
野村 龍一

最新記事 by 野村 龍一 (全て見る)
- 日本には年収3000万円のA君と年収200万円のB君しかいなくなる - 2019年6月24日
- 外資系アパレルブランド営業マンを辞めたい人へ=つらい職場を上手に辞める方法 - 2018年7月19日
- 機械設計者(計測機器エンジニア)を辞めたい人へ=つらい職場を上手に辞める方法 - 2018年6月5日
記事の目次
有名ホテルのウエイター業務、外から見るのと中から見るのでは大違いの世界だった。
私は某有名アミューズメントパークに隣接するホテルでウエイターとして働いていました。当初、その場所で働きたいと思った動機としては、お客さん目線の接客技術や目配り気配りの対応力の向上、またおもてなしの心を勉強且つ身につけ仕事がしたいと思っていました。
しかし、実際に働いてみると想像していたものとは異なる場面や内容が多く退職を決断しました。今回はその内容についてご紹介したいと思います。
ホテルウエイター業界ならではの、就業中の不満、大変さ、辛さと悩み
辞めたい理由と悩み1:業務上覚えることがあまりにも多い
私が働いていたホテルはホテルの中に5,6店舗のレストランが入っており、ウエイターはその全店舗を担当していました。つまり、すべてのレストランのやり方や動き方、導線などを覚えなくてはならないことがまず大変だったことです。
ウエイターの人数が豊富であれば、各レストランごとに担当ウエイターを決められたのかもしれませんが、人数不足だとそのように1人1人に掛かる負担が増えます。その中で一番大変だったのが、レストランごとのメニューの把握、片付け業務を覚えることでした。
まだ経験間もないトレーニング中にシフト上1人としてカウントされ、十分な指導を受ける間もなく実際現場に出されました。結局、わからないことも多く、スタッフに確認しながらの業務になるため、全体の流れも悪くなり、スタッフからは「できないスタッフ」のレッテルを貼られる事になりました。
辞めたい理由と悩み2:常に朝から晩まで立ち仕事が続く
ウエイターだから当たり前かもしれませんが、仕事中は常に歩き続けています。オーダーの配膳、食器のピックアップ、片付けなどをするため座る時間は全くありません。
服装がフォーマルな格好のため、靴は革靴を履くためかなりの負担が足に蓄積します。
1日の仕事が終わると、足から腰までが固まったように重くなっていたのをよく覚えています。もちろん、慣れができれば少しずつ軽くはなってきますが、疲れは常にありました。私の同僚は仕事の積み重ねにより腰痛を患い、仕事を何日か休まなくてならないこともありました。疲労の積み重ねが自分の体の管理不足として欠勤をすることになる可能性は十分にあります。
実際、その同僚が欠勤した際の他スタッフへの負担のかかり方や、同僚が戻ってきたときのスタッフの印象はとても良いとは言えないものでした。自分の体をしっかりと守ることも大切だと思います。
辞めたい理由と悩み3:人間関係(スタッフ同士、上司とスタッフ、お客さんとの関係)が複雑で面倒
今回私が退職をした1番の理由が人間関係になります。上司とは面接の段階からよく話をしていたため関係は非常に良かったと思いますが、私の育成担当者と同じブースで働く同僚とうまくいきませんでした。
まず、私の育成を担当した人は40代後半の男性であり、入職したばかりの私から見ても、仕事ができる人とは思えませんでした。髪はボサボサで服装もシワクチャな感じであったため、第一印象は最悪でした。また、その人がよく言う言葉として「俺、人に教えるの嫌いなんだ、勝手に覚えろって感じ」であり、私としては「こんな人に教わりたくない」と上司に早い段階で相談しました。
しかし、人数不足ということや私とシフトが一緒のスタッフはほぼその人であったため、変更することはできませんでした。育成の人は「教えるの嫌い」、私は「教わりたくない」とお互いが相反する気持ちを持っていることもあり、日に日に関係は悪化していきました。
また、その方からの指導は何もかもが不十分であり、他のスタッフの方からは「なんでこれをやってないの?」「きちんと習ってください」と私が叱られていました。その育成の方とコミュニケーション、関係性がうまくいかないことで他のスタッフにも迷惑をかけてしまったり、仕事上でとてもやりづらい雰囲気を作ってしまいました。
この先もつらい現実に耐えながら生きていかなけばならないのでしょうか?
