
野村 龍一

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記事の目次
外からは見えないレンタルオフィス業界の闇
私は外資系レンタルオフィス企業に営業管理職として入社しました。
入社6年目に大きなリストラがあり、半分以上の営業管理職が解雇となりました。
納得のいく説明もされないまま年末に、多くの同僚が会社を去って行きました。
私は解雇を免れたもののオペレーションの一社員へ降格となり、受付や事務作業しながら営業にも従事することになりました。
年収は150万円減少し、仕事にもやりがいを失い、降格後1年して退社しました。
レンタルオフィス業界ならではの、就業中の不満、大変さ、辛さと悩み
辞めたい理由と悩み1:外資系特有?信頼できない同僚達
営業管理職は多いときはエリアで7名いました。
問い合わせが入るとエリアディレクターが担当者を決めるのですが、大きな案件は男性につけたり、私がクローズしたものを別マネージャーの案件とされたりしました。
また、別担当者が内覧案内した後、細かい問い合わせやフォローアップ対応をさせられたにも関わらず自分の案件にはならず、何の評価もされないことも多々ありました。
今となっては、そういう作業を断るべきだったと考えています。
成績の良いセールスパーソンは結局誰かを踏みにじって成果を上げているのです。
また、成果を上げなければ解雇されるという恐怖感から、勝手にサービス料金を無料にしたり、契約条件を口頭ベースで免責したりと多くの不正がありました。
私は降格後オペレーション業務をした時に、その不正をオペレーションスタッフが必死でどうにかしようとしていることを知りました。
セールスパーソンから隠蔽を強要されたというスタッフもいました。
営業担当がすでに契約済みのオフィスをダブルブッキングで契約をしてしまい、隠蔽するために別のオフィスに入居させて、システムに偽装のブッキングを入れ、さらにそれが原因で請求書を偽装したりと、ありとあらゆることをして営業は成績を上げようとしていました。
そこまでしなければ、生き残れないのかと思うと、営業管理職から外されてよかったと思いました。そのような隠蔽は必ず明らかになります。
普通に考えることができれば、その行動で先のキャリアに支障をきたすことは理解できると思います。
今考えると、普通の神経では生き残りをかけた競争に勝てなかったからだと思う事もできます。
そこまで人を追い込む会社の体制も問題だったのでしょう。
私は降格後もオペレーション業務をしながら、新規営業をさせられていました。
もちろん、契約をクローズすることは、今までの経験から完遂できましたが、最終的には自分の名前ではなくマネージャーの名前でディールクローズの報告をしなければなりませんでした。
ディールをクローズしても評価やコミッションがなく、どうしてもモチベーションがあがりませんでした。
降格時に数字の責任がなくなると言われましたが、契約更新やKPI、またセンター稼働率の数字はプレッシャーをかけられました。稼働率は新規契約と関わっているため、結局既存クライントへアップグレードセールスをしたり、契約更新交渉もしなければなりませんでした。
そのため、営業管理職の時よりも業務は多くなり、年収が減るという状態でした。
リストラで人員が減った分1人あたりの負担は大きくなるわけです。
なかには精神的に異常をきたし、話し方がおかしくなったり、鬱状態で出社できなくなる人もいました。
かなり精神的な強さがないと生き残れない業界だといえるでしょう。
辞めたい理由と悩み2:常に新規顧客を獲得し続けなければ生きていけない運命
レンタルオフィスは短期利用が可能なので、常に新規クライアント獲得が必要なところが大変でした。
稼働率が下がると上層部から、何が原因なのか、オペレーションの見直し、コスト削減、フロアプランの改定案など新規獲得に支障をきたすほど、レポートばかり要求されました。
上層部もAPAC本社からプレッシャーをかけられていることは理解できますが、上席にに守られているという感覚はありませんでした。
レポートをしても理解しようとはせず、どうしてできないんだと責め立てられるだけでした。
また、こうすればできるというアイデアも上席からは得られませんでした。
結局、上層部もどうすればいいのか答えを持っていないし、それを探そうともしていませんでした。
