転職面接の基本スタンスと「転職理由」への対策 – 戦略的に会社を辞める転職技術

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越川正志

越川正志

有力な転職コーディネーターと協力する形で、某電力会社から某大手総合商社に転職を成功させました。商社へ転職希望の方は、私の転職成功例と方法論を、是非参考にしてみてください。

履歴書、職務履歴書などの書類選考、(会社によっては)SPI試験などを経て、ようやく挑戦機会が与えられる面接。初対面の面接官を相手にして、どのような内容の話をすべきでしょうか。

転職理由の質問に対してどのような受け答えをしていくかも、事前準備の段階からいろいろ思案するものです。




現実逃避と思われないための転職理由の整理が重要

転職を考えるのは、個人的なキャリア、ワークライフバランス、はたまた、上司との関係(パワハラ上司はどこにでもいますし、根が深いですからね…)など人それぞれだと思います。

今の時代、昔は一度入れば生涯安泰と言われた大企業が様々な社会的な不祥事を起こしたり、トラブルに巻き込まれて経営難となり、大規模なリストラを敢行するケースも出てきています。

私自身も前の会社が、社会的な大トラブルを起こし、それを契機に転職活動を開始しました。
最初の頃に受けた面接後に転職エージェント経由で受けた企業側からのフィードバックを今でも覚えています。

それは、「優秀な人であることはよく分かった。ただ、会社が未曽有のトラブルに巻きこまれている中で、真っ先に泥船から逃げ出そうとしている現実逃避傾向があるように感じられた。そのため、これ以上、選考プロセスは進めない」というものでした。

大企業が大きな不祥事、トラブルに巻き込まれた時に経営層でもない一担当者のレベルで会社にとどまって何ができるのかと冷静に考えれば、限られます。
そういう状況で、「泥船から逃げ出す…」という受け止め方は、多分に面接官の個人的な考えで、精神論的な意味合いが強く、そうしたトラブルを経験したことのない人の偏った見方とも考えられます。

ただし、人の感情というものは難しいもので、そうした否定的な見られ方をすることも往々にしてあることは覚悟しておく必要があります。
そのため、心の準備を含め、事前に受け答えの入念な想定問答をしておくことは重要です。

私の場合、前職からの転職理由の説明にあたり、10年超お世話になった前職に対しての感謝の思いとトラブルに直面して何か役に立ちたいという思いをまずは、説明するようにしました。

その上で、自分自身のキャリアをふまえ、前職のとどまって、一個人としてできることには限界があることを説明しました。その上で、一社会人として、社会に貢献していくという観点で、転職した社外に活躍の場を見つけるべきと考え、転職を決意したといういい方をしています。

本音ベースでいえば、転職を考えるからには、現状に対しての何らかの不満、不安などがあるはずです。
ただ、それらをいかに前向きに消化して、現実逃避でなく、前向きな意味で転職して新天地を真剣に探しているのだなと面接官に理解してもらう必要があります。

過去の記事で、面接の事前準備(いかに相手のことを自分のことを知り、戦略を立てて面接に臨むかがポイント)を整理しました。
その上で、面接の場で主導権を取る方法(自己紹介の段階で、今回の転職理由も整理して説明することで、早い段階で面接官に面接の中で確認すべき事項の全体像を把握してもらうことがポイント)をまとめました。

今回はよりベーシックですが、面接に臨む基本的なマナーやスタンスのところから整理してみたいと思います。

面接を受ける基本姿勢等

何も面接の場面に限った話ではないですが、面接会場への入退室時のお辞儀はきちんとすべきだと思います。
入室後も、相手に促されて席に座る際にお尻をひいて姿勢がふんぞり返らないようにするという基本の基本から意識していくべきだと思います。

特に緊張していると普段、当たり前にできていることが気もそぞろとなり、おろそかになりがちです。
礼儀作法にうるさい人は細かいところまで見ていますので、面接の出だしから、悪い印象を持たれるとマイナスからのスタ-トとなりますので、よくよく気を付けるべきだと思います。