いいえ、「ホテルウエイターの人生を変える解法」はきちんと存在していますので、それを今からご説明いたします。
あなたの「会社を辞めたくなる悩み」への対応策
1.入念な業務訓練を心掛け、覚えた仕事内容を忘れない
念密な予習を繰り返し行うことが不可欠だと思います。事前に各レストランの客席配置や動線の確認、メニュー表など家に持って帰って覚える事ができるものは自分から進んで準備します。そうすることで、働く上での最低限の仕事はできますし、お客さんの迷惑をかけることは少なくなると思います。
そして、次はオープニングやクロージングの手順などをメモに残しながら細かく規則していきます。これも家に帰ってから実際に仕事するときのことを想像しながら手順を確認していきます。そうすることで、スタッフとして「1」の働きができるようになると思います。
つまり、ここでは「予習」が大事ということです。確かに勤務をこなしていけば、自然と覚えていく内容かもしれませんが、1日でも早く仕事をやりやすく、また人間関係も良好を保つには覚えるべきことは早いに越したことはないと思います。
2.業務を円滑にし疲労を軽減させる服装を心掛ける
とにかくこの仕事は立ち仕事の為、足腰の疲労は必ずあります。とくに、働きはじめの時は仕事にも慣れていない分、歩数も増えますし、余計足への疲労が増します。また精神的な疲労も重なってきます。少しでも体の疲労を蓄積せずに1日1日の仕事をこなしていくかが大事になってきます。
そこで有効なのが、クッション性のある靴を選択することです。私の職場では基本スーツ姿が基本であったため、黒の革靴を指定されていましたので、クッション性の有る革靴を購入しました。そうすることで、日々の仕事後の足の疲れは格段に減りました。また、クッション性のおかげか、仕事中の一歩一歩のスピードにも変化が生まれました。
疲労を抑えることで良い姿勢を長時間維持することができ、また迅速な行動が取れるようになり、最終的に足腰の疲労も抑えられたということで、この仕事をする上で、靴の選択というのはとても大事なことだと思います。
3.辛くとも、人間関係を円滑化する努力を絶やさない
どの職場でも仕事ができない先輩、態度が悪い・横柄なスタッフはいると思います。まして、その人が自分の上司や育成担当だと本当に困ると思います。自分は一生懸命仕事を早く覚えよう、早く一人前に認めてもらおうとしている時に、それを乱し且つ悪影響を及ぼす可能性があります。
今回の職場の経験を通して私が感じたことは、自分の中で割り切ることも大切だということです。割り切るとは、個人的な感情は抑え、目的を見据えて判断・行動することです。これはなかなか難しいことだと思います。
私の場合はその心がけを頭ではわかっていてもなかなか実践する事ができませんでしたが、今思えばまだやりようがあったように思います。その担当者からは最低限のことを学び、あとは自分で他のスタッフや上司に積極的に確認することを徹底しました。
つまり、その担当者から学んだ内容で終わるのではなく、その指導はあくまで最低限の内容と自分の中で割り切り、プラスアルファーを自分の足で付け足していくということです。人間関係を壊すことは簡単です。しかし社会人として自分と合わない人とともうまく付き合っていくことは必要であり、どの職場・職種でもあることだと思います。合わない人と合わせようとするのではなく、合わないなりの付き合い方を行い、仕事上で悪影響を被らないよう言動することが大切と思います。
また、周りのスタッフに積極的に会話や指導を仰ぐことで広い人間関係が作れると思います。そうすることで、他のスタッフが自分を理解してくれる人が増えるかもしれません。それは結果的に、もし自分が仕事でなにかミスをしても誰かがフォローしてくれる流れにも繋がり、働きやすい環境になると思います。
自分の今回の経験から考えますと、マネージャーとの関係も大事だけれども、各ポジションのシニアプレイヤーと積極的に会話することが特に大事であり、いずれそれは自分に良い影響を与えてくれるかけがいのないものになると思います。
4.今の職場を辞めて、別の企業や他業界に転職する
きっちり努力しても就業環境が完全に良くなるという保証はなく、どこまでも辛い状況が続いてしまう事も珍しくありません。
そんなときはスッパリと転職をすることが、もっとも効果的かつ速攻で状況を変化させる方法になることは非常に多いといえるでしょう。
これ以上我慢ができないとお考えの方は、1度転職についての可能性を現実的に考えてみるべきではないでしょうか。
他業種や他社への転職…不安はよくわかります。
