
越川正志

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私の過去の面接での経験をご紹介していくシリーズの第四弾の今回は、いわゆるM&Aアドバイザリーなどのいわゆるアドバイザリー系(政府系、会計事務所系等)の会社D,E,F社の3社の面接の話をまとめて書いてみます。
面接までの経緯
以前の記事でも書きましたが、前職からの転職活動をしていた6年前、大手転職支援会社の転職エージェントからの紹介で、求人票ベースのポジションに応募するも、書類選考が進まない状態が数か月続きました。
そこで、選択肢を増やすために、前職でのMBA留学時代の知人で転職経験のある人から紹介を受けたビズリーチを有料で利用することにし、職務履歴書などの個人情報を登録しました。
その後、ビズリーチ経由でコンタクトのあった中規模の転職支援会社数社の転職エージェントと面談しました。そのうちの1社の30才くらいの若手でアグレッシブな転職エージェントから、是非、前職でのMBA留学経験を活かす形で、選択肢を増やしましょうと提案を受けました。
具体的には、政府系の再生ファンド、会計事務所系のM&Aなどのアドバイザリーのポジションをいくつか勧められ、その中で、D,E,F社に応募することにしました。
D社は、書類応募から1か月後に一次面接に呼ばれました。E,F社は同じく書類応募から10日ほどで、面接に呼ばれました。
結局、D,E社は一次面接を受けたところで、選考プロセスが終了となりました。F社は、二次面接を受け、最終の役員による三次面接まで呼ばれましたが、現職から内定が先に出たので辞退しました。
D,E,F社共にSPI試験などの筆記試験は受験しませんでした。
D社の面接関連
D社は、政府系の再生ファンドで、東日本大震災の復興関連の地元バス会社の支援を行うなど、社会的に意義があるが、事業として成立させるのが難しい取り組みにコンサルのノウハウを活かしてソリューションを提供していくポジションを取っていました。
コンサルティングは、MBA留学時代に夏休みを利用して、某戦略系大手コンサルティングファームの東京オフィスで2週間のインターンを経験したくらいで実務経験はない状態でした。
(むしろ、クライアントとして、コンサルを使う場面は前職の新規事業開発時代にかなりありました。)
いまいち、未経験のコンサルティングの仕事を30代半ばの年齢で初めてやっていくというのが現実的なのか、整理がつかないまま、面接に臨むことになりました。
(心境的には、むしろ、適性があるのはどういう人か面接官に直接、聞いてみて、自分がそれにあてはまるか、判断しようという感じでした。)
そんな感じで受けたD社の一次面接でしたが、面接官の方の弟が、私の前職の同じ部の先輩で、諸事情あり、数年前に他社に転職した人という関係だったが、面接の冒頭でいきなり、「自分の弟を知っているか?」という話になりました。
その方の弟は、数年前に前職から転職された際に転職理由が?と周りの同僚の間で評判になっていたこともあり、あまり深入りしない方がいい話題と考え、面識はあったが、あまり、お仕事での接点はなかったと深入りしない回答にとどめました。
その後の面接も転職理由などをあたりさわりなくとりあえず、聞く感じで、真剣に採用しようとしている意欲や熱意が感じられず、特にエージェントからもフィードバックもないまま、何が評価され、何が足りなかったのか、よく分からないまま、一次面接で選考プロセスが終了しました。
今にして思うと、むしろ、私の履歴書、職務履歴書を見て、自分の弟と同じ前職の所属と分かり、興味本位もあり、面接に呼んでみたという側面をあったのではないかと思料しています。
もし、そういう面接官の個人的な興味のレベルの話で面接に呼んだということだったなら、真剣に転職活動をしている相手に対して、とても失礼な話です。
それに、現職の仕事を抱えながら、転職活動をしているこちら側は気持ちのあせりもあり、スケジュール調整も簡単でないので、そういう採用意欲が感じられない面接は勘弁してもらいたいというのが本音でした。
