、今回は効率的な面接準備の仕方に関して、整理してみたいと思います。
何事も事前の準備が肝心ですが、面接では特にそうだと思います。




面接でのよくある質問事項とは、過去、現在、未来に関してのもの

いきなり、「過去、現在、未来」と言われると?と思われるかもしれません。
ただ、企業側の立場に立てば、簡単に想像できると思いますが、転職候補者を目の前にして、面接官がまず、知りたいことは、「この人は今までどんな経歴、キャリア、実績を積んできた人なのだろうか」という「過去」のことです。

次に「現職でどのような仕事をしているのだろうか、何にやりがいを感じ、何に壁を感じているのだろうか、家族のことを含め、どんなパーソナリティの人なのだろうか」という「現在」のことです。

そして、「今後、どのようなキャリアパスを考えていて、うちの会社でそれが達成できるのだろうか、採用したら、組織に貢献してくれるのだろうか」という「将来」に関しての3点に集約して整理することができると思います。

過去の面接で受けた典型的な質問の流れとしては、

  1. これまでの経歴やキャリアについて聞かれます。
  2. 次に今回、転職を考えている理由について聞かれる。
  3. 今回、転職して、何をしていきたいのかを聞かれる。

という流れです。

つまり、1.過去、2.現在、3.未来に関して、聞かれるというものです。
(実際の質問の仕方は当然、面接官のもよります。事前によくよく考えて、限られた時間の中で、採用可否判断に必要な情報が得らえるようにロジカルに順番を考えて質問をしてくるケースもあります。逆に、その場で面接官が面接の相手の受け答えや様子を見ながら、思いついた順番で質問してくるケースもあります。ただ、面接を終えて、後で質問された内容や受け答えを振り返ってみると、この過去、現在、未来に関して質問されていたのだなと整理できるケースが大半でした。)

“過去”は自分の根幹をなすもの

あまり奇をてらう必要は全くなく、面接の場を企業側との”お見合い”の場と考えて、みてはどうでしょうか。

つまり、自分の過去、現在、未来のストーリーがうまくつながるように説明していけばいいということになります。

過去の経験、実績があって現在があるので、過去はその人の能力やポテンシャル、人脈などを支える根幹となります。つまり、根幹がしっかりしていることをアピールして、相手を納得させないと、現在やっていることも将来やりたいと思っていることも聞いている側は絵にかいた餅ではないか?と思ってしまうわけです。
そういう意味では、学歴や資格も含めた過去の経歴、キャリアで判断される面はそれなりに多いと思います。

(そもそも、書類選考は書類上の文字の情報のみで判断されるわけですが)

転職理由は”現在”から”将来”への橋渡し

そして、転職理由は、あまりネガティブにならないように配慮や工夫が必要です。
つきつめると、現職での状況に対して、何らか不満、物足りなさを感じていることが転職を考える出発点になります。そして、現在から将来に向けてのベクトルを考えた時に今後、こうなりたい、こうしていきたいというビジョンがあるわけです。つまり、その思い描く将来ビジョンが現職の延長線上では達成が難しく、今回、転職して、新天地で活躍の場を与えてもらうことで達成したいと伝えていくべきです。こういう前向きな形での転職理由につなげていくのが、ストーリーの流れとしては、無理がなく、聞いている相手に対して納得感もあるかと思います。

分かりやすい事例を交えたストーリーが重要

過去、現在の話をしていく際には分かりやすい事例などを交えて、実績の話をすることで、聞いている相手がイメージもしやすくなります。

例えば、現在の状況に関して説明する場合にただ単に壁にぶつかっていて、転職を考えているというだけだと現実逃避の傾向があると受け止められかねません。
つまり、転職して自分の会社に来ても壁にぶつかると同じようにまた、現実逃避してすぐに辞めてしまうのでは?と面接官に思われるわけです。

そうした相手の懸念を払拭する意味でもいかに現職でぶつかっている壁を乗り越える努力をしてきたかも説明の上、それでも解決しきれない根本的な問題があるという話の流れにすべきだと思います。

ケースバイケースではありますが、解決できない根本的な問題を上司の問題というレベルにもっていくと、単にコミュニケーションや人間関係の構築がうまくできない人なのではと取られる恐れがあります。

例えば、数年がかりで問題の解決に向けて努力はしてきて、改善の結果も一部でてきているが、やはり根本的な問題の解決は個人の力では難しかったといういい方が納得感もあると思います。

そう考えると、最終的には組織文化や経営方針(短期志向 vs 長期志向)などに関連するレベルに話を持っていく方が、聞いている相手に理解してもらいやすいと思います。

具体的な面接準備の方法案1:いかに相手を知るか

有名な孫子の言葉に「彼を知り、己を知れば、百戦危うからず」というものがあります。
転職活動における面接の準備に関しても、この孫子の言葉の心構えで臨むというのがあるべき姿だと思います。

面接における”彼”は、面接を受ける企業であり、面接官ということになります。
情報化社会ですし、現職の業界、業種であれば、ベースとなる基礎情報を持っているケースも多いと思います。
ただ、やはり原点に帰り、面接を受ける企業に関して、会社HPで会社概要やIRで対外的に発表している経営方針、経営戦略などを読み込むことが重要です。

そうした業界全体の状況などのマクロ環境情報を把握した上で、面接を受ける企業の業界内でのポジショニング、戦略の優位性などを整理していくことが重要です。

上記のような基本的な情報の整理をした上で、面接を受けるポジションで期待される役割、業務内容などをふまえ、自分なりに面接を受ける企業の抱えている経営課題やそれに対してのソリューション案を考えてみると、面接に向けてのいい想定問答になり、役立つと思います。