しかし、うまくホテルウエイター勤務を抜け出して、人生の立て直しに成功した人の多くは、現在の職場以外への転職の道を選択した人々なのです。
この件について、以下でより詳しく説明いたします。
ホテルウエイターの辞め方とタイミング
辞め方とタイミング1:最低でも退職する3ヶ月前には退職の旨を伝える
自分が退職を決意した段階で、その旨を上司にすぐに伝えることは大事なことです。しかし、社会人としてタイミングを考えることも必要なことです。
自分の立ち位置などにもよりますが、私の場合はシフト上で一人前と判断された割り振り方をされた時期でしたので、ここで私がすぐに退職をしては残されたスタッフに迷惑がかかる。さらに業務が円滑に回らなかったり、スタッフ不足でホスピタリティーの質が下がるなんてことが起こったらお客さんに迷惑をかけます。
そうなることを考えると、退職を上司に告げるタイミングは最低でも3ヶ月前には伝えるべきだと思います。少し上司の立場になって考えて見るとわかりやすいかもしれません。もし一人前に仕事をしていたスタッフが急にやめると言います。
すると、上司としてまず考えなければならないのが一人抜けた状態で現場は回せるのかどうかです。もし回せるならどうスタッフの配置をオーガナイズしていくのか、配置を変えた際になにか不足面はないだろうかなど考えなくてはなりません。また、かりにスタッフ不足の時は求人広告を出す準備からして、それから募集・面接・採用の準備もしなくてはなりません。
これらを考えるとたった1ヶ月では間に合わないことがわかると思います。つまり、退職をする上でも相手側のこと、残されるスタッフのことを考えたタイミングで話をすることが必須です。
辞め方とタイミング2:後輩への引き継ぎや教育をおろそかにしない
そして、自分が退職したあとでも職場のホスピタリティーやクオリティーを維持するためにも後輩や新しく入社したスタッフの育成にも積極的に絡んでいくことが大切です。
これをすることで少なからず円満な退職に迎えるのではないかと思います。後輩には自分が行ってきた仕事の引き継ぎをしますが、形式張ったものだけ引き継ぐのではなく、なぜこうやるのか・こう動くのか・こういうことを意識していなければいけないのかなど、行動に至る背景をしっかりと伝えることが大事だと思います。引き継ぎが重なっていくと形は自然と変わっていくものです。
しかし、その1つ1つに理由がしっかりとしているのであれば、それは何回引き継がれても決して変わらないものだと思いますし、仮に変わったとしてもより改善されたより良いものに変わると思います。
また、もし新しいスタッフが自分の代わりとして入職した際は、1日でも早く一人前になってもらえるよう本人以上に自分が頑張る気持ちがあっても良いと思います。新人が自分と同じくらい仕事ができる状態で退職の日を迎えることがベストだと思います。
辞め方とタイミング3:お世話になった方へのあいさつ回りを欠かさずに行っておく
最後は、自分が入社当時からお世話になっていた全スタッフに挨拶回りをします。これは社会人としよりも人ととしてとても大切なことだと思います。もう辞めるからと行って何も挨拶をしないということは大変無礼になります。人の退職には少なからずよく思わないスタッフがいます。
「自分が丁寧に教えたはずなのにすぐに辞めやがって」
「せっかく一人前に働けるようになったのになんで急に辞めるの」
「育成の努力をなんだと思っているんだ」
などと思っているスタッフもいるかも知れません。
そういう状況で、きちんと直接会いに行き、今までの感謝を直接伝えることは相手にそのような苛立ちの気持ちを持たせずにすみます。例え、合わなかった担当者やスタッフにもこの時は挨拶に行くべきだと思います。自分がその職場で少しでもお世話になったのであれば、理由はどうあれ感謝を言うべき相手になります。
また先を考えますと、将来またこの職場に帰ってくることも100%ないとは言い切れません。何かの縁でまた復職する可能性もあると考えると、こういった挨拶の有無でその人の印象はガラリと変わります。「あの人、仕事はできたけど最後挨拶もなかったね」「礼儀に欠ける人だったね」と最後の礼儀不足で印象は変わってしまいます。
これらのことから退職時に注意することとして、退職の旨を伝えるタイミング、退職を告げた後の後輩たちへの対応、お世話になったスタッフへの挨拶を必ず行うことが退職する見として最低限のことだと思います。
ホテルウエイターの勤務経験が優遇される、より就労条件のよい「おすすめ転職先」の例
1.結婚式場のウエイターに転職する
ホテルのウエイターの経験は結婚式場でも活かせると思います。理由としては、配膳スキルや目配り気配りがとても必要な場所で有る共通点がありますし、何よりも相手をもてなす気持ちが非常に似ていると思います。