転職候補者側は内定が出るまでは、会社に対して、弱い立場にもいますので、面接に呼ばれれば、相手が真剣かどうか確かめる手段もなく、応じるしかないわけですし。
このD社とは、転職活動の面接という機会に接点があったわけですが、上記のような面接を経験し、私自身のD社への見方は???という感じのものになりました。
いろいろ狭い業界ですし、人のつながりもいろいろあるのが実情なので、面接官個人も自分の言動によく留意した方がいいのではないかと老婆心ながら感じました。
E社の面接関連
E社は、いわゆるビック4と言われる著名な大手会計事務所系のコンサルティングファームでした。たまたま、転職活動の直前まで前職で担当していた海外のM&A案件の会計、税務の仕事をE社に依頼していた経緯もあり、同社の担当者のことはよく知っていました。
そして、クライアントや、彼らから受ける仕事の内容や仕事ぶりに関して、ある程度、イメージはつかめていました。
一次面接の面接官は、やや神経質そうな女性のマネージャーでした。
面接の最初から最後まで、その女性の面接官が、何度も繰り返して、「クライアントからの急な仕事の依頼で、早朝や深夜、土日にも仕事が入ったりするが、対応は大丈夫か」と聞かれました。
一応、前職でクライアントの立場で、結構、無理なお願いもしていたので、逆の立場でコンサルティングの仕事を請け負う以上、そうした緊急対応も覚悟していますと回答してはおきました。
その上で、こちらから、仕事と生活のバランスに関して、質問に対して、その方も、正直、ワークライフバランスを取るのが大変とのコメントをされ、お疲れの様子でした。
一次面接を受けてから、1週間ほどしてから、転職エージェントから連絡がありました。
E社の面接官からは、「前職時代にM&A経験などは十分で、米国MBA留学もしている優秀な人材と評価した。ただし、アドバイザーの立場でコンサルティング業務を進めていくという意欲と雰囲気がいまいち感じられなかった」とのフィードバックを受けました。
そのフィードバックを受けて、一次面接の場で、女性面接官にたびたび聞かれたクライアントからの緊急対応要請ができるかとの質問のことを思い出しました。
模範解答は、クライアントの期待に応えることが自分の喜びなので、緊急対応も喜んでしたいとか、相手の期待値を上回ることで、顧客から長期的な信頼を勝ち得たい等の発言をすることが求められていたかもしれません。
ただ、自分の本心としては、アドバイザリーの立場でクライアントに四六時中、こきつかわれるのは大変だろうなあ…と感じていたのでそれを偽って入社しても耐え切れなくなるのは時間の問題だったと思いました。
そういう意味では、仕方がなく、ご縁がなかったと整理できました。
F社の面接関連
F社は、いわゆるM&Aの会計系アドバイザリー(売り手、買い手側のいずれかで売り、買いに関してのアドバイス、戦略策定を行うもの)ファームでした。
実は、前職時代のMBA留学先の学校の大先輩が経営者の一人でもあり、給与が高いことでも有名な会社でした。
先方の丸の内の高層タワーのオフィスが面接場所で、一次面接は取締役2名と担当でした。二次面接は、取締役2名というメンバーでした。
それまで面接を受けてきた他の会社の一次面接は、課長級が面接官というケースが大半だったのと比べると、大物感のある面々が面接相手でした。
これはあくまで印象ですが、大手会計事務所系のE社と比べると、F社は、クライアントをある程度まで、選ぶことのできる強い立場にいるように感じました。
実は、現職でこのF社を海外のM&A案件でたまに起用していることが、転職後に判明しました。
そこで、F社の担当者と話をしたのですが、いい案件があるけど、興味があれば、紹介してあげてもいいよという感じで、強気だなあと感じたのを覚えています。
この印象が正しいとすると、仕事やクライアントを選べる立場にいないE社は多少、無理難題をクライアントに言われても、それに誠心誠意、答えていくことで実績と信頼を積み重ねていくスタンスなのではないかと思います。
