商品先物取引会社営業マンを辞めたい人へ=つらい職場を上手に辞める方法

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野村 龍一

野村 龍一

医療系転職コンサルタント企業で700名以上の医師転職支援に関わる。近年は医療以外にも様々な業種からの「私も会社を辞めたい」という転職相談が相次ぎ、転職成功者のインタビューを敢行中。2016年12月より一般転職に関する情報提供、人生相談を当サイトにて開始。




記事の目次

死ね!殺すぞ!等罵声をあびながら、続けた商品先物取引営業の6年間

野村龍一
今回は商品先物取引会社で営業マンをしていた土肥洋平さん(仮名)からの寄稿レポートです。
土肥洋平 さん
薄々と多くの方が気付いているように、商品先物営業マンは現代日本とは思えない程、前近代的で苛烈な労働環境です。そこには労働基準法など存在していないが如く、当時の私と同じように苦しんでいる営業マンが、今もたくさんいるのです。

商品先物取引営業という仕事をご存知でしょうか?簡単に申し上げると、証券投資は会社の株の上げ下げを予想して利益を得る投資で、商品先物取引は、金やガソリン・灯油といった物の値段の上げ下げを予想して利益を得る投資です。

職種では、金融業にあたるため、「すごいなー」「金融知識豊富なんだねー」なんて言われる事もありますが、新人営業マンにとっては、特にほぼその知識はいらないです。

商品先物取引営業は、とても営業優秀かそうでなければ精神的に強くなければやっていけない仕事です。

新卒者で1か月もたたないうちに、うつ病で病院の診断書もらい退職するという方々もいます。

ミナミの帝王という漫画で商品先物取引の回がありますが、漫画といえども、とても的確に実際にある事ばかりの作品でした。
契約とれれば、高収入ですが、恨まれたり、夜も相場が気になって眠れない等など、過酷な職業です。

商品先物取引業界ならではの、就業中の不満、大変さ、辛さと悩み

辞めたい理由と悩み1:契約取れなければ会社に寝泊まりが当然

営業の仕事は契約取れれば天国、契約取れなければ地獄ですが、その最たるものが商品先物取引の営業と言えます。

私が新入社員として勤め始めた1か月目に運よく契約に繋がりました。すると、他の社員は仕事している中、夕方5時に帰宅でき、給料も初任給で手取り30万円を超える好待遇でした。

地獄は2か月目から始まりました。契約がとれず、商談約束すら取れなくなると、夜中まで電話し続けます。個人投資家の新規顧客を探すため、夜中はタウンページを広げ、コンビニや飲食店、ホテルのオーナー相手に営業電話しました。

そして、夜中の電話営業で、訪問約束をとる時に商品先物取引というのを曖昧にして、投資という事だけ伝え商談約束取れた所で訪問すると、先物取引とわかった時点で水と塩をまかれる始末です。商品先物取引経験者はほぼ損しているので、恨んでいる人が多いです。

もちろん契約が取れなかったら会社に戻ってから、また営業電話します。夜中3時くらいから6時くらいまで会社で仮眠をとり、新聞読み、その日の営業材料探しするのです。このように、商品先物取引は、契約の有無で営業マンへの扱いが極端に変わる仕事なのです。

辞めたい理由と悩み2:殴られる蹴られるは当たり前の前近代的で異常な世界

商品先物取引は、基本5人くらい一組の課で営業活動します。その課で最低限のノルマから目標達成金額等あります。

その最低限のノルマが月末で達成出来ていないと、課長は部長からボロクソに言われます。すると、それを下の社員に対して「お前らが仕事しないからだ!」と殴る蹴るされました。ストレス発散やなにくそ!と思い奮起しているのを期待しての事のようですが、精神的にも身体的にもボロボロになります。

金融業界の極道的存在が商品先物取引と言えます。

辞めたい理由と悩み3:お客さんに恨まれる商品先物取引営業の仕組み

商品先物取引は、基本、お客様全員が損するように営業マンが誘導する投資でした。
その仕組みを簡単に説明させて頂きます。

株式投資や為替取引同様、商品先物取引も上がれば利益、下がれば損益と手数料を抜けば5割の勝率であると皆さま思われるのではないでしょうか?

