
波止 鏡子

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システムエンジニアを辞めたい人へ=つらい仕事と会社を上手に辞める方法
記事の目次
システムエンジニアで仕事の悩みを深く抱え込んでいるのは、決してあなただけではありません。
システムエンジニア(SE)とは、システムの設計や開発、テストを手掛ける技術者ですが、あなたをはじめ、多くの同業者が日々自分の仕事に疑問を持ちながら戦い続けています。
- 顧客へのヒアリングでどんなシステムを望んでいるのか明らかにする要求分析
- 顧客のニーズを実現するためのシステムを設計する基本設計
- 実装する予定の機能に対して技術や仕組みを設計する詳細設計
- きちんと設計通りの動作をするのか確かめるテスト
こういった業務と携わる職業で、技術的能力だけではなくコミュニケーション能力やマネジメント能力も必須です。
一見、外部から見ると人的コミュニケーションは相対的にそれほど必要なく感じられる技術職と思われがちですが、実際には多くのシステムエンジニアの方々が「人間を起因とする職場のトラブル」に悩まされていることがわかります。
この記事を読んでいて職場の悩みを抱えているシステムエンジニアのあなたは、自分だけが悩みを抱えているのではなく、多くの同業者が同じ原因の職場の悩みを抱えていることを、知ることになると思います。
システムエンジニアを辞めたい理由は?

システムエンジニアを辞めたい理由は?
システムエンジニアと聞き、「専門的な内容だから難しそう」「パソコンと向かい合ってハードな業務を行っていそう」といったイメージを抱いている方は多いかもしれません。
システムエンジニアの中には今の仕事を辞めたいと考えている方は多く、あらゆる職業の中でも転職が多いのが特徴です。
あなたをはじめとするシステムエンジニアの方が、今の仕事を辞めたい理由が何なのか、代表的なものを幾つか挙げてみました。
労働環境が非常ハードで身体と心が日々酷使される
中でも労働環境の悪さ(ハードさ)や座りっぱなしでの長時間労働を中心とする過酷な仕事がシステムエンジニアを辞めたいと考える理由の一つです。
ただでさ面倒な作業なのにも関わらず、納期ギリギリになると残業続きで追い込まなければなりません。
- デスマーチと呼ばれる過酷な労働環境で働かされる
- 深夜残業やサービス残業は当たり前
- 納期前は泊まり込みで徹夜
- 休日出勤するのが日常茶飯事になっている
- 個人の体調よりも納期優先の業務
会社によって異なるので一概には説明できないものの、他の職種と比較して上記のようにハードワークが続きます。
SEの仕事に定時や勤務時間の概念が存在しないとも言われており、身体を酷使しすぎて辛いと感じるからこそ辞めて他の職種へと転職したいと考えるのです。
ちなみに、システムエンジニアはハードな腰痛持ちが多い職業としても、医療業界では知られています。
また、単純に労働時間だけではなく、職場の空気の悪さを辞めたい理由として挙げているシステムエンジニアもいました。
- 納期が近くなると職場全体がピリピリとした雰囲気になって嫌だ
- コミュニケーションを上手く取れない人が多い
- 上司が責任のなすりつけ合いを行っている
- 表向きは仲が良くても陰口が酷くて社内の人間関係が険悪
- 口汚く罵られたり逆切れされたりする
このような口コミが多く、仕事を辞めたい理由の中でも人間関係の悪さは確実に1位です。
システムエンジニアは一人で黙々と作業をこなしているイメージがありますが、同じように人と関わる仕事だからこそコミュニケーション能力のない人は特に辞めたいと感じてしまいます。
ハードワークで会社に貢献しているにもかかわらず、給料や年収が明らかに安い
スキルや経験、勤めている業界によって違うものの、システムエンジニアは過酷な業務の割に給料や年収が安いのが特徴です。
大よそ年収は450万円~550万円で、「そこまで安くないのではないか?」と考えるかもしれません。