外国人の方でもなければ、面接の場で脚を組む人はさすがにいないと思います、ただ、腕は無意識に組んでしまうケースがあります。
自分のありのままを理解してもらうというオープンマインドの意識で腕を組まないように留意すべきだと思います。

逆に面接官が腕組みをしているようなら、こちらの受け答えに対して、疑問や警戒感を持たれている可能性もあります。相手の様子を見ながら、早口で分かりづらい説明になっていないかなど瞬時に判断し、可能な範囲で軌道修正をしていくといいと思います。

あとは、一定の間隔でアイコンタクトをして面接官と目を合わせたり、不自然とならない範囲で微笑んだりすることも意識して行うべきだと思います。
相手の説明やコメントにうなづくなどのいわゆるボディランゲージも適宜、活用して面接の時間を通して、相手の共感を得るようにしていくべきだと思います。

イメージ的には、面接官と敵対するという感じではなく、こちらから相手の面接官を包み込むような余裕をもって、やり取りするといいと思います。
そして、相手の話していることをきちんと理解していることを示すためにうなづいたり、あいづちを打つべきだと思います。
その上で、タイミングを見て関連する質問をしたり、コメントをすると場の雰囲気もよくなると思います。

これも、面接の場面に限らず、日常生活での人とのコミュニケーションの場面でも同じですが、面接の時間が限られているので、焦るあまり、自分が話したいことだけに夢中になりがちです。

相手の話や反応もきちんと受け止めた上で、聞かれていることに適切に回答すべきです。それと共に不自然でない形で自己PRしたり、転職を考えている理由をロジカルにきちんと説明して相手の理解を得ていくという基本的な心構えが非常に重要だと感じています。

個人的問題や健康面の問題が話題に上がったら

経験上、面接の場面ではあまりないのですが、ごくまれに病気や家族の問題などの個人的な話題が出ることもあります。

場面としては、面接の待ち合わせ場所から面接会場への移動で、迎えに来てくれた企業側の人事担当者と一緒に歩いている際などに何かしらのきっかけでそうした話題が相手方から出るというケースです。

基本的にその手の個人的な話(特にネガティブな内容のもの)は、面接の場面にはふさわしくなく、企業や面接官と話をするようなものでもないです。
ただし、相手が話してきた以上、会話の流れから無視するのも難しい場面も考えられます。

もし話題になったとしても、こちら側の話はせず、話を振ってきた相手側に話のスポットライトが当たるような受け答えをしていけばいいと思います。

例えば、相手側から、このところ膝の調子が悪くて手術を受けるんだ…との話が出たとします。

その場合も、こちらの健康面の話などをする必要はなく、「お気の毒ですね。膝を痛められた原因は何だったのですか。」というような形で、相手に質問を振る形で受け答えしていくといいように思います。

こうしておけば、相手との関係で会話を無視したととげとげしい雰囲気にもなりません。こちら側の健康面の話など余計なことを話すことも回避できます。

面接全般に関する基本的なスタンス

冒頭の現実逃避と思われない転職理由の整理が重要との話とも関連しますが、面接におけるやり取りでは、極力、マイナスのニュアンスや否定的な言い回しでの受け答えをしないことを意識するといいと思います。

人それぞれの特徴もありますし、慎重な人が悪いというわけではないです。ただ、面接の場面というある意味、特殊な状況においては、否定的な発言が多い後ろ向きのスタンスの人は評価されづらいものです。

それよりも、やはり、前向きかつ肯定的なニュアンスで、自分の過去のキャリアや実績、転職理由を説明する人の方が面接官の立場に立つと選びやすいのは想像できますよね?

