大企業からベンチャー企業へ転職する場合に忘れてはならない事

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越川正志

越川正志

有力な転職コーディネーターと協力する形で、某電力会社から某大手総合商社に転職を成功させました。商社へ転職希望の方は、私の転職成功例と方法論を、是非参考にしてみてください。

皆さんは、現在、どのような組織でお仕事をされていますか。
私事ですが、まもなく、次の会社へ転職します。これが3社目となりますが、いずれもいわゆる業界上位の大企業です。

いわゆるベンチャー企業の方とは、お仕事でもお付き合いがそれなりにありますし、うちに来ないかと転職のお誘いを受けたことも何度かあります。

今月末にも、ベンチャー企業の経営者の方との会食に誘われています。
数か月前にはじめて、お会いした方ですが、おそらく、転職のお誘いではないかと推測しています。

少し、客観的に考えると、つきつめて考えると、中途で人を採用しようとしている企業も結局は、中にいる人次第ですし、中途で入社する転職者側もそれぞれの人の個性などもいろいろあるので、大企業だから…それに対して、ベンチャーは…と簡単には一般化はできないものです。

そうした前提の上ではありますが、今回の記事ではいわゆる大手企業からベンチャー企業への転職に関しての留意事項などを整理してみたいと思います。

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新興ベンチャー企業が活躍する具体的な業界イメージ

新興のいわゆるベンチャー企業が活躍するのは、一般的には新しいサービスや商品の領域だったり、規制業種で大々的な規制緩和が起きた時などが挙げられるかと思います。

前者は、少し前のIT関連、最近で言えば、IoTやAIなどの新技術関連が真っ先に思いつくところですよね。

後者の規制緩和関連では、例えば、昨年4月から始まった電力小売りの全面自由化、今年の4月からのガス小売りの全面自由化なども、それぞれ、電力、ガス業界規模が兆円レベルの大規模マーケットな上に異業種の参入もあり、定量的にもかなり大きな社会的なインパクトがあります。

私もお仕事で多少関係があるので、後者に関して、もう少し具体的に言うと、2011年の東日本大震災を機に脱原子力の流れもあり、2012年にスタートしたいわゆる日本版Fit(固定価格全量買い取り制度)で太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーを後押しする事業環境となっています。

そうした背景もあり、電力やガスの小売りも含めて、新興のベンチャー企業が案件開発、新サービス展開をかなりのスピード感で進めようとしています。

新興ベンチャー企業にありがちな人材不足の背景

いい意味でも悪い意味でも、”開拓者”の立場の小規模組織でフットワークが軽く、スピード感もある新興ベンチャー企業は往々にして、慢性的な人材不足に悩んでいる状況があるようです。

時代の流れにのっているように見える新興ベンチャー企業で、人材不足が発生しているというのは、皮肉にも感じますね。
人材不足の大きな理由の一つには、どうやら待遇面のミスマッチ(ギャップ)があるようです。

どういうことかといいますと、新興ベンチャーは、新市場やサービスで他社としのぎを削るために前例のない領域を主戦場としていて、時として他社との激しい競争環境化にあります。

このため、生き残りのためにいわゆる”ハイスペック”の人材を必要とする(必要にせまられてという面が強いわけですが)ことが多いことは想像できるかと思います。

一方で、これらの新興ベンチャーは、会社の規模が小さく、競争の激しい事業環境下にあることでの制約もあり、給与などの処遇水準は必ずしも高くないケースが多いわけです。

これは、最近、増えている海外で実績のある外資系企業が日本法人としてベンチャー企業を立ち上げるケースでは多少、処遇条件が柔軟ではあるものの、おおよそ同様の求める条件と処遇のミスマッチに起因して、慢性的な人材不足に悩んでいる状況のようです。

その結果、お金を十分に出せないという処遇条件の制約から、求めているハイスペックで即戦力となる人材を採用することが難しいケースが多くなります。

そうなると、背に腹は代えられない状況となり、絶対的な経験値が不足していて、実力が未知数の若年層や別業界、別業種からのキャリアチェンジ組を採用せざるを得なくなりがちです。

そうした背景から、競争環境化を勝ち抜くために不可欠な優秀な人材が確保できず、計画通りに事業が進まない状況にある新興ベンチャーが多いようです。

新興ベンチャーの差別化要因とは?