しかし、システムエンジニアは日々自己研鑽に励まなければならないので、業務以外の場所での勉強時間も確保する必要があります。
- 残業時間が長い割には残業手当が全く出ない
- 裁量労働制の年俸制が取り入れられている
- 年功序列や男女差別で中々昇給できない
こういった理由も積み重なり、場合によっては新人のコンビニバイトよりも時給が安かったという方も多いので「辞めたい」「転職したい」と考えるのです。
ハードワークでも十分な給料を貰えているのであればまだしも、スキルに見合った十分な報酬が支払われていないのがシステムエンジニアの現状だと言えます。
入社前に考えていたようなスキルが身に付かないことが、どうしても我慢ならない
新しい技術やITに興味があって、クライアントの役に立つために努力できる人にとってシステムエンジニアは天職です。
しかし、システムエンジニアとは名ばかりで、ドキュメント作成や人の管理ばかり任されていると得られる経験やスキルがほとんどありません。
- 下請け企業の管理
- プロジェクトの進行管理
- 顧客への資料作成
- ドキュメントのバージョン管理
上記の業務に追われて一向にスキルが身に付かず、気付いたら自由に転職するのが難しい年代になっていたというケースもあります。
漠然とシステムエンジニアを続けていても市場価値のあるスキルを身に付けるのは意外と難しく、潰しが効かないのも辞めたい大きな理由なのではないでしょうか。
しかも、SEは35歳定年説が叫ばれていて、幾つかの根拠を以下ではまとめてみました。
- 激務に追われる日々が続くので体力が必要
- コンピュータサイエンスにおける労働で階級が一番下
- 管理職となるとプログラマと呼ばれなくなる
- 最新の知識を学び続けるには若年が必須(脳細胞がまだ活性化している時期)
体力的にも精神的にも年齢を重ねれば重ねるほど辛くなり、余程偉い役職にでも昇進できなければ社内に残るのも厳しくなります。
中年以降のキャリアプランを描きにくいからこそ、20代のうちにシステムエンジニアから転職して別の職種で頑張る人が多いのです。
精神的なストレスが溜まりやすい人間関係に我慢し続けなければいけない
仕事をして給料を貰うに当たり、気の合わない上司や同僚とも我慢して接していかなければなりません。
この点ではどの職業の方にも該当しますが、システムエンジニアは特に精神的なストレスが溜まります。
- 自社での仕事だけではなく出向型のシステムエンジニアも多い
- 決められた期間だけ他社へと出向して業務をこなす
- プロジェクトが終わる度に別の職場で働かなければならない
- 職場が変わる度に人間関係を新たに構築しなければならない
このような環境で過ごしているとストレスやフラストレーションが溜まって精神的に不安定な状態になりやすく、「これ以上は我慢できない」と辞める決断を下すのです。
技術の変化についていかなければならない
システムエンジニアは工場の品質管理のようなルーティンワークではなく、常に新しいことを学び続けて技術の変化についていかなければなりません。
- IT業界では日々新しい技術や言語が生まれている
- 常に新しい内容を学び続ける姿勢と根性が必要
- 頭の回転が速い人でなければスピーディーに対応できない
- 数年前までは通用するシステムが今では使えないケースもある
こういった業務は単純作業ではないので万人にできるわけではありませんし、上記でご説明した35年定年説のように年齢的にも新しいことを学び続けるには限界があります。
だからこそ今の仕事や会社を辞めたいと考え、別の業界のシステム部門へと転職する方が増えているのではないでしょうか。
技術の変化についていくにはスキルがあっても時間がかかり、「残業が多くて家に帰って寝るだけ」「プロジェクトを複数抱えて休日を取る暇さえない」「障害対応で夜間でも電話がかかってくる」と嘆いているSEはいます。
もう限界が目の前だ…システムエンジニアを辞めたい方は転職を視野に入れてキャリアの再構築を図るのはどうか?