ただ、保身のためだけにレポートを提出して、うまく立ち回るだけなのです。
外資企業でのチームワークの定義は自分の業務を完遂することです。
そういう意味で負担は大きいと言えますし、任せてもらえているという満足感も得られるのだと思います。
個人主義ですし、厳しいのは確かです。
辞めたい理由と悩み3:現場を理解しようとしない上層部
短期利用クライアントの入れ替わりが多いので、入退去時の手続きやオフィスのカスタマイズなどで人員以上に手間と時間がかかるのですが、上層部がそれを理解していませんでした。
煩雑なシステムへの入力作業、実地でのクライアントの希望レイアウトのセットアップ(大きなデスクやキャビネットを移動させます)、電話やネット環境の設定など多岐にわたる業務が発生します。退去時は、クライアントからクリーニング費用をいただいているにもかかわらず、アウトソーシングをせずスタッフに掃除や配線設定の初期化をしてコスト削減するように言われていました。
クライアントリクエストでの残業は課金ができるため残業を申請できましたが、社内での残業は手当が出ません。
そこをうまく利用して、何でもスタッフにさせるという体制でした。
上席はスタッフに、「困ったことがあれば、何でも相談して。」などと口では言うものの、実際に現状報告してスタッフを守ろうとしても忙しさにかまけて、何でも後回しとなる状態でしたので、時間の制限やクライアントの要望に応えるには、結局無理をしてどうにかするという状態が慢性化し、業務の劣化や就業環境の悪化につながったと言えるでしょう。
この循環から多くの有能なスタッフを失いました。
そんな状態で、日中の業務時間内は笑顔で対応をしていました。サービス業は幸せな心持ちでないと、結局クライアントや来客には無意識レベルで伝わってしまうものです。
内覧にきても、そういう空気を感じて物件をえらんでいただけないこともあったのではないかと今となっては思います。
サービスレベルの高さをセールスポイントとして営業担当者が契約締結をしていましたが、人員不足で他業務に支障が出たり、残業が続くことも多く、それにより、クライアントの期待値に添えずクレームになることもありました。
最大限の努力をしても、クレームがないのが当たり前というスタンスでしたので、評価されていないと感じるチームのモチベーションを保つことも難しく、そのためクライアント満足度を上げることも困難になっていったように思います。
個人差はありますが、自分が満たされず、人に与えることはかなり難しいことだと私は思います。
上司から、「何も考えるな。」と言われたことがあったのを思い出します。
ロボット扱いされていたのです。
感情を押し殺し、ポーカーフェイス+笑顔で、業務にのみ焦点をあてるということなのです。
クライアントのニーズを敏感に察知し、同時に鈍感に業務にあたることを要求されていました。人間力をあげる修行になったかもしれませんが、普通長くは続きません。
しかしながら、一つのよい経験となりました。
いいえ、「レンタルオフィス運営会社勤務の方の人生を変える解法」はきちんと存在していますので、それを今からご説明いたします。
あなたの「会社を辞めたくなる悩み」への対応策
人により様々ですが、私は普段からクライアントのクレームや業務改善点を報告しておくことように心がけていました。
これは、不満が出た際、解決するために周囲の力を貸してもらうためです。
この人は隠蔽をしない、公明正大でフェアであることを知ってもらいます。
これは少し時間がかかります。
信頼を得ることを目的とし円満な社内環境を整えるための作業になります。
また、問題をただ指摘するだけではなく、対策や解決方法を常に社内で提言することで、解決能力があること、また解決努力をしていることを知ってもらうことが重要です。
これがないといつも不満を言っているだけの人間として扱われてしまいます。
この行動を基に、不満に思っている事項を事実として明確にして、状況説明プラス対策も提案できるようにすれば、意見が通りやすくなります。
主観的な感情を入れない方がベターです。
感情を入れたい場合は、クライアントからの声としてアピールすると聞き入れてもらいやすいです。
記事などのケーススタディを添えると更に信頼度が増します。
