
野村 龍一

最新記事 by 野村 龍一 (全て見る)
- 日本には年収3000万円のA君と年収200万円のB君しかいなくなる - 2019年6月24日
- 外資系アパレルブランド営業マンを辞めたい人へ=つらい職場を上手に辞める方法 - 2018年7月19日
- 機械設計者(計測機器エンジニア)を辞めたい人へ=つらい職場を上手に辞める方法 - 2018年6月5日
記事の目次
会社を辞める前(在職中)と退職当日にすべきこと
退職前にはやることが多数ありますが、どれれ円満退社を目指すためには欠かせない項目ばかりです。ここでは、1.ある程度時間に余裕をもって事前準備をしておくべきことと、2.まさに退職当日に行わなければならないことの2つにそれぞれ分けてご説明いたします。
1.会社を辞める前(在職中)にすべきこと
退職意思を直属の上司に相談する
退職の意向を直接上司に伝え、具体的な退職日を決めることとなります。退職日は自分自身の都合だけでなく、会社業務や担当している顧客の都合なども加味して、全方位で迷惑がかからないように細心の注意を図りながら、上司と相談して決めるべきでしょう。
上司からは退職を引き留められることもあるでしょうが、転職の決意が変わらないように引き止めには安易に応じないようにして、「お気持ちだけ頂戴いたします、本当にありがとうございます」と丁寧に断りを入れること。
また、次の転職先が決まっている場合、いくら仲の良い上司に聞かれたとしても、具体的な転職先については答えないほうが良いでしょう。「まだ決まっていないんですよ」とあいまいに返答をしておいた方が、おかしなトラブルに発展しないで済むはずです。
退職願を上司に手渡す
退職願は必ず上司に直接手渡しいたします。退職願を郵送で送ったり、メール、LINE、SNSのメッセージで退職願の代替をするといった真似は決して辞めておきましょう。
「二度と会わないから」「いままで厳しくされたから」といったような理由で不躾な態度で臨んだりすると、退職金や健康保険をはじめとする様々な手続きだけでなく、業界内外で根も葉もない噂を流されてしまったりするリスクが高まるだけです。
過去はともあれ、退職にまつわることはこれ全て大人の対応が基本と覚えておいてください。
業務の引き継ぎ作業を行う
飛ぶ鳥跡を濁さないために、仕事をを引き継ぐ同僚、先輩、後輩、上司に不要な迷惑がかかわらないように留意してください。
そのためには、在職中に課せられた業務については責任を持って全うし、途中で放り投げることなく、確実に業務引き継ぎを行うことです。業務引き継ぎで手を抜いてしまうと、退職後に質問攻めの電話やメールが舞い込むようになったりして、かえって自分自身に面倒が降りかかることが予想されます。
業務引き継ぎは確かに(退職準備の多忙中に)とても煩わしい作業となってしまいますが、在職中にスッパリと完遂させておく方が、結局は自分自身のためにもなるわけです。
また、あなた個人で立替をした経費の精算もしっかり済ませてください。
取引先などの関係者に挨拶回り/挨拶状作成
この先も長く続くビジネスマン生活では、たとえ他業種に転職しても、今の人間関係をおろそかにせず、いざという時に連絡ができる「積み上げ式の人間関係」が重要となります。
取引先もその例の漏れません。
従って、きちんと取引先などの関係者には挨拶回りをすることを忘れないでください。
挨拶回りの際は、必ずあなたの後任者を帯同させることが重要です。できるだけ、退職の2週間くらい前までに挨拶回りを済ませておくと、退職ギリギリになって焦らずに済みます。
また、どうしても面会が叶わなかった取引先関係者に対しては、時間都合で挨拶状に切り替えることも場合によってはやむを得ないでしょう。
挨拶状はメールやSNS等ではなく、書面でお送りすることが礼儀ですが、実際の取引が薄かった相手などはメールで代替することも近年は黙認されているようです(ただし、その場合でも相手が年長者であるばあいは書面での挨拶の方が無難なのは言うまでもありません)。
必要書類の確認
退職時においてまず確認すべき書類は、年金手帳と雇用保険被保険者証となります。
それぞんれの有無をご自身で確認して、もし紛失などして手元にないようならば、社内で再発行をしてもらう必要があります。
また、退職すると健康保険証を返却しなければならなくなりますので、今のうちに健康保険証のコピー、もしくは、スマートフォンで写真を撮っておくと、後々様々な場面で便利に使えますので覚えておいてください。
住宅ローン申し込み、クレジットカード作成、健康診断は必ず在籍中に済ませる
企業を離れると社会的信用が薄くなることはご存じかと思います。そのため、住宅ローンへの申し込み、クレジットカード作成といった、金融機関との付き合いは会社在籍中に手続きを終えておくのが鉄則といえるでしょう。
特に住宅ローンや車のローンに関しては、転職先が決まっていない場合(つまり無職になった場合)はほぼ金融機関との契約は絶望的ですので、何が何でも今のうちにやっておきます。
