コンビニフランチャイズのスーパーバイザーを辞めたい人へ=つらい職場を上手に辞める方法

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野村 龍一

野村 龍一

医療系転職コンサルタント企業で700名以上の医師転職支援に関わる。近年は医療以外にも様々な業種からの「私も会社を辞めたい」という転職相談が相次ぎ、転職成功者のインタビューを敢行中。2016年12月より一般転職に関する情報提供、人生相談を当サイトにて開始。




記事の目次

営業時間は24時間、勤務時間も24時間対応。それがコンビニのスーパーバイザー(SV)職の悲哀。

野村龍一
今回は大手コンビニFCでスーパーバイザーとして勤務していた安河内清さん(仮名)からの寄稿レポートです。
安河内清 さん
私はコンビニ店舗で店長として3年、スーパーバイザー(SV)として6年半勤務しました。勤務地としては関西・関東において2府3県に渡り転勤を経験しながら勤務しました。コンビニの店舗は地域に密着したもののため、転勤するごとにその地域をしっかり理解し、その地域に溶け込んでいけるような仕事をしていました。

コンビニ業界での勤務はブラックだと言われます。
その一番の要因は年中無休で24時間営業であるからだと思います。

勤務時間の通常の設定は9:00~17:45です。しかし、店舗はずっと開いています。店舗指導の仕事として店舗オーナーと話をしに行く際も、基本的には店舗優先です。そのため、設定される時間は通常勤務時間外であることも多々あります。

また、昨今よく言われているバイト不足の影響で、店舗のオーナーが夜勤として勤務することも多くあります。その際、その時間に合わせて夜中に店舗に行くようになることも多々あります。

そういった場合、勤務時間をずらし、昼くらいからの出勤にすることは可能ではありますが会社のほとんどの人が9:00から勤務しているため社内の人も店舗の人も9:00から勤務しているものとして電話もかかってきます。

クレームなどお客様対応についても対応していく必要があります。クレームの発生するのも24時間発生する可能性があります。

もちろん、他のSVと協力し対応することも可能ですが、人に任せるのはなかなか難しいものです。自分で対応することになることが多く、勤務時間は決められていても実際は常に対応できるよう携帯を持ち続けておく必要があります。

そのため、常に仕事を忘れることはできず私生活の中にも仕事は常にあり続けることになります。

コンビニのスーパーバイザー職ならではの、就業中の不満、大変さ、辛さと悩み

辞めたい理由と悩み1:転勤は全国、しかも頻繁に辞令が下る…

コンビニの店舗は全国にあります。
また、今や海外にも進出していっています。そのため、転勤先も全国に広がります。人の入れ替わりの激しい業界であるため、補充、戦略的なものも含め転勤は多いと思います。

転勤があることは総合職であれば宿命ですが、その頻度が高いとなると家族と生活するには大変なことになってきます。どこの業界でも同じですが子供が大きくなってからの転勤は家族から嫌がられ、単身赴任なんてことにもなります。

もちろん、地域限定の働き方もありますが、その場合、昇進に制限がでてきたりしますし、転居を伴う転勤は地域限定であってもあります。

辞めたい理由と悩み2:給料は若いうちはよいが年齢を重ねても上がらない

大手コンビニの場合、小売業界の中で平均給与は高い方です。平均年齢からみても決して低くはないです。

しかし固定給が上がることは少なく、給与は役職とそのランクによって決まります。そのため、役職やランクが変わらない場合、30歳も40歳も給与はほとんどかわりません。

そのため、30歳の人にとれば他業界に勤務する同世代の人と比較してもそんなに見劣りするものではありません。しかし、出世しない限り、そこからの給与UPは望めません。10年間ほとんど給与が変わらないということはザラにあることです。

給与が上がるのであれば転居を伴う転勤にも納得できますが、給料が上がらず転勤が多いというのは負担ばかりがあるということになります。

辞めたい理由と悩み3:40代をすぎて出世できないと子会社へ出向の恐怖

40代になってくるとあなたが出世できていない場合、会社の上層部に入ることは現実的に不可能になってきます。

その場合、SV以上にならないということになるとその仕事では40代以上も30歳も仕事レベルはそんなにかわりません。体力面、記憶力が低下してくる分、30歳の時にできていたパフォーマンスができなることも出てきます。

