企業のEC通販担当者を辞めたい人へ=つらい職場を上手に辞める方法

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
The following two tabs change content below.
北野筆太

北野筆太

ブラック企業の取材などを主なテーマにしているライター。実際の転職経験者にインタビューをすることで、労働者が煮え湯を飲まされるその業界ならではの特殊事情やゆがみを探り当て、「就業する前に(転職する前に)知ってほしい体験談記事」を日々執筆中。

EC通販はまだまだ成長する優良業界。なのに働く人は疲労困憊。笑顔を取り戻すヒントをお教えします。

記事の目次

筆者は滅多に、インタビューの相手に「いま辞めてしまうのはもったいないでしょう」と言いません。なぜならその方にはその方しかわからない悩み…「その会社」や「その業界」に現在進行形で散々苦しめられているからです。むしろ、その方のキャリアを存分に活かせる「別の道」を探すのが筆者の務めであると考えています。

しかし、長谷川太一さん(仮名、35歳)には「辞めてしまうのはもったいないような気がします」と言ってしまいました。それは長谷川さんが、EC通販会社の販売促進担当で、しかもこの道10年のキャリアがあるからです。

ECとは電子商取引のことで、例えば「インターネットでアマゾンに注文する」とか「ヤフオクに出品する」などはすべてECです。

筆者が長谷川さんに「EC通販業界の将来性」についてお教えしたところ、幸いにも長谷川さんは、筆者がお見せした経済産業省などが作成した資料を知りませんでした。長谷川さんは「なるほどぉ、確かにECは魅力ある業界ですね」と納得していただけました。

もちろんこれで長谷川さんの悩みが解決したわけではありません。長谷川さんは「EC通販会社に苦しめられている」わけですし、「EC通販業界に嫌気を差している」からです。

そこで筆者は長谷川さんに、「EC通販業界と関わり合いながら、しかし今の悩みを解決できる道」をお示ししました。

もしあなたも「この道」に興味がありましたら、この記事は4分30秒ほどで読み切れる分量ですので、ぜひとも完読してください。

1兆4千億円の市場から撤退するのはもったいない。働き甲斐をどうやって探すかを考える。

辞めたい理由と悩み1:商取引のEC化の波は止められない。仕事自体はとても楽しいのだが、成長産業ならではの悩みがあある。

長谷川さんが、いま勤めているEC通販、いわゆる「ネットショップ」の運営会社に入社したのは10年ほど前です。契約社員として採用されましたが、すぐに頭角を表し3年目で正社員に昇格しました。

担当しているのは販売促進業務です。商品説明文やキャッチコピーの作成、メールマガジンの執筆と配信といった仕事もありますが、メイン業務は販促企画の立案です。

「販促企画は、それだけでは単なるパワーポイントでできた資料です。私が練り上げた販促企画は、商品を仕入れる人と商品を売る人の納得が得られて初めて、リアルなビジネスに生まれ変わるのです」

EC通販業界に疲れているはずの長谷川さんなのですが、自身の仕事をとても熱く語ります。

それではここで、EC通販会社の仕事の概要を見てみましょう。

EC通販会社の商品管理の仕事は、販促よりさらに裏方業務なのですが、とてもドラマティックです。というのは、例えば芸能人がSNSで一言「この商品いいわぁ」とつぶやけば、あっという間に在庫がなくなってしまいます。在庫が底をつくと、注文してきた客に「納期が遅れる」と説明しなければならないのですが、EC通販の顧客は気まぐれなので「いま手に入らないなら要らない」と言います。

かといって大量発注をかけた途端にブームが去ってしまったら、不良在庫を抱えることになり、会社に損害を与えてしまいます。

商品管理の担当者は、ブームを先取りして、気まぐれな消費者の心をいつもつかんでいないとならないのです。

また、EC通販のサイトを管理する仕事は「時の流れ」をとらえることが求められます。15年ほど前の日本のイベントといえば、正月、バレンタイン、クリスマスくらいしかありませんでしたが、現代はハロウィンも恵方巻もあります。