新規に市場参入した新興ベンチャー企業の場合、一般論として、他の競合会社との差別化要因が、人材そのものというケースがほとんどだと思います。
最初から、資産やブランドがあるわけではありませんので。

そういう意味では、上記の通り、処遇条件のミスマッチで優秀な即戦力人材の獲得に苦しむ新興ベンチャー企業が多い中で、逆に戦略的にハイスペック人材の採用に適切なコストをかけられる会社ほど有利に事業展開できると言えると思います。

そうして、他社と差別化した優位性を人材面で確保できた会社ほど結果的に「規模の経済」なども活かすことができるため、アセットレベルはもちろんのこと、会社自体の淘汰やM&Aでの統廃合が進むのではないかとみています。

大手企業と新興ベンチャーのもろもろの違い

私自身もそうですが、現在、大手企業で勤務している人が、新興ベンチャー企業に転職する場合、会社規模が小さくなうことに伴う与信リスク(簡単に言うと倒産リスクですね)があるのはもちろんです。

それ以外にも、会社の置かれている事業ステージ、所属している社員の年齢層やバックグラウンド(例えば、新卒中心か中途採用が多いか等)、マーケティングなどの経営戦略(マスメディアでの広告戦略が中心か、口コミやいわゆる足で稼ぐ「どぶ板営業」が多いか等々)、様々なことが現在所属している大手企業とは違い、ある意味、対極にあると言えると思います。

一般論として、大手企業に所属している社員は、自分が担当している「事業」そのものよりも所属「企業」自体へのコミット度合いが高い(組織への忠誠心が高いということもできます)ことが多いと言えると思います。

所属している「企業」の倒産リスクが低く、安定していることに満足している大企業所属の社員にとって、ベンチャー企業への転職は上記のようにいろいろな事業環境や戦略の違いに起因する適応の難しさだけでなく、事業自体に対しての高いコミットを求められるので、難しい面があると思います。

要するに、大企業の場合、担当している事業が仮に競合他社との競争に敗れ、事業縮小、撤退となっても、社内異動で別の仕事を担当することになるだけです。

一方で、新興ベンチャーの場合、担当している事業に会社の命運そのものがかかっているケースが多く、大企業のような余裕はなく、一日一日が会社だけでなく、社員個人のレベルでも生存をかけた厳しい競争環境化での仕事ということになるわけです。

余談ですが、少し前に今の会社の上司に、

「担当している事業がうまくいったら、事業会社を設立するなどして、事業展開していくことになる。その場合、10年くらいのスパンで腰を据えて事業に取り組まないと専業でやっている事業パートナーや業界の関係者からは相手にされない。一方で、会社の人事ローテーションは3-5年なので、そもそも、時間軸が合わないのではないか?」

と質問したことがあります。

上司は、回答に窮していましたが、

「会社の人事異動があれば、個人的な希望は言うとしても、認められなければ、それに従うしかないので、今できることを全力でするしかない」

というコメントをしていました。

新卒でずっとやってきて、転職を考えたこともなさそうな上司でしたので、それ以上、突っ込むのはやめました。

ただ、目の前の仕事を社外の専業の方と一緒に全力で取り組んでいたら、自分の経験値がどんどん上がり、社内異動で交代と言われても、後任の人に簡単には引き継げなくなるのが普通だと思います。

そう考えると、大企業の立場で仕事をしていくなら、目の前の仕事に全力で取り組むというよりは、マニュアル的な形に落とし込みながら、情報共有し、いつ担当者が代わっても、対応できるようにしていくしかないのではないかと思います。