そのため、会社も将来の可能性のある若手を起用するため、ベテラン社員は子会社への出向となることも多々あります。その場合、子会社での給与システムで給与が決まることが多く、結果40代にして給与30%カットなどになることもあります。

子供が大きくなりいろいろ物入りになってくる時期に給料ダウンは家計を大きく揺るがすことになります。

辞めたい理由と悩み4:叩き上げからの出世は難しく、商社からの出向者が支配する世界

昨今、コンビニ業界は商社が他の業態と合わせて展開する商社が株を保有することがほとんどです。そのため、会社のトップは商社からの出向がほとんどとなり、現場からの叩き上げが会社の上層部へと昇進することが難しくなっています。

そのため会社の方針も、主要株主である商社の意向で変わることが多く、その時の商社の方針に合わせて仕事をこなせなければ出世も難しくなります。

また、経費管理の面から、ITの活用から事業所を減らすなどしながら管理職の数を減らしていく傾向にあります。そのため、課長クラスのポジションが減り、課長クラスへの昇格は難しく、また課長クラスになれたとしても部長クラスへは出向者も入ってくるようになるため、新卒からの叩き上げで管理職として昇進していくことは至難の業です。

辞めたい理由と悩み5:今後、人員がAIによって削減される可能性が高く、40代以上は危ない

コンビニのSVの仕事の一番は店舗の経営指導です。いつ・何を・どう売って利益を出していくかを指導することになります。過去のデータからの可能性の高い答えの導きはAIが発達することによりAIに支配されていく可能性が高いです。

そうなった場合、人による店舗指導の面は必要として残るものの、業務は減り、人員を削減される可能性が高くなります。

その場合、真っ先に人員カットの対象になってくるのは40代以上のベテラン社員です。ベテランにとれば今後のAIの発展が自分の仕事がなくなっていくことにつながってきます。

辞めたい理由と悩み6:仕事内容が多岐にわたりすぎていて常に何でも自分ひとりでこなさなければいけない

便利で多岐にわたるサービスがあるコンビニ。そのサービスは年々幅を広げていっています。サービスの幅が広がるということは店舗指導をするSVはそれらをある程度理解し覚えておく必要があります。

そのサービスはさまざまな業界との結びつきのあるものなので覚えておくものがとても多く、過去の経験を武器にするベテラン社員にとれば苦労していくポイントになります。

また、オーナーの店舗経営の指導と協力ということから、商品を売るためのアドバイスなどだけでなく、場合によっては家主との交渉や折衝、新規店舗開始のための役所での手続き、店舗経営の決算書をオーナーの税理士に説明するなどの本来研修を受けてする仕事以外の仕事も発生してくることもあります。

これらはとても勉強にはなりますが、全てをこなすためにはかなりの負担がかかってきます。

では、コンビニスーパーバイザー職として勤めるあなたはどうすればよいのでしょうか?この先もつらい現実に耐えながら生きていかなけばならないのでしょうか?いいえ、コンビニスーパーバイザーの人生を変える解法」はきちんと存在していますので、それを今からご説明いたします。

あなたの「会社を辞めたくなる悩み」への対応策

1.30代前半など早いうちに転職をしてしまう

30代前半は先ほども記載しましたが他の年代と比較しても給与は悪くないです。また、自分よりも年上の人と仕事をすることも多く、様々な仕事を身に着けています。

一般的に35歳を超すと転職事情が少し厳しくなると言われる中、その35歳よりも前に次のフィールドを求めて転職するというのは同世代間での比較での高い給与・スキルを手にし、その経験を活かせる転職となるため、30代前半での転職というのはおススメの転職時期であります。

2.SV業務経験を活用したFCオーナーとして独立開業をする

FC事業を展開する企業であれば、どこの会社でもFCオーナーとして独立する制度があると思います。これは、今まで経験してきた仕事をそのまま活かすことができます。

また、社員の独立ということなので、加盟金が安くなる、退職金にいくらか上乗せされるなど特別な制度があることも多いです。会社の将来を嘱望される人材であれば当然引き止められるでしょうが、今日はオーナー探しもFCチェーン全体の課題なので独立も重宝されます。