リアル店舗では中国人の爆買いは一服しましたが、EC通販ではまだまだ中国人客はお得意様です。

EC通販サイトの管理者は、コンテンツの整備がメイン業務となります。コンテンツの企画内容や、どの層の顧客に的を絞るかによって、売上高が乱高下します。それだけにとても責任が重い仕事といえます。

EC通販会社の中で最も地味な仕事は、顧客対応かもしれません。

商品の使い方の問い合わせやなら苦しい仕事ではありませんが、クレーム対応は誰もが嫌う仕事です。しかし激しくクレームを言ってくる客を上手にあしらって、リピーター客にしてしまう顧客対応担当もいます。

またEC通販という人と人の交わりがほとんどない商売において、顧客対応は唯一の人柄がモノをいう業務です。やりがいは決して小さくありません。

これを読んでいるあなたは、どの仕事に就いていますでしょうか。EC通販会社にはスーパーパーソンがいて、その人はここに紹介したどの仕事でもそつなくこなすことができます。これは「ECの客」を熟知している人だけができる離れ業といえます。

経済産業省の「2015年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」は、とても興味深い数字が並んでいます。

ECの市場規模は実に1兆3775億円にものぼります(2015年、★)。金額の大きさも魅力的なのですが、成長率はさらに目を見張るものがあります。2010年から2015年の5年間で1.8倍に拡大しているのです。

さらにEC化率も2010年の2.8%から2015年の4.8%へと、グングン高まっています(★★)。EC化率とは、全ての商取引に占めるEC(電子商取引)の割合のことです。

「2.8%から4.8%へ」についてざっくり説明すると、こういうことです。あなたの月の小遣いが5万円で、毎月その5万円を使い切っているとします。その場合、2010年は5万円のうちネットでの買い物が1400円(5万円の2.8%)だったのですが、2015年には2400円(5万円の4.8%)分の商品をネット経由で購入しているのです。

「私の買い物はかなりネットに依存してきている」と感じるのではないでしょうか。

EC市場規模とEC化率
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
EC市場規模 7788億円 8459億円 9513億円 1兆1166億円 1兆2397億円 1兆3775億円(★)

(2010年比1.8倍)

EC化率 2.8% 3.2% 3.4% 3.9% 4.4% 4.8%(★★)

資料「2015年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」(経済産業省)

電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました~国内BtoC-EC市場規模は13.8兆円に成長~(METI/経済産業省)
電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました~国内BtoC-EC市場規模は13.8兆円に成長~

この数字を見た長谷川さんは「もちろん私もこの業界の人間なので『成長著しい』という体感はありましたが、それでも5年で2倍近く拡大しているとは思いませんでした」と驚いていました。

「一刻も早くEC通販会社を辞めたい」と思っているあなたも、この表を見ると退職の気持ちが少し緩むのではないでしょうか。

悩ませてしまって申し訳ありません。

しかし、長谷川さんの悩みにもう少し耳を傾けると、この業界の問題が浮き彫りになってきます。問題が分かると、あなたの「身の処し方」も明確になるでしょう。

筆者はあなたに「EC通販業界に留まった方が得ですよ」とは言いません。ただ「この業界の魅力と問題点をしっかり把握してから、残るか出るかを決めてはいかがでしょうか」と提案したいのです。

辞めたい理由と悩み2:零細企業では安心して働けない? 社長の一挙手一投足に振り回される日々。

長谷川さんは「業務それ自体」に不満があるというより、「会社の体質」や「仕事のさせ方」に疑問を感じています。これはEC通販業界の構造的な問題といえそうです。

「EC通販は一見すると華やかな業界に見えると思います。しかし、顧客が増えると同時に新規参入するライバル会社も多くなり、どの会社も経営は苦しい状態です。

私が最も『働きづらい』と感じるのは、経営方針がころころ変わることです。私の勤め先もそうですが、他のネットショップ運営会社もほとんどはベンチャー企業です。スピード感のある働き方を良しとする傾向が強く、まさに『朝令暮改』の勢いで社長の方針がコロコロ変わります。