外資系企業では、声を上げなければ、都合よく使われてしまいます。無理をせず、上席に報告と相談し、自分を守らなければ生きていけません。
もし、そこまでして上席や幹部が動かない場合は、転職を考慮に入れた方がいいかもしれません。幹部に問題解決能力や行動力がないことが予測されるからです。
私の場合、残念ながら幹部は色々な言い訳で上申をしてくれず、転職へふみきりました。
他業種や他社への転職…不安はよくわかります。
しかし、うまくレンタルオフィス運営会社勤務を抜け出して、人生の立て直しに成功した人の多くは、現在の職場以外への転職の道を選択した人々なのです。
この件について、以下でより詳しく説明いたします。
レンタルオフィス運営会社の辞め方とタイミング
辞め方とタイミング1:クライアントへの挨拶
私は転職活動する前に退職願を提出し、勤務最終日はラインマネージャーと相談の上、決めました。もちろん、生活を担っている家長ではないので、これが可能でした。
また、クライアントへの挨拶のタイミングは上席に確認してからにしました。
退職願を受理されたからといって、早々にクライアントへ話してしまうことで、不安を煽ることにもなりますし、スカウトされる可能性もあるからです。
クライアント先への転職はある一定期間において、雇用契約に抵触することから、いらぬ噂や問題になることが考えられたので慎重に対応しました。
もちろん、社内で同僚に退職の話をするタイミングもはかる必要があります。
辞め方とタイミング2:本音をあまり語らない事
退職を申し出た際に、理由をきかれましたが、不満に思っていることを話したりはしませんでした。
当時、人員が少なかったため、引き止められる可能性があると思ったからです。
会社としては新たに採用活動、トレーニングを避けたいので、引き止めようとします。私はやりたいことがあるという理由にしました。その理由だと引き止められにくいです。
転職先が同じ不動産業界になる可能性が高く、転職後に前職の方と仕事をすることも考えられるので、良い関係を保つことは自分の転職のために重要です。
これは、業界問わずほとんどの方に当てはまるのではないかと思います。
今までの経験やスキルを活かせば、ステップアップが望めるからです。
辞め方とタイミング3:業務引き継ぎはきちんと終えてから退職をすること
当然のように思われますが、引き継ぎをすることが信頼度アップになり、こちらからお願いしなくてもreference(推薦状のようなもの)を社長から貰えたことに驚きました。
外資企業では、新任が前任者不在の状態から業務を行うことが多く、引き継ぎはとても感謝されるのです。
転職活動時に、そのreferenceが役立つこともあります。
また、応募先企業が前職企業に照会することも充分あるため、最後まで責任を果たし社内での信頼を保つことは転職に有利に働くといえるでしょう。
レンタルオフィス運営会社の勤務経験が優遇される、より就労条件のよい「おすすめ転職先」の例
1.前職の強みを生かして不動産営業職に転職する
レンタルオフィスは国内不動産業界ではまだニッチではありますが、どの業界でも営業職はいつも人を探しています。
もちろん数字を課せられ厳しいのでターンオーバーも激しく慢性的に不足しています。
いつでも募集をしている状態といえるでしょう。
ですので、不動産営業経験があればかなり有利に働くと思います。
前職企業が営業先になる可能性があります。
レンタルオフィスの新規出店の際、物件を紹介したり、レンタルオフィスのような物件を希望する見込み客を紹介できることもアドバンテージになります。
レンタルオフィスがメジャーではない分、通常物件に加え、レンタルオフィスの提案オプションがあればクライアントへの信頼度も上がるかもしれません。
業界は狭いですので、前職での良いことも悪いことも噂で広まりやすいといえます。
繰り返しになりますが、辞める時、業界内での転職を考える場合は、きっちりと仕事を完了し円満退社を目指すことを強くお勧めします。
2.不動産ファシリティマネージャーに転職する
レンタルオフィスは、クライアントのためにファシリティマネジメントをすることが大きな特徴ですので、入退去や入居中のお世話をするオペレーションスタッフはその経験を活かすことができます。
クライアントに合わせて業務遂行できる能力が活かせます。