結婚式場ではただ料理や飲物を運ぶだけではなく、「おもてなしをする」という心がけがあって初めて成り立つ仕事だと思っています。お客さんの人生の門出を祝う場のお手伝いでもあるため、新郎新婦、参加者、ご家族全員に良い結婚式だったねと言ってもらえるようなサービスが徹底してできることが大事だと思い、それはホテルのウエイターの心がけととても似ていると思います。
よって、ホテルでの経験は結婚式場でお客さんの幸せな時間をお手伝いするのにとても良い糧になると思います。
2.イベント会社のスタッフ・チーフに転職する
ホテルのウエイターではたくさんのレストランを掛け持ちながら働くため、たとえ上司でなくても全スタッフの配置やスケジューリングなどにも自然と意識が行きます。よって、ただウエイターだけのスキルが身につくだけではなく、レストランの規模とお客さん数に対してのスタッフ数のバランスや危機管理能力の向上などが自然と備わってきます。
これは、イベントスタッフで配置を管理したり、指示出しをするチーフにとても向いていると思います。実際よく聞く話として、イベントスタッフのチーフで現場の経験が過去にあまりないにもかかわらずチーフになっている人もいると聞きます。それではただ役職についただけで現場の人からしては全くつかえないチーフというレッテルをはられます。
しかし、実際にホテルのウエイターでプレーヤーとして自分で考え、行動してきた経験があれば、適切な判断をすることが可能だと思います。
また、イベンドに来てくださるお客さんのこともイメージして準備をすることもできますので、イベントのチーフスタッフとして活躍できるのではないかと思います。
3.接客業全般のプロフェッショナルとして転職する
ホテルのウエイターでは接客技術がとても厳しく指導されます。まして、私が働いていたところの近辺には有名なアミューズメントパークもあったため、お客さんの年齢層も幅広く、お子さんからご年配の方までしっかりとした接客が求められました。
そういった内容をより多くの人に伝える役目である接客マスターも今までの経験を活かせる1つの仕事だと思います。よく、飛行機のスチュワーデスの方が接客マスターに転職するお話を聞いたことがありますが、それと類似して飲食店の接客マスターとして活躍できると思います。
接客の仕方はもちろんですが、接客以外の場での気遣い目配り心配りを経験から普及することが可能だと思います。常にお客さんが何を求めているのかを考えて動けるホテルのウエイターの経験が、今度は人に伝える役割にもなれると思っています。
ホテルのウエイターはお客さんへの「おもてなし」を常に考え準備したり実践したりすることが多いため、それを活かせる仕事内容として上記を上げました。また、お客さんが気持ち良い時間を過ごせるよう接客することもできるため、仕事面でも仕事スタッフやその分野でのお客さんにも配慮できる行動・言動ができると思い上記を上げました。
人生の選択肢は常にあなた自身が持っている
ホテルウエイター勤務のあなたの人生を変えるために、まず一番注目すべきことは「今の会社以外にも職場は沢山あることを知る」ということです。
案外、外部と交流がないホテル業界人は井の中の蛙になることが多いです。
自分の会社以外のことを全く知らないというケースも非常に多いようで、勇気を出して一歩外に踏み出せば大きな海が広がっているということを、改めて考えてみてはどうでしょうか。
兎に角、どうしても今の悩みが解決できなければ「別に辞めればいい」「辞めたっていいんだ」「自分は自由に人生を選択できるんだ」と割り切ること。
周囲からの目を気にしたり、あなたの人生と無関係な上司のメンツを立てて、自分の人生を後回しにしてします思考こそが「今の職場を辞められなくなってしまう」ことの最大原因であり、悩みをより深くして人生を間違えてしまう事につながります。
転職コーディネーターに無料相談することから始める
自分自身でまず何をしてよいかわからないならば、人材紹介会社に登録するのも手。
転職コーディネーター経由で他の業界、企業の内情を知ることができますし、冷静な第三者の目で、あなたのスキルと経験を活かせる新しい職場を用意してくれます。
また、辞めづらい今の職場で、(転職先を紹介してもらった後に)スムーズに次の職場に移動するための方法やタイミングなどもしっかり教えてくれますよ。
いきなり仕事を辞めたりはせず、まずはじっくり転職エージェントと無料のアポイントを取って、今後の動き方を相談しつつ、あなたの希望に沿った新天地候補をじっくりと紹介してもらうべきでしょう。