たびたび業務の判断基準が変わり、社員いつも戸惑っています」

長谷川さんのこの話は、あなたにとって他人事ではないのではないでしょうか。

起業やベンチャーという言葉には、新たな挑戦というプラスイメージがありますが、しかし「労働現場」という観点からすると、東証一部上場企業の安心感とはほど遠い、零細企業ならではの不安定さがあります。

零細企業や新興企業では、そもそも「労務管理」という概念がないこともあります。そのような会社は「働く人の権利」にも無頓着で、社長が好き放題やっています。

さらにタチが悪いのは、社長が意識的に好き放題振る舞っている場合です。「俺流を貫いてきたから会社がここまで成長した」と考えている経営者には、誰もブレーキをかけることはできません。

EC通販業界はカリスマ経営者が多いという特徴があり、アメリカだと資産数兆円という人もいますし、国内でも自家用ヘリを所有したり、高級車を何台も買い揃えたり、女優と結婚したりする人もいます。テレビや雑誌に何度も登場するEC通販社長もいます。

しかし、真のカリスマ経営者と、カリスマ経営者の真似をしているだけの経営者は、まったくの別人です。もしあなたが「うちの社長は後者のタイプかも」と思っていたら、筆者はあなたを引き留めません、そのような会社はすぐに逃げ出しましょう。

辞めたい理由と悩み3:価格競争に巻き込まれたEC会社は悲惨。長時間労働でも利益が出ず昇給は10年で500円。

長谷川さんのもうひとつの悩みは、長時間残業です。

「直属の上司は『残業を減らせ』と言うだけです。というのも、職場の人員は明らかに足りていませんし、なのに業務量は増える一方です。だから残業をしていても、上司は黙認しています。

しかし違法残業がマスコミで大々的に報じられて以降、人事担当者がうるさくなりました。わざわざ私たちの職場まで来て、『なんで残業してるんだ』と締めつけます。仕方がないのでノートパソコンを持ち出して、コーヒーショップで『隠れ残業』をします。

会社の事務所ならお湯は使い放題なので、自宅からインスタントコーヒーを持ち込めばコーヒーはただで飲めますが、コーヒーショップで2~3時間居座るにはやはり1000円ぐらい使わないとならないですよね。

サービス残業どころか、『出費残業』ですよ」

長谷川さんのこうした働き方に、デジャビュを感じるのはあなただけではありません。

長谷川さんには、「定額の残業代」として毎月5万5千円が支給されています。会社側の説明では「42時間分の残業代」となっていて、時給に換算すると約1300円です。

しかし長谷川さんは、隠れ残業を含めると少なくとも毎月70時間は残業をしています。この労働対価が5万5千円ですので、「本当の時給」は約790円となり、最低賃金をはるかに下回ります。

残業代の支給でこれだけだらしないのですから、昇給に至っては「社長も人事担当も忘れているんじゃないか?」と感じるほどです。

10年間働いている長谷川さんの基本給は、わずか500円上がっただけです。

ボーナスも出たり出なかったりなので、長谷川さんはローンを組むときにボーナス払いを選択したことがありません。

長谷川さんは筆者に「働いたことに対する評価がないんです」と訴えました。そしてEC通販業界の過酷な価格競争について話してくれました。

「商品の販売個数が増えても、ライバルサイトとの価格競争に陥ると、すぐに販売価格を下げなます。値下げしないとあっという間に売れなくなるからです。ネット顧客は1円に貪欲ですからね。

そうなると売っても売っても利益が出ないんです。仕事が増えても給料が上がらない仕組みなんです。そうして、私を含め、社員はモチベーションを失っていきます。同僚は次々と辞めていきました。常に『次は私だな』と思っていますよ」

