転職活動におけるセカンドオピニオンの重要さ– 戦略的に会社を辞める転職技術

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越川正志

越川正志

有力な転職コーディネーターと協力する形で、某電力会社から某大手総合商社に転職を成功させました。商社へ転職希望の方は、私の転職成功例と方法論を、是非参考にしてみてください。

これまでの記事で、転職活動の概要、転職エージェント関連、面接の実況中継などを皆さんのご参考まで記事で書いてきました。

転職活動は情報戦ですが、一方、インターネットなどで取れる情報も玉石混交で、やはり、信頼できる人から情報を収集し、自分なりの目利きで取捨選択して、判断していくことが重要と感じています。

これまでカバーしていなかった転職関連の留意事項を10回ほどに分けて、整理していくシリーズ、題して「転職活動のつぼ」の第一回の今回は、セカンドオピニオンの大切さについてです。

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転職活動におけるセカンドオピニオンの役割

最近、医療事故などの報道も目立つ医療、医薬の世界では、自分が最初に診てもらったお医者さんの診断のみをそのまま鵜吞みにせず、別の病院のお医者さんやその分野の専門家の意見も聞いて、複合的かつ客観点的な情報をもとに判断を行うことの重要性が強調されることが多いように感じています。

こうした専門家とはいえ、一人の意見を聞いて、それに全面的に依存、依拠するのではなく、別の専門家の意見を聞くことをいわゆる「セカンドオピニオン」を聞くと言います。

転職エージェントの機能とビジネスモデル

過去の記事でも何度か書いていますように転職活動において、信頼できる転職エージェントを見つけることが、非常に重要です。

といいますのでは、キャリア相談に始まり、求人情報の収集、選考プロセスへの応募、面接等のアレンジ、内定条件の確認、交渉、退職交渉のサポートなど、転職活動の入口からゴールまで、時には励まし、叱咤激励をしてくれながら、伴走者としてサポートしてくれるのが、転職エージェントだからです。

そんな転職活動を行う上で、欠かせない存在である転職エージェントですが、忘れてはいけないのが、彼らは、1.転職候補者を発掘し、2.もろもろの転職関連のサポートをして転職成立時にはじめて、企業側から、転職者の年収の20-30%くらいを紹介料として受領するビジネスモデルとなっていることです。

転職候補者の立場では、転職エージェント無償でいろいろ親身になって相談に乗ってくれたり、情報提供したり、面接のアレンジをしてくれたりと種々、サポートしてくれていいなあと思うのですが、落とし穴は、彼らは「転職が成立して初めて」「紹介料」という形で、「企業側から」収入を得ているというところです。

転職エージェントの「利益相反」の問題

つまり、転職エージェントは、転職候補者を探してきて、キャリア相談他、親身になって対応しても、最終的に転職してくれなければ、一円も収入を得ることがないのが通常です。
(たまに経営者クラスのヘッドハンティングなどの場合には、リテイナー型といって、毎月一定額を企業側からもらい、候補者を探すケースもありますが、成功報酬型のケースがほとんどかと思います。)

面接の実況中継の記事でも書きましたが、某大手転職支援会社の転職エージェントが、私の希望とは合わない求人ポジションへの応募を無理に勧めてきて、途中の選考プロセスでも無理があったにも関わらず、そのまま進めて、私と企業側が面接の場でお互いに気まずい思いをして、選考プロセスが終了となるケースもありました。

選考プロセスの途中でも、転職成立時の紹介料をもらおうとして、強引にプロセスを進める転職エージェントがいるくらいですので、企業から内定をもらったら、どうなるかご想像の通りです。

要するに転職エージェントは、泣き落としに近いくらいの強い勢いで、転職することをしつこく、勧めていきます。

転職者の立場からは、現職から転職するかは、ある意味、人生における一大事と言えるわけです。

内定をもらって、初めて、現職以外の選択肢がある状態になるわけですから、冷静に現職にそのままとどまることと、今、転職することのメリット、デメリットを再度整理したいところです。さらにいざ、転職となると家族にも影響が及ぶわけなので、家族への説得の材料を考える必要も出てきます。

