パソコン教室の講師を辞めたい人へ=つらい職場を上手に辞める方法

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加




The following two tabs change content below.
北野筆太

北野筆太

ブラック企業の取材などを主なテーマにしているライター。実際の転職経験者にインタビューをすることで、労働者が煮え湯を飲まされるその業界ならではの特殊事情やゆがみを探り当て、「就業する前に(転職する前に)知ってほしい体験談記事」を日々執筆中。




記事の目次

パソコン教室の講師はIT化が遅れている企業の「最先端技術対応への救世主」。なのに講師たちの働く環境は「最後尾待遇」。

シングルマザーの柿本裕子さん(仮名、39歳)は、「私のキャリアの中で、パソコン教室の講師だった1年半ほど無駄な期間はありませんでした」と話し始めました。

相当お疲れの表情でしたが、一度しゃべり始めたら止まらないといった様子で、次々心情を吐露し始めました。

「その求人票を見たとき、それまでにプログラミングとホームページ制作を少しかじったことがあったので、パソコン教室で教えることは難しい仕事ではないと思っていました。それと『教室』という響きから、ギスギスした感じがないように思ったんです。

その印象は、採用面接を受けても変わりませんでした。面接をしてくださったのは社長と副社長で、2人はご夫婦なんですが、私に『子供が小さいんじゃ大変でしょ』とか『パソコンを習いにくる生徒さんたちはみんなスキルアップに熱心な方ですから』と言ってくれて、アットホームな職場を連想しちゃったんです。

でも、現実はそんなに甘くありませんでした。本当に苦しい1年半でした。プライドを大きく傷つけられましたし、自信を失くしました。最近は少しずつ傷も癒えてきましたが、でもまだ、当時を思い出すと悔し涙が出てきますね」

読者に誤解を与えないように一言お断りさせていただくと、柿本さんが勤めていたパソコン教室は、相当たちが悪い企業です。なので、柿本さんの体験は、この業界の一般的な働き方とはいえないでしょう。

しかし、現役のパソコン教室講師のあなたなら、柿本さんの話を聞けば「うちも大体そんな感じ」と思うでしょう。

パソコン教室は起業しやすい業種なので、経営スキルが低い人も参入している現実があり、良い会社と悪い会社が極端なのです。

もしあなたが、「自分は良いパソコン教室に入社できた」と感じているのであれば、以下の記事を読む必要はありません。

ただ、「自分は悪いパソコン教室で働いているかも」と感じた方は、この記事は3分半で読み終えることができるので、最後まで読んでいただくことをおすすめします。

パソコン教室業界ならではの、就業中の不満、大変さ、辛さと悩み

辞めたい理由と悩み1:クレームが出ると反省会。残業が出ないどころか罰金を支払わされる。

柿本さんが勤めていた会社は、都内と埼玉県内に計3つのパソコン教室を持ち、いずれも駅前の雑居ビルに入居していました。柿本さんの勤務先には3つの教室があり、柿本さんはそのうちの1つの教室を受け持っていました。

柿本さんを最も苦しめたのは、毎月リセットされる売上額の算定です。会社は、教室ごとの売上額を毎月算定し、それを全講師に伝えていました。当然のことながら、毎月月初になると売上算定額がリセットされます。

講師たちは毎月1日に「また0から売り上げを作っていかなければならないのか…」と溜息をつくのでした。

売上目標は「採算ベース」と「本当の目標」の2つがありました。「採算ベース」の目標金額は、それに満たないと採算割れするという額で、2カ月連続で採算割れを起こすと副社長に呼ばれ、「採算割れということは、あなたはその月、ボランティアをしたことになり、会社はボランティアに給料を出したことになるんですよ」と言われました。

採算割れが3カ月続くと、社長が授業を視察します。そして授業終了後、ダメ出しの連打を浴びる反省会が1時間以上続きます。反省会には残業代が出ないどころか、「社長が授業を手助けした」とみなされ、「講師が仕事を全うできなかった」ということで給料が減額されるのでした。

クレームが発生しても、講師は1件500円から最大1万円の罰金を会社に支払わなければなりません。柿本さんは生徒から「ウインドーズ10を使った講義を期待していたのに、いまどき7とは」というクレームを受けて、罰金を支払わされました。

当然、授業で使うパソコンは会社側が用意するので、ウインドーズ10を搭載したパソコンを用意しなかった会社側の責任なのですが、副社長は柿本さんに「すべての教室で同じクレームが出たなら、罰金は課しません。でも今回はあなたの生徒からしか苦情が来ませんでした。ということはあなたの教室コントロールがまずかったということですよね」と言われました。