では、EC通販企業に勤めるあなたはどうすればよいのでしょうか?
この先もつらい現実に耐えながら生きていかなけばならないのでしょうか?
いいえ、EC通販担当者の人生を変える解法」はきちんと存在していますので、それを今からご説明いたします。

あなたの「会社を辞めたくなる悩み」への対応策

1.人間的に尊敬できる社長を会社選びの優先基準とする。

あなたの悩みが、ワンマン社長の会社運営にあるとしたら、解決方法は簡単です。気が合う社長を探せばいいのです。実はこれが、筆者があなたに最もおすすめしたい「次の道」です。

アマゾンや楽天やyahoo!もEC通販会社ですが、この業界で活躍しているのはこのような巨人だけではなく、中小零細の企業群も順調に収益を上げています。

なのであなたのスキルは引く手あまたです。そこであなたには、「社長を探す転職活動」を行ってほしいのです。

中小零細企業の社長は大きく2つに分かれます。社員を大切にする社長と、私腹を肥やしたい社長です。大手企業は株主や社会の監視の目が厳しいため、社長もあまり無茶しませんが、中小零細企業の社長は「自分のモノと会社のモノ」の区別がつかない人も多く、そういう社長がいる会社に入った従業員は悲惨です。

では社員を大切にする社長はどうやって見つけたらいいでしょうか。答えは「クチコミ」です。あなたもEC通販業界の一員なので、この業界で活躍している社長たちの情報を集めることは簡単です。

まずは、ネットに星の数ほど存在するEC通販サイトを閲覧し、「このサイト、なんか素敵」とか「この商品の売り方、ものすごく上手」と感じたサイトをピックアップしてください。そして気に入ったサイトの運営会社を調べてください。

運営会社の調査も難しくありません、同僚や上司に尋ねるだけです。もちろんあなたが転職活動の一環として同業他社を調査していることは隠しておいてくださいね。

同僚や上司には「うちのサイトもこういう風にできませんかね。どうしてこの会社はこんなにセンスがいいんでしょうか」などと話しを振れば、たくさんの情報が得られるでしょう。

EC通販を含むネット業界の人たちは、自分だけが知っているとっておきの情報を他人に教えたがる性質があるので、あなたにどんどん知識を与えてくれるでしょう。

そうやって「EC通販業界研究」を進めていくと、あることに気が付くはずです。それは「みんなが褒める会社」の存在です。本当に良い中小零細企業は、誰からも非難されません。なので、中小零細企業に関する良い評判は、信じて大丈夫です。

その会社こそが、あなたが探している会社です。でもその会社が求人票を出していないかもしれませんよね。それでも手はあります。

その会社の求人票が見付からなかったら、直接アタックしましょう。

会社に電話をして、採用担当者を呼び出し、「大変ぶしつけながら、履歴書と職務経歴書を送らせてもらってよろしいでしょうか」と申し出てください。

もしその採用担当者が、あなたの電話をむげに断ったら「その程度の会社」と思ってください。というのも、感度の高いEC通販社長は絶えず優秀な人材を探しているので、求人票を出していないのに「履歴書を見てください」と言ってくる熱心な人を放っておかないからです。

2.サイト制作技術を磨き、マーケティング+セリング+技術の3本柱を自分の能力とする

長谷川太一さん(仮名、35歳)は、現在勤めるEC通販会社に10年前に入社以来、販促業務一筋です。もし、あなたも販促一筋でしたら、ぜひこの機会にサイト作りの勉強を始めてください。

「サイト制作なんて無理」「ITの知識はからっきし」という方も安心してください。個人でEC通販を営んでいる人が、驚くほどクオリティが高いサイトを作っていることがあります。こういった人たちは、外注することなく、自力でサイトを立ち上げているのです。

