
越川正志

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突然ですが、皆さんは、SPI試験や性格テストを受けたことありますか?
私は、現在、40代前半ですが、振り返ると、新卒での就職活動時、ようやくSPI試験が普及し始めた頃で、結局、同試験を受験する機会がないまま、就職活動を終えて、前職に入社しました。
40代以上の方では、私のようにSPI試験未経験の方が、それなりに多いのではないかと推測しますが、いかがでしょうか?
新卒の採用活動とは違い、中途採用の場合、必ずしも、これらのテストが、選考プロセスに組み込まれているわけではないのが実情ですが、私の経験上、SPI試験は、4-5社に1社くらい、性格テスト(SPI試験とは別のもの)は5-6社に1社くらいの割合で中途採用試験でも実施していました。
SPI試験は、一次選考の後のタイミングで、自宅(自宅のPCで受験できず、昼休みに会社の会議室で受験したこともありましたが)で受験させられるケースがすべてです(いわゆるテストセンターでの受験はしていません)。
一方、性格テストは内定が出る直前の最終確認という位置づけで、選考プロセスを受けている会社に出向き、先方の会議室等で受けました。
人事担当者が最初は立ち合い、途中は抜けて、終了時間少し前に戻ってきて、確認の上、提出という感じでした。
いい年になって、この手の試験を受けるのは、ある意味、しんどいのが本音ですが(笑)、今回は、そんなSPI試験と性格テストに関しての対策など、ご参考まで、整理してみたいと思います。
記事の目次
中途採用のSPI試験構成について
SPI試験は、全体で60分強の制限時間の中で、下記のような流れで、言語、非言語検査性格テストという順番に試験を受けるケースがほとんどです。
SPI試験受験にあたり、書店で派手な表紙のいわゆる対策本を1冊買って通して読んだのですが、どうやら最初の画面を見れば微妙に試験ごとに表示内容が違い、試験のタイプが分かるようです。
私はそこまでマニアックにSPI試験対策を追及しようとは思いませんので、詳細は分かりませんが、少なくとも5回ほど受けたSPI試験は毎回この流れでした。
<中途採用におけるSPI試験の構成>
- 情報入力(事前に通知される受験番号等を入力)
- 基礎能力検査(約35分)
- 言語検査
- 非言語検査
- 性格適性検査(約30分)
- 第1部
- 第2部
- 第3部
中途採用のSPI試験内容(言語分野)
SPI試験を実際に受験してみて分かったのは、SPIの対策本とは、共通の部分はそれなりにはあるものの、出題傾向に偏りがあり、出題される内容もわりと違いがあるということでした。
例えば、言語の問題では毎回出題されていたのは下記の3パターンの問題でした。
- 二文字から構成される熟語の構成内容に関しての問題(2つの漢字の意味が、逆の意味の組み合わせか、似たような意味のものか、主語と述語の関係か等の四択から回答を選択する形式)
- ばらばらになっている文章を並び替えて、全体として意味の通る文章にする問題
- 断片で切り取られたある文章が、4-5個の文章から構成されている塊の文章のどこに入るかを選ぶ問題
SPIの対策本では、反対の意味の二字熟語を選択させたり、長文読解問題(文意に合う選択肢を選ぶ問題等)が頻出問題として掲載されていましたが、この両者の問題形式にはほとんどお目にかかりませんでした。
上記の1~3のタイプの問題はコツをつかんでおけば、あまり時間をかけずにさくさく解けるものがほとんどでした。
中東採用のSPI試験内容(非言語分野)
非言語の問題は、簡単に言うと、小学校、中学校くらいの算数、数学の問題です。