商品先物取引は手数料だけ考えても勝率3割程になるのですが、更にお客さんが損するように営業マンが誘導する仕組みになっています。

これを理解するには、まず「売り」という取引の説明が必要です。

「買い」はわかりやすいですよね。例えば今約500万円/kgの金が1年後に有事の金として需要がのび600万円/kgになる予想をします。値段が上がると困るのは、例えば宝飾業で500万円/kgで金を買う権利を買っておく事で100万円の利益がでます。

これに対して「売り」は例えば1年後に仮想通貨の需要が強まり金需要が減って1年後に400万円/kgに下がる予想をします。値段が下がって困るのは、例えば金の鉱山会社で現在500万円/kgで1年後の金を売る約束する権利を買う事が出来るので、400万円/kgに下がったら100万円の利益になります。

このように、商品先物取引においては、「買う」の他に「売る」という権利を買う証拠金取引があるのです。

ちなみに、私が勤めていた時は、金1kg200万程を1年間6万円で売り買いできる権利を持てる証拠金取引でした。

これを踏まえて、お客さんが損する仕組みを説明します。お客さんが仮に商品先物取引で金証拠金を500万円/kg買い注文出すと、同時に商品先物取引会社が同額を売り注文出します。

つまり、金が上がればお客さんが利益、会社が損益。金が下がればお客さんが損益、会社が利益になります。ですから、会社はお客さんが儲かると損するので、損するように誘導します。

具体的にどうするか?金が上がったら、一度利益を確定してお客さんを喜ばせます。その上で、高くなった値段で利益分も含めて買うように提案します。これを繰り返す事でいずれ値段が下がるので、会社は手数料収益と自分の売り注文の利益両方で収益を上げます。

ここも少し専門的な話しになりますが、「追証」という仕組みがあり、損が投資金の半分より1円でも上回る事が確定した時に、その値段を維持するには追加のお金を出さないといけないルールがあるのです。金だと、当時30円/gで丁度±5割の損益になるので、31円/gさがれば、追証払うか決済するかになるのです。

このような仕組みのためお客さんが損する誘導をし、営業マンの提案に一切耳を貸さなく儲けて取引を終えたお客さんの事に対して「利食われた」と言っていました。

辞めたい理由と悩み4:正座や受話器と手をぐるぐる巻きにする等の根性論と精神論の営業強要

前項目で説明させて頂きましたように、お客さんが基本損する取引を勧める仕事ですから、モチベーションが上がりません。

その中で、営業マンを奮起させるために、あらゆる手段で上司は追い込んできます。
訪問約束取れるまで、正座しながら、受話器と手をガムテープでぐるぐる巻きにして営業電話を続けるのです。

時には頭までガムテープで巻かれて電話をし続ける事になるのです。

辞めたい理由と悩み5:後輩社員のために自腹で先物取引購入

過酷な条件の中で、主任という役職を頂いてからの話です。チームでやっているため後輩が契約取れないと、もちろん自分の責任にもなります。

それで、ある月大きな歩合を頂いた僕に対して上司がまだ一件も契約取れてない後輩のために、僕のお金で商品先物取引するように提案されました。

お客さんに損させている申し訳なさと、よくお客さんから「お前がやれ!殺すぞ!」等言われていた経験から、一度どんな気持ちになるか提案を受け入れました。

20代そこそこで、1か月もしないうちに投資金60万円がなくなる結果でしたが、自分の中では禊のようでした。

では、商品先元取引会社に勤めるあなたはどうすればよいのでしょうか?
この先もつらい現実に耐えながら生きていかなけばならないのでしょうか?
いいえ、商品先物取引営業マンの人生を変える解法」はきちんと存在していますので、それを今からご説明いたします。

あなたの「会社を辞めたくなる悩み」への対応策

1.営業でなく事務職へと避難する

商品先物取引でもノルマに日々追われる営業と違い、事務職は、ノルマが基本的になくストレスが少なくなります。

長年の経験や資料作り等事務的な技能を磨く事で、営業をサポートする事ができますし、厳しいノルマに追われる事もなくなります。

2.徹底した営業力をつけて、月初めには必ず契約を取る

厳しい職場にするのは自分の腕にかかっています。営業力をつけ、月初めに契約取る事で、収入も増え時間の余裕できます。

更には一人で課の達成収益を上げた時には上司の機嫌が良いだけでなく、美味しいご飯や遊びに連れて行ってくれたり、楽しい日々を過ごす事ができます。

3.収入を散財しストレス解消

商品先物取引の営業は過酷なもので、ストレス発散するため、お金をあらゆるものに使う営業マンが多かったです。

パチンコや競馬等の博打や女性にお金使う、ブランド物を買い満足していました。

4.商品先物取引営業の仕事をスッパリと辞めて転職する

特に初めて就職した先が商品先物取引の営業の場合、他の仕事が天国のように感じます。
ならば迷う必要もありません、スッパリと商品先物業界からは足を洗う事こそが、最も効果的な人生解決方法となるでしょう。