そのため、独立することは世代に関係なく幅広い世代にとっておススメです。その中でも特にお勧めなのは子供のいる方です。転勤がなく、それなりの収入が見込めるのは魅力的です。

3.専門スキル、知識を身に付けその道のエキスパートとして社内に残るることを模索する

会社にある仕事として最も人数が多くある部門がSVとしてのもので30%以上がこの仕事になってきますが、当然専門的な仕事もあります。配送であるとか人事・IT・経理会計・商品・店舗開発など様々な仕事があります。

その中でも営業成績としての単純な数字だけでは見えない配送や経理会計などはその会社ならではのシステムがあります。そういった部署に若いうちから異動の希望をだし、その部署において仕事を極めていくと、その仕事にはその人以外では替わりが効かなくなります。

そういったその仕事のエキスパートになることによって社内に残るというのは良い選択です。

他業種や他社への転職…不安はよくわかります。

しかし、まくコンビニスーパーバイザー職勤務を抜け出して、人生の立て直しに成功した人の多くは、現在の職場以外への転職の道を選択した人々なのです
この件について、以下でより詳しく説明いたします。

コンビニスーパーバイザー職の辞め方とタイミング

辞め方とタイミング1:離職の時期を重要視する

転職・独立をする場合、時期は大事になってきます。仕事を辞める際には今後のこともあるかもしれないので、できるだけ円満な退社になることが望ましいです。

他社への転職の場合はどの時期でもあまり変わらないかもしれません。誰かが辞めばどこかから補充されたり、若い社員が昇格したりして対処されます。そのため、1年を通してどの時期でも同じですが、同じ部署や近隣エリアで退職者が別にいる場合は時期をずらした方が良いです。

しかし、FCオーナーとして独立する場合は慎重に検討するべきです。独立するタイミングで良い店舗で独立できるかどうかはわかりません。

また、すぐ独立できる状況にあるかどうかという問題があります。良い物件がないと時期を待たなければならなくなります。その場合、独立待ちでの仕事の継続は仕事をしている間、やりにくいものです。

だからと言って、焦って決めてしまうと今後の生活に大きく影響してきます。独立希望であることは事前に伝えておく必要はありますが、時期の決定は店舗開発担当などと仲良くしておき、情報収集をしっかりしてタイミングを見計らう必要があります。

あと、退職する場合には、会社側の人員整理をしたいタイミングと合うことが理想です。退職する際に退職金などが上乗せされたりもします。ただ、これは会社上層部、それもコンビニ各社の場合は商社の意向によるものが大きいため、調べてもわかりにくいです。

ちょうど退職を検討しているとき、早期退職制度が出たとすれば急いで行動に移すことがよいです。

辞め方とタイミング2:退職するには半年くらい準備する

退職を考えた場合、退職届を出してすぐ退職できるものではありません。就業規則で言えば1か月前に言えばよいですが、実際はそういうものではありません。

多くの場合、退職の意向を伝えるとまずは直属の上司からの引き止めがあります。それでも意を覆さない場合、さらに上の上司や人事の担当者が出てきて引き止めをします。

ここまでの段階で、退職を希望する理由を聞かれますが、希望する勤務地や他部署への異動なども含め、かなり魅力的な内容の提案をなされることもあります。それでも意を覆さない場合、退職の時期の相談となります。

円満な退職のためには、なるだけ迷惑をかけない時期を考え、3月末や9月末などの異動のシーズンなども考えます。

それと、退職する場合、賞与の支給時期のこともありできれば賞与をもらってやめたい、4月1日を跨ぐと勤続年数が増え、退職金が増えるとか、有給休暇の日数が増えるタイミングなどもあります。

有給休暇はすべて消化するというのはコンビニ業界ではなかなかないことです。そのため、残った有給休暇を消化する形になるため、これらのものを計算しながら最終出勤の日を決めていくようになります。

