自動車メーカー(生産技術)を辞めたい人へ=つらい職場を上手に辞める方法

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野村 龍一

野村 龍一

医療系転職コンサルタント企業で700名以上の医師転職支援に関わる。近年は医療以外にも様々な業種からの「私も会社を辞めたい」という転職相談が相次ぎ、転職成功者のインタビューを敢行中。2016年12月より一般転職に関する情報提供、人生相談を当サイトにて開始。

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目立たない生産技術の仕事は、休みも取れず、給与は上がらず、しかも責任重大でプレッシャーに押しつぶされる日々…

野村龍一
今回は某外資系自動車メーカーで生産技術に携わっていた田代信三さん(仮名)からの寄稿レポートです。
田代信三 さん
某自動車メーカーでプロジェクトマネージャーをしておりました、田代と申します。昨年、自動車部品関連サプライヤーに転職させていただきました。

私の前職は、自動車メーカーの生産技術部門のプロジェクトマネージャーでした。
10名弱の各工程のエンジニアを集めたプロジェクトチームを率い、新技術の量産適用プロジェクトや新商品計画のプロジェクトを担当してきました。

いずれも量産ラインを立ち上げることが最終目標であり、工法の開発、技術課題の解決、品質保証方法の確立、設備手配および設置、量産トライアル、生産立ち上げ等の数年にわたる長いプロジェクト業務を進めてきました。

メーカーの産みの苦しみを味わう仕事を請け負っていたわけです。

自動車製造業界ならではの、就業中の不満、大変さ、辛さと悩み

辞めたい理由と悩み:責任の重い生産技術PMはうつ病を発症しやすい職種である

自動車メーカーでは、生産技術というのは花形ではなく、縁の下の力持ちになります。

花形というと設計開発です。新卒者の配属希望を聞いても設計・開発というのはよく聞きますが、生産技術というのは全く聞こえてきません。

それほど地味なイメージの生産技術ですが、生産技術がいなければ、いくら良いものを開発しても商品化できませんので、自動さメーカーでは非常に重要な役割を担っています。

生産技術というのはほかの部署とは違い長期休暇中が最も忙しくなります
生産ラインが停止している長期休暇中にしか、ライン設置・改造工事ができないからです。入社以来26年半生産技術部署に在籍したため、長期休みがなくなることもしばしばでした。

それでも我々のモチベーションを支えていたのは、計画通りにラインを立ち上げて、良い商品を世の中に提供するんだという思いです。

私はプロジェクトマネージャーでしたので、自分の担当の工程はなく、チームメンバーそれぞれが行っている業務を総合的に見て、進捗が遅れている工程に人的資源を厚めに投入したり、課題解決が遅れている工程のために社内の知見者を集めて検討会を開いたり、経費が足りない場合には上位者と折衝して予算を確保したりと、三遊間を抜けそうなゴロを抑えることが仕事の一つになっていました。

プロジェクトマネージャーの立場というのはあまり得なポジションではありません。
プロジェクトがうまくいっているときには、その成果はチームメンバーのものとなり、逆にプロジェクトがうまく進んでいないときにはプロジェクトマネージャーの責任となります。

悪いことはあっても良いことはないというのがプロジェクトマネージャーです。
責任の重さとは裏腹に、モチベーションを落としかねない微妙なポジションなのです。

ですから、プロジェクトマネージャーになってメンタルを患った人を何人も見てきましたし、自分自身もうつを患ってしまいました。

プロジェクトマネージャーは課長補佐という職位の者が就くものなので、プロジェクトがうまく完了できれば課長への昇格の可能性が高くなります。

しかしながらこれまでエンジニアとしてやってきた人がいきなりマネジメントをやるわけですから、なかなかうまく仕事を回せないのが現状です。

人によっては仕事をすべてチームメンバーに丸投げして、自分は何もしないで結果を待つだけというような人もいました。

しかしこのような仕事のやり方はマネジメントではないと私は感じていましたので、かなり担当業務にまで入り込んでいきました。

その結果、深夜残業が非常に多くなり体力的な負担が高まっていきました。
課長補佐職は人事権を持たない課長と言われており、残業代は全くつきません。
深夜まで残業してもそれはサービスになるのです。
体力的にも精神的にも非常につらいポジションでした。