なぜそんなことができるのかというと、「簡単に」綺麗なサイトを作れるソフトが出回っているからです。

もちろん「簡単に」といっても、最低限のサイトの基礎知識は必要です。なのでいまから勉強を始めてほしいのです。

このことは「逆」も当てはまります。

もしあなたがEC通販会社でサイトの運営を任されているとしたら、商品の仕入れや在庫管理や販促や営業を学んでほしいのです。

EC通販は新規参入がしやすい業界です。商品とパソコンとスマホとネットがあれば、自宅でEC通販会社を立ち上げることができます。

しかしひとたびEC通販会社の会社員になってしまうと、与えられた仕事には一生懸命取り組む一方で、他部署の仕事は難解に感じられ手を出したくないと思ってしまうのです。

ところが実際は、他部署の人も数年でその仕事をマスターしているので、あなたも数年勉強すればその仕事を会得できるのです。

販促の人がサイトを知り、サイトの人が販促を知ることは、EC通販の全体像を見ることになります。そうなると管理職の道が開けます。

管理職とは「社長の命令を従業員にさせる人」でもありますが、考え方を変えると「自分がやりたい仕事をスタッフを使って成し遂げることができる人」でもあるのです。

いまのEC通販会社で管理職経験を積めば、メガEC通販企業への転職も可能ですし、独立も夢ではありません。

3.EC通販業界を辞めて他業界に転職する

さて、筆者の「EC通販業界の将来性に関する助言」の甲斐あって、長谷川さんは「いますぐ」退職することを思い止まることにしました。しかし、近い将来必ず辞めることも決意しました。

長谷川さんが目指す道は「ECサイト専属のフリーライター」兼「サイト制作が少しできる人」です。

EC通販のサイトの多くは「この商品で儲けたいんじゃないんです。あなたのライフスタイルを変えるお手伝いをしたいんです」と訴えますが、その言葉はどこか浮ついています。

しかし良質のEC通販サイトの商品紹介の文章には品格すら漂います。というより、品格ある文章が、サイトを良質にするのです。

長谷川さんはブログを「趣味」「思うこと」「ニュース論評」の3つ立ち上げていて、文章を書くことが得意です。そこで、いまの会社は近い将来必ず辞めるけど、EC通販業界に居残る道を模索して、「ECサイト専属のフリーライター」という道を思いついたのです。

さらにサイト制作の勉強も始めました。まずは参考書を買い、独学で基礎知識を学ぶと意気込んでいます。

さあ、あなたも次のステップに進みましょう。

他業種への転職…不安はよくわかります。

しかし、まくEC担当者勤務を抜け出して、人生の立て直しに成功した人の多くは、EC通販会社以外への道を選択した人々なのです
この件について、以下でより詳しく説明いたします。

EC通販会社の辞め方とタイミング

1:専門性が高い職場の後任探しはとても難しいから、あなたは執拗に引き留められる。

転職という次のステップに進む前に、あなたがやらなければならないコトがあります。それは「退職」です。

労働基準法では、サラリーパーソンは2週間前に会社に伝えれば退職できることになっていますが、EC通販業界ではそんなにすんなり進みません。

しかもあなたくらいのキャリアがあると、猛烈な引き留めを覚悟しておいてください。

なにしろ人手が足りていない業界なので、「あなたが辞める」=「単純に上司が忙しくなる」という構図が出来上がっています。

では後任が見付かったら辞めることができるのかというと、そうではありません。EC通販会社の業務は分業が進み、そのためそれぞれの部署で専門性がかなり高まっています。なので新人さんがその仕事をこなせるようになるには時間が必要です。

つまりあなたの上司は、あなたの後任者が見付かっても、その後任者に仕事を教える仕事をあなたにさせたがっています。なぜなら、部下の業務を完璧に代行できる上司が少なくなっているのです。あなたが突如会社から消えたら、その仕事をできる人がいなくなるのです。なので、退職宣言をしたあなたへの妨害は執拗を極めるでしょう。

もしあなたが「うちの上司も、私の仕事を代行できない」と感じていたら、退職は必ず難航します。

2:最後の賃金を支払わない会社もある。泣き寝入りしないで!

