出産、育児、介護による退職手続きのまとめ

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野村 龍一

野村 龍一

医療系転職コンサルタント企業で700名以上の医師転職支援に関わる。近年は医療以外にも様々な業種からの「私も会社を辞めたい」という転職相談が相次ぎ、転職成功者のインタビューを敢行中。2016年12月より一般転職に関する情報提供、人生相談を当サイトにて開始。




出産、育児、介護による退職時に気を付けたい手続き

法令制度によって一部の大企業や中堅企業においては、ひところと比べて育児休業がとりやすくなってきた世の中ですが、零細企業やベンチャー企業においては、まだまだ社員に育児休業を満足に支給するレベルに達していない規模の会社が多数を占めています。

我が国の育児休業は女性にとってもそのような状況ですから、シングルファザーを含めた男性の方にとって育児休業は「実務的に」さらに大きな取得の壁が存在しています。

従って企業の従業員にとって出産や育児に直面した際、退職という選択肢を選場ざるを得ないケースはやはりいまでも珍しくありません。

また、近年では少子高齢化の影響を受ける形で、働き盛りの方が肉親や配偶者の介護のために退職をしなければならないケースが珍しくありません。

ここでは育児や出産、または介護を理由に退職を選んだ方々のために、少なくとも退職時に知っておきたい手続きをご説明いたします。

まずは出産、育児理由の退職に関する簡易手続きフローを確認してください。

出産・育児理由退職の手続きフロー

1.退職届の提出(参考

2.業務の引き継ぎ

3.会社へ返却するものと預かるものの確認(参考

4.住民税納付、出産手当金・出産一時金確認

5.退職金確認、「退職所得の受給に関する申告書」提出

6.退職日当日(参考

7.健康保険の切替(国民健康保険、任意継続、扶養家族等)

8.国民年金の切替(任意継続、扶養家族)

9.雇用保険の手続き(離職票の受領と失業保険の受給延長手続き)

10.退職金受け取り

11.出産後に出産育児一時金、出産手当金の請求

12.失業保険の受給をする

出産育児一時金

退職後6か月以内に、健康保険を1年以上継続加入していた方(妊娠4か月以上)ならば出産育児一時金一児につき42万円受けることができます(死産や流産も含む)。支給金は「一児につき」ですから、もしも双子が生まれた場合は、2児として84万円を受け取ることができます。

申請は「退職後6か月以内」となっており、健康保険の被保険者資格を喪失していても、期間内ならば申請、一時金の受給が可能となっています。

出産育児一時金の手続き方法

協会けんぽのウェブサイトより、健康保険出産育児一時金請求書という書類を入手。医師や助産師に証明書として記入してもらった後に、協会けんぽに一時金の請求をしてください。

健康保険出産育児一時金支給申請書 | 申請書のご案内 | 全国健康保険協会

出産費用に一時金を当てることができる

出産育児一時金には「直接支払制度」「受取代理制度」という制度があります。前者は、医療機関に支払うべき出産費用などが生じた場合、協会けんぽから該当医療機関に直接一時金を支払うことができる制度、後者はあなたの代わりに医療機関が出産一時金を(一時的に)受け取るという制度です。

在職中に受け取り可能な出産手当金

出産手当金とは、健康保険加入者が出産を理由に会社を休んでいる際、事業主から給与が支払われない場合に受け取ることができる手当です。

この場合の「仕事を休む」という意味には、母性保護の関係から傷病手当のような要件を満たす必要がないという意味です。また、「給与が支払われない」とは、全く給与が支給されない場合、もしくは、1日当たりの給料額が健康保険加入者の標準報酬日額の6割に満たない場合と指定されています(有給休暇は支給対象日に加わりません)。

仕事を休んだ日に部分的な支払があった場合は、その支払い日額が出産手当金の日額より少ない場合に限り、出産手当金と給与の差額が支給されることとなります。

標準報酬日額…標準報酬月額を30で除した額(10円未満四捨五入)
標準報酬月額・標準賞与額とは? | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

出産手当金の手続き方法

協会けんぽのウェブサイトより、健康保険出産手当金請求書という書類を入手。記入後に、医師または助産師の意見書を添えて、協会けんぽに一時金の請求をしてください。

健康保険出産手当金支給申請書 | 申請書のご案内 | 全国健康保険協会

出産手当金の支給日

出産手当金は出産日(出産日が出産予定日より遅れた 場合は出産予定日)以前42日(多胎妊娠は98日)から、 出産日後56日までの期間について支給されます。

※実際の出産が予定日より遅れた場合は 42日+α+56日(下図参照)

出産、育児退職時における雇用保険の注意点

出産、育児を理由にした場合の退職時には、雇用保険から失業給付を受けることはできません(その理由としては、疾病などと異なりいつでも就職することができるという、まさにお役所的なお題目にあります)。

ただし、育児がひと段落(退職後数年…一般的には3年程)してから求職活動をすることが条件で、失業給付を受けることが可能になります。

育児休業(退職しない)場合は育児休業給付が支給される

退職しないで育児休業を取ることができる場合は、育児休業給付(「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」)が国から支給されます。

介護や看護を理由の退職時には、雇用保険の延長と介護休業給付金の受給を忘れないこと

介護や看護を理由で退職した場合、出産育児を理由で退職したケースと同じく、雇用保険による失業給付を受けることはできません。

しかし、本人の申し出によって、失業給付の受給期間(1年間)を延長することができます。延長できる期間は介護によって就労できない期間(最大3年間)が加算されることとなっていますので、介護終了の段階で求職活動を開始したら、必ず雇用保険延長を申し込んでください。

また、介護による退職時は「介護休業給付金」を介護休業中に受けることができます(上限93日)。対象は雇用保険の一般被保険者ですので、こちらも申請を忘れないでください。

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