よく出題されていたのは、割合の問題、表の数値を使って行う計算に関して正しい記述を選択する問題、確率の問題、速度(時間)計算の問題、論理(例えば、Cという結論を導くのは、AとBという条件のうち、1.Aだけでいいか、2.Bだけでいいか、3.AとBの両方が必要か、④AとBの両方があっても不足かの四択の中から選ぶ問題)などの問題でした。
SPIの対策本に非言語の分野の頻出問題として、出ているベン図(よくあるのが、野球が好きな人が〇人、サッカーが好きな人が〇人、両方とも好きな人が〇人の時に両方とも嫌いな人は何人かというような問題)を使う問題は、実際の試験ではお目にかかったことがありませんでした。
確率の問題も、昔に学校で習ったCやPの公式を使った方がいい問題はほとんど出ず、頭を整理して場合分けし、地道に数えた方が早い問題がほとんどでした。
非言語の問題と違い、日常生活や普段の仕事でXを使って計算することなどはあまりないので、解放をぱっと思いつかずに制限時間オーバーで解けない問題が、毎回1,2問はありました。
そういう時に次の問題にすぐ切り替えていくのも、ある意味、慣れが必要だと感じました。
中途採用のSPI試験 留意事項(制限時間と序盤問題の正解率)
この制限時間に関して注意すべきことは、全体の時間制限に加えて一問あたりの制限時間が個別にあることです。
ただし紙ベースの試験とは違い、PC試験でははじめの方の問題の正答率で、受験者のおおよそのレベルを識別してその後の問題が出題されます。
つまり、最初の方の問題を正解できないとレベルが低いと判定され、その後に簡単な問題ばかり出題されて、いくら正解しても最終スコアがあまりよくならないパターンに陥ります。
このパターンの試験はMBA留学で苦労したGMAT試験でも同じで、精神的なダメージを受けやすい試験と言えます。
対策としては、最初の5問くらいにとにかくまず神経を集中させることで、全問正解を狙っていくことが肝要だと思います。
中途採用のSPI試験内容(性格テスト)
性格検査も昔に学校で受けたものとほとんど同じですが、各選択肢に関しての両極端の記述(例えば、怒りっぽいというものと、我慢強いというもの)に対して、4段階で自分の性格や行動パターンがどちら寄りかを回答する形式です。
問題なのは、短時間で100問以上の問いに対して連続して回答していく必要があることで、自分自身の回答が首尾一貫しているだろうかとか、回答内容に齟齬がないかなど考えながら、回答していくとこの問題数には疲れます。
率直に言うと、人間はその時その時の状況や環境でも言動が変わりますし、自分で考えている自分像と周りから見えている自分の姿は違うことが往々にしてあると思います。
そう考えると、こういう紋切り型の検査形式で、しかも受験者自らが回答する形でどこまで性格を正しく評価できるのか、はなはだ疑問ではありました。
限られた時間の中で同じような質問に対して、前の方で回答したのと正反対の回答をしていたりすると回答内容を疑問視されますし、回答している自分自身でも、個々の回答の内容があまりにも矛盾しているとおかしいと感じ始めて迷い始めるものです。
これは私が考えた1つの対策ですが、試験受験前に自分のおおよその人物像を描いておくといいと思います。
例えば、
- 慎重でまずは頭で考えてから動くタイプ or 直感を重視して、考えるよりも行動するタイプ
- 忍耐力があり、粘り強いタイプ or 好奇心旺盛で、あきらめが早いタイプ
など、おおよその人物像の軸を決めて、それに基づいて回答していくと、必要以上に悩まなくていいと思います。
性格は一長一短で表裏とも言え、例えば、あきらめが早いといういい方をするとネガティブに聞こえますが、好奇心旺盛で、決断が早いといい方にするとポジティブに聞こえます。
質問の聞き方によって、ポジティブなニュアンスの選択肢を選びたくなるのですが、そういう回答の仕方をしていると軸がぶれて分析結果がよくないものになるリスクがありますので気を付けましょう。
性格テストの留意点とは?