これはEC通販業界に限りませんが、中小零細企業の従業員は、「辞めるときにすべての有給休暇を消化することはできない」ことが多い傾向にあります。

大企業など労務管理がしっかりしている会社では、従業員の退職日が決まったら残っている有給休暇を消化させるため最終出勤日を退職日より早く設定しますが、小さなEC通販会社はコンプライアンス意識が弱く、社内に「みんなに迷惑をかけて辞めていくんだから、有給休暇を返上するくらい当たり前でしょ」という雰囲気が漂っています。

もちろん有給休暇を強制的に放棄させることは労働法違反ですが、労働基準監督署が高い関心を持っているとはいえません。また世論も有給休暇の扱いについては寛容なところがあります。

これはとても厳しい現実ですが、もっと悲惨な事例がEC通販業界にはあります。退職者に最後の賃金を支払ない会社があるというのです。

もしあなたがいまの会社を退職し、退職日以降に支払われるべき給料が預金口座に振り込まれていなかったら、必ず苦情を言ってください。苦情を言っても給料を支払ない場合、必ず労働基準監督署や関連労働組合に助けを求めてください。

泣き寝入りしないでください。

EC通販会社の勤務経験が優遇される、より就労条件のよい「おすすめ転職先」の例

1.ネットを中心に取り扱う広告代理店に転職

EC通販会社での豊富な経験があるあなたには、転職活動において「インターネットを使った商売」にこだわっていただきたいです。そこで、ネット広告業はいかがでしょうか。

インターネット広告の将来性は、データが示しています。電通の調べによると、2015年の日本の広告費は6兆1710億円で、前年比100.3%でした(★)。成長はしているのですが、成長率はごくわずかです。

しかし部門別の広告費を見てください。新聞やテレビなど「マスコミ四媒体」は前年割れしている(★★)一方で、インターネット広告費は前年比110.2%と1割以上の伸びを示している(★★★)のです。

2015年 日本の広告費の概要
総広告費は6兆1,710億円、前年比100.3%(★)
4年連続でプラス成長
インターネット広告費が、二桁成長でけん引

マスコミ四媒体広告費(★★) 2兆8,699億円 前年比

97.6%

・新聞広告費:5,679億円(前年比93.8%)

・雑誌広告費:2,443億円(前年比97.7%)

・ラジオ広告費:1,254億円(前年比98.6%)

・テレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メディア関連):1兆9,323億円(前年比98.8%)

インターネット広告費(★★★) 1兆1,594億円 前年比

110.2%

・インターネット広告媒体費

9,194億円(同111.5%)

・インターネット広告制作費

2,400億円(同105.5%)

プロモーションメディア広告費 2兆1,417億円 前年比

99.1%

・屋外広告 3,188億円(同100.5%)

・交通広告 2,044億円(同99.5%)

・折込広告 4,687億円(同95.3%)

・DM 3,829億円(同97.6%)

・フリーペーパー・フリーマガジン

2,303億円(同99.4%)

・POP 1,970億円(同100.3%)

・電話帳広告 334億円(同80.1%)

・展示・映像ほか 3,062億円(同107.7%)

総計 6兆1,710億円 前年比

100.3%(★)

資料「2015年日本の広告費」(電通)

2015年 日本の広告費
株式会社電通は2月23日、わが国の総広告費と、媒体別・業種別広告費を推定した「2015年(平成27年)日本の広告費」を発表した。

EC通販業界とネット広告業界は確かに別物ですが、いずれの顧客もネットユーザーという共通点があります。

EC通販会社で中堅またはベテランの域に達しているあなたは、ネットユーザーの心理や行動原則を把握しているので、あなたは「ネットユーザーに刺さるコツ」を知っていることになります。

ネットユーザーの購買活動をある程度予測できるあなたは、ネット広告業界でも引く手あまたでしょう。

2.EC通販企業のバックエンドを支援する販売促進業界、マーケティング業界に転職

EC通販企業で疲れているあなたに、2番目におすすめしたい仕事は、EC通販企業を支援する仕事です。EC通販をやりたいけどノウハウがないという会社に、サイトの開設や流通経路の整備などを提供する会社です。