課長補佐職の年収はボーナス込みで約1,000万円でした。

プロジェクトマネージャーであろうとなかろうとこの年収は変わりません。
プロジェクトマネージャーの仕事の大変さを考えると、非常に不公平を感じます。
かたや毎日定時で終業し、かたや深夜までサービス残業。

それでもらえる給料は同じなのですから割に合いません。

しかも私の場合、担当したプロジェクトがうまく立ち上がったにもかかわらず、課長への昇進が見送られました。その時の私の人事評価は課長補佐職の上限を超えていたので、査定的には課長に昇格してもいい立場にいたにもかかわらずです。

昇進できなかった理由は、年齢です。

部門の内規で課長昇格は満46歳までと定められていて、その時私はちょうど46歳だったのです。成果主義、男女平等、ダイバーシティーの尊重を謳っている外資の大会社なのに、年齢が昇進の足かせになるというのは納得できませんでした

そしてその後元部下が自分の上司になることでストレスは最高潮に達しました。

いずれにしてもプロジェクトマネージャーというのはそんな立場であると思います。責任ばかりが重く、おいしいところは何もない。少なくとも私の在籍した会社では…

では、自動車メーカーに勤めるあなたはどうすればよいのでしょうか?
この先もつらい現実に耐えながら生きていかなけばならないのでしょうか?
いいえ、自動車メーカー勤務の方の人生を変える解法」はきちんと存在していますので、それを今からご説明いたします。

あなたの「会社を辞めたくなる悩み」への対応策

転職して環境を変えることが一番の解決法だった

プロジェクトマネージャーという微妙なポジションでストレスを抱えていたのは私だけでなく周囲の人もそうでした。

そういった悩みを皆で打ち明けて、仲間がいるということを実感することで、ストレスを抑止するということにも取り組みました。

しかしそれだけではなかなかストレスを発散することができません。
課長に昇格してそのポジションから離れることだけが唯一の解決方法なのです。

課長は課長でほかのストレスを抱えることがあるのでしょうが、プロジェクトマネージャーとしての精神的な疲労疲弊からはいったん解放されるのです。

ただ、課長に昇格した人の中でもメンタルを患ったままで、休みがちになる人も多く見かけました。

きっと課長の立場では別のストレスがあったのか、あるいは同じストレスがかかり続けたのか…本当のところはわかりません。

逆にストレスに潰されなかった人を見てみると、休日にマインドを切り替えられる趣味や楽しみを持っている人でした。
それも相当のめり込んだ…きっと仕事以外のことに打ち込むことでストレスを忘れる時間が作れるのでしょう。これ以外にストレスから逃れる方法は見つかりませんでした。

プロジェクトというといつもうまくいくわけではありません。
というよりも必ず課題がありトラブルが発生するものなのです。

それがお客様に影響するかしないかで重大さが変わってきます。

立ち上げ間際まで課題を抱え続けていると、品質の問題や供給の問題で後工程やお客様に多大な迷惑をかけてしまいます。

またそうしないためにかかる工数というのも莫大なものになります。ですから、立ち上がり間際に問題が発生しないよう、プロジェクト開始時点で課題バラシをして、立ち上げまでに解決すべき課題を明確にし、いつまでにどうやって潰しこんでいくか計画を立て、ウィークリーで進捗を追いかけるようにして、計画段階に工数をつぎ込むのです。

しかもここで費やす工数は自分だけです。
プロジェクトでうまく立ち回るには計画段階でいかに自分の工数を使い、いかに綿密な計画を立てるかにかかっているのです。

3つ目の不満については生産技術部門を離れるしか方法はありませんでした。
ある人はオープンエントリーで購買部門に異動しました。
私の場合は転職が解でした。

社内移動の場合、キャリアアップは望めませんので、ストレスから完全に逃れることはできません。

一方私のように転職する場合には、キャリアアップの道がありますので、転職というのがベストな答えなのかもしれません

他業種や他社への転職…不安はよくわかります。

しかし、まく自動車メーカーの生産技術勤務を抜け出して、人生の立て直しに成功した人の多くは、現在の職場以外への転職の道を選択した人々なのです
この件について、以下でより詳しく説明いたします。