外資系企業は設備マネジメントスタッフを自社でもたずアウトソースするのが主流となってきています。例えば、IT企業がファシリティマネジメントのプロの採用、育成、評価をするのは難しいので、不動産企業からファシリティマネジャーを派遣してもらうのです。
所属は不動産企業ではありますが、実際は契約しているクライアント企業へ出社をし、派遣先の社員のように勤務するという形態です。
業務内容はレンタルオフィスでのオペレーション業務とほぼ同じです。自身で解決できないような場合は所属している会社のサポートを受けながら業務完遂をします。
難しいところは派遣先企業の協力がなければ、プロジェクトを進められないような場合に、根気よくコミュニケーションを取り、先に進めるようにしていくことです。
また、クライアントの期待値をきっちり把握しておくことも重要です。期待値より低ければクレームになります。逆に期待値を少しでも越えれば、満足度が上がります。
まずは、クライアントとの契約内容の確認と理解が必須にて、そこからクライアントの希望を実地で把握していくことで問題を避けることができるでしょう。
3.人材派遣会社、転職支援会社(リクルーター)に転職する
レンタルオフィスは業界問わず様々な企業がクライアントとして利用しているため、その関係を活かすことができます。
身近にクライアントの業務や企業内の雰囲気を見ているので、どのような人がその企業に向いているのかも分かり適切な人材提案ができると思います。
クライアント業務を引き受けていることから、電話対応では、どんな企業とお取引をしているか分かりますし、取引先の話し方を聞くと知的レベルも何となくわかってきます。
大手国内企業との取引が多いのか外資系企業との取引が多いのか、海外からの入電があるかなども分かります。
来客対応では、なおさらですし、クライアント企業の社長や幹部訪問で会社の雰囲気を感じ取れます。
郵便物からどのような団体に所属しているのか、接待で利用する場所まで分かります。日々の動きからは、出張が多いのか、残業が多いのかなども分かります。
また、新規契約や契約更新の際に社内コンプライアンスやどのようなことを重要視しているかもわかります。
社員の職場環境を重視しているのか、それともコストだけを重視しているのかなどです。
リクルーターは、ほぼ人事総務担当者からしかその企業を知ることはできませんが、レンタルオフィス出身でそこで繋がりのあった企業をクライアントにすれば、これほどの社内のことを知っている強みはないと思います。
逆に色々とクライアントの内部事情を知っていることから、守秘義務を守る信頼感が必要です。日々のやり取りから、任せていただけるという関係作りがキーポイントになるでしょう。
人生の選択肢は常にあなた自身が持っている
レンタルオフィス運営会社勤務のあなたの人生を変えるために、まず一番注目すべきことは「今の会社以外にも職場は沢山あることを知る」ということです。
案外、外部と交流がないレンタルオフィス業界人は井の中の蛙になることが多いです。
自分の会社以外のことを全く知らないというケースも非常に多いようで、勇気を出して一歩外に踏み出せば大きな海が広がっているということを、改めて考えてみてはどうでしょうか。
兎に角、どうしても今の悩みが解決できなければ「別に辞めればいい」「辞めたっていいんだ」「自分は自由に人生を選択できるんだ」と割り切ること。
周囲からの目を気にしたり、あなたの人生と無関係な上司のメンツを立てて、自分の人生を後回しにしてします思考こそが「今の職場を辞められなくなってしまう」ことの最大原因であり、悩みをより深くして人生を間違えてしまう事につながります。
転職コーディネーターに無料相談することから始める
自分自身でまず何をしてよいかわからないならば、人材紹介会社に登録するのも手。
転職コーディネーター経由で他の業界、企業の内情を知ることができますし、冷静な第三者の目で、あなたのスキルと経験を活かせる新しい職場を用意してくれます。
また、辞めづらい今の職場で、(転職先を紹介してもらった後に)スムーズに次の職場に移動するための方法やタイミングなどもしっかり教えてくれますよ。
いきなり仕事を辞めたりはせず、まずはじっくり転職エージェントと無料のアポイントを取って、今後の動き方を相談しつつ、あなたの希望に沿った新天地候補をじっくりと紹介してもらうべきでしょう。