なぜ「EC通販の本体」ではなく「EC通販の裏方」をおすすめするかというと、リスクが小さいからです。EC通販を手掛けている会社は、自らが商品を扱ったり在庫を持ったりしなければなりませんので、大きなリスクを抱えているといえます。しかし裏方であるEC通販支援会社は、そのリスクがまったくありません。

繰り返しになりますが、EC通販は今後の商取引の主流になり得るビジネスです。

30年前のコンビニを想像してみてください。当時は「暖かいおにぎりが食べられる」ということがコンビニの最大の売りでした。ところがいまや、コンビニは小売・流通の王者になったばかりか、災害時には重要な社会インフラになります。

その王者がいま、EC通販業を模索しているのです。それが「オムニチャネル」です。オムニチャネルを最も短く定義すると「いつでもどこでも商品の購入と商品の受け取りができる業態」となります。

つまり、サイトで商品を発注して、商品の受け取りと支払いを近所のコンビニで行うといった環境です。

下の求人票を見てください。確かにEC通販を自ら行っている企業の方が報酬は高いのですが、EC通販支援会社の年収もそれほど悪くはありません。

しかもEC通販支援会社の従業員には、「商品を毎月○個売れ!」というノルマはありません。これは大きなメリットですよ。ノルマがない働き方はストレスが少なく、だから今とても疲れているあなたにおすすめするのです。

EC通販会社と支援会社の求人票の比較
会社の特徴 商品 給与、休日
EC通販会社 ベビー用ヘルスケアをネット販売する会社 オシャレな鼻水吸引器やパルスオキシメータの販売。 年収500万~1000万円

年120日休

EC通販を支援する会社 モールへの出店者を支援する会社 広告と販促の企画、検索対策など。製作、仕入れ、受注は行わない。 年収250万~450万円

年125日休

ネット通販を支援する会社 モール型と自社サイト型のW運営の推奨。 年収350万~560万円

週休2日

資料「Webマーケティング(ネット広告・販促PRなど)の転職・求人」(DODA)

転職ならDODA(デューダ) - 検索結果
転職・転職情報はDODA(デューダ)。豊富な転職・求人情報で希望の求人が見つかります。エージェントサービスへのお申し込みで非公開求人の紹介や転職の相談ができる転職サイト。

3.ECサイトに強いウェブサイト制作会社にディレクターとして転職

EC通販会社で販売促進をしていた人にも商品管理をしていた人にもおすすめできるのが、ホームページの制作会社です。

ネットやITの知識を持っていることが望ましいのですが、コンピューターに関する知識がそれほどなくても、「EC通販を知っている」人ならこの世界で活躍できます。

というのも、EC通販サイトの制作会社が提供しているサービスは、ネットやITだけではないからです。

下の表は、EC通販サイトを作っている会社が提供しているサービスの種類です。この中で「ネット、TI、コンピューターの知識」が必要なのは「SEO」「アフィリエイト」「デザイン」「アクセス解析」ぐらいです。それ以外の「広告」「ブロガーとの連携」「コンテンツ企画」「コンサルティング」などの業務で求められるのは「クライアントにEC通販でどうやって儲けさせるか」というスキルです。

ECサイトの制作会社が提供しているサービス
集客支援 接客支援 リピート客向上支援
広告、SEO、アフィリエイト、SNSとの連動、ブロガーとの連携 コンテンツ企画、デザイン、アクセス解析、売上分析 コンサルティング、顧客分析、メルマガの編集、問い合わせ支援

資料「ECサイトの作り方」(ecbeing)など複数のサイトを編集。

ecbeingが選ばれる理由業界実績No.1の【ecbeing】
ecbeingが選ばれる理由ECサイトの構築・売上アップにお困りなら、業界実績No1のecbeingにお任せ下さい。戦略立案から、マーケティング、サイト制作、システム構築、運用、データセンターまでワンストップで提供。自社でもECサイトを運営しているからノウハウが違います。