その分、その組織の一員で働くコンサルタントの1人1人はプレッシャーと負荷が常にかかり大変です。
一方で顧客や仕事をある程度、選べる立場にいるF社は、筋が良さそうで報酬条件もいいクライアントと仕事を選ぶことができ、働くスタッフも相対的には負荷が少ない仕事を担うことになり、ワークライフバランスもバランスを取りやすいように感じました。
一次面接、二次面接共に、コンサルタントとして、人となりが高額の仕事を委託してくれるクライアントから信頼を勝ち得ることができそうかという点をしっかり見られえていると感じました。
あとは、同僚として、一緒に気持ち良く仕事をできそうかというフィーリングのようなものを重視した面接だったようにも感じました。
こちらも割と自然体で臨めて、MBA留学や保有していた米国公認会計士資格の話(F社の創業者の社長も米国公認会計士資格保有者ということは事前準備段階の情報収集で把握済みでした)などもしました。
その上で、前職での新規事業開発の話などを題材にして、中長期で社外の人と信頼関係を構築できるように意識して仕事をしてきたことを自分の言葉で伝えました。
相手の反応は上々で、かみ合ったやり取りをできた印象が残りました。
二次面接後、数日で、転職エージェントから連絡がありました。
一次、二次面接での評価がかなり高いので、すぐに最終面接をセットし、是非、社長に直接会ってほしいとの連絡を受けました。
ただ、現職からの内定がその1週間前に出ていたこともあり、転職エージェントに評価していただいたことに感謝している旨を伝えてもらった上で、丁重にお断りしてもらうように伝えました。
この若手の転職エージェントは、意欲もあって、D,F,F社の面接の機会を作ってくれたので他の転職エージェントにはないエッジの効いた強みがあるなあと感じました。
ただ、F社の最終面接を辞退すると伝えた際は、かなり粘って、こちらを翻意させようとして、F社に入社して活躍される様子が目に浮かぶようだとか、逆にF社との関係でここで辞退されると立場的に困るという泣き脅しに近い話まであり、少々、閉口しました。
転職エージェントは、結局、最終的に紹介した転職候補者が転職してくれて(半年等の期間、きちんと定着してくれて)、初めて、企業から年収の20-30%という報酬を得ることができるので、転職の1つ1つがある意味、死活問題でもあるわけです。
そういう意味では、F社を辞退する際の悪あがきに近い対応はやむを得ない面はあったと理解しています。
ただ、やはり、転職候補者自身が納得のいくキャリアを選択していくというのが最優先されるべき事項だと思います。
そういう観点で、最後は、別の会社に転職することに決めたというこちら側の意思を尊重して、今後、何かあれば、また、相談してくださいねという区切りの付け方をしてほしかったなとの思いは残りました。
(そういう対応をしてくれなかったので、結局、ご縁は切れてそれっきりとなりました。)
今回の面接に対する反省点
前職からの転職活動を始めた当初、業界を絞り、転職支援会社も大手だけとコンタクトしていたこともあり、かなりの数の会社の書類選考に応募するも、反応がない時期が続き、あせりも感じていました。
ビズリーチを使い、コンタクトのあった大手でない転職支援会社の若手転職エージェントの勧めに従い、アドバイザリー系の会社を候補先に加えたところ、書類選考はわりとあっさり通り、D,E,Fの3社に面接に呼ばれました。
今、考えると、もう少し、早い段階から、アドバイザリー系の会社も選択肢に入れて、転職活動をしていればよかったなあと思います。
例えば、結果的に現職の内定が先行したので、F社の最終面接を辞退しましたが、逆にF社から先に内定をもらっていたら、現職に対して、処遇条件の交渉などをもう少し、うまくできたかなと反省しています。
ただし、アドバイザリーのコンサルティングの仕事自体が、私には合わない(むしろ、アドバイザリー系の会社をこきつかう事業会社側での経験が長いこともありまして…)との整理をD,E,F社の面接を通じて、再度、確認できたので、実際にこの3社の面接を受けて、フィードバックをもらった意味は大いにありました。