自動車メーカー(生産技術)の辞め方とタイミング

過大なストレスから逃げる術は転職しかないとお伝えしましたが、転職を考えている場合気を付けなければならないことがいくつかあります。

転職活動というのは面接の繰り返しです。平日の昼間、先方の勤務時間内に行われることになりますから、有休を使ったりフレックスを使ったりということになります。

1社で2回は面接がありますので、5社受ければ10回の面接になります。
つまり、それだけの有休を残しておかなければなりません。

そして、次に気を付けたいのが会社にばれないようにするということです。
転職のために有休を使うということに上司はいい顔をしないばかりか、有休取得を承諾してもらえないことさえあり得ます。

また、純粋に人員が減るわけですから、引き留めにかかるでしょう。
転職活動が非常にやりにくくなりますので、絶対に会社に悟られないように、こっそりと転職活動をしましょう。

また、短期間で転職先を決めるというつもりで転職活動をするのはやめましょう。

私の場合転職活動を始めてから実際に転職するまで5年かかりました。賃金面や待遇面で自分の希望に合致する企業と巡り合うまで、何度でも面接を受けては辞退し、時には採用を見送られということを続けてきました。

実際にお世話になった企業は1次面接から内定まで10日とあっという間に決まりました。
縁があるところとはすんなりと決まるものです。
5年間待ち続けてきた甲斐がありました。
慌てずにじっくりと腰を据えて転職活動をすることをおすすめします。

次に退職のタイミングですが、退職を会社側に伝えるのは、転職先での内定が出てからにしましょう

面接がうまく進んでいたとしても最終的な判断は企業側で行われますので、内定をもらえない場合ということもあります。

転職先が決まっていないのに退職しなければならない事態に陥らないように、内定が出てから退職届を出すようにしてください。

そして、退職届を提出してからは、社内規定で定められている最短の日程にしましょう。

労働基準法上は2週間ということになりますが、企業によっては30日とか2ヶ月としているようなところもありますので、人事規定をしっかりと確認しておきましょう。

なぜ最短での退職がいいのかというと、新しい仕事を任される可能性が低いからです。
場合によっては仕掛中の仕事もほかの担当に引き渡すことになります。
退職までの残された時間は主に申し送りに費やせるのです。

その会社に在籍していること自体がストレスになっているわけですから、できるだけ早く退職したいと思うのは自然なことです。
引き留めにあっても産業医などをうまく使い、精神的な負担が理由であることをしっかりと告げるのがいいと思います。

ただし、自分の中では半年くらい前から退職の準備は進めておいてください。
退職に必要な手続きを確認するとか、人事規定を確認するとかやるべきことは結構あります。

また自分が抱えている仕事の棚卸を始めるのもいいでしょう。時間をかけて用意周到に退職することが、スムーズな退職につながります。

退職後に仕事のことで連絡を受けることほど嫌なことはないでしょう。確実に準備しておき、確実に引き継いでください。

自動車メーカー(生産技術)の勤務経験が優遇される、より就労条件のよい「おすすめ転職先」の例

1.他の自動車メーカーで生産技術PM職に転職する

では自動車メーカーの生産技術のプロジェクトリーダー経験者というのはつぶしが効きます。特に製造業に限定する必要はなく、プロジェクトチームをマネジメントする仕事であればどんな会社でも通用するはずです。

ただ、自分の技術的な知識や経験を生かしていきたいのであれば、やはり製造業ということになるでしょう。

もし可能であれば、同業他社というのが一番いいでしょう。
これまでの知識や経験が余すことなく使えます。

そして、現在よりも一段高い職位というのがベストです。
現職での知識経験を活かしつつ、業務全体を俯瞰して見られるようになりますので、心の余裕ができ、それまで気づけなかったことに気づき、成長できるチャンスがあるからです。