サイト制作会社は、サイト作りに関するノウハウは既に持っています。サイト制作会社が求める人材は、EC通販とサイトのマッチング能力です。「うちのサイトを使えば、どんな商品だって飛ぶように売れますよ」というPRができるサイト制作会社しか、今後は生き残れないでしょう。それには、あなたの力が必要なのです。

人生の選択肢は常にあなた自身が持っている

EC通販会社勤務のあなたの人生を変えるために、まず一番注目すべきことは「EC通販担当以外の職場もあることを知る」ということです。
案外、外部と交流がないEC業界人は井の中の蛙になることが多いです。
自分の会社以外のことを全く知らないというケースも非常に多いようで、勇気を出して一歩外に踏み出せば大きな海が広がっているということを、改めて考えてみてはどうでしょうか。

兎に角、どうしても今の悩みが解決できなければ「別に辞めればいい」「辞めたっていいんだ」「自分は自由に人生を選択できるんだ」と割り切ること。

周囲からの目を気にしたり、あなたの人生と無関係な上司のメンツを立てて、自分の人生を後回しにしてします思考こそが「今の職場を辞められなくなってしまう」ことの最大原因であり、悩みをより深くして人生を間違えてしまう事につながります。

転職コーディネーターに無料相談することから始める

自分自身でまず何をしてよいかわからないならば、人材紹介会社に登録するのも手。
転職コーディネーター経由で他の業界、企業の内情を知ることができますし、冷静な第三者の目で、あなたのスキルと経験を活かせる新しい職場を用意してくれます。

また、辞めづらい今の職場で、(転職先を紹介してもらった後に)スムーズに次の職場に移動するための方法やタイミングなどもしっかり教えてくれますよ。

いきなり仕事を辞めたりはせず、まずはじっくり転職エージェントと無料のアポイントを取って、今後の動き方を相談しつつ、あなたの希望に沿った新天地候補をじっくりと紹介してもらうべきでしょう。

EC通販企業を辞めたい人は、業界内でも「優秀なコンサル」が揃う転職エージェントのDODA(デューダ)を利用すべき

EC通販企業を辞めたい人には、転職を支援してくれるプロフェッショナル、転職エージェントのDODA(デューダ)の利用がおすすめです。

他業種にしても同業種にしても、「今の仕事を辞めて転職したい」と考えている方をプロが徹底的にサポートしてくれます。

DODA(デューダ)の転職エージェントサービスにどんな特徴があるのか見ていきましょう。

DODAが他社と比較して優れている評価ポイント

非公開求人を含む多数の求人からマッチングして紹介してくれる
・人事担当者を惹き付ける履歴書や職務経歴書の書き方を指導してくれる
内定獲得率を高くするために徹底した面接対策が可能
・自分を最大限にアピールするためのノウハウを提供してくれる
人材紹介利用者層にもアプローチできる

これらのサポートをプロのキャリアアドバイザーと分野別に特化したコンサルタントの2人が行ってくれるので、効率良く転職活動を進められるのです。

同業種への転職とは異なり、EC通販担当者が他業種へと転職するに当たって多少なりともハードルが高くなります。

そんな時に一人で取り組むのではなく、DODA(デューダ)の転職エージェントサービスを利用すれば内定獲得率を上げられるのです。

転職サイトも転職エージェントも完全に利用料金は無料なので、希望の職種に就きたいと考えている方はDODA(デューダ)へと無料登録してみてください。

今すぐに転職する気がなくとも、いつか来る転職の日のための情報入手目的での「お試し登録」もOKです。DODAの担当エージェントは、無理に転職を急かさずに、じっくりとあなたの話に耳を傾けてくれますよ。

DODAへの無料お試し登録はこちら

DODAの無料お試し登録はこちら

<<DODA(デューダ)>>

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントの入力は終了しました。