そうした土壇場の局面で、本当は専門家の意見を大いに参考にしたいところですが、内定が出たポジションを紹介してくれた転職エージェント自身は、手数料をもらわないと仕事にならないので、転職を勧めるだけという立場になりがちです。

これを「利益相反」状態と呼びます。

つまり、転職活動を始めた当初は、現職よりもいい転職先を探すということで、転職候補者と転職エージェントは同じ目線で協調して動いていくわけです。しかし、いざ、内定が出ると、現職に留まるか、転職するかの判断にあたり、お互いの利益が対立することになるわけです。

転職活動におけるセカンドオピニオンとは?

内定をもらった後は、もちろん、自分自身の人脈や知見もフル活用して、現職、転職候補先のことを大いに比較検討すべきです。
あと、今は、SNSなどでも、使い方を工夫すればいろいろ有用な情報が取れると思います。

しかし、ある企業が求人をしているということ自体が、守秘義務情報でもあるので、転職者個人のレベルで比較検討をするための情報が必ずしも、十分に取れるとは限りません。

そこで、頼るべきは業界の専門家である転職エージェントということになるのですが、前述のように内定を得たポジションをアレンジしてくれた転職エージェントと転職候補者は構造的に利益相反関係にあります。

そこで、転職関連は、医療、医薬のようないわゆる“専門性の高い”分野ではないのですが、転職活動においてもセカンドオピニオンを聞くことが重要と言えます。

つまり、ある転職エージェントがアレンジしてくれて、選考プロセスを進め、内定を得た場合にその内定を受けて、現職を辞めるのが本当にベストと考えられるかに関して、別の専門家(転職エージェント)から忌憚のない意見を聞くことが肝要と感じています。

たいしてお付き合いのない転職エージェントにいきなり、内定をもらったがどう思うか?と意見を聞いても、的を得たアドバイスをもらうのは無理があります。
やはり、普段から定期的にやり取りをして、現職の状況や考えられるキャリアの方向性に関して、第三者的な意見を言ってくれる転職エージェントを複数、確保しておくと心強いと思います。

転職エージェントの本来のあり方

理想論でいえば、あるポジションを紹介した転職エージェントもそのポジションが成立することで、企業からもらえる目先の紹介料だけでなく、少し中長期的な立場から第三者的にアドバイスしてくれるのが望ましいと言えます。

そして、自分が紹介したポジションでも、場合によっては、現職にとどまることを勧め、企業側とも揉めないように処理してくれたりすると、転職候補者とも長いお付き合いができると思います。

対企業の関係で考えても、転職斡旋した人がすぐに辞めてしまうようなミスマッチングの確率も減り、結果的に企業側との関係も強化できると思います。

懇意にしている転職エージェントさんのコメント

懇意にしている転職エージェントの一人にこの利益相反に関して、意見を聞いたところ、下記のような回答がありました。少々、長いですが、なかなか聞けない転職エージェント目線での意見なので、ご参考まで。

以下、転職エージェントのコメント

利益相反というとぴんとこないかもしれませんが、分かりやすい例を挙げると、ホンダの販売店に勤めているカー・ディーラーが、お客様に対して、トヨタの車を勧めることは、まずないはずです。それと同じで、どんな商品でも、自社の営業マンが他社商品をお客様に勧めることは通常はありえません。

これと同じことで、転職エージェントの場合も、通常は、転職候補者には、自分が紹介した企業に転職してもらいたいと考えるものです。

しかし、転職候補者のご希望とは合わない求人ポジションの選考プロセスを無理やり進めたりすると、その候補者の方と長くお付き合いできなくなってしまうので、そうしたゴリ押しは極力しないようには心がけています。(ゴリ押しして入社した方が、すぐに退職などされたら、企業側との関係上もあまりよいことではありません。)