要するに性格は裏表(長所が短所で、短所が長所)でもあり、八方美人な回答を続けることはできないのですが、SPIの性格検査の中で常に高めておいた方がいい「指標」がいくつかあります。
例えば、以下の指標は高めておくことが望ましいと言われているので、自分の人物像を思い描く時に意識して、頭に刷り込んでおくといいと思います。
- 持続性…あきらめが悪い / 我慢強く、忍耐力に自信がある
- 達成意欲…目標は高い方がいい / 競争する以上は、他人には負けたくない
- 活動意欲…用事は早め早めに済ます / テキパキしているとよく言われる
あとこれは聞かれたことがあるかもしれませんが、SPIの性格検査(SPIに限らず、この手の性格テストの類のテストではあるのだと思いますが)には、回答者が嘘をついているか見抜くための「ライスケール」というものがあります。
このライスケールとは、回答者が「実態以上に良く見られようとしていないか」「回答にあたり、嘘をついていないか」を判断する質問になります。
ライスケールの質問に引っかかると嘘をついていると判断され、回答内容全体が疑わしく見られますので特に注意してください。
と言っても格別に難しい話ではなく、典型的なライスケールの質問事例としては、
「これまでの人生で一度も嘘をついたことがない」
「生まれて以来、一度もイライラしたことがない」
などを挙げることができます。
要するに「人生において一度もない」等のいい方で、現実的にはあり得ないほど、強く否定するいい方をしているものは典型的なライスケールの質問ですので、落ち着いて「いいえ」を選ぶようにしましょう。
4つの選択肢のどちらよりかに迷った場合ですが、「優柔不断な性格だと思われるのでは?」と不安になるかもしれませんが、「どちらかといえば」で答えればいいようです。
要するに、正直に答えればいいと思います。
SPI試験に詳しい人に聞くと、全体の中で「どちらかといえば」というどっちつかずの中間的な回答が多いと、応募者の特徴が割り出しづらくなり(印象が薄くなる)、その結果、面接での質問数が増え、本領発揮できないまま時間切れとなることもあり得るとのことでした。
「どちらかといえば」という回答を選ぶこと自体は問題ないが、可能であれば、なるべく「A or B」「あてはまるorあてはまらない」を選んだ方がいいとのアドバイスでした。
私の場合、実際のSPI試験の性格テストで、ほとんどの質問で回答を4つの選択肢の両端ではなく真ん中の2つを選択しましたが、そのことで、次の面接に呼ばれないことはなかったので、大勢に影響はなかったようです。
むしろ、面接での雰囲気や回答内容とSPI試験性格テストの結果があまり、かい離しないようには意識した方がいいと思います。
例えば、面接の場で思慮深く、落ち着いた雰囲気だったのに、性格テストの結果が明るくて、社交的という結果だと、面接官はギャップを感じ、どちらが正しい人物像なのだろうと悩むかもしれませんね。
そのほかの留意事項
自宅でSPI試験を受験する場合、普段から会社で使用している使い慣れた電卓を持ち帰ることを忘れがちですので留意ください。
あと非言語分野の問題の計算用にA3の無地のメモ用紙を数枚用意しておくといいと思います。
自宅で受験する場合、試験前にメモ用紙にベン図や空欄の表を先に書き、確率のPやCの公式などもメモ書きしていました。
結局、前述の通りこれらの分野の問題はほとんど出題されず、お守り程度の気休めでしたが(笑)。
ただ、受験後にメモ用紙に残っている自分の走り書きの計算などを見ると、どんな問題だったかある程度再現できるので、記憶がフレッシュなうちに可能な範囲で問題を再現して、メモ書きしておき、次の受験の前に見直しました。
これは同じような問題がよく出るので、かなり役に立ちました。
意外と落とし穴になりがちなのは、SPI試験がWindows 10では受験できないケースが非常に多いことです。
私の場合、自宅のPCで受験しようとしたら、OSをWindows10にしていたので受験ができませんでした。
こで早めに出社して会社のPCで受験しようとしたところ、SPI試験のシステムが、平日の早朝8時までがサーバーのメンテナンス時間になっていることが多くてやはり受験できずにとても焦りました。
結局、昼休みに会社の会議室にこもって、鍵をかけて、お昼ご飯も食べずに受験しました。
SPI試験運用会社には、メンテナンスの運用を含め、本当に何とかしてもらいたいものです…。
まとめ
SPI試験を初めて受験する人は、心の準備という意味でも定番のSPI本を1冊目を通したうえで、落ち着いて受験できる環境を確保(私のように会社の昼休みに会議室に籠って受験するのは、落ち着かないので、お勧めできません。)しましょう。
事前準備をきちんとした上で、臨めば、少なくとも、8割程度の正解率は確保でき、選考の障害にはならないと思います。