柿本さんは支払う気はありませんでしたが、罰金は給料から天引きされました。

あなたも会社の理不尽なルールに怒りを覚えたことがあるのではないでしょうか。パソコン教室を運営しているのは中小零細企業が多く、こういう企業では賃金体系がしっかり定まっていません。

というより、社長が自由気ままに賃金を決めたいので、あえて賃金体系を整備しない会社すらあるのです。

このようなブラック企業では「従業員のやる気」や「カイゼン運動」では、職場の境遇を良くすることは難しいでしょう。

成功しているパソコン教室の特徴
何に成功しているか →どうして成功したか
ショッピングセンター内への進出に成功 →ショッピングセンターはパソコン教室にとって生徒が集まりやすい人気物件
人口が少ないエリアで成功 →少人口エリアは大手が敬遠するので、ニッチ市場での勝利の方程式を持つ教室は強い
自宅+1~2教室で成功 →絶対に背伸びしない戦略は「負けない」確率が高くなる

資料「パソコン教室向け、超繁盛教室づくりのための経営戦略レポート」(船井総研)を参考に筆者が編集

http://www.funaisoken.co.jp/file/pdf_goods_312556_01.pdf

辞めたい理由と悩み2:チラシのリニューアルは時間がかかる「追加業務」。効果はあるが「とても面倒くさい」。

柿本さんは幸いにも、採算割れを起こしたことはありませんでした。しかし、採算割れは最低限の数字であって、講師には「会社の儲け」が出る「本当の目標金額」がありました。さすがの柿本さんも、その金額をクリアできなかったことは何か月かあり、そのときは副社長から軽い嫌味を言われるのでした。

「嫌味は聞き流せば実害はない」と柿本さんは自分に言い聞かせましたが、実害が出てくるとそうはいきません。柿本さんにとって大きな実害は、残業代が出ないことでした。

最も早く開始するクラスは、午前10時から始まる主婦向けコースですが、事前に教室の清掃と資料の印刷などの雑務があるので、柿本さんは午前9時には教室に入っていました。

そして退勤時間は必ず22時を越えるのでした。生徒から質問が出たらそれに応じなければなりませんし、覚えが悪い生徒には補講をする必要があったからです。

会社側は「補講をやっても残業代は出さない」と言っていましたが、出来の悪い生徒は、補講がないとほぼ100%の確率で辞めてしまうので、売上確保のために補講は必ず行っていました。

柿本さんを暗い気持ちにさせるのはそれだけではありません、チラシのリニューアルです。チラシは会社が印刷屋に発注してポスティング業者に配布を依頼しているのですが、「チラシの原案」は講師が考えなければならないのです。

柿本さんには「チラシの原案を変えると問い合わせが増える」という実体験があるので、これも手を抜けない仕事といえます。

他の講師はチラシの原案作りを自宅に持ち帰っていますが、柿本さんは「家では子供の話に集中したい」と考えていたので、必ず会社で仕上げました。そうなると日付が変わることも珍しくありませんでした。

あなたも「この雑務は私の仕事?」と感じることは少なくないでしょう。

あなたのように「パソコンを教えるプロフェッショナルでありたい」と意識している人ほど、雑務によって心身がむしばまれていきます。

頑張りが評価にも給料にもつながらないとしたら、その頑張りはいつまでもつでしょうか。

近い将来に経営が危ぶまれるパソコン教室の特徴
チラシ反響も新規客も減少傾向
教室を開いている地域の人口が減っている
地域でパソコンを使える人が増えている
定年退職者人口が少ない

資料「パソコン教室向け、超繁盛教室づくりのための経営戦略レポート」(船井総研)を参考に筆者が編集

http://www.funaisoken.co.jp/file/pdf_goods_312556_01.pdf

辞めたい理由と悩み3:突然提案される合宿は当然のように全講師が強制参加。判断ができなくなるほど麻痺してくる。

パソコン教室には大手企業が展開するフランチャイズもありますが、柿本さんが1年半勤めたパソコン教室は、夫が社長、妻が副社長という典型的な「家内制手工業的零細企業」でした。

社長が右と言えば全員右を向き、左と言えば全員左を向くのが当たり前、という風潮です。あるときは、社長が思いつきで「泊まりの合宿をやる!」と言い出して、急遽、貸し会議室を持つ日帰り入浴施設、いわゆる健康ランドに一泊することが決まりました。日当7,000円が出ましたが、その中から施設の入場料を支払わなければなりませんでした。もちろん講師は全員強制参加です。

もしこの合宿の内容が中身のないものであれば、柿﨑さんは即刻退職していましたが、社長の話には「なるほど」と納得できるところも多かったのです。

柿﨑さんは「社長には、合宿に強制参加させるだけの力と威厳がありました。カリスマ性といってもいいかもしれません」と振り返ります。

あなたも、いまの仕事に苦しめられていると自覚しながら、社長をリスペクトしているのではないでしょうか。一般的に「企業は5年続けばしばらく生き残れる」といわれています。つまり、会社を5年間続けている社長はそれだけの手腕を持っているということで、「社長に魅力がある」ことを意味しています。

「自分の会社はブラック」と認識しつつ、その会社から逃げ出さない人は、そういう「社長の魅力」に取りつかれてしまっている場合が少なくありません。

あなたの感覚は麻痺状態に陥っていませんか。

あなたにかけられた魔法は解くことができます。次に、その解き方をお教えしましょう。

10年後も存続できるパソコン教室とは
チラシを使わずに新規客を毎月10名以上確保できている
シニア層頼りではなく、30~50代女性を取り込めている
卒業生へのフォロービジネスが収益に貢献している
パソコン教室ビジネスモデルを、カルチャーやダンスなど他の種類の「教室」運営に応用できている
「教える」+「接客」+「営業」の3拍子そろっている社員が2名以上いる

資料「パソコン教室向け、超繁盛教室づくりのための経営戦略レポート」(船井総研)を参考に筆者が編集http://www.funaisoken.co.jp/file/pdf_goods_312556_01.pdf

では、パソコン教室講師で勤めるあなたはどうすればよいのでしょうか?
この先もつらい現実に耐えながら生きていかなけばならないのでしょうか?
いいえ、パソコン教室の講師人生を変える解法」はきちんと存在していますので、それを今からご説明いたします。

あなたの「会社を辞めたくなる悩み」への対応策

1.零細教室勤務から抜け出し、業界大手のパソコン教室に転職をしてみる。

パソコンが苦手だった人がネットの便利さに感動した瞬間、あなたは「やりがい」を感じることでしょう。

「スマホに大金を投じるなんて馬鹿くさい」と言っていたおじいちゃんが、「孫とのLINEにはまっている」と報告してくれたとき、あなたは「この仕事を続けてきて良かった」と思うでしょう。

パソコン教室の講師であるあなたは、ITの伝道師です。ITができない人は、情報難民といってよく、確実に生活の質が落ちます。あなたはそういった人たちを開眼させているのです。

だから、あなたはこの仕事が好きなのです。

では「この仕事は続けたいけど、いまの職場は我慢できない」というパソコン講師は、パソコン教室大手に転職してはいかがでしょうか。

日本人は「絶対賃金額」より「相対賃金額」を気にする、とよく言われます。

「自分の能力はこんなものだから、この賃金で満足」と思ったり、「この賃金は私の能力に照らし合わせると少なすぎる」と感じたりするのが、「絶対賃金額を気にする」行為です。

一方で、「私の給料が安いのは我慢できるけど、あの人より低額なのが許せない」とか「転職すれば賃金が上がることは分かっているんだけど、社長が私にだけボーナスをくれたのでもう少しここにいる」と考えるのが「相対賃金額を気にする」人の思考です。

筆者の肌感覚で申し上げますと、パソコン講師は相対賃金額を気にする人が多いようです。というのは、パソコン業界やIT企業は比較的高給が狙えるのに、あえて賃金が高くないパソコン教室業界にいるからです。パソコン講師は、収入より人に教える仕事にやりがいを重視しているのでしょう。

相対賃金を気にする人は、勤務先の上司や経営者に「フェアであること」を求めています。あなたがそのタイプの講師であれば、大手パソコン教室の企業に転職すると、ストレスの軽減が図れます。大手は賃金体系や評価基準がしっかりしているので、「きちんとした実力主義」となっています。

2.自ら独立起業をして理想のパソコン教室を開く

あなたにおすすめしたい第2の道は起業です。あなたほどの実績があれば、あとは1.融資を受ける、2.生徒確保が見込める場所の選定、3.人を見る力――という3つのハードルしかありません。

1については、最近は政府が個人の起業を後押ししているので、政府系金融機関が気軽に資金繰りに相談してくれるようになりました。

2はいわゆるマーケティングですが、そこまで難しく考える必要はありません。あなたは「パソコン教室に通う人」と「通わない人」の区別がつくと思います。その区別さえつけば、あとは「通う人がどこに多く住んでいるか」を探し出すだけです。その地域に教室を開けば、生徒は集まってきます。

3が一番ハードルが高いかもしれません。パソコン教室を開いたら、あなたと同じぐらい上手に教えられる人を雇わなければなりません。求人票を見て応募してきた人の力量と人柄を、あなたは履歴書と職務経歴書と採用面接で見抜かなければなりません。

もし、人を見ぬく力や、人を雇うことに自信がなければ、現在勤めているパソコン教室の講師と共同で会社を立ち上げるのも手ですよ。

3.パソコン教室の講師を辞めて他業界に転職する

「もうパソコン教室業界はたくさん」「いちから会社を作るなんて私には無理」

そのように感じているあなたは、パソコン教室業界とはまったく関係のない業界に挑戦するのも手ですよ。

決して「私はパソコンを教えることぐらいしかできない」と思わないでください。そうではなく「パソコン教室を運営するために、これまでさまざまなスキルを身に付けてきた」と考えてください。

あなたも、パソコンに詳しいだけでは講師が務まらないことを重々承知のはずです。生徒たちのレベルに合わせて指導方法を変えたり、クラスの雰囲気を明るくしたり、口コミを広げるテクニックを駆使したり、元々スキルが高い生徒を次のステップに持ち上げたりと、様々な工夫をして、いまの自分があるはずです。

あなたのそのスキルを求める業界はたくさんあります。

そういった企業は、あなたをより良い条件で採用しようと考えています。

転職の準備に取り掛かりましょう。

他業種への転職…不安はよくわかります。

しかし、まくパソコン教室講師の勤務を抜け出して、人生の立て直しに成功した人の多くは、パソコン教室の講師以外への道を選択した人々なのですこの件について、以下でより詳しく説明いたします。

パソコン教室講師の辞め方とタイミング

1:「退職します」と伝えた日から半年間辞めさせてもらえなかった事例も。

現役のパソコン教室講師のあなたに、恐い話を紹介しましょう。冒頭で紹介した元講師の柿本裕子さん(仮名、39歳)は、退職を決心してから実際に退職するまでに半年を要しました。

慰留に次ぐ慰留に2カ月が費やされ、社長と副社長が慰留を諦めてからさらに4カ月かかったのです。それは、柿本さんが会社と結んだ雇用契約書の中に、「退職届を出した翌月から3か月は引継ぎ期間として在籍すること」とあったからです。

契約書に「3カ月」とあるのに、実際は辞めるまでに「4カ月」かかったのは、後任が見付からなかったからです。つまり「引き継ぎ期間」という言葉の中に「引き継ぎ相手である後任が見付からないうちは引き継ぎ期間とカウントしない」という意味が含まれていたのです。

もちろんそんなのは社長が勝手にそう解釈しているだけで、法的根拠は何もありません。むしろ法律としては、働く人は2週間前に退職することを経営者に告げればいいだけです。

もしあなたが優秀な売上成績を残している講師であれば、柿本さんと同じ目に遭うことを覚悟しておく必要があります。そうならないように、予防線はしっかり張っておきましょう。そうしておかないと、次の就職先が順調に見つかっても退職できない事態に陥ってしまいます。

「予防線」とは、①退職の意思を明確に伝えることと、②1カ月以上空けて退職日を設定し、その日は絶対に譲らないと心に誓うこと、の2点です。

②についてですが、法律では退職を告げるのは2週間前でOKですが、あなたのように1つの教室を持たされている場合、2週間で辞めてしまうのはやや酷な印象があります。最低でも1カ月前、できれば2カ月前には退職の意向を伝えましょう。

あなたが退職の二文字を口にした途端に、会社はきっと「給料を上げる」と言ったり、「特別ボーナス」や「営業の免除」といったニンジンを示したりするでしょう。しかしそれに心が揺らいだ瞬間に、あの手この手で攻めてきます。

ブレないこと、これがきっちり後腐れなく辞めるコツです。

2:信頼関係を築いた生徒との別れはつらい。それは仕方がないことかもしれない。

柿本さんが退職時に苦労したのは、会社との関係だけではありません。生徒との関係においても、色々と悩まされました。

最初の失敗は、社長に退職したい旨を伝えた直後に、あるコースで「近く退職します」と言ってしまったことです。柿本さんとしてはきちんとお別れしたかっただけなのですが、生徒の1人が社長に「コースの終了まで柿本先生に教わりたい」と言ってしまったのです。

社長は柿本さんを「退職日が決まっていないのに、無責任な発言ではないか」と責めました。柿本さんもこれについては軽率だったと反省しました。

しかし、先述した通り、退職日が一向に決まらない状況が続き、柿本さんは「生徒たちにはせめて1カ月前には辞めることを伝えたいのに」と、じれる日々を送ることになりました。

また、ようやく退職日が決まり、そのことを生徒に伝えると「どうして辞めちゃうんですか」と聞かれました。

柿本さんは「そのときの私の受け持ち生徒数は約50名だったのですが、1人ひとりに同じことを説明するのが大変でした。真実だけを伝えるのでは会社のイメージも悪くなってしまうので、上手な言い回しをするのが一苦労でした」と振り返ります。

これは「講師ならでは」の悩みでしょう。パソコン教室はビジネスのひとつですが、「教室」は「先生」と「生徒」がいて成り立ちます。先生と生徒の間は、ビジネスの理屈だけで割り切れないものがあります。

あなたもこれまで、「生徒との信頼関係の構築」を意識した仕事をしてきたと思います。それを上手に断ち切ることはとても難しい作業ですが、あなたの次の一歩のためにはどうしても必要な作業なのです。

パソコン教室講師の勤務経験が優遇される、より就労条件のよい「おすすめ転職先」の例

1.介護施設の事務職に転職

「パソコン講師の次の仕事が介護施設?」と思われるかもしれませんが、パソコン講師を1年半で辞めた柿本裕子さんは、次の職場に介護施設の事務職を選び、その選択について次のように述べています。

「これまでまったくなかった自分の時間が持てるようになり、時間の大切さを感じることができました。時間があることで心にもゆとりを持つことができ、自分らしい生き方ができていると思います」

あなたはいま、柿本さんを「うらやましい」と思いませんでしたか? 転職の成功事例にはこうした意外性がたくさんあります。しかも柿本さんは、適当に介護施設事務を選んだのではありません。そこには、見事な読みがあったのです。

介護施設のIT化の遅れは、深刻な事態になっています。介護職員には中高年の女性が多く、この層はパソコンやタブレットなどの機器が苦手で、家族とはメール交換できても、上司から業務でメールを使うよう指示されるとかたくなに拒否します。介護の現場では、いまだにファックスが手離せないのはそのためです。

そこで柿本さんは「介護職員さんたちがパソコンを覚えたら、仕事もプライベートも充実するはず」と考えたのです。また、柿本さんは介護事務に関する書籍を2冊読み、「自分ならできそう」と思いました。実際、介護事務は「ひとクセ」あるのは事実ですが、医療事務に比べると格段にシンプルなのです。

介護業界は将来性も魅力です。国内の介護予算は大体年間10兆円ですが、厚生労働省は今後21兆円まで膨らむと試算しています。

介護保険料や税金を負担する立場でこの数字を見ると「負担が大変!」となりますが、介護で働く人の立場で考えると「まさに成長業界!」となります。

介護の総費用は21兆円まで膨らむ
国内の介護の総費用 40歳以上が支払う毎月の介護保険料の全国平均
2000年度 3.6兆円 2,911円/月
2003年度 5.7兆円 3,293円/月
2006年度 6.4兆円 4,090円/月
2009年度 7.4兆円 4,160円/月
2012年度 8.9兆円 4,972円/月
…中略
2025年度(見込み) 21兆円(見込み) 8,200円/月

資料「介護給付と保険料の推移」(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/dl/link1-2.pdf

2.英会話教室や資格教室の運営スタッフに転職

パソコン教室の講師の仕事に嫌気を差しているあなたは、「教える仕事」ではなく「運営の仕事」に疲れたのではないでしょうか。それは多くのパソコン講師に共通した悩みでもあります。

また、パソコン教室だけではなく、実は英会話教室の日本人講師も「英語のスキルを使った仕事にはやりがいを感じる」一方で「教室の維持管理はしんどい」と言っています。

「働く人の悩みこそビジネスの種」というビジネスの格言があります。

そこでパソコン講師のあなたが「運営」側に回ってはいかがでしょうか。運営の仕事に興味を持つことで、転職の幅はグンッと広がりますよ。

もちろんパソコン教室の運営でもいいのですが、あなたが身に付けたノウハウは、英会話教室の運営でも役立ちます。しかも英会話教室を含む語学ビジネスは、依然として堅調です。いわゆる「くいっぱぐれしにくい業界」なのです。

語学ビジネスには3つの将来性がある
語学ビジネスの事実 →期待できる将来像
①市場規模が8,272億円と巨大 →キャリアを形成できる
②幼児、子供向けサービスが好調 →少子化に苦戦しない
③翻訳、通訳ビジネスも◎ →医療や金融など成長業界から引っ張りだこ

資料:「語学ビジネス市場に関する調査を実施(2016年)」(株式会社矢野経済研究所)

https://www.yano.co.jp/press/pdf/1561.pdf

なにをもって「転職が成功した」といえるのかを判断することは簡単ではありませんが、ひとつ確かなことは、そこで定年まで働けたら、その転職成功といえるでしょう。

定年まで働ける仕事を見付けるには、まずは自分のスキルの「棚卸」をしてください。「できること」をすべて書き出して、「自分が社長ならそのスキルをいくらで買うか」と値付けをしてみてください。その作業を行うと、あなたの労働市場での価値は、相当高値になるはずです。自分を安く売らないでください。

3.実は未経験でも募集が多い穴場…ITエンジニアに転職

パソコン教室の講師は「IT業界の一員」です。なのであなたにおすすめした第3の転職先は、ITエンジニアです。

「エンジニアなんて無理」と思ったあなたは、自身のIT力を低く見積もりすぎています。もしあなたが、「私が教えられるのはマイクロソフトofficeくらい」と思っているとしたら、「マイクロソフトofficeを人に教えられる人はとても少ない」と考え直していただいて全然OKです。

というのも、ITエンジニアを求める求人票には「未経験者歓迎」の文字が並んでいるからです。どうして未経験者が、高度な技術を必要とするITエンジニアになれるのかというと、IT企業はいま1人でも多くのエンジニアを確保しようと、教育制度を充実させているからです。

「未経験OK」のITエンジニアの求人票
会社 月給 仕事の内容 休日など
ゲームアプリ開発会社 月給18万円+インセンティブ。入社1年22歳、年収350万円 ゲーム&アプリ開発。業界屈指の教育体制。 年120日休
ネット企業のサイトを作る会社 月給20万~24万円。入社1年26歳年収330万円。 サーバーとネットワークの構築。「インターネットの仕組みとは」から教えます。大卒以上。 年120日休
展示会専用アプリ開発 月給20万円以上。経験1年26歳360万円。 未経験者には「IT基礎研修」「プログラミング研修」「コンピテンシー研修」を実施。 年120日休

しかし、筆者は「未経験者OKのITエンジニア求人票」がこれだけ多く出されるのは、いまだけだろうとみています。あと2~3年もすれば、さすがにITエンジニアも充足してくるはずです。

そのときは、誰もあなたに教えてくれません。「いまだから」あなたに給料を払ってIT技術を教えてくれるのです。筆者が「転職を決めたら早めに行動を!」と呼びかけるのはそういった意味もあるのです。

人生の選択肢は常にあなた自身が持っている

パソコン教室の講師勤務のあなたの人生を変えるために、まず一番注目すべきことは「パソコン教室講師以外の職場もあることを知る」ということです。
案外、外部と交流がないパソコン教室業界人は井の中の蛙になることが多いです。
自分の会社以外のことを全く知らないというケースも非常に多いようで、勇気を出して一歩外に踏み出せば大きな海が広がっているということを、改めて考えてみてはどうでしょうか。

兎に角、どうしても今の悩みが解決できなければ「別に辞めればいい」「辞めたっていいんだ」「自分は自由に人生を選択できるんだ」と割り切ること。

周囲からの目を気にしたり、あなたの人生と無関係な上司のメンツを立てて、自分の人生を後回しにしてします思考こそが「今の職場を辞められなくなってしまう」ことの最大原因であり、悩みをより深くして人生を間違えてしまう事につながります。

転職コーディネーターに無料相談することから始める

自分自身でまず何をしてよいかわからないならば、人材紹介会社に登録するのも手。
転職コーディネーター経由で他の業界、企業の内情を知ることができますし、冷静な第三者の目で、あなたのスキルと経験を活かせる新しい職場を用意してくれます。

また、辞めづらい今の職場で、(転職先を紹介してもらった後に)スムーズに次の職場に移動するための方法やタイミングなどもしっかり教えてくれますよ。

いきなり仕事を辞めたりはせず、まずはじっくり転職エージェントと無料のアポイントを取って、今後の動き方を相談しつつ、あなたの希望に沿った新天地候補をじっくりと紹介してもらうべきでしょう。

スポンサーリンク