仕事自体が遊びのように感じて、収入が減る事はあるものの、時間の余裕もあり自分の趣味の時間も増え、結果として、大きな金額を必要とする趣味がない人であれば、転職するとバラ色の人生です。

商品先物取引では、十二分に耐久力を身に着けています。すべての仕事が商品先物取引営業のように辛いものでない事に改めて気づく事もできます。

金融知識を増やし、きちんとした電話対応ができるとサポートセンターという道もあります。
お客さん自ら商品先物取引に興味を持ち、電話対応する仕事です。

電話対応しながら、世間話しする事で、お客さんが自ら取引してくれて、手数料を落としてくれるのです。

また、どうしても経済的事情ですぐに辞めることができないのならば「◎◎◎万円を必ず最低限でも稼ぐ」等と明確な目標を持ち、辞める期限を決めることが重要です。

ゴールが見えない頑張りは、うつ病にもなりかねません。日々辛い仕事も、何の為にという明確な目標を持つ事で頑張れます。
 お金を稼ぐ明確な目標を立てます。自分の他のやりたい夢や趣味のために頑張り、明確な期限もたてます。

その期限と目標金額が明確化していると、頑張れるものです。
お金の入り口を考えるのではなく、お金の出口を考えるとモチベーションが上がります。

他業種や他社への転職…不安はよくわかります。

しかし、まく商品先物取引会社の勤務を抜け出して、人生の立て直しに成功した人の多くは、現在の職場以外への転職の道を選択した人々なのです
この件について、以下でより詳しく説明いたします。

商品先物取引営業マンの辞め方とタイミング

辞め方とタイミング1:事務職の方に差し入れしておき円満退社

退職の際には、事務職の方々に大変お世話になりました。日ごろの人間関係はもちろんの事退職前に差し入れ等感謝の気持ちを伝えるととてもスムーズに退職できます。

事務職の方に協力が得られないと、退職後に何度も会社に足を運ぶ事になったりした社員もいました。

良好な関係を築いておくと、面倒な書類関係等最低限の事だけで済むようにしてくれます。
ですから、陰で支えてくれていた事務職の方との良好な関係を築いておく事で、無駄な時間を取られる事なく転職支援に繋がるのです。

辞め方とタイミング2:会社内での人間関係は維持しておく

退職すれば、そこで人間関係は終わりという方も多いでしょう。ただ、僕は人間関係を維持する事をお勧めします。

商品先物取引の仕事を辞めて10年近く経ちますが、今でも繋がりのある方がいます。すると、新しい仕事に関してのアドバイスを頂くこともあります。
商品先物取引の営業を続けている人の方が少ないわけで、ほとんどの人が転職しています。ですから、様々な仕事の生の話しを聞く事ができるのです。

そして、同僚の結婚式や久しぶりにあって飲んだりすると、商品先物取引時代の辛い思いでが楽しい会話に繋がるわけです。

辞め方とタイミング3:契約に繋がりそうな、新規見込み客を上司に繋げておく

商品先物取引の営業を退職するとなると、成績を上げている社員は引き止められますし、成績悪いと上司の教育が悪いと、更に上の上司から叱られるため、なかなか円満に退社するのは難しいです。

ただ、退職前に、直属の上司に契約に繋がりそうな見込み客を渡し、誠心誠意辞めたい旨を伝える事で、上司が折れてくれる事があります。
上司は退職まで、楽しく仕事させてくれますし、退職後お礼の連絡が来ることもあり、あと味が良くなります。