もし、知人、友人などで面接を受ける企業と同じ業界にいる人がいたら、(転職云々は必ずしも言わなくてもいいと思いますが)メールやフェースブック等で軽く、その企業についてどう見ているか、聞いてみて下さい。

そうすると、短時間に効率的に面接で使える”ネタ”を仕込めることもあり、お勧めです。
(特に競合先からの見え方は的を得ているケースが多く、面接の場で言及すると面接官もよく研究しているなとの印象を持つのではないかと思います。)

例えば、面接を受ける企業のポジションが新規事業開発系だった場合、複数の業界の知人、友人に「A社がこんな新規事業をするとしたら、業界の状況やA社の業界内での立ち位置、戦略的な優位性などから考えて、勝算はありそうか?」などの聞き方で聞いてみるのは手です。

すると、おおよそ、その業界にいる人の標準的な見方や考え方は見えてくるものです。
そうしたフィードバックもふまえて、面接の場で面接官が思わずうなづくような多少、エッジの効いたコメントや質問はどんなものかなと考えると、頭の整理がよくできるのではないかと思います。

面接における”彼”としては、企業に加えて、面接官も直接、対峙する相手となります。
そもそも、面接官の役職や名前が事前に分かるかは運次第ではあります。

しかし、転職エージェントが、面接官の名前や経歴などを聞き出してくれることもありますので、相談してみるといいかと思います。
その上で、もし、面接官の名前や関連情報が分かれば、対外的に話している情報などがないか等、インターネットで探してみて下さい。

日経新聞の電子版でキーワード検索で過去の記事を探すのも手だと思います。あと、社外セミナーの講師などをしているケースもあります。もし、セミナーのテキストなどを入手できれば、経営戦略をかみ砕いて具体的に説明していたりしますので、非常に有用だと思います。

具体的な面接準備の方法2: いかに自分のこと知るか

相手の研究の次は、己のことをいかに知るかですが、自分のことは改めて、頭の整理をしなくても知っていると考えるのは、大間違いです。
相手(面接官)から見える“自分”がどのようなものかを意識して、伝えるべき情報の取捨選択、伝え方を考えていく必要があります。

面接前の書類選考で、履歴書、職務履歴書を提出しているはずです。
面接前に再度、これらの書類を見ながら、自分のキャリアの棚卸作業を行い、面接の場で自己紹介をポイントを押さえて簡潔にできるように情報の整理をしていく必要があります。

その上で、面接の場で必ず、聞かれる過去の業務上の実績や転職を考えている理由に関しての質問に答えることを想定してみて下さい。

コツは、過去のキャリアの中で何を具体的な事例として取り出して、実績や転職理由の説明につなげていくと聞いている相手がなるほど!と思ってくれると思います。

あとは、募集がかかっている求人ポジションの内容ともうまくつながるようにストーリーを作っていく必要があります。
例えば、転職理由を聞かれたら、「3点ありまして、一点目は…二点目は…」と論理的に分かりやすく説明できるように論点を紙に書きだして整理して、何度も読み返すといいのではないかと思います。

事前の準備を活かす面接の受け方とは?

上記のように相手のこと、自分のことを研究し、想定問答などの事前準備した上で、臨む面接はどのようなスタンスで受けるといいものでしょうか。

私はかれこれ、20社ほどの面接を受けてきました。
(今でもある会社の面接を受けているところです)通常、相手側に面接の進行を委ねると、初めに簡単な自己紹介をしてくださいと言われます。
その後は、職務履歴書も見ながら、同席している面接官からこれまでの経歴、今回の転職理由、今後、転職してどのような仕事をしたいか等、質問を受けることになります。
そして、最後の方で何か、質問はありますか?と聞かれる流れになります。

この一般的な面接の流れに身を任せると、相手のペースで進んでしまい、限られた時間の中でPRすべきポイントが伝えきれない恐れがあります。

1つのコツは、通常は最後に聞かれる質問も相手の様子を見ながら、適宜、聞いていく方が会話のやり取りとしては自然です。
(途中で何も聞かずに最後に気の利いた質問をしないと考えると、プレッシャーも大きくなりますし、相手に響かない質問をした場合に面接の印象が悪くなる恐れもあります。)

あと、面接のやり取りの中で、今回、求人をかけている背景(経営戦略との関連等)とどのような外部人材を探しているのか早い段階で把握することを意識すべきだと思います。

相手側のニーズを把握した上で、事前に入念に準備してきたストーリーでうまくはまるか瞬時に頭の中でシュミレーションはしていると思います。
あとは、自分をうまく売りこんでいくようにすると、自分の側で面接の流れをコントロールできる部分が増え、結果として面接をうまく進められると思います。

まとめ

今回は面接の事前準備を、それを活かした面接のうまい進め方に関して経験もふまえて

記事を書いてきました。突き詰めると、面接の事前準備ですべきことは、相手と自分のことを知ることです。この時に自分一人の思い込みだけに頼らず、自分のことをよく知っている周りの人の意見も聞きながら、想定問答をしてみることが重要です。
(私はお風呂でぶつぶつ言いながら、言い回しがしっくりと来るか、ストーリーが分かりやすいか、試行錯誤しながら、紙に書きだして頭の整理をしています。)

面接の場では、誰でも緊張しますが、相手の求人ニーズをうまく把握して、自分のPRすべきポイントを早く押さ、効率的に伝えていくことで、内定の出る確率は格段に上がるはずですので、能動的に準備をして、面接に臨んでみて下さい。

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