職位が人材を育てるということもありますので、キャリアアップを狙って同業他社に応募してみましょう。

比較的門戸が広いのはスズキです。
次がマツダになります。
一方最も狭き門になるのがトヨタです。

この点に注意していただければ内定がもらえる可能性が高まります。

2.設備サプライヤー(設備メーカー)に転職する

次におすすめできるのが、設備サプライヤーです。
これまではユーザー側の立場にいたわけですから、最も顧客のニーズがわかるというのがその理由です。

設備サプライヤーは自分たちだけの価値観で動いている場合があります。
ユーザーのニーズは二の次になっている場合もあります。

そういった状況を改革できるのはユーザー側にいた者です。
ですから設備サプライヤーからは重宝がられます。

そしてもう一つの利点は、自動車メーカーの設備準備に関する日程感が体に染みついているということです。

ですから、引き合いに出された時点で、前倒しで情報を取得できる可能性が高く、結果質の高い設備を計画通りに納入できるようになるのです。

これらの理由が設備メーカーをおすすめする理由です。
実際に私は車体溶接設備のメーカーに転職し、技術部長という職に就いています。

3.自動車関連部品メーカーに転職する

そのほかにおすすめできるのが、Tier1やTier2といった関連部品メーカーです。

悪く言えば天下りということになるのですが、自動車全体のことを知っている自動車メーカーの人材というのは下請けにとっては貴重なのです。
なぜなら下請けは自分たちが作る部品しか知らないのですから。

そして、自動車メーカーよりも賃金が安いのが通常です。
自動車メーカーからコストダウンを強く要求されているので、人件費も抑えざるを得ないのです。ですから転職の際は、現職よりも高い職位に就ける可能性が高いのです。

賃金自体は現職とあまり変わらないかもしれませんが、キャリアアップできる可能性が高いのでおすすめできます。

更なる転職で更なるキャリアアップを目指したいのであれば、一時的な腰掛かもしれませんが、箔がつけられるわけですからキャリアアップを第一に考えられるのであれば向いている転職先です。

また、下請けというのは優秀な人材が不足しているという点でも、採用につながりやすく転職先には向いています。

優秀な人材というのは自動車メーカーが大量最小してしまうため、下請け会社は優秀な人材の獲得が難しく、場合によっては必要な頭数さえも確保できないという状況にあります。

ですから自動車メーカーからこのような会社に行くことで、ありがたがられることもしばしばです。ましてや即戦力なわけですから、下請けとしては放っておくことはないのです。

3.商社マンに転職する

このほかにもおすすめできる転職先はいくつもありますが、最後にもう一つだけ紹介しておきましょう。

商社というのもおすすめの業種の一つです。

プロジェクトマネージャー経験者は、たとえ技術的な案件でなくとも、どんな案件でもプロジェクトをコントロールすることができます。

大手商社などでは、全社を挙げたプロジェクトを抱えている場合があります。
それが石油プラントの建設であったり、都市計画であったりと、様々でしょうが、実際に専門的な仕事をするのは担当者で、プロジェクトマネージャーがやることは何ら変わりがないのですから、すぐになじめるのではないでしょうか?しかも商社は賃金水準が非常に高いので、職位が上がらなかったとしても収入的には恵まれたものになるでしょう。

商社が抱えるプロジェクトというのは自動車メーカーのプロジェクトよりもはるかに規模の大きいものが多いので、現職よりも大きなものに取り組めるという点では、モチベーションも上がると思います。

人生の選択肢は常にあなた自身が持っている

自動車メーカー勤務のあなたの人生を変えるために、まず一番注目すべきことは「今の会社以外にも職場は沢山あることを知る」ということです。
案外、外部と交流がない自動車業界人は井の中の蛙になることが多いです。
自分の会社以外のことを全く知らないというケースも非常に多いようで、勇気を出して一歩外に踏み出せば大きな海が広がっているということを、改めて考えてみてはどうでしょうか。

兎に角、どうしても今の悩みが解決できなければ「別に辞めればいい」「辞めたっていいんだ」「自分は自由に人生を選択できるんだ」と割り切ること。

周囲からの目を気にしたり、あなたの人生と無関係な上司のメンツを立てて、自分の人生を後回しにしてします思考こそが「今の職場を辞められなくなってしまう」ことの最大原因であり、悩みをより深くして人生を間違えてしまう事につながります。

転職コーディネーターに無料相談することから始める

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