システムエンジニアを辞めたい方は転職を視野に入れてキャリアの再構築を図る方法
システムエンジニアに限界を感じ、このままでは体も心も壊してしまうと心配されている方ならば、真剣に転職を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
- まだ会社に勤めてから3年間しか経っていないからスキルも経験もない
- 30代を過ぎてから自分を雇ってくれるところはあるのか不安
- IT業界でしか活かせないキャリアだから今の自分に自信がない
上記のような不安を抱えている方は少なくありません。
しかし、機を逃すと余計に別の業種や業界へと転職するチャンスが狭まり、嫌で仕方がない場所で働き続ける羽目になります。
開発拠点に閉じこもって作業をしているシステムエンジニアの場合は営業へと同行してお客様と関わる機会が少なく、ビジネスマンとしての基本的な経験を得られにくいのです。
今の仕事が充実していてやりがいがあるのならばまだしも、辛くて辞めたいと追い込まれている方は、全く別の新天地ともいえる職場で働く自分自身を想像してみてください。
システムエンジニアが転職するメリットは?
システムエンジニアが転職するに当たってどんなメリットがあるのかまとめてみました。
システムエンジニアの転職メリット
・休日出勤やサービス残業など過酷な労務から解放される
・職場が変われば精神的なストレスや負担が少なくなる
・場合によっては今の会社に留まるよりもポジションや年収が上がる
・一般職に就けばビジネスマンとしての基本的な経験を得られる
・年齢が若ければ未経験の業界でも十分に飛び込める
全ての人が転職で成功できるわけではありませんが、SEを辞めて給料や年収をアップさせられた方はたくさんいます。
1年間に一度しかない昇給や異動のチャンスを待つくらいであれば、思い切って転職するのは人生における一つの選択肢なのです。
今の会社に対して少しでも違和感を感じていたり、将来性に疑問を持ったりしている方には転職で新天地を探すという道を選ぶほうがよいでしょう。
システムエンジニアを辞めた後の転職先は?
「一度システムエンジニアを辞めたら再就職できないのではないか?」と疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。
確かに、「再就職できない」「働き先が見つからない」「今の自分のスキルに見合った職場が見つからない」といった不安は、転職という行動に移せずに会社へと残り続ける大きな理由です。
そこで、以下ではシステムエンジニアを辞めた後のおすすめの転職先を幾つか挙げてみたので参考にしてみてください。
システムエンジニアに適した転職候補職種
Web系エンジニア:FacebookなどのSNS系やGREEなどのソーシャルゲーム系を開発する企業。
ユーザー企業の社内SE:個別企業のためにシステムを構築するSIerではなく、社内システムの企画や構築を行う担当者。
ITコンサルタント:顧客のビジネス目標の達成に重点を置き、ニーズに合うシステムや技術を提案する業務。
フリーランスエンジニア:特定の企業へと属さずにフリーランスとして自分の腕一本でやっていくエンジニア。
今現在のIT業界では全体的にエンジニアが不足していますし、現場経験があれば転職において非常に有利に働きます。
システムエンジニアとしてのスキルが役立つのかどうかは別として、アパレル関係や電機メーカーなど別の業界へとチャレンジするのも良いでしょう。
「30歳までしか転職はできない」「40歳になったらどこも採用してくれない」と転職においてリミットは特にありません。
しかし、若年層であれば長期的な視点で育成できますし、体力があるという理由で未経験の職種ほど若い方が有利だと心得ておくべきです。
まとめ – 人生の選択肢は常にあなた自身が持っている

まとめ – 人生の選択肢は常にあなた自身が持っている
以上のように、あなたをはじめとするシステムエンジニアの方々が、が仕事を辞めたい理由や転職するメリットについてまとめてみました。
仕事を辞めると一口に言っても、今のシステムエンジニアとしての仕事をこなしながら転職活動に取り組んだり、前職をきっぱりと辞めて働き先を探したりと方法は異なります。
自分のスタイルに合うやり方を探すことで効率良く転職ができるので、自分の希望や性格を加味して活動してみましょう。