例えば、「現職を辞めて、今回、転職を考えている理由は何ですか??」と面接官に聞かれたとします。
正直ベースで言えば、上司との人間関係(パワハラやら処遇の問題やらいろいろありますよね)で悩んでいたり、現職での仕事に対して、いろいろ不平、不満はあるのが実情だと思います。

ただ、それをそのまま伝えるのは得策ではありません。
例えば、こんな回答の仕方はいかでしょうか。

「現職では、いろいろ有意義な経験をさせてもらい、上司、同僚にも恵まれ、楽しく仕事をすることができ、実績もあげ、人脈構築も順調にすることができました。

ただ、自分のこれまでのキャリア、今後、成し遂げたいことを考えた時に現職の経営方針や企業カルチュアにおいては、限界も感じていました。自分の成し遂げたいことの実現のために自分なりには努力をして○○や△△というような働きかけや提案をしてきました。

しかし、個人で組織を変えていく難しさを感じていたところでした。そうした折に今回の御社のポジションに関しての紹介を受け、非常に魅力を感じています。

私がこれまでに身につけてきた知見や構築した人脈もフルに活用して、御社で活躍の機会を与えていただきたいと考え、今回、応募しております。」

こういう答え方をすると現職のことを悪く言いすぎることもなく、かといって、転職理由に疑問符を付けられることもない受け答えができるのではないかと思います。
要するにモノは言いようということです。

つまり、過去や現在のことを本音ベースで後ろ向きかつネガティブないい方で、説明するよりも、まずは、現職に対しての感謝の思いや得たもの(知見や人脈)についてコメントします。

その上で、今回、転職をすることで、自分の過去、現在のキャリアを活かして、前向きかつ明るい将来に向けての展望を達成してきたいという説明するイメージがいいかと思います。

答えづらい質問への回答

より答えづらい質問としては、「自分の欠点を3点あげてください」というようなものも想定されます。

一つの答え方としては、自分の過去の欠点を題材にして、それを試行錯誤しながら、どのように解決してきたか、実例を挙げて説明するというのは、うまい答え方だと思います。

それ以外には、少し、ひねって、「5年後にあなたはどこの会社にいるでしょうか?」という質問をあり得ます。
一般的に、面接官は目の前の候補者が、自分の会社で長く勤めようとしているか、すぐに転職してしまわないか等をすごく気にしています。

特に転職経験のある人を中途採用に慣れていない会社が採用する場合、転職の“前科”がある人材という見られ方をしますので、面接の場で、出世の野心を露骨に出すのもよくありません。
(入社後のキャリアパスは、会社が決めることと線引きする方が、少なくとも、面接の場ではいいと思います。)

こうした質問に対しては回答としては、例えば以下のようなものが考えられます。

「是非、御社で長期に渡り、腰を据えて仕事をしたいと考えています。御社は長期に渡って楽しく仕事ができるところだと思います。

今回のポジションは、これまでのキャリアを活かして、やりがいをもって取り組めるものだと感じています。

それ以外にも、御社は将来に向けて新しいことにチャレンジする姿勢や顧客サービスのレベルの高さで高く評価されており、私の経験や人脈で、微力ながら、御社の成功の一助となりたいと考えています。思います。」

まとめ

面接の受け答えは、ケースバイケースですが、完ぺきな事前準備は無理ですが、それでもこう聞かれたらこう答えようという想定問答をしてみることを強くお勧めします。

回答の要点を紙に書き出して、面接の前に何度も見ると頭の整理ができると思います。あとは、自分の優れた特徴(精力的、熱心、チームワーカー、呑み込みが早い等)を書きとめ、それを裏付ける事例を用意しておくことも有用です。

例えば、社内で誰もできると思わなかった新規事業を立ち上げたこと、従来のやり方にとらわれない新しいやり方を実践して生産性を20%上げたことなどを簡単に場所や状況と共に説明できるようにしておくといいと思います。

まとめると、面接に臨む基本的なスタンスとしては、前向きで希望に満ちた有能な候補者だというイメージを作り、難しい質問にも否定的なニュアンスの回答は極力しないことかと思います。
あとは、円滑なコミュニケーションを取れるように配慮し、面接官との出会いを楽しむということかと思います。一期一会の世界ですね。ご参考まで。

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