そうだとすると、目の前の仕事を全力で取り組むというよりは、一歩、引いて、深入りせずにほどよい距離感を保ちながら、仕事をするしかないのではないかと感じています。

そのことが個人のレベルで、成長、キャリアアップにつながらないと感じるなら、大企業での仕事をしていくのは限界があるということかと思います。

ベンチャーへの転職を考える場合のチェックポイント

そんな大企業とはいろいろな違いがある新興ベンチャー企業に転職しようと思った場合、リスクに見合う処遇条件を確保できなければ、リスクとリターンのバランスが取れないことになりますので、相場観も必要です。

私も、数社のベンチャーの経営者に気に入られて、転職のお誘いを受け、処遇条件の提示まで受けましたが、基本は現職と同額が上限という感じでした。上場前のベンチャーに参画して、上場時にストックオプションなどで、アーリーリタイアの可能性がある等なら、リスクを取る価値があるかもしれません。

そうでないなら、大企業の現職との比較で、処遇条件が、リスクが増えることの穴埋めをできないと感じて、辞退したことが、数回ありました。

私は40代なので、リスクにウエイトを置いて、ベンチャー企業への転職を評価しがちですが、20代、30代前半くらいまでなら、ベンチャー企業で経験できるスピード感や人脈や知見の広がりなどにウエイトを置いて、転職の決断をするのはありだと思います。

私自身は、大企業は既に戦後、普及していた終身雇用や年功序列を維持できなくなっていて、制度疲労を起こしていると考えています。

人材も大企業では抱えきれなくて、中小企業やベンチャー企業に流れていくトレンドが加速すると想像しています。

そして、その先には、ベンチャー企業が大企業よりも力を持ち、さらには、個人の立場で働くフリーランスの時代がすぐに来ると考えています。
そういう観点で、今後の複線的なキャリア構築がしやすい組織に身を置くというのも賢い選択かもしれません。

ベンチャーへの転職時のその他のチェック項目としては、コンプライアンス関連も要注意です。

大手企業にいると、法務部門などがしっかりしていて、コンプライアンスに目を光らせていますが、組織体制自体が脆弱な新興ベンチャー企業の場合、激しい競争環境化に置かれているがゆえに訴訟を抱えていたり、個々の従業員がコンプライアンス違反を日常的に犯しながら、業務を行っているリスクも念頭に置いておいた方がいいと思います。

あと、ありがちなのは、人脈の広いベンチャー企業の創業者が、危ない筋の人とお付き合いのあるケースです。通常の求人案件でも利用する求人票での会社概要などの内容チェックに加えて、転職を考えている該当企業が反社会的勢力に当たらないかも留意した方がいいと思います。

今は、インターネットを活用して、いろいろ情報も取れますので、少なくとも転職を考えている会社の風評に関して、インターネットで検索程度は行うべきです。

その場合、キーワードとして、会社名だけではなく、社内外の取締役・監査役や取引先などで、名前が分かる個人についても、合わせてチェックをすると何らかのトラブル情報などに当たることもあります。

数分のネット検索で、この手の致命的なリスクを回避できることもありますので、念頭に置いておくといいと思います。

確かにインターネットの情報は、出元が怪しいこともわりと多いですし、見つかった情報の全てが真実かは分かりませんが、「火のないところに煙は立たない」ということわざもあります。

どうしてもその会社に入社したいという積極的な理由がない限りは、そうしたネガティブな情報が見つかった会社には早々に見切りをつけた方がいいと思います。

あと、そうした会社を併記で紹介してくる転職エージェントとのつきあい方も、慎重にした方がいいかと思います。

いわゆるコンプライアンス的なリスクのある会社と分かっていて、その上で、転職候補先として紹介してくる”悪意”のケースは問題外です。もし、知らずに紹介していたとしても、インターネットでの検索くらいは数分でできるわけなので、情報収集能力、あとは1つ1つの紹介を真剣に対応しているのかにも疑問符が付きますので。

まとめ

今回は、ややネガティブなトーンになりましたが、大手企業から、新興ベンチャー企業への転職は、いろいろな条件が異なります。

取ることになるリスクと処遇条件のバランスなど、慎重に判断していくべきだと思います。あと、転職エージェント任せにせずに自分で直接、関連情報を収集していくべきだと思います。