辞め方とタイミング4:契約したお客さんの個人情報を削除する

商品先物取引の営業は基本会社においての電話のやりとりだけでなく、個人的な携帯電話のやりとりを行います。

ある程度経験のある営業マンであれば、相場のアドバイスを求められたり、夜中の電話、損失に対しての苦情等来ることもあります。

たとえ、引継ぎをしっかりしていたとしても、長い付き合いがある方は電話してくる事もあるのです。

ですから、しっかりと、個人情報の事もあり、削除するのは、もちろんの事、長い付き合いのあるお客さんにきちんと事情を伝えた上でブロックさせて頂く事をお勧めします。
そうしなければ、その後の取引で損した事に対する苦情電話が続く事もあるのです。

商品先物取引会社営業マンの勤務経験が優遇される、より就労条件のよい「おすすめ転職先」の例

1.対面販売業種(カーディーラー・住宅販売等)に転職する

商品先物取引の営業は高額商品で新規開拓営業です。
その経験を生かすには対面販売、特に訪問販売ができる業種に適しています。

車や住宅販売等の訪問販売で、数多く契約とらずとも、1件単価が大きい営業である事は商品先物取引と同じなので、きちんとした会社であれば、お客さんに喜ばれますし、収入の部分でもお勧めできます。

僕の場合は太陽光発電システムの訪問販売させて頂きました。商品先物取引の営業をしている時は、自分は営業センスないと思っていましたが、職種が変わり、他と比べて契約に繋がる事も多くノルマに対するプレッシャーは少なくなりました。

2.テレアポ(光回線や不動産案内)に転職する

商品先物取引営業の基本は、数うちゃ当たるです。
よっぽど営業力がある人以外電話本数の多さが契約に繋がります。

話しを聞いて貰える人がほとんどいない中、良い人探しなのです。何度も何度も電話や資料・手紙を繰り返し、「しつこい!」でなく、「熱心だね!」と言ってくれる人を探すのです。

それを考えると、光回線や不動産案内等のテレアポであれば、商品先物取引の経験を生かせます。電話をたくさんかける事になれていますし、商品先物取引のように経営者相手で話し聞いた事ある人ばかりに営業かける訳でもなく、ストレス少ないです。

一般の方も多いので、話しを聞いてくれる方も多いでしょうし、自筆の手紙をまめに貰う事も少ないので「そこまでいうなら、大した金額でないし、契約してもいいかな」と思ってくれる人が多いです。

3.認知症等介護職に転職する

意外かもしれませんが、商品先物取引の営業から介護職へ転職する人は多いのです。理由は僕も含めてかもしれませんが、お客さんに謝る事ばかりの仕事から、感謝される仕事をしたくなるのです。

更に、仕事をして初めて気づいたのですが、認知症の介護は営業の経験が生かせるのです。

商品先物取引は、「買い」「売り」どちらの取引からでも始められます。その営業の中で、お客さんがどちらの注文に対しての材料を提供し提案すれば契約すれば良いか考えます。

相手が会社の経営者が多いので、営業マンは求められる材料を提出すれば良いだけです。

認知症介護も同じです。
一見おかしな行動ですが、その行動に乗っかり相手の考えを理解して提供しながら、自分の流れに持っていけば良いのです。

また、暴言・暴力にも慣れてますし、介護は辛いと辞める人もいますが、商品先物取引営業の経験している人であれば、辛い事一つもありません。
収入は少ないですが、自腹切って入居者さんと一緒に遊び楽しむ事して、不満もないです。

商品先物取引の営業を辞めて転職するなら認知症介護がお勧めの1つです。

人生の選択肢は常にあなた自身が持っている

商品先物取引会社勤務のあなたの人生を変えるために、まず一番注目すべきことは「今の会社以外にも職場は沢山あることを知る」ということです。
案外、外部と交流がない商品先物業界人は井の中の蛙になることが多いです。
自分の会社以外のことを全く知らないというケースも非常に多いようで、勇気を出して一歩外に踏み出せば大きな海が広がっているということを、改めて考えてみてはどうでしょうか。

兎に角、どうしても今の悩みが解決できなければ「別に辞めればいい」「辞めたっていいんだ」「自分は自由に人生を選択できるんだ」と割り切ること。

周囲からの目を気にしたり、あなたの人生と無関係な上司のメンツを立てて、自分の人生を後回しにしてします思考こそが「今の職場を辞められなくなってしまう」ことの最大原因であり、悩みをより深くして人生を間違えてしまう事につながります。

転職コーディネーターに無料相談することから始める

自分自身でまず何をしてよいかわからないならば、人材紹介会社に登録するのも手。
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