そのため、約半年くらいは退職するのに時間がかかると思っておく必要があります。

コンビニのスーパーバイザー職勤務経験が優遇される、より就労条件のよい「おすすめ転職先」の例

1.自社FCコンビニオーナーとして独立開業する場合

転職・独立の中では最も円満で、これまでの経験を活かすことができるので、最も先ほど、時期を重視するところでも記載しましたが、無難な選択です。これまでの仕事がそのまま活かせる上、同じ会社であるため知り合いもたくさんいます。
他のオーナーと比べてもキャリアも人脈もある状況です。

また、独立する場合は、会社もベテラン社員を出向させることもなく会社の利益を生み出す形でのものになるので言うことありません。

注意すべきことは、先ほど時期が重要と言いましたが、時期には特に気をつけるべきです。コンビニの場合、売れるかどうかは8割方、立地によって決まるといっても過言ではありません。そのため、良い立地の店舗を手に入れることが成功への一番の道です。

長年、経験してきていたら良い立地かどうかを見極める力を身に着けていると思います。また、自分に自信がない場合、いろいろの人に相談して判断することもできます。

そのため、店舗選びの選択肢がたくさんあれば、当りと言われる売れる店舗を引き当てることも可能性が高まります。

しかし、独立するタイミングで当たりそうな物件がなければどうしようもありません。そのため、立地の良い店舗がありそうな時期を選ぶことが大事になってきます。

2.他社のFCチェーンに入って独立開業する

世の中には様々なFCチェーンがあります。どこのFCチェーンも本部が加盟店に対し、何らかの指導をする形のものが多いです。

そのため、他のFCチェーンと比較しても取り扱う商品は違うものの、仕事内容は似ていることが多く、新たな会社に転職しても新しい仕事に慣れることも早くでき、またこれまでの経験をそのまま活かすことも可能です。

コンビニ以外のFCチェーンの場合、24時間年中無休での営業をしていることは少なく、勤務時間の不規則さは今よりも改善されることが多いです。そのため、転職先としてはFCオーナーとして独立するということの次に多いです。

希望するライフスタイルに合わせて転勤の少ないところ、休日がしっかりとれるところなど選ぶこともできます。ただし、給与面では現状より下がることの方が多いです。その点にはしっかり注意しておく必要があります。

3.学習塾の講師等に転職する

一見すると全くの別業種のように見えますが、コンビニのSVは店舗のオーナーやバイトの人などに様々なことを指導します。仕事を円滑に進めていくためには相手がしっかり理解し、実行できるように指導する必要があります。

SVをしている人は大手企業の社員であるので偏差値の高い大学を出ていることが多いです。逆に、店舗でオーナーをしている人は地元の人が多く、勉強面ではあまり得意ではない人が多かったりします。

また、バイトも同様です。
高学歴の人が、そうではない人に指導する場合には言葉を選びながら丁寧に説明する必要があり、それは学習塾において子供を指導することと共通してきます。

学習塾には生徒の対象が勉強の得意な子向けの塾もあれば苦手な子向けの塾があり、それぞれの塾によって必要とされるスキルは変わってきます。

コンビニのSVからの転職の場合、勉強の苦手な子への指導をする学習塾への転職もこれまでの経験を活かして仕事ができます。これはあまり知られていないですが強くおススメできるものです。

人生の選択肢は常にあなた自身が持っている

コンビニスーパーバイザー職勤務のあなたの人生を変えるために、まず一番注目すべきことは「今の会社以外にも職場は沢山あることを知る」ということです。
案外、外部と交流がないコンビニ業界人は井の中の蛙になることが多いです。
自分の会社以外のことを全く知らないというケースも非常に多いようで、勇気を出して一歩外に踏み出せば大きな海が広がっているということを、改めて考えてみてはどうでしょうか。

兎に角、どうしても今の悩みが解決できなければ「別に辞めればいい」「辞めたっていいんだ」「自分は自由に人生を選択できるんだ」と割り切ること。

周囲からの目を気にしたり、あなたの人生と無関係な上司のメンツを立てて、自分の人生を後回しにしてします思考こそが「今の職場を辞められなくなってしまう」ことの最大原因であり、悩みをより深くして人生を間違えてしまう事につながります。

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