もし、「いやー、そうは言いますが、私の場合、あなたに紹介されたポジションに関して、悩んだ際にけっこうしつこく転職を勧められましたよ(笑)」という人も過去に転職斡旋させていただいた多くの方々の中にはいるかもしれません。しかし、私の行動が強引に感じられたとしたら、それはマッチングに自信のある時だけです。

例えば、ある会社に転職候補者の方が入社すれば、その方も、会社もハッピーになれるに違いないと強く思っているときは、「この内定を蹴るべきではない」ということを自分なりに悩まれている転職候補者の方に粘り強く訴えることもあります。

しかし、一般論として、転職候補者の方が、現職に留まるのがいいのか、あるいは自分の紹介先の会社に転職するのがいいのか、はたまた、自分の紹介先ではない別の会社でキャリアを積んだ方がいいのか、未来を一列に並べて比較することは物理的にできません。

そうした人生の岐路に立ち、転職候補者の方が、悩まれている姿はさんざん、見てきました。そういう時に私は「重要な選択に迷われるようなら、あせらずに大いに悩んで下さい」、と私は伝えるようにしています。

決断にあたり、転職エージェントだけでなく家族や友達などに意見やアドバイスを求めるのもいいと思いますが、最後に決めるのは自分しかいません。それを強く意識しては欲しいと私は考えています。

というのは、転職先がすべての面で、バラ色の職場ということは、常識的に考えてもまずありえません。どんな職場においても、きつく大変な場面は必ずやってくるものです。

そうした大変な場面に遭遇した時に「あの転職エージェントに言われるがまま、転職したのが間違いだった」と思っていたとしたら、到底、踏ん張りが効くものではありません。逆に自分で決めた進路だと本人がしっかり意識していれば、何とかして直面した壁を乗り越えようとする気持ちが強くなるものだと思います。

転職は人生の大きな岐路ですから、選択を迫られた時には誰でも悩むのが当たり前です。

そんな風に選択に悩んだ時に、気軽に相談することができる転職エージェントがいれば、参考になる意見を聞かせてもらえるかもしれません。

「以前に紹介された会社とは縁がなかったのに、相談をさせていただいていいのか分かりませんが、実はある会社の内定を受けるべきかどうか、悩んでいます」たまに以前に接点のあった転職候補者の方から、こんな連絡をもらうことがあります。

そんな時、仕事での損得は置いておいて、信頼できる転職エージェントの一人として思い出してもらい、コンタクトしてもらえたことを嬉しく感じます。

こういう時、私が内定を出した会社のことをよく知っていれば、できるだけの情報をお伝えするようにしています。その会社のことをあまりよく知らない場合でも客観的な立場でセカンドオピニオンをなるべくお伝えするようにしています。

欧米では「良い転職エージェントとなんでも相談できる良好な関係を構築していることは、良いかかりつけ医を確保しているのと同じように重要だ」と言われることもあるようです。

皆さんが、もし信頼できる転職エージェントと出会うことができたら、仮に紹介されたポジションで転職に至らなかったとしても、たまには近況報告などをして、関係を維持されてはいかがでしょうか。

まとめ

ある会社の求人ポジションを紹介してくれて、書類選考、面接のアレンジ等々、サポートしてくれた転職エージェントと転職候補者は利益相反があるということによくよく留意しておくことが重要です。

ただし、相手は目の前にお金がぶらさがっている状態なので、それまでいくら親身になってサポートしてくれたとしても、別です。

そう考えると、転職という人生における重要な選択にあたり、専門家である転職エージェントからセカンド(場合によっては、サード)オピニオンをうまく聞けるようにしておくと心強いですよね。

そのためには、上記でご紹介したように中長期でお付き合いしてくれる転職エージェントを探して、自分のことをよく理解してもらい、数か月に一度くらいは近況報告などをしながら、関係を維持、深化させていくといいように思います。

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