クレジットカードを持っていない方についても、今のうちに1枚作成をしておくと、これから何かと生活において便利な場面が増えるでしょう(いざとなったら現金を借りることもできますので)。
また、生活習慣病予防検診を今のうちに活用しておきます。
全国健康保険協会(協会けんぽ)実施の生活習慣病予防検診は、35歳から75歳未満の被保険者を対象としており、補助金で安価な健康診断が受信可能です。
会社が半額負担をしている健康保険に加入している今のうちに、できるだけ健康診断をうけることで、将来的な万が一の健康毀損時の散財リスクを防ぐことができます。
生活習慣病予防検診の内容
検査の内容 | 受診対象年齢 | 自己負担額 | |
一般健診 | 診察、身体計測、血圧測定、尿検査、便潜血反応検査、血液検査、心電図検査、胸部レントゲン検査、胃部レントゲン検査、眼底検査(医師の指示による場合) | 35歳~74歳 | 最高7,038円 眼底検査78円 |
子宮がん検診(単独受診) | 問診、細胞診 | 20歳~38歳の偶数年齢の女性 | 最高875円 |
一般健診に追加して受診できるもの
検査の内容 | 受診対象年齢 | 自己負担額 | |
付加健診 | 尿沈胴顕微鏡検査、血液学的検査、生化学的検査、眼底検査、肺機能検査、腹部超音波検査 | 一般健診を受信する40歳と50歳 | 最高4714円 |
乳がん検査 | 問診、視診、触診、乳房エックス線検査 | 一般健診を受信する40歳~74歳の偶数年齢の女性 | 50歳以上最高1,066円、40歳~48歳最高1,655円 |
子宮がん検診 | 問診、細胞診 | 一般健診を受信する36歳~74歳の偶数年齢の女性 | 最高875円 |
肝炎ウイルス検査 | HCV抗体検査、HBs抗原検査 | 一般健診と同時受診 | 最高612円 |
定年退職の場合は
今回の退職が転職、離職ではなく、定年退職だった場合、まずは自社の就業規則を確認して退職日が正式にいつになる予定なのかを把握してください(不明な場合は総務などに聞くこと)。
また、最寄の年金事務所、年金相談センターにて、自分自身がいくら年金を払い込み、いくら年金が今後貰えるようになるのかを今のうちに試算してもらうとよいでしょう(その際には音金手帳と印鑑を忘れないように持参してください)。
2.退職当日にすべきこと
社内に挨拶廻りをする
いよいよ退職日の当日となったら、社内でこれまで関わりのあった方個々にあいさつ回りをいたしましょう。大企業の部署によっては、あなたが退職することをこの日まで全く知らなかった、という方がいるケースも珍しくありませんので、挨拶する先は事前にリストアップしておくと効率よく挨拶回りができます。
また、最後のあいさつの際には、雑談や冗談だとしても会社や上司などの個人の悪口は絶対に言わないことを心掛けてください。
人の口に戸は建てられません。あなた自身の今後の評判を落とさないためだけではなく、悪口に付き合わされてしまった同僚の方などは、今後も同じ会社に残り続けていくわけなのですから、場合によってはその方の社内での立場が、この悪口談話を契機に不安定になってしまう可能性があります。
また、あなたの次の職場については、(当然ですが)この段階でも明言は避けるほうが良いでしょう。トラブルは思わぬ小さなきっかけで生まれてしまうものです。
会社から支給されたものの返却
総務部などで、会社から支給されたものを返却します。多くのケースでは、保険証、社員証、高齢受給者証(70歳以上75歳未満の方)、社章、名刺、PC、タブレット、携帯電話、制服や作業着などですが、総務の方から返却物のリストが事前に渡されると思います。
また、会社の機密事項や個人情報などが含まれている社内資料、プレゼン資料、マニュアル、文房具などは絶対に外部に持ち出さないでください。コピーを取って複製資料を持ち出すことも厳禁です(必ず大きなトラブルに発展します)。
一部の会社では、あなたがいままで取引先と交換して得た「関係者の名刺」も持ち出しが禁じられている場合がほとんどですので、社則をチェックしてみてください。
因みに、しばしば返却が忘れられてしまうものとして、車、ロッカー、部屋などの鍵類やセキュリティーカードがありますので注意です。
また、最後にもう一度、個人立替経費の精算がないかチェックし、通勤定期の清算も行います。また、健康保険証は退職日まで使用できますが、こちらも必ず返却してください。
会社から預かるものを確認する
退職の際にあずかるものもありますので注意です。
まずは次の年末調整や確定申告で必要となる源泉徴収票を会社から預かります(源泉徴収票は年末までに別途郵送で送られてくるケースも多いでしょう)。
失業保険を受け取る場合の離職票(雇用保険被保険者離職票1と2)と、厚生年金に加入している場合は厚生年金基金加入員証も受け取ってください。
また、もしも年金手帳と雇用保険被保険者証を会社に預けている場合は、必ずこの日には返却してもらう事も忘れないで下さい。
退職証明書は必要な際だけ